著者
松田 忠久 斉藤 雅人 阿部 昌弘 橋本 哲也 小林 裕之 渡辺 泱
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.1417-1422, 1987-08-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
2

1982年6月から1985年10月までに, 京都府立医科大学泌尿器科学教室を受診した腎腫瘤症例で, 腹部CT, 腎超音波検査, 腎血管造影などにて診断が確定し得なかった10例に対して, 選択的腎生検を施行した.選択的腎生検にて得られた組織診断は, 腎細胞癌6例, 乳頭状腎細胞癌1例, 移行上皮癌1例, 血管筋脂肪腫1例, 膜性増殖性糸球体腎炎1例で, それにより各々の症例の治療のために極めて重要な情報が得られた. また生検を契機とした腫瘍細胞の播種をはじめとした合併症は, 認められなかった.よって腎腫瘍に対する選択的腎生検は, 従来の諸検査では診断できなかった腎腫瘍の診断に非常に有用であると思われた.
著者
井上 渉 横田 公幸 小林 裕徳 西 宏之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.419-420, 1996-03-06
被引用文献数
2

従来のオフィスにおける通信サービスは電話が主であったが,最近はこれに加え,LAN上のPC(Personal Computer)を用いた電子メールの普及が著しい.電話系およびLAN系システムは別々に発展し,お互いに高度な機能を有するようになったが,電話系サービスには次の問題点がある.(1)機器操作の複雑さ(機能ボタン・機能特番による操作,トーンによる機器状態の表示)(2)着信側の状況に関係ない接続(回線の接続を目的とした電話の接続方式)(3)各種アドレス,操作方法を使い分ける必要がある(LAN系と独立したサービス体系)上記の問題点を解決するため,音声通信サービス制御法の一つとしてLAN機能を電話の制御に取り組んだプリネゴシエーション形サービス制御を提案する.プリネゴシエーションは『音声通信パスを接続する前に,発信者の要求と着信者の状態に関して情報の送受信をすることにより,最適な通信手段を提供する機能』と定義される.ここではプリネゴシエーションを可視化するシステムを構築し,既存電話サービスとの比較を行い,プリネゴシエーションが有効であることを報告する.
著者
林 裕子
出版者
大正大学
雑誌
大正史学
巻号頁・発行日
vol.19, pp.18-21, 1989-03-25
著者
小林 裕章 金子 剛 西本 紘嗣郎 内田 厚
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.63-65, 2010-01
被引用文献数
1

Penile strangulation is one of the emergent urologic disorders, because immediate release is the critical treatment to prevent penile necrosis, urethral injury, erectile disorder, and other unfavorable events. A 66- year-old man was transferred to the emergency room of our hospital for the penile swelling and pain, occurring by penile insertion to the beverage bottle for masturbation. The penis was completely relieved using an electric plaster cutter without any injury. The strangulation time was four hours and a half, and there were no complications. We recommend an electric plaster cutter as a useful tool for this incident.
著者
佐藤 慈 清水 穂高 児守 啓史 青木 直和 小林 裕幸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.70, no.Suppliment, pp.66-67, 2007-05-24 (Released:2011-02-17)

With color photos we feel aged from lower color temperature, lower chroma, and faded color. But black-and-white and sepia-toned photos make us feel more aged than any color photos. Here kansei effect of sepia-toned photo is discussed compared with black-and-white photo.
著者
木暮 一啓 小川 浩史 砂村 倫成 河原林 裕 浜崎 恒二 常田 聡 西村 昌彦 浦川 秀敏 千浦 博 井上 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

近年の研究から、海洋の中心層には古細菌が広く分布することが分かってきた。1000m以深では、数的には原核生物のうちの半数近くを占めることが見出されてきたが、今のところ分離株が全くなく、その生態、系統、物質循環に対する寄与などについては殆ど未知の状況である。これらの環境は低温、高圧、貧栄養で特徴付けられるが、こうした環境は従来から知られていた古細菌の好熱性、好塩性、嫌気性などの性質からはずれがある。従ってこれらを非極限性の古細菌と呼ぶことにする。本研究はこの一群を中心とした古細菌に対する学際的研究である。本研究では様々な課題を扱ったが、最大の成果は外洋域中心層から複数の古細菌を分離し、その系統的位置づけおよび性情等についての検討を開始できたことである。これは我々の知る限り、世界で初めてのことである。さらに、それが系統的には好塩性の古細菌に近縁であることが分かったことから、非極限性古細菌群集の起源や古細菌の進化上の広がりなどについて新たな仮説を提示できる段階に至った。
著者
佐藤 仁 天笠 光雄 佐藤 和子 山田 隆文 川口 哲司 冨塚 謙一 石井 純一 小林 裕 塩田 重利 岡田 憲彦 井上 哲生
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.1512-1516, 1991
被引用文献数
4 4

Multiple oral cancers have been found more frequently today than in past years.The reason may be due to the progress of therapeutic result and the long term follow-up observationafter success of prompt and effective treatment of the first primary lesion.<BR>Multiple cancer involving oral cancer were observed frequently in the multicentric areassuch as the stomach, lung, and esophagus but rarely found in the thyroid.<BR>The patient with double cancer of the tongue and thyroid was found due to material fromradical neck dissection for tongue cancer.
著者
小林 裕二 岡本 明
出版者
新潟大学
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.49-57, 2002-12

Composite resin restorations which have been widely used in the clinics have a problem to bring about hypersensitivity and secondary dental caries due to the microleakage of enamel and dentinal margin caused by polymerization contraction. The purpose of this study is to verify the occurrence of microleakages and to certify the clinical technique in order to avoid microleakage by using three different types of resin bonding systems which are known to have enough bonding strength to dentin. After pretreatment of three types of resin bonding systems, composite resin was filled in the cervical cavities which had been prepared on extracted human premolars. Then three polishing groups, namely, immediately polished group, resin impregnation group and one week water-immersed before polishing group were examined. The specimens were stained and the marginal-leakage was measured under measuring microscope. Further the Laser Scanning Microscope was used to observe the pretreated surface of dentin and enamel. The elemental distribution on adhered surface was analyzed by Electron probe micro-analyzer. Results showed that microleakage was significant on the enamel margin more than on dentinal margin. The present investigation showed that one week water-immersed before polishing group and resin impregnation group have strong marginal seal even after mechanical cyclic load test and thermal load test. Further, the degree of decalcification on pretreated surface is significantly different by the pretreatment agents, and the distribution of elements on adhered dentin surface is dissimilar by the bonding agents because of their permeability into dentin. The present study showed that the complete elimination of marginal leakage is not perfect yet even with the presence of the three bonding systems used in this study. As a conclusion on clinical aspect it is recommended to avoid immediate-polishing or using of the resin impregnation method in order to lessen marginal microleakage.これまで広く用いられてきたボンディングシステムによるコンポジットレジン修復では、いまだレジン自身の重合収縮の問題は解決されておらず、エナメル質窩緑部及び象牙質窩縁部での辺縁漏洩が原因で、臨床上、知覚過敏や二次齲蝕をおこすという問題点がある。本研究は、近年の特に象牙質への接着強化を標榜する各種レジンボンディングシステムを用いたコンポジットレジン修復物の辺縁漏洩の発生状態を明らかにし、その防止のための臨床技法を確立するために行われた。ヒト抜去小臼歯に一窩洞でエナメル質、象牙質両窩縁を有する歯頚部窩洞を形成し、3種のレジンボンディングシステムを用いてコンポジットレジン充填を行った。その後、当日研磨群、レジンインプレグネーション法群そして一週間水中浸漬後研磨群の研磨方法の異なる3群に分け、辺縁漏洩試験を行った。さらに走査型共焦点レーザー顕微鏡を用いて、各種レジンボンディングシステム前処理後の表面性状を観察し、Ⅹ線マイクロアナライザーにより接着境界面の元素分析を行った。その結果、象牙質窩緑よりエナメル質窩縁の方が微少漏洩が多く見られた。また、一週間水中浸漬後研磨群およびレジンインプレグネーション法を用いた群では、繰り返し荷重、熱サイクルのどちらの負荷を加えた場合でも、エナメル質窩縁、象牙質窩縁の両者で、高い辺縁封鎖性が得られた。しかし前処理剤の違いにより接着境界面の脱灰の程度は大きく異なり、さらにボンディング剤の象牙質への浸透性の違いから、材料により接着界面の元素分布も大きく異なることが明らかになり、現時点ではまだ改良の余地があることが示唆された。以上から臨床的にはいまだ当日研磨を避ける、もしくはレジンインプレグネーション法を行うという術式を加え微少漏洩を最小限に抑える必要があることが示された。
著者
加納 信吾 児玉 文雄 角南 篤 中野 壮陛 林 裕子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

先端医療分野において、イノベーション発生後の後発事象としての「イノベーションを利用するためのルールが組成されない状態(=レギュレーション・ギャップ)」の発生現象を説明するために、レギュレーションを組成できる限界である「レギュレーション・フロンティア」概念を導入し、この概念を用いてレギュレーション・ギャップを分析する一般的な分析フレームワークを構築した。この分析フレームワークを用いてDNAチップ診断薬の日米の事例分析を実施し、日米における規制組成過程の違い及び規制組成において実質的に規制当局とメーカーを媒介している境界組織の違いを分析し、米国ではFDA主導による統合型の規制組成過程が存在し、規制組成のための研究活動を実施しているのに対して、日本側では規制当局の機能が経済産業省・厚生労働省に分散していること、規制組成のための研究活動が脆弱であることを明らかにした。
著者
宮田 久美子 林 裕子
出版者
看護総合科学研究会
雑誌
看護総合科学研究会誌=Journal of comprehensive nursing research (ISSN:1344381X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.3-16, 2013-02-28

遷延性意識障害患者の看護介入の目的と内容について文献調査を行った。看護基礎教育の教科書2件と医学中央雑誌Web Ver.5で検索した研究論文91件を対象とし,質的帰納的に分析した。結果:遷延性 意識障害患者への看護介入の目的は【生活援助】,【合併症予防】,【意識障害の回復】,【生活行動の回復】 の4つに大別された。その介入内容は,【生活援助】は[栄養方法の工夫],[日常生活全般の援助]など7項目であった。【合併症予防】は,[口腔内状態の改善],[褥瘡の予防・改善]など5項目であった。 【意識障害の回復】は,[意識レベル改善],[身体刺激の生理的評価]であり,【生活行動の回復】は[筋・ 関節拘縮の改善],[生活行動獲得]であった。論文数の推移から,遷延性意識障害患者の看護の目的は, 【生活援助】から【意識障害の回復】,【生活行動の回復】へ変化の過渡期にあり,その看護介入は開発途上であることが推察された。
著者
小林 裕太 日置 幸介
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.89-93, 2012-10-25

The Earth's spin axis moves by various factors, and mass redistribution associated with seismic faulting is also expected to contribute to this movement. However, there have been no space geodetic observations of coseismic polar motion excitations to date. In this study, we analyze the time series of the excitation functions of the polar motion, and try to detect steps due to the three recent M9 class earthquakes, i.e. the 2004 Sumatra-Andaman, the 2010 Chile (Maule), and the 2011 Tohoku-Oki earthquakes. For the 2010 Chile earthquake, a significant step was detected but was not consistent with the anticipated direction.
著者
小林 裕太 日置 幸介
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.89-93, 2012 (Released:2013-02-26)
参考文献数
16

The Earth’s spin axis moves by various factors, and mass redistribution associated with seismic faulting is also expected to contribute to this movement. However, there have been no space geodetic observations of coseismic polar motion excitations to date. In this study, we analyze the time series of the excitation functions of the polar motion, and try to detect steps due to the three recent M9 class earthquakes, i.e. the 2004 Sumatra-Andaman, the 2010 Chile (Maule), and the 2011 Tohoku-Oki earthquakes. For the 2010 Chile earthquake, a significant step was detected but was not consistent with the anticipated direction.
著者
牛尾 収輝 若林 裕之 西尾 文彦
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.299-305, 2006-07-15 (Released:2010-02-05)
参考文献数
19
被引用文献数
2 4

1990年代後半から2005年までの間,南極リュツォ・ホルム湾では沿岸定着氷の崩壊・流出が頻繁に観測されている.南極沿岸海氷の変動特性を把握するために,同湾で生じる海氷流出の履歴に着目して衛星画像を解析した.その結果,流出発生の有無,つまり海氷の安定/不安定は数年間ずつ続いていること,それらの発現時期は海氷上積雪深や地上気温・風系の年々変化の傾向と符合していることが見出された.また,同湾南端に流れ込む白瀬氷河の浮氷舌の動態を加えて,過去50年間の沿岸定着氷の変動を推定したところ,1980年代初期以降の約25年間は不安定で,それ以前に長期間続いた安定な氷状と顕著に異なることがわかった.南極リュツォ・ホルム湾の沿岸定着氷の変動を解析した結果,以下のことがわかった.
著者
近藤 一郎 小林 哲夫 若林 裕之 山内 恒治 岩附 慧二 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.281-291, 2008-06-30
被引用文献数
3

母乳に含まれるラクトフェリン(LF)は鉄結合性糖タンパク質であり,抗菌作用などの生理活性を有することが知られている.本研究では,ウシLF配合錠菓(森永乳業)を3カ月間摂取した場合の歯周炎患者に及ぼす影響を,臨床的,細菌学的,および生化学的に検討した.同意が得られた軽度慢性歯周炎患者18名を無作為に,ウシLF含有錠菓摂取群(実験群:8名)およびプラセボ錠菓摂取群(コントロール群:10名)に分けて,ともに錠菓を1日3回(1回2錠)3カ月間摂取し続けてもらった.錠菓摂取直前(ベースライン),摂取1週後,1カ月後,および3カ月後の来院時に,1)歯周組織検査,2)定量性PCRによる歯肉縁下プラークおよび唾液細菌検査(総菌数,Porphyromonas gingivalis数,Prevotella intermedia数,3)サンドイッチELISA法による歯肉溝滲出液(GCF)および唾液ヒト・ウシLF濃度検査,4)リムルステストによるGCFおよび唾液エンドトキシン濃度検査,を二重盲検法にてそれぞれ行った.各来院時での検査結果の群間差をMann-Whitney U testにて統計解析した.本実験期間中でウシLF錠菓摂取に伴う副作用は一切認められず,同錠菓の安全性が再確認された.実験群ではコントロール群と比べてベースラインに対する歯肉緑下プラーク細菌数変化量の有意な低下が,総菌数(1カ月後),P.gingivalis数(1,3カ月後),P.intermedia数(1週後)においてそれぞれ認められた.唾液細菌数および臨床所見における群間差はみられなかった.ウシLF濃度は,コントロール群と比べて実験群で有意に高いレベルが維持された.ヒトLFおよびエンドトキシンの濃度変化量には群間差はみられなかったが,実験群のGCFでは低レベルで推移する傾向が認められた.以上から,ウシLF配合錠菓の継続的な経口投与により,歯周病原細菌が減少することが臨床レベルで初めて確認された.ウシLFのレベルがGCFである程度維持され,歯肉縁下プラーク細菌を抑制した可能性が考えられる.食品成分であるウシLFを配合した錠菓の経口投与は,より安全な歯周病の予防法として有望であることが示唆された.