著者
石濱 裕規 井出 大 渡邊 要一 八木 朋代 松岡 恵 荒尾 雅文 小林 正法 高橋 修司 安藤 高夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.E2Se2076-E2Se2076, 2010

【目的】都内介護保険施設・病床を利用されている認知症を持った要介護高齢者の家族・病院職員を対象とし、介護状況・福祉用具利用状況を調査すること。特に、認知症が問題となる方における身体拘束・行動制限の要因を明らかにし、その改善のために必要な取り組みや福祉用具を検討すること。<BR><BR>【方法】東京都内の72介護保険施設(介護療養型病床(以下、介護療養)・老健・特養)を対象とし、認知症をもった要介護高齢者の介護状況に関する調査を、職員・家族・施設責任者に実施した(平成21年1月10日~平成21年3月10日)。対象者は、認知症高齢者の日常生活自立度(介護認定調査)の評価が自立・I以外の方とし、全対象者調査と無作為抽出方式を併用した。職員調査の内容は、介護認定調査票項目による対象者の心身状況の評価と福祉用具利用・介護状況調査からなるものであった。本報告は、厚生労働省平成20年度老人保健健康増進等補助事業として東京都療養型病院研究会が実施した調査に基づくのである。<BR><BR>【説明と同意】職員調査は、施設責任者に目的等を説明し、ご了解頂いた施設責任者には、調査協力承諾書に署名・提出頂いた。調査責任者からの指示を通じ、各調査担当者には調査にあたり利用者様への同意を協力依頼文書または口頭で得た。本調査は、個人情報保護法に準拠し実施した。回収は郵送方式とした。<BR><BR>【結果】1)回収状況および基本集計 回収数は、職員調査2733件(介護療養2015件、老健369件、特養349件)であった(自立、I、不明を除く2583名を分析対象とした)。主診断名は、脳血管疾患(39%)、認知症(32%)が2/3を占め、平均年齢83.5才、性別は女性74%、要介護度5が約半数(49%)となり、介護療養は要介護度5が最も多く、老健は要介護度3、特養は介護度4が最も多かった。<BR>2)行動制限につながる福祉用具利用の要因の分析 行動制限につながる福祉用具利用の有無と介護認定調査における心身状況、および利用者に感じる行動上の不安、転倒等の危険度との関連を検討した。「柵・介助バー等で四方を囲む」、「抑制帯(Y字型安全ベルト)」、「車いす用テーブル(食事時のみ使用以外)」をそれぞれ使用の有無で区分した2群に対して、年齢、要介護度、介護保険認定調査票の各項目(2.移動、3.複雑な動作、4.特別な介護、6.コミュニケーション等、7.問題行動、10.廃用の程度)、行動上の不安(5段階)、危険度(転倒・ベッドからの転落・車いすからのずり落ち)(各3段階)を説明変数として選定し、有意差があるかをMann-WhitneyのU検定を使い分析した。認定調査票の各項目は、認定調査員テキスト2006に示される順序尺度による得点化方法を用い、統計処理には、SPSS.Ver17.0を用いた。その結果、各3項目において、有意差(p< 0.05)がみられた説明変数を用い、変数減少法を用いたロジスティック回帰分析により、さらに変数選択を行った。その結果、「柵・介助バーで四方囲む」「抑制帯」「車いす用テーブル」の各物品利用の有無を説明するうえでの判別的中率の高い予測式が導かれた。すなわち、「柵・介助バーで四方囲む」物品利用の有無に関しては、起き上がり、立ち上がりといった移動関連項目と問題行動関連項目、そしてベッドからの転落が説明変数として選択された(8変数、判別的中率72.8%)。「抑制帯」利用の有無に関しては、じょくそう等の皮膚疾患、排尿、といった体動、移動の要因となりうる項目と目的もなく動き回る、転倒、車いすからのずり落ちの危険度が選択された(5変数、判別的中率92.0%)。「車いす用テーブル」利用の有無に関しては、暴言や暴行、ひどい物忘れと行動上の不安が説明変数として選択された(3変数、判別的中率98.1%)。すなわち、3種の物品利用の説明変数として、認知症の問題行動に関連する項目が共通に説明変数として選択され、危険度も「柵・介助バーで四方囲む」および「抑制帯」利用の有無の説明変数として選択された。<BR><BR>【考察】身体拘束・行動制限につながりうる物品利用を減らすには、転倒・転落・ずり落ち予防、認知症の行動障害面への対応を含めた身体拘束・行動制限のための取組みと生活環境整備が必要であることが示唆された。柵・サイドレールの利用が却って転落時の危険度を高めるという報告もあり(Catchen, 1983 等)、利用群/非利用群間での危険度の差の追跡的・継続的検討など今後の課題である。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】認知症の行動障害面への対応、転倒等の予防、アクシデント時の骨折等の危険度軽減のため、リハ職種の取組が求められている。また、本調査事業において、座位能力に適した車いすが用いられていないという福祉用具の不適合が抑制帯使用に影響しているという結果も出ており、福祉用具適合技術の向上も求められている。
著者
林 正樹 Bachelder Steven 中嶋 正之 濁川 武郷
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.91-94, 2014

T2Vはテキスト台本をテレビ番組的なCGアニメーションにリアルタイムで変換する技術である。我々は、ゲームエンジンUnityにT2Vの仕組みを実装し、SDKとして一般ユーザーに提供する環境の開発を行った。これにより、ゲームプラットフォームからT2V機能を呼び出し、さまざまなインタラクティブコンテンツを開発することができる。本SDKの概要に加え、SDKによるニュース自動生成、インタラクティブクイズ番組生成などのサンプルアプリを紹介する。
著者
小林 正人 藤森 智
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では,津波により沿岸部に壊滅的な被害が生じた。本研究では,免震建物について南海トラフ地震を想定した津波浸水予想に関する調査および分析を行った。さらに,津波荷重に対する免震建物の構造安全性の判定手法を提案するとともに,その適用性を検証した。加えて,津波荷重の動的な作用と免震建物の応答の関係について弾性理論解および時刻歴応答解析により分析を行った。
著者
星野 哲夫 米澤 真興 柴田 喜明 篠澤 功 田中 周 李 峰 辰口 篤志 佐藤 順 藤森 俊二 伊月 葉子 立川 裕理 玉川 恭士 田口 文彦 吉田 豊 岸田 輝幸 小林 正文
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.150-151, 1998-10-20 (Released:2015-01-22)
参考文献数
3

A 55-year-old male visited our department for further examination with positive fecal occul blood test results in the mass screening for colorectal cancer. He complained of abdominal pain and diarrhea which had started about 2 months before. Small ulcers and erosions were observed in the ascending colon and cecum at colonoscopy. Biopsied specimen at the erosions showed numerous trophozoites in the mucosa. Many Lamblias were observed under a microscope in residual liquid collected in the ascending colon or cecum. Thus, this patient was diagnosed as amoebic colitis complicated with Giardiasis. At colonoscopy performed 3 weeks after Metronidazole therapy (1000mg/day) , erosions and ulcers in the ascending colon and cecum disappeared. This patient was thought to be infected with both parasites by taking contaminated foods because he was not homosexual and had no HIV antibody.
著者
小林 正男
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.889, pp.141-149, 2018-12
著者
本弓 康之 林 正博 富永 昭
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.245-249, 2003-12-20 (Released:2017-02-10)
参考文献数
28
被引用文献数
5

音速を求める「Kundtの実験」は,気柱共鳴管の中においた粒子が周期的に集まることを利用している。しかし,この周期的な粒子の集まりは,粒子によってその様子が異なる。そこで,「Kundtの実験」に関連した実験事実を明らかにし,物理教育での「Kundtの実験」に関する取り扱いについて考える。
著者
中村 太一 斎藤 聡 池田 健次 小林 正宏 鈴木 義之 坪田 昭人 鯉田 勲 荒瀬 康司 茶山 一彰 村島 直哉 熊田 博光
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.157-162, 1997-03-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12

従来より肝性脳症合併肝硬変症例では頭部MRIT1強調画像にて淡蒼球に高信号域を認めるとされる. 今回各種慢性肝疾患で頭部MRIを施行し若干の知見を得た. T1強調画像の淡蒼球の高信号は慢性肝炎では21例中1例 (4.8%), 肝硬変では41例中32例 (78%) に出現し, Child分類別ではA59%, B78%, C100%であり, 出現率は肝機能と相関がみられた.この所見は経過観察により不可逆性であった.さらに脂肪抑制画像では高信号域はより明瞭となり, その原因が脂肪沈着でないことが示唆された. MRIの所見は慢性肝炎ではほとんどみられず, 肝硬変では脳症を発症する以前より病変を認め, 慢性肝疾患の重症度の予測に役立つと考えられた.
著者
坂手 誠治 惠 千恵子 小林 正嗣 村田 和弘 阪上 皖庸 木村 隆
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.201-205, 2003 (Released:2004-09-10)
参考文献数
8

中性脂肪 (TG)値は飲食により大幅に変動するので, 空腹時の基準値に基づいて食後のTG値から高TG血症の有無を判断するのは難しい. 多くの健康診断受診者 (TG以外の生化学検査所見異常者と要治療有症者を除く)のTG値を検討すると, 男性における空腹時TGの平均値 (M)+2標準偏差 (SD)は, 一般にスクリーニング値とされる150mg/dlにほぼ一致した. このことから, 食後TGの経時的スクリーニング値を食後の各時間帯でのM+2SDとしたところ, ふるい分け率は19.9~21.8%で, 空腹時の23.5%に近似した率を示した. 従って, 食後におけるTGの実用的なスクリーニング値は, 食後の各時間帯でのM+2SDに最も近く1桁目が0の整数値とするのが適当であると考えられた. 女性の平均TG値は加齢により上昇する傾向を認めるものの男性のそれよりも低値であり, 20~49歳でのふるい分け率は空腹時5.3%, 食後3.2~5.8%に対し, 50歳代ではそれぞれ11.3%, 8.2~12.9%であった.
著者
河田 潤一 小川 有美 加藤 淳子 小林 正弥 仙石 学 田中 善一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本共同研究は、日本、韓国、イタリア、フランス、南欧諸国、中束欧諸国、EUを直接の対象とする、政治汚職・腐敗、クライエンテリズム、社会資本をめぐる、実証的・理論的・比較政治学的研究を行うことを目的とするものである。我々一同は、汚職・腐敗(corruption)とクライエンテリズム(clientelism)の区別に留意しつつ、クライエンテリズムを近代化の残滓と見る従来の考え方を批判的に乗り越えようとした。そのことは、同時に、汚職とクライエンテリズムの衰徴はパラレルに進行するとの楽観的見方を克服しようとするものである。従来の近代化論的視座は、汚職とクライエンテリズムを資本蓄積(=資本主義)、合理化(=官僚制化)、政治参加(=民主主義)の多様な要求がもたらす利益の共生=相反関係が構造化する権力構造の構造的・制度的産物と見てこなかったのである。汚職とクライエンテリズムは、行政効率の点で「潤滑油」として評価すべきなのか。両者は、社会的・経済的不平等あるいは経済発展を修正するための社会の周辺部分からの正当な要求として評価すべきなのか。それらは、「社会資本」/「道徳資本」の欠如によって強化される「悪循環」の結果として理解されるべきなのか。政治汚職・腐敗を規制する法律の強化はいかなる効果を持ちうるのか。あるいは選挙制度改革や地方分権化は汚職やクライエンテリズムの抑制の万能薬でありうるのか。こうした問いに答えるべく、我々は、広範な理論的アプローチと実証的証拠を駆使し、「腐った(corrupted)」・恩顧主義的(clientelistic)慣行を形成する歴史的・制度的・社会=文化的要因の解明に努力した。こうした作業の一端は、公開報告として、2006年度世界政治学会(International Political Science Association)福岡大会のRC06(Political Sociology)なるセッションにて2006年7月10日に行った。本研究にとって益すること大であった。研究成果の一部は、Junichi Kawata (ed.), Comparing Political Corruption and Clientelism (Hampshire : Ashgate)として既に上梓されている。我々は、本共同研究の知見が、我々が生きる時代の民主主義をよりよく機能させることに役立つものと確信するものである。
著者
笠井 久会 大沢 秀一 小林 正 吉水 守
出版者
日本魚病学会 = Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.199-200, 2002-12

Treatment of supplied water with a high quality ultraviolet (UV) lamp was examined for prevention of scuticociliatosis of farmed juvenile Japanese flounder (Paralichthys olivaceus). In an examination for the ciliate-cidal effect of UV irradiation, scuticociliates showed low susceptibility to UV compared with fish pathogenic viruses or bacteria, the minimal killing dosage being 2.0 × 10^5 μW・sec/cm^2. UV treatment of supplied water to the tank was performed in a flounder farm in southern Hokkaido, where scuticociliatosis frequently occurred. It was revealed that the UV treatment at 3.0 × 10^5 μW・sec/cm^2 was effective to prevent scuticociliatosis.