著者
佐藤 真央 井上 裕太 溝脇 一輝 小林 大純 松尾 怜 外山 太一郎 日比野 友亮
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-036, (Released:2021-03-22)
参考文献数
14

Twelve specimens (71.5–89.9 mm standard length) of the genus Lutjanus (Lutjanidae), collected from Ishigaki-jima Island, Ryukyu Archipelago, southern Japan, were identified as Lutjanus biguttatus (Valenciennes in Cuvier and Valenciennes, 1830), being characterized by the following combination of characters: dorsal fin XI, 12; anal fin III, 8; pectoral rays 15–16; body depth 3.5–3.8 in standard length; preorbital depth 10.8– 16.3 in head length; tongue smooth, without patch of fine granular teeth; a dark longitudinal band from snout to caudal fin base; and two white spots above the lateral line. Dentition of the premaxilla and dentary, including several canine-like (one being long and curved) and many small conical teeth, is illustrated. The collected specimens were determined to be juveniles, due to their coloration matching that of juveniles previously described, in addition to their small body size. Although the coloration of L. biguttatus is similar to that of L. vitta during the juvenile stage, the latter species is distinguished by greater body and preorbital depths. The specimens of the former had been caught in a significantly localized area (in ca. 4 m depth) over several days, indicating the likelihood of their having been schooling, as observed in previous studies of the species. Lutjanus biguttatus is distributed in the Indo-western Pacific, from the Maldives to the Solomon Islands, but had not previously been recorded from Japanese waters. The new standard Japanese name “Futahoshi-fuedai”, given in reference to the two white spots above the lateral line in the collected specimens, is proposed.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008 (Released:2009-03-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4 7 6

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008
被引用文献数
7

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
宮崎 大 久保田 哲史 林下 浩士 鍜冶 有登 小林 大祐 吉村 昭毅 和田 啓爾
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.12, pp.956-960, 2010-12-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

症例は41歳,女性。既往歴特記事項なし。銀杏60個を摂食し,4時間後から嘔気,嘔吐,下痢,めまい,両上肢の振戦,悪寒が出現した。6時間後救急要請,当院に搬送となった。来院時呼吸数30/min,脈拍94/min(整),血圧152/90mmHg,SpO2 99%(室内気)と安定しており,意識も清明であった。血液検査では白血球増多,呼吸性アシドーシス,軽度の乳酸値の上昇が認められた。頭部CTでは明らかな異常所見はみられなかった。銀杏中毒と診断し,pyridoxal phosphate(PLP)400mg(8mg/kg)を経口投与し,症状は改善した。入院,経過観察としたが,症状の悪化はなく,第2病日に退院となった。後日,来院時の血清4-O-methylpyridoxine(MPN)濃度は339ng/mlと高値であることが判明した。銀杏中毒は栄養状態の不良な前後に頻発していたが,最近では減少している。原因物質としてMPNが証明されており,中枢神経でビタミンB6(Vit B6)と拮抗して作用し,痙攣を起こすことが推測されている。本症例では痙攣は発症していないが,PLP投与により症状は軽快した。銀杏中毒に対してはPLPを速やかに投与すべきである。
著者
小林 大祐
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.1, pp.1-6, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)
参考文献数
36
被引用文献数
5

Overconsumption of Ginkgo biloba seeds induces food poisoning characterized by tonic-clonic convulsions and vomiting. The primary toxic component, 4′-O-methylpyridoxine (MPN), was purified from the seeds in 1985. This review includes the following aspects of ginkgo seed poisoning: 1) toxicity related to the content of MPN and MPN glucoside in G. biloba seeds; 2) the effect of MPN on vitamin B6 analogs, including an increase in pyridoxal and pyridoxic acid and decrease in pyridoxal-5′-phosphate plasma concentrations; 3) case reports of ginkgo seed poisoning in Asia, North America, and Europe, and their effective treatment via vitamin B6 administration. Considering the increase in the use of G. biloba seeds, it is essential to raise global awareness of their potential toxicity.
著者
小林 大祐
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.63-78, 2021-02-15

本稿はドイツの住民投票制度を対象として、地方自治体の意思決定にどのような影響を与えているかについて検討するものである。まず、ドイツの住民投票制度について、日本の制度と対比しながら説明する。そのうえで、ドイツの住民投票制度を分析した先行研究を繙き、拒否権、地方自治体の政治構造、発議や住民投票の数ならびに要件が鍵となる要素であることが抽出される。これらに基づいて、具体的なドイツの住民発議と住民投票のデータを分析していく。その結果、住民発議の対象の広さが数に大きく作用すること、地方自治体の人口規模が数に大きく作用すること、また地方自治体の政治構造が強く作用しており、地方自治体における政治アクターが競争的であれば、住民発議の数が多くなることが明らかになった。
著者
大嶋 繁 山田 真理絵 根岸 彰生 大島 新司 齋木 実 小林 大介
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.175-178, 2016 (Released:2016-09-21)
参考文献数
4

薬剤師の在宅業務の充実を目的として, 在宅患者の症例を基に作成したシナリオおよび高機能患者シミュレータを用いた『フィジカルアセスメントアドバンス講習会』を行った. その際シナリオを用いた演習を行い, 薬剤師が在宅で実施すべき項目 (在宅業務必須項目) の実施率 (実施者数/受講者数) を, 訪問薬剤管理指導料の算定要件等を基に作成したチェックシートを用いて調査したところ, 項目ごとの差が大きかった. 本調査結果から薬剤師が在宅業務を実施する上で, 患者の生活を支えることを意識した薬学的管理業務のトレーニングの必要性が示唆された.
著者
國武 加奈 林 大輔 竹田 一則
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.41-49, 2022-03-31 (Released:2022-10-01)
参考文献数
18

食物アレルギー児の母親における育児ストレスと食物アレルギー情報の利用状況を調査し、インターネット上の食物アレルギー情報を活用した育児支援の方法を検討した。X病院に来院した0~12歳の食物アレルギー患者の母親に質問紙を配布し、77名から回答を得た。統計分析には一元配置分散分析とSpearmanの相関分析を用いた。0 ~3 歳の食物アレルギー児をもつ母親の育児ストレス得点において、44.8%の母親が80パーセンタイル以上の高スコアを示し、育児ストレスが高いことが示唆された。また、インターネット上の食物アレルギー情報の満足度と育児ストレスにおいて有意な負の相関が見られ、食物アレルギー情報の満足度が高いほど育児ストレスが低いことが明らかになった。インターネット上の食物アレルギー情報を充実させることによって、食物アレルギー児の母親の満足度を増加させ、育児ストレスを軽減することができる可能性があると考えられる。
著者
大嶋 繁 原 彩伽 阿部 卓巳 秋元 勇人 大原 厚祐 根岸 彰生 冲田 光良 大島 新司 井上 直子 沼尻 幸彦 小川 越史 齋木 実 小林 大介
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.5, pp.623-633, 2017 (Released:2017-05-01)
参考文献数
20
被引用文献数
5

Pharmacists applied deprescribing, which is a process for the rational use of drugs, for 13 at-home patients. The standard used for the rational use of drugs was the “Guidelines for Medical Treatment and Its Safety in the Elderly” (the Guidelines). The results of the deprescribing were discussed with physicians to determine prescriptions. After the prescription change, activities of daily living (ADL) and QOL were assessed using the Barthel Index and SF-36v2, respectively. Potentially inappropriate medications (PIMs) were detected in 10 of the 13 patients (76.9%). This detection rate is higher than previous PIM detection rates of 48.4% and 40.4% reported in prescriptions for home-care patients in Japan under the Beers and STOPP/START criteria. The Guidelines appeared useful as a decision support tool for deprescribing. The patients continuing the changed prescriptions showed no decrease in ADL or QOL after deprescribing, suggesting its rationality. The 10 measurement items of the Barthel Index were all suitable for evaluating the physical conditions of the patients. Meanwhile, SF-36v2 includes many items, but few indexes were directly applicable.
著者
岸岡 史郎 雑賀 史浩 深澤 洋滋 木口 倫一 小林 大地
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

マクロファージのフェノタイプ制御に及ぼすニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)シグナルの影響を精査し、神経障害性疼痛を含む慢性炎症疾患の治療に繋がる研究を行った。神経障害性疼痛を担う炎症性マクロファージにはnAChRが発現しており、nAChRリガンドの処置により炎症性因子の産生が抑制されることをin vivoおよびin vitroにおける各種解析から証明した。さらにnAChRリガンドを投与することで、神経障害性疼痛病態が改善することも明らかにしている。従って、nAChRシグナルを介した炎症性マクロファージの制御は慢性炎症疾患の治療に有用な薬物療法として期待される。
著者
林 大一郎 大島 卓 鈴木 雅和 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2013-06-20)

福島県鏡石町と須賀川市にまたがる、「岩瀬牧場」は、明治13年に設立された日本最初期の西欧式官営牧場であり、その後様々な変遷を経て規模は縮小されたものの、民営化され現在も経営が存続している。当牧場は文化財的価値を有する建築群や明治の牧場の原風景を残しているが、知名度は低く一般にその価値が認識されていない。著者らは建築・環境・プロダクト・情報デザインの観点から岩瀬牧場の価値を再評価し、地域振興に寄与する目的で研究を継続している。本論文では、岩瀬牧場に残されている農業機械群のうち、フォードソン社製造のF型トラクターに注目し、その現状調査と保全意義の考察を行った。
著者
正林 大希 飯干 泰彦 西谷 暁子 宇治 公美子 山村 憲幸 藤井 仁 今里 光伸 金 浩敏 位藤 俊一 伊豆蔵 正明
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.1168-1172, 2015-12-20 (Released:2015-12-20)
参考文献数
20

小児の急性胃腸炎に伴う十二指腸穿孔は稀であり,病態も明らかではない.当疾患の経過中に低リン血症を呈した幼児例を経験した.症例は3 歳男児.発熱と嘔吐に続く血性嘔吐で来院した.超音波,CT 検査にて消化管穿孔が疑われて開腹し,十二指腸球部に穿孔を認め,大網充填術を施行した.術前5 日間嘔吐を繰り返して経口摂取不良であったため,術後末梢静脈栄養を開始した.胃腸炎の遷延があり,脱水,電解質異常をきたし,血清リン濃度が2.1 mg/dl と幼児としては低値となった.リン酸ナトリウム投与により正常化した.嘔吐の遷延する急性胃腸炎の幼児で,経口摂取不良が続く場合,リンの計測が重要である.また,リンの基準値は小児では高く,留意すべきである.小児の胃腸炎の多くは重篤な合併症を起こさずに回復するが,低栄養,脱水,リンを含めた電解質異常や十二指腸穿孔を引き起こし,生命にかかわる場合もあり注意を要する.
著者
林 大悟 藤田 和之 高嶋 和毅 Robert W. Lindeman 北村 喜文
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.341-350, 2019 (Released:2019-12-31)
参考文献数
25

We explore Redirected Jumping, a novel redirection technique which enables us to purposefully manipulate the mapping of the user’s physical jumping movements (e.g. distance and direction) to movements in the virtual space, allowing richer and more active physical VR experiences within a limited tracking area. To demonstrate the possibilities provided by Redirected Jumping, we implemented jumping redirection methods for three basic jumping actions (i.e., horizontal, vertical, and rotational jumps) using common VR devices. We conducted three user studies to investigate the effective manipulation ranges, and the results revealed that our methods can manipulate a user’s jumping movements without them noticing, similar to redirected walking.
著者
大嶋 繁 小田 藍 根本 英一 土橋 朗 小林 大介 齋藤 侑也 白幡 晶
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.66-75, 2009-11-30 (Released:2010-05-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Objective : There are two types of studies on the relationship between adverse events and genetic background and the relationship between constitution and genetic background.  To investigate the relationship between adverse events and constitution retrospectively, we first reviewed the appearance of the constitution responsible for the adverse events in the relevant sources of information.Methods : Fifty two pharmaceutical interview sheets, 150 case reports and two manuals; “jyudaina fukusayou kaihi notameno fukuyaku sidou jyouhousyu”, “jyutoku fukusayou sikanbetu manual” were selected for review.Results : Fourteen items about the constitution were found in the pharmaceutical interview sheets.  No items about the constitution were found in the case reports and manuals.Conclusion : Rules for the preparation of pharmaceutical interview sheets and case reports to use the constitution information is necessary for retrospective analysis of this issue.
著者
竹村 瑞穂 重松 大 小林 大祐
出版者
日本体育・スポーツ哲学会
雑誌
体育・スポーツ哲学研究 (ISSN:09155104)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.27-40, 2011 (Released:2012-12-17)
参考文献数
9

The purpose of this paper is to explore the ground for putting a ban on doping in competitive sport circles, especially focusing on the doping problem as “the issues of that with free will”. The IOC and also some researchers have suggested the reason for prohibiting doping but it's still quite contentious.The object and methods in this paper are as follows: We consider “the issues of doping with free will” (object) in the way of applied ethics with four ethical theories as the framework for researching. The adopted frameworks are as bellow (method).1) the theory of virtue2) the theory of liberalism3) the theory of utilitarianism4) the theory of dutyWe can find some prior views about the topic in terms of the theory of virtue andliberalism, whilethe views based on the theory of utilitarianism and duty are our original one.It would be clarified that the view of virtue doesn't make sense and the view of utilitarianism can only show the prospective judgment. The limit of the theory of liberalism and the significance of the theory of duty would also be shown in this paper as a conclusion.Arguments on the doping issues in terms of the theory of duty, however, are limited on “doping negatively affecting the human body”. It means “doping issues that do no harm to human body in sport” should be treated as different problems that concernwith the essence of sport. Finally, we will suggest that both “the bioethical research” and “the philosophy of sport” should be pursued in the research on doping issues.
著者
利光 花菜美 林 大祐 矢野 文士 細石 真吾 徳田 誠
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.87-94, 2022-09-25 (Released:2022-09-29)
参考文献数
19

Ants play an important role in forest ecosystems in terms of biomass and various biological interactions, but non-destructive continuous observation of colonies is difficult for species nesting in trees. During the investigations of forest arboreal small mammals using wood nest boxes between January and December 2021, nestings of Camponotus kiusiuensis Santschi were observed at high frequencies in a census site on Mount Kyougatake, Saga Prefecture, Kyushu, Japan. We surveyed the nesting site preference of C. kiusiuensis and conducted monthly observations of colony compositions from spring to winter. Among three types of nest boxes, small (500 cm3), medium (1,000 cm3), and large (2,000 cm3), C. kiusiuensis nested in the large nest boxes at significantly higher frequencies. Although the nest boxes were either set at low (1.5–2.0 m high) or high (3.5–4.0 m high) positions of trees, no significant differences were detected in the nesting sites between them. The number of colonies was the highest in April and it gradually decreased from spring to autumn. In the nest boxes in which colonies of C. kiusiuensis were continuously observed until autumn, the developmental stages of immature individuals inside were almost uniform: larvae were observed from April to June, pupae in July, and many adults including males and new alate queens were found in August and September. No or very few ant individuals were observed in October and November, suggesting that workers moved the larvae to other places in late autumn. Based on our observations, the arboreal nest boxes seem not to be suitable sites for overwintering.