著者
丸山 友希夫 松本 耕成 山本 久志 中澤 智秀 田邊 昌宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.283-292, 2004-12-15
被引用文献数
3

1日の配水量予測については, 需要に影響を与える要素と配水量との相関関係から, 重回帰分析による予測方法が提案されている.本論文では, 給水地域の経済状況の変化等をトレンドとして考慮した1日の配水量予測の方法を提案し, 実測値と予測値の予測誤差率を用いて予測精度の評価を行ったところ, 既存研究より予測精度が向上する結果を導いた.さらに, 予測精度は予測式を導く際に必要となる調整要素に関わると考え, 予測精度を向上させると考えられる調整要素について統計的手法を適用して追及した.その結果, 本論文における予測範囲内においては, 予測方法, 回帰データ選定期間, 使用した過去年数に有意差が認められた.
著者
長澤 榮治 池田 美佐子 黒木 英充 鈴木 董 松本 弘 松井 真子(黒木) 黒木 真子(松井 真子)
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

アラビア文字圏とは、アラビア語・ペルシア語・オスマントルコ語などアラビア文字を用いる文化的世界を指す。これまで同地域に関する研究は、思想・宗教分野への関心が強く、また伝統的資料利用法による印象論的分析が中心であり、基礎資料の体系的利用にもとづくに政治社会分析の体制が十分に整ってはいなかった。本研究は、近現代の同地域に関する政治社会分析のために、議会議事録・官報・法令集・政府年鑑・地誌など基本資料を用いたデータベース形成のための手法を構築することを目指した。具体的な作業として、これらの原資料のデジタル化を行い、デジタル化した資料の索引・目次などを利用して用語検索システムのためのアラビア文字入力作業とデータベース設計のモデルの構築を試みた。また、上記の作業に当たっては、未所蔵分の資料の補充や関連する資料の収集、そして現地専門家との意見のために海外調査を実施した。今回アラビア文字圏データベースの構築に向けて基礎的な作業の対象に選んだのは、(1)オスマン帝国官報、(2)エジプト議会議事録、(3)エジプト新編地誌の三資料である。(1)オスマン帝国官報については、マイクロフィルム化とデジタル化を行い、全刊行号に関する書誌情報を入力し、そのデータの整理作業を行うとともに、検索システムのための準備作業を完了した。(2)のエジプト議会議事録は、索引のデジタル化と会期・会議別一覧表の作成を行った。(3)アリー・ムバーラク著『新編地誌』は、エジプト近代社会経済史資料の宝庫であるが、全文のデジタル化と索引のアラビア語入力、キーワード検索のための入力データの選定・整理作業を実施し、パイロット版の検索システムを作成した。上記のデータベースについては、今年度中に試験的に公開する予定である。
著者
松本 耕二 田引 俊和
出版者
山口県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、スポーツ活動に関わるボランティアの専門性を活動特性や活動意識との関係性に着目し類型化を試みことを目的とした。そこで障害者スポーツを推進する国際組織にかかわるボランティアを対象とした質問紙調査を実施した。スポーツにかかわるボランティアの活動特性(業務内容、活動期間、取得資格)と専門性(活動知識、活動適応感、報酬業務)との関連を分析した結果、地域で日常的かつ継続的に活動するコミュニティボランティアは、短期間、一過的な活動参加のイベントボランティアに比べ専門性意識が有意に高かった。また専門性意識には対象となる活動への興味・関心とスポーツ関連資格の有無が有意に関連していることが明らかとなり、関連資格取得がスポーツ・ボランティアの専門性に影響していることが示唆され、イベントボランティアとコミュニティボランティアの相違を確認した。
著者
吉村 豊雄 三澤 純 稲葉 継陽 足立 啓二 山田 雅彦 松本 寿三郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究の中心をなす日本史研究班は、16・17年度に引き続いて、熊本大学が収蔵する日本最大の前近代組織体文書たる永青文書所蔵の細川家文書(細川家の大名家文書)のなかで、藩制の基幹文書となっている「覚帳」「町在」の系統解析に全力をあげつつ、前近代日本社会・日本行政の到達形態について実態的な成果を出すことに努めた。その結果、「覚帳」の系統的解析を通して驚くべき成果を得た。すなわち、本研究で明らかになってきたのは、日本近世の領主制が農村社会の自律的運営能力の立脚する方向で、次第に農村社会からの上申事案・上申文書の処理を業務とする割合を強め、ついには農村社会からの上申文書を中央行政機構における稟議制の起案書として、地方行政に関わる政策形成を行うに至るという、従来、想像もされてこなかった19世紀、幕末の行政段階である。熊本藩では、18世紀以降、こうした傾向を強め、中央行政機構では、こうした状況に対応した行政処理・文書処理のシステムを整備し、19世紀段階には農村社会からの上申文書を起案書とし、中央行政機構の稟議制に基づく地方行政を展開している。本研究において主対象とした熊本藩の中央官庁帳簿たる「覚帳」は、こうした歴史的推移をたどる。同時に、中央行政機構の稟議にかかった上伸事案は、農村社会で無数に生成される要望・嘆願の類いのごく一部であり、その多くは中央行政機構に上申されることなく、農村社会の段階で処理・解決されている。18世紀後半以降の地方行政は、農村社会の政策提案能力に依存しつつ、領主支配の根幹に関わる事案について上申させ、これを稟議処理し、執行することで成り立っていたと言える。
著者
沖原 謙 松本 光弘 柳原 英兒 塩川 満久 菅 輝 磨井 祥夫
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

以下に研究成果について概説する。本研究の目的は、モダンサッカー戦術の獲得過程と応用範囲について客観的なデータをもとに分析することである。具体的には、ユース年代から熟年選手になるまでにモダンサッカーのコンパクトな状態を保った上での速い攻守の切り替えにどのように適応して行くかについて考察を加えた。本研究で用いた比較(ユース年代と代表クラス)研究対象は、選手のスピードの変化、相手選手とボールに対する対応、そして両チームの図心(チームの重心)問の距離に関する3要素であった。そして、これらの結果を以下に示した。選手のスピードの変化は、熟年選手の方がトップスピードの頻度が高くなり、低いスピードでの移動時間も長い。つまり、試合における選手の動きは、熟練されるに従ってスピードの変化が多くなる。相手選手とボールに対する対応について、ピッチの縦成分と横成分に分けて分析した。その結果、代表クラスの選手は、縦と横の動きに対する対応は、相関係数が高い。ユース年代では縦に関する相関係数は高い。そして、横に対する相関は、低い。興味深いことに、この年に日本一に輝いたサンフレッチェ・ユースは、代表クラスの選手と同等な数値を示した。個々の動きは、熟年選手になるまでに横の動きに対する対応がスムーズになると考えられる。両チームの図心間の距離は、ユース年代より代表クラスの方が長い。しかし代表クラスの試合は、ユース年代の試合と比較して、モダンサッカーの特徴であるコンパクトな状態を保っている。この意味は、レベルの高い試合ではコンパクトな状態を保ちつつ、お互いのチームが相手陣地に入れない状態でゲームが進行する頻度が高いことを示している。モダンサッカー戦術として獲得してゆく要素一側面としてコンパクトに保たれた密集の中では、動きの量ではなく、緻密な横の対応と動き(スピード)の変化、そして相手チームの中に入り込むチャンスが少ない中での的確な判断力であるといえる。
著者
高木 繁光 諫早 勇一 松本 賢一 メーリニコワ イリーナ 銭 〓 大平 陽一 宮崎 克裕
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、文学作品ではナボコフの小説『絶望』、ドストエフスキイの小説『おかしな男の夢』、マラルメの『イジチュール』、中国の『紅楼夢』を、映像関係ではアレクセイ・ゲルマンなど50年代のソ連社会を舞台とした近年のロシア映画、エイゼンシュテインの映画理論、30年代から50年代のドイツ映画と親近性をもつ近いマキノ雅弘作品などを主たる分析対象として、各研究者がそれぞれの分野で、「二重世界」、「二重文化性」、「二重の知覚」といった二重性を生きる分身的主体のあり方について考察したものである。ここで分身的主体とは、ジギルとハイドのような<病的>現象としてではなく、あれでもありこれでもあるという複数的存在様態を肯定してゆく創造的エネルギーを備えたものとして捉えられている。あれかこれかという単一的世界像の見直しを促すこのような分身テーマは、複製技術時代における文学と思想と映像の相互関係を理解する上できわめて有効な手掛かりとなりうるものである。
著者
戸塚 米太郎 大津 金光 中里 学 秋葉 智弘 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1652-1661, 1995-07-15

多くの大規模実用アプリケーションは、並列度の抽出が容易に可能な部分と困難な部分を含む。粗粒度により並列実行可能な部分はプロセッサの台数効果によりスピードアップが可能であるが、粗粒度並列化が困難な部分がボトルネックとなる。並列化が困難な部分にも高速化を達成するために細粒度の並列性の活用が不可欠である。しかし、従来のバス結合型マルチプロセッサでは低オーバヘッドの通信・同期機構が備わっていなかったため、命令レベルの並列性を利用する細粒度並列処理を効率良く行うことは不可能であった。我々が開発したお茶の水1号は市販の高性能マイクロプロセッサを用いた共有メモリ共有バス型のマルチプロセッサである。お茶の水1号は効率的な細粒度並列処理を達成するために、低オーバヘッドで通信・同期を実現するための細粒度支援機構を備えている。細粒度支援機構には共有バスを使用せず極めて小さいオーバヘッドで同期を実現する大域同期機構・メモリベースの通信・同期を融合したデータ駆動同期機構、大規模な配列データを効率的にフェッチする大域構造体先行フェッチ機構、および、最適なスヌープ・プロトコルに動的に切替え可能なスヌープキャッシュ制御機構、等を備えている。本論文ではお茶の水1号におけるこれらの細粒度支援機構の構成について述べ、並列アプリケーションを用いたシミュレーションによる性能を示す。また、お茶の水1号上でプログラムを実行した結果を述べる。
著者
稲富 久人 濱崎 隆志 生山 俊弘 小野 誠之 原田 修治 日田 官 藤本 直浩 高橋 康一 松本 哲朗
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 2002-03-01

【目的】膀胱癌の発がんには、職業、環境要因が大きな位置を占めている。職業性膀胱癌の歴史より、β-ナフチルアミン、ベンチジンなどのアリルアミンが膀胱発がん物質として明らかである。その代謝には、N-アセチルトランスフェラーゼ(以下NATと略す)が重要な働きを担っている。NATにはNAT1とNAT2の2つの遺伝子があり、多型が存在する。また、それぞれの遺伝子多型より、個体の代謝能を推定できる。そこで、NAT1およびNAT2遺伝子多型を分子生物学的に解析し、膀胱癌発がん素因との関連性について検討する。【対象と方法】膀胱癌患者98名、対照として健常人122名を対象とした。膀胱癌の組織学的は移行上皮癌であった。対象の末梢血液よりゲノムDNAを抽出し、PCR-RFLP法にて、NAT1,NAT2の遺伝子多型を検出した。【結果】NAT1遺伝子迅速型の頻度は、膀胱癌群においては75.5%と対照群における頻度62.3%に比べ、有意に高かった(オッズ比=1.87;95%信頼区間1.04-3.35)。NAT2遺伝子遅延型の頻度は、膀胱癌群においては18.4%と対照群における頻度5.7%に比べ、有意に高かった(オッズ比=3.69;95%信頼区間1.47-9.26)。NAT1とNAT2の遺伝子多型の相互の関連について検討すると、NAT1遺伝子迅速型でNAT2遺伝子遅延型の個体は、発がんの危険度がもっとも低いと推定されるNAT1遺伝子正常型でNAT2遺伝子迅速型の個体に比べ、危険度は8.19倍高かった。【考察】今回のわれわれの結果は、NAT2による代謝の遅い個体、NAT1の代謝の速い個体は、発がん感受性が高いことを意味し、その両者をもつ個体では相乗効果があることを示している。これはアリルアミンによる膀胱癌発がんの機序の仮説を裏づける結果となった。また、NAT1,NAT2の遺伝子多型が膀胱癌発がんの感受性マーカーとしての生体指標として利用できる可能性が示唆された。
著者
松本 和幸 湊 純子 土屋 誠司 任福継
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.33, pp.69-75, 2008-03-28
被引用文献数
4

本稿では,日英両言語における感情表現の特徴をコーパスに基づく統計的調査により導出し,得られた結果を用いた感情表現抽出手法の提案を行なう.感情タグ付きパラレルコーパスから得た感情カテゴリごとの感情表現の特徴には感情表現そのものが持つ特徴と周辺の形態素等が持つ特徴とがある.提案手法では,これらの複数の特徴を組み合わせることで,感情表現が示す感情の種類を判定する.具体的には,感情表現を構成する品詞,感情表現の出現位置,感情表現の前後の単語の品詞に着目し,感情表現の抽出を行なった.評価実験の結果,品詞特徴を用いた手法は"喜び" と"嫌悪" において判定精度90%以上という結果を得た.This paper statistically studies the emotional features of Japanese and English based on an emotion annotated parallel corpus and proposes a method for extracting emotional expressions. The proposed method estimates the emotion category of the emotional expressions by focusing on the three kinds of features: part of speech of emotional expression, position of emotional expression and part of speech of the previous/next morpheme of the target emotional expression. The evaluation experiment resulted over 90.0% (joy, hate) of accuracy in the method based on part of speech features.
著者
池田 美桜 松本 学
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.77-81, 2005-03

幼稚園および保育所の多くが,年間を通じてあらゆる行事を計画している。幼稚園教育要領や保育所保育指針では,幼稚園・保育所は数多くの社会的行事や伝統的行事の中から園内行事を「精選」するべきであると,その選択についての重要性を強調している。園内行事は,子ども達の生活を彩るだけでなく,心身の発達にも大きく影響する活動であることはいうまでもない。本研究では,保育現場において,園内行事に合わせて読み開かせ用の絵本が選定されることに着目し,行事絵本の在り方について,七夕行事に焦点を当てて考察した。
著者
平方 純一 高山 成彦 佐々木 晋 松本 通顕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.353, pp.35-40, 1998-10-22
被引用文献数
1

人間工学的手法によりスーパーTFTモニタの印象評価, CRTモニタとのドットサイズ比較, TN-TFTモニタとの視覚許容範囲の比較を行った。印象評価では広視野角特性により同サイズのTFTモニタに比べ好印象を獲得し, かつ画面サイズは実ドットサイズよりも大きい評価を得た。ドットサイズの比較において文字のポイント数とサイズを変え最適ドットを調べた結果, XGA表示でに17"CRTに相当するLCDは13.9"であった。視覚許容範囲を広くするためには, コントラスト比よりも明るさと色調変化の物理量が重要であり, これらの特性が優れるスーパーTFTモニタは文字, 図形, 自然画の各画像で視覚許容範囲に優位性を示した。
著者
坪井 祐太 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.20, pp.17-24, 2002-03-04
被引用文献数
2

本研究では、機械学習手法(Support Vector Machines)を用いてメーリングリストの著者識別を行った。また、メーリングリストのデータで学習した識別器によって、Webの文書の著作識別を試みることで異なるタイプのドキュメントに対する性能を調べた。この際、従来から使われていた単語N-gramとともに、データマイニング手法(PrefixSpan)によって抽出された単語の連続パターンを素性に用いることでより高い性能が得られた。使用されたパターンは隣り合わない単語列にもマッチするパターンであり、実験結果より著述すタイルを表現するのに適当な特徴の一つであると考えられる。The study of authorship identification in Japanese has for most part been restricted to literary texts using basic statistical methods. In the present study, authors of mailing list messages are identified using a machine learning technique (Support Vector Machines). In addition, the classifier trained on the mailing list data is applied to identify the author of Web documents in order to investigate performance in authorship identification for more heterogeneous documents. Experimental results show better identification performance when we use the features of not only conventional word N-gram information but also of frequent sequential patterns extracted by a data mining technique (PrefixSpan).
著者
松本 治朗
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.16, pp.119-125, 2009-07-11

固有名詞にみられる「笑」について分析した。「笑」を使用した事業者名(屋号・会社名)は日本全体で2041件あり、大都市に多い。業種別には飲食業が多い。「笑」の入った人名(苗字)は62件あり、いずれも珍名で「笑喜」さんが最も多く、西日本に多く在住されている。「笑」の入った地名は22件あり、北日本に多い。ユニークな地名が多いが、その由来はほとんど不明である。
著者
西村 一彦 松本 一教
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.701-709, 1991-09-01
被引用文献数
1

In this paper, we describe techniques to improve efficiency of problem solving systems. Abstraction has been expected to be one of the most applicable method for that purpose. ABSTRIPS is a typical problem solver which introduces the idea of abstraction into STRIPS. It solves a problem hierarchically by considering relative importance of operator's preconditions. That is, firstly ABSTRIPS solves the problem in the most abstract space, and then it successively embodies the answer. We have to assign critical values to all preconditions before abstract problem solving. These values are used to define abstraction hierarchy. Some heuristics are proposed to assign them. However we can not expect fully automatic assigning, that is, user assistance is required. We propose new method to assign the critical values automatically. This method consists of following four stages: (1) generating operator taxonomic hierarchies from a set of primitive operators. In this case, two operators which share one or more literals on their add lists are allocated in the same hierarchy. (2) assigning provisional critical values to operator's preconditions according to their locations in the hierarchy. (3) analyzing difficulty of achieving each precondition, and (4) determining final critical values by considering both provisional values and difficulty. We have been implemented ABSTRIPS-like problem solver to show the effectiveness of our method. Final part of this paper, we investigate the exprimental results and identify some problems to be solved in the future works.
著者
松本 重貴 瀬波 大土
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.265-272, 2008-04-05

近年における宇宙論観測の飛躍的な発展のおかげで,我々の宇宙には確かに暗黒物質が存在することが明らかになった.しかしながらその正体については全く不明であり,物理学における最も興味深いミステリーの一つとなっている.一方,素粒子および宇宙論の分野において,理論的な観点から,数多くの暗黒物質の候補が提案されている.その中の一つに,TeVスケールに余剰次元を持つ高次元理論の予言する暗黒物質がある.本稿では,この暗黒物質に焦点を当て,この物質がどのような性質を持つか,また近い将来の観測や実験においてどのように検出され得るかについて,最近の話題を含め紹介する.
著者
松本 克彦
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.118-122, 1965
被引用文献数
1 15

著者は前報において, コナダニの種類によつて炭水化物の消化酵素の活性度に強弱があることを報告し, またそれがそのコナダニの食性に関係するのではないかと推論した.今回は3種コナダニにおける炭水化物の利用率を観察するために, 種々の炭水化物とエビオス混合飼料におけるコナダニの繁殖状況を観察した.Glucose, lactose, sucrose, dextrine, starchに種々の割合(0, 20, 40, 60, 80, 100%)にエビオスの混合した飼料におけるサトウダニ, ムギコナダニ, ケナガコナダニの繁殖状況を観察した.温度25℃, 湿度は75%R.H.に一定した.1)サトウダニ, 繁殖状況はエビオスのみの飼料よりも, 少糖類を40〜60%加えた飼料での増殖率が高かつた.starchを混じた飼料においてはエビオスのみの飼料より増殖が悪かつた.2)ムギコナダニ, glucose, lactoseを加えた飼料ではエビオスのみの飼料より繁殖が悪かつた.sucroseを20〜40%加えた飼料ではエビオスのみの飼料と比べ増殖率が高かつた.多糖類が40〜60%加わつた飼料の繁殖密度はエビオスのみの飼料より上廻つた.3)ケナガコナダニ, 少糖類混入の飼料の繁殖密度はエビオスのみの飼料より低かつた.しかし, 少糖類20〜40%混入飼料でもかなりの増殖がみられ, 少糖類も相当利用されるものと思われる.多糖類の利用は甚だよく, 多糖類の20%混入飼料での増殖率が最高となつた.4)すなわち, サトウダニでは少糖類の利用が盛んであるが, 多糖類の利用は悪い.ムギコナダニは逆に多糖類の利用度がよく, 少糖類は利用されない.ケナガコナダニは両者の中間の型を示し, サトウダニ程ではないが, 少糖類も良く利用し, 多糖類もムギコナダニにはおよばないが, かなり繁殖に用いられる.