著者
田中 清史 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.98, no.233, pp.31-38, 1998-08-04

並列/分散システムにおいて、汎用かつ容易なプログラミング環境を提供するために共有メモリが必須である。本稿では階層コヒーレンス管理および一般化されたコンバイニングのサポートにより効率の良い分散共有メモリを軽いハードウェアで実装する方式を述べる。我々の方式においてディレクトリに必要なメモリ容量はクラスタ数の対数オーダーである。このことから、超並列システムを構築する場合に各メモリブロックについて1ワード程度用意すれば十分であり、ディレクトリのアクセスコストも低い。並列計算機プロトタイプお茶の水5号上に軽いハードウェアDSMおよび一般化されたコンバイニングを簡単なハードウェアで実装した。実際のプログラムを実行してお茶の水5号の性能を測定した結果、我々の方式が並列化の効果を得ることが示された。
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.661-672, 2004-02-01
被引用文献数
16

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.
著者
桑村 仁 松本 由香 武谷 政國
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.62, no.494, pp.129-136, 1997
被引用文献数
5 4

It has been pointed out in this decade that the currently used thick cold-formed box-section columns in building frames may fail in the mode of brittle fracture instead of local buckling, and that their ductility preceding brittle fracture may not be enough to resist a severe earthquake. In order to solve this problem, hot-rolled box-columns have been recently developed, in that the forming is done at high temperature to avoid cold working. In this study, the ultimate behaviors of the box-columns having through diaphragms, which is the current practice in building steel construction, were experimentally investigated. It was found that the newly developed hot-rolled box-columns exhibit much higher ductility than the conventional cold-rolled box-columns when the ultimate state is governed by brittle fracture as well as by local buckling.
著者
阪井 誠 中道 上 島 和之 中村 匡秀 松本 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2575-2586, 2003-11-15
被引用文献数
11

WebTracerはWebサイトをブラウズするユーザの視線と操作の記録,再生,分析を支援するユーザビリティ評価環境である.WebTracerは,ユーザがどこを注視しつつ操作を行ったかをコンパクトに記録することが可能である.評価実験の結果,WebTracerは既存のビデオ圧縮方式であるMPEG-2やMPEG-4に比べ1/10から1/20のデータサイズで,Web操作画面を記録し再生することができた.また,Webページのメニューが2カ所に分かれている場合は注視点の移動速度が速かったなど,視線とユーザビリティが関連している可能性が示された.WebTracerを用いれば,ユーザビリティの共同研究や,ユーザビリティ評価者と開発者の間でデータ交換することが可能になる.また,視線データを利用して問題のあるページを容易に探せるなど,ユーザビリティ評価を効率的に支援できる可能性がある.WebTracer is a new usability evaluation environment which supports record, reproduction,and analysis of a gazing point and operation while a user is browsing a website.WebTracer can record a user's gazing point and operation compactly.Results of an experimental evaluation showed that the size of the operation history taken by WebTracer was from 1/10 to 1/20 of the size of data recorded by an MPEG-2 and MPEG-4 format.Thus, with its compact form,the result of usability testing with the gazing point can be efficiently shared.It is expected that we can easily share empirical data between researchers.Also,evaluators can easily send the testing results as a feedback to the developers.Moreover, the results shows that a possibility that gazing points related to usability.For example, if the menu of a Web page is divided into two panes,gazing points moved quickly.It seems that WebTracer improves usability evaluation efficiently,since gazing point data helps to find out problems from Web page.
著者
引地 謙治 森野 祐直 福田 一郎 松本 壮樹 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.413, pp.17-24, 2000-11-02
被引用文献数
10

現在, 触覚フィードバックデバイスの開発が盛んに行われており, 今後は, 触覚メディアも徐々に普及していくものと思われる.我々は, 触覚を含むマルチメディアをネットワークを通じて取り扱う方法について検討し, ネットワークを通じて共有する環境の構築を目指している.現在, 我々は触覚メディアを含んだネットワークサービスに対してのネットワークの影響について議論するための基礎実験の一環として, 触覚や視覚メディアの遅延やパケット損失, 同期の乱れがQoS(Quality of Service)に与える影響を調査している.本稿では, これらの調査の結果をもとに触覚ディスプレイ(PHAMToM)をネットワーク応用するにあたってのシステムの構成を提案し, 持に遅延に対する影響について考察する.
著者
藤村 直樹 松本 賢治 小野 滋司 尾原 秀明 北川 雄光
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.523-528, 2009-06-25 (Released:2009-07-15)
参考文献数
20

今回われわれは,椎骨動脈転位術を要した椎骨動脈狭窄症の 2 例を経験した.症例 1 は51歳,女性.主訴は視野障害で,精査にて両側の椎骨動脈起始部および左鎖骨下動脈に狭窄を認めた.症例 2 は66歳,女性.主訴は突発性の回転性めまいで,精査にて左椎骨動脈起始部および左鎖骨下動脈に狭窄を認めた.いずれも椎骨動脈転位術を施行し,良好な結果が得られたが,頸動脈や鎖骨下動脈と異なり,椎骨動脈狭窄症に対する治療の適応や治療法の選択については,いまだに確立されていない.一般的に椎骨動脈狭窄症に対する外科的治療の適応は,有症状の狭窄性病変とされているが,統一的見解は得られていない.また最近では血管内治療の有用性も報告されているが,それぞれを比較した報告は認めず,長期成績も不明である.今後低侵襲な血管内手術が第一選択となるであろうが,さらなる検討が望まれる.
著者
持橋 大地 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.4, pp.41-47, 2003-01-20
被引用文献数
2

本報告では 語彙の意味的概念の空間内での表現に関し 空間の性質によらない評価基準を示し 確率的表現が従来のベクトル空間での表現より優れていることを見る.また 計算量上問題となる概念空間の次元数に対し AICによる最適次元数の決定を試みた.This paper proposes a neutral metric of semantic coherence independent of the inherent property of semantic spaces. Using this metric, we show that PLSA representation excels than LSA, and try to find an optimal setting of semantic dimensions based on minimum description length criterion.
著者
竹内 孔一 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.2679-2689, 1999-06-15
被引用文献数
13

近年 インターネットの普及により OCRを用いたテキストの電子化がますます重要な課題となってきた. 日本語におけるOCR誤り訂正の先行研究には OCRの文字候補と品詞タグ付きコーパスを利用した研究がある. しかしながら 分野が異なれば単語の出現分布などが変わることから 誤り訂正を行う分野と同分野のタグ付きコーパスを用意する必要があり それには大変コストがかかる. また 分野によっては統計学習に必要な電子化テキストデータがない場合も多い. そこで まず我々は学習用として電子化された大量テキストデータを仮定したOCR誤り訂正システムを構築し ランダムに生成された文字置換誤りテキストに対する訂正実験を行った. 次に 電子化テキストがない分野に対して OCR処理された誤りを含むテキストを学習に利用するシステムを作成し評価を行った. システムは 文字trigram 統計的形態素解析システム 単語trigramを用いた. 大量テキストを仮定したシステムでは 90%の文字読み取り精度のテキストを92.9%まで改善し 95%の精度のテキストを96.4%にまで改善した. また 電子化テキストデータがない場合について 実際のOCR処理されたテキストに対する訂正実験を行い その有効性を示す.In recent years, OCR error correction is getting more and more important for the purpose of converting printed texts into electronic ones on computers. As a previous work, there exists a study of OCR post processing which uses OCR's character candidates and a morphological analyzer trained on part-of-speech-tagged corpus. However, too much cost is required to prepare pos-tagged corpus for each domain. In this paper, we present an OCR error correction method which uses stochastic language models trained on large texts. We also construct an OCR error correction system which uses OCR's output texts in a domain in which no large scale training text exists. Our system consists of the models of character trigram, a stochastic morphological analyzer and word trigram. We show that the models trained on large texts improve a text of 90% correct character rate into that of 92.9% correct rate and a 95% correct text into a 96.4% correct one. We also show how the models trained on OCR's output texts correct errors in the OCR's output texts.
著者
大蔵 君治 大西 洋司 川口 真司 大平 雅雄 飯田 元 松本 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.275, pp.41-46, 2007-10-15

オープンソースソフトウェア(OSS)開発において,プロジェクトのアクティビティ(開発の活発度)は成果物の品質に影響を及ぼす重要な要因の一つである.OSS開発では,一般的に詳細な開発ドキュメントを作成することは少ないため,開発ツールのログデータを用いた分析手法が多く用いられてきた.しかしながら,開発ツールはプロジェクトによって多種多様なものが使用されるため,異なるプロジェクトに対して同じ分析手法を用いることは困難である.本稿では,多くのOSSプロジェクトにおいて開発に用いられるメーリングリスト(ML)に着目し,開発者の共起性からOSSプロジェクトのアクティビティを予測する手法を提案する.我々は,実際のOSSプロジェクトに対して提案手法の適用実験を行い,開発者の共起性がプロジェクトのアクティビティに影響を与えることを確認した.
著者
渡部 瑞枝 松本 勝昭 安保 進
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.389-390, 1996-03-06

ハードウェアの保守を効率的に行う為には、障害の発生傾向から故障を事前に察知することが望まれる.本稿ではハードウェア予防保全への適用を狙いとして, HARTSシステムにおいてOSが検出するハードウェア障害データを分析する方式について述べる.
著者
吉田 重方 松本 博紀 トルン ブイチ 佳山 良正
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.358-361, 1985-10-30
被引用文献数
1

非マメ科植物根における生物窒素固定能についての調査は主にC_4植物を多く含むイネ科植物を対象として行われており,数種のイネ科植物根やその根圏において半共生的な窒素固定(associative nitrogen fixation)が明らかに存在することが報告されている。さらに,イネ科植物のほかにもトクサ科のスギナやトクサおよびシソ科のStachys sylvaticaなどの根圏にも窒素固定能の存在が報告されている。それらはいずれも窒素固定能の間接的検出法であるアセチレン還元法によったものである。同手法は検出感度が高く,かつ低廉,迅速に窒素固定能を測定し得るために未知の窒素固定系を見い出そうとする場合には有力な手段となる。一方,草地における生物窒素固定の主体は言うまでもなく混生するマメ科牧草による共生窒素固定であるが,著者の1人は草地表面に被覆するランソウ(Nostoc sp.)によってもかなりの窒素固定が行われていることを前報で報告した。本報では,草地における上記以外の生物窒素固定系の存在を検索することを目的とし,各種草地雑草根のアセチレン還元能を調査した。
著者
松本 仁 磯部 明彦
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.603-608, 1981-03-25

The emission spectra and the fluorescence quantum yields of psoralens were measured in various solvents. We found that these compounds show a large Stokes shift, which can be explained in terms of intermolecular charge transfer interaction between a solute molecule and a solvent molecule in an excited singlet state. Psoralens have a larger fluorescence quantum yield in hydroxylic solvents than in non-hydroxylic solvents. These were in the following order : TMP≈5-MOP>PS≈8-MOP≈8-iso-AOP. We postulate that the fluorescence quantum yield is increased by the hydrogen bonding between a solute molecule and a solvent molecule in an excited singlet state. In addition, the fluorescence efficiency was enhanced by the presence of an electron-donating substituent group. The peak wavelengths of the phosphorescence spectra were little affected by the different solvents.
著者
田中 伸之輔 南谷 圭持 中村 優花 平田 謙次 松本 裕希子 原 有希
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.143-146, 2024-01-31 (Released:2024-01-31)

本研究では、組織開発の構造的・技術的側面だけでなく人間的側面を重視する方法として開発された「人間中心設計・実践コミュニティに基づく組織開発手法」が、A社内に導入・展開された約3年のプロセスを事例分析した。その結果、従業員が「組織開発の主体」に成長する、対話型の学習・実践プログラムが段階的に設計されていたこと、人間の認知・感情・行動に着目する人間中心設計の考え方が、従業員のポジティブな感情体験を生み出す組織文化を支えていたことが示された。
著者
白濵 成希 松本 圭司 森谷 健二 合志 和洋 渡邉 志
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.A2-1, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

We have been researching subjective evaluation experiments using Visual Analog Scale (VAS). VAS has the advantage of expressing subjectivity more intuitively. In this paper, we report an attempt of the subjective evaluation related to human lightness sense as fundamental research on what kind of color sense human has. We used VAS to obtain answers on where each gray image with different lightness corresponds to on the grayscale. Numeric values obtained by this evaluation experiment were analyzed to confirm the characteristics of the sensitivity of the individual. Moreover, at the same time, it was examined whether the VAS accurately reflected the subjective view of the person by the answer of what percentage of the grayscale was by the numeric value input. In order to conduct experiments smoothly, we developed an app that can perform VAS measurement and numeric value input simultaneously. We presented ten grayscale images to 13 subjects and obtained subjective measurements using this app. It was confirmed that when the lightness of the grayscale image is high, it can be recognized relatively accurately, but when the lightness is low, it tends to feel darker.
著者
松本 良恵 李 楊 新井 さくら 井上 裕香子 清成 透子 山岸 俊男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.43-53, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
54

Empirical studies have shown that beliefs in conspiracy theories are associated with low self-reported attitudinal trust in other people in general. However, self-reports do not always reflect actual behaviors. The present study investigates whether beliefs in conspiracy theories are negatively associated with actual trust behavior. We conducted a secondary analysis to examine correlations between conspiracy beliefs and trust behavior measured in a monetarily incentivized economic game (trust game) as well as self-reported attitudinal general trust. The results demonstrated that the more people believed in conspiracy theories, the less they entrusted their money to strangers when there was a risk of being betrayed and losing money. The present research confirms that conspiracy beliefs are associated with low trust regardless of whether trust is self-reported attitude or actual behavior which entails the risk of betrayal.
著者
栗原 新 小柳 喬 芦田 久 松本 光晴
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「もう一つの臓器」と呼ばれる腸内常在菌叢を適切に制御し「病気の発信源」である大腸内の環境を最適化することは、健康寿命の延伸に大きく貢献する。本研究課題では腸内常在菌叢の主要な代謝産物であり、健康寿命の延伸に著効を示すことが近年明らかとなったポリアミンに注目し、ヒト腸内に優勢に存在する腸内細菌(ヒト腸内常在菌叢最優勢種)および伝統的発酵食品に由来する乳酸菌のポリアミン合成・輸送機構を遺伝子・タンパクレベルで解明する。次に同定した遺伝子の発現誘導によりポリアミンを高生産する技術を開発し、個別培養・混合培養・マウスモデルを用いて検証するとともに、宿主の健康増進効果を解析する。
著者
松本 道明
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.354-357, 2016 (Released:2017-09-27)
参考文献数
3
被引用文献数
1