著者
小林 美亜 石川 翔吾 上野 秀樹 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.248-253, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年,人工知能(AI)やロボット技術の発展に伴い,ヘルスケア領域の研究が盛んにおこなわれている.そして,高齢者の身体機能・認知機能を維持・改善するためのアプローチにも,AIが搭載されたコミュニケーションロボットなどが活用されるようになった.しかし,「意味」を理解したり,「状況」を考慮したり,「人間のように」思考することのモデル化を目指したAI研究は,依然として発展途上である.そこで,人工知能学に基づき,認知機能が低下した方々に対する「見立て知」のモデルを構造化し,介護者等がその知を習得し,活用できる環境を整えることによって,適切な治療やケアにつなげたいと考える.
著者
久郷 昌夫 栗林 浩
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.9, pp.928-929,a1, 1967-09-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1

固体リン酸触媒を用いてエチレンの水和によるエタノールを合成する際の反応速度式について検討した結果. 理想温度操作経路と同様に理想モル比 (H2O/C2H4) 操作経路も存在することを知り, 冷エチレン注入式反応器を提案し, さらに一般的な冷ガス導入式における理論的最適条件式を導出した。この式は, 反応物の一成分である冷注入物によって温度と生成物濃度のみならず原料モル比も変化し, この三者が三様の影響を反応速度におよぼしていることを考慮してある。
著者
加藤 健一郎 中村 勉 横手 幸伸 松島 俊久 小池 道広 北田 寿美 佐藤 直毅 柳井原 務 横田 茂夫 小林 潔
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第1巻 給排水・衛生 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.221-224, 2014 (Released:2017-11-15)

配管のねじ接合に関する施工実態の把握を目的に、①アンケートによる施工内容に関する調査の実施、②テープシール併用時のトルクに関する確認実験を実施した。本報では、これらの調査と実験の結果について報告する。
著者
長田 あかね 家原 彰子 岡井 毅芳 金子 千沙 小林 凱之 高橋 葉子 見市 泰男 山路 興造 渡邊 美秀子
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

長命茂兵衛家文書は、中世から近世にかけて南都両神事能(春日若宮祭能と興福寺薪能)で活動した年預に関する、ほぼ唯一のまとまった文書群であり、日本芸能史・能楽史の研究を中心に、きわめて重要な資料と位置づけることができる。研究期間を通して、同文書について、書誌データの採取、目録・釈文・解題・画像データの作成、参考文献の収集他の作業を達成し、同文書の分析および年預の活動実態に関する研究も行った。その結果、これまで事実上未公開であった同文書の全面公開への道筋をつけ、同文書を活用した今後の研究発展に貢献しうる成果を得るに至った。
著者
東家 一雄 深澤 洋滋 笠原 由紀 奥田 学 田原 壮平 栗林 恒一
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.767-778, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

平成16年度に発足した免疫研究委員会では、過去に国内外で発表された鍼灸と免疫に関する全ての基礎研究論文の記載内容を精査する目的でWeb上のデーターベースからキーワード検索により724論文を選び、そこから実験動物対象の原著論文52編とヒト対象の原著論文42編 (そのうち英文論文72編、邦文論文22編) を抽出した。それら94論文に記載された鍼灸刺激方法や実験対象、測定された免疫学的パラメーターなどについて詳細な検討を加えた結果、本領域の報告は極めて多様な実験条件設定の下で実施されていることが明らかとなり、今後のこの領域の基礎研究では相互に比較検討が可能な再現性の高いデータを蓄積しなければならないことが示唆された
著者
林 芙美 野口 真希 宇野 薫 武見 ゆかり
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.24-36, 2020-02-01 (Released:2020-03-19)
参考文献数
39
被引用文献数
1 3

【目的】妊婦を対象に,主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度と栄養・食物摂取状況との関連を検討し,さらに食知識,食態度,食行動,周囲のサポート等との関連を把握すること。【方法】2015年1~3月,群馬県T市S病院にて妊婦健診・母親学級に訪れた妊婦(11~20週)に研究参加を呼びかけ,141名から自記式質問紙及び簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)に回答を得た。身長,妊娠前体重,調査時体重はカルテより把握した。最終的に118名を分析対象者とし,主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度別に3群(1日2回以上,1日1回,1日1回未満)間で,年齢,妊娠期区分,妊娠回数,世帯構成,暮らし向きを調整した共分散分析を用いて栄養・食物摂取状況を比較した。関連要因の検討には,多重ロジスティック回帰分析を用いた。【結果】主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度が高い者ほど,いも類,野菜類,肉類の摂取量が多かった(p for trend<0.05)。1日1回未満群に比べて,1日2回以上群は1食の量とバランスの知識があり,調理が好きで大切だと感じており,食事を整える自信があり,欠食がなく,家族との朝食共食がほぼ毎日で,専門的な学習の経験者が多かった。また,1日1回群でも食事を整える自信がある者が多かった。【結論】主食・主菜・副菜がそろう食事の実現には,適切な食知識や食事づくりに対する前向きな姿勢が重要であると示唆された。
著者
長尾 恭史 小林 靖 竹内 雅美 田積 匡平 小田 知矢 眞河 一裕 宮島 さゆり 馬渕 直紀 小林 洋介 高橋 美江 今村 一博
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.391-398, 2012 (Released:2012-11-23)
参考文献数
31
被引用文献数
4 1

【目的】脳卒中急性期における肺炎合併がどのような機序で機能回復に影響を与え予後悪化を招くか後方視的に検討した.【方法】急性期脳卒中患者のうち肺炎発症高リスク47名を対象とし,肺炎合併群17名と非合併群30名で各種データを比較.【結果】急性期入院時の背景因子・重症度は2群で差はなく,転院時では血清アルブミン値,SIAS麻痺側上下肢(上肢遠位除く),非麻痺側,体幹各下位項目,FIM,回復期退院時ではSIAS下肢近位(股),非麻痺側,体幹各下位項目,FIM,FIM効率と嚥下障害改善率で肺炎合併群が有意に劣っていた.【結論】肺炎合併による機能的予後の悪化とは,リハ遅滞や臥床による廃用性萎縮や学習された不使用が生じることにより,急性期での麻痺側運動機能,非麻痺側機能,体幹機能,嚥下機能の低い改善・低下や低栄養が主因となり,結果として回復期での機能回復にまで悪影響を及ぼすことであると考えられた.
著者
藤井 恵 西山 睦子 小林 茂 阪田 茂宏
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.131-136, 2018-09-30 (Released:2018-09-30)

【要旨】2008 年よりフットケアサロンを持たずに関西地域の靴店,クリニック,自宅訪問の『出張フットケア』と,その他「靴と足」に関連する啓発活動を行ってきた.『出張フットケア』の特徴は,フットケアが必要とされる人のところへ直接行きサービスができることや靴店,クリニックとの連携でさらにトラブルの改善ができることにある.一方,1987 年に設立された「プロフェッショナルシューフィッティングを読む会」が現在大阪,東京,名古屋,広島,北海道,北陸など各地域で,「靴と足」に関係する集まりの中で勉強会を開催している.この専門知識や横のつながりを深める『靴を考える会』の活動と,『出張フットケア』と関連する啓発活動の,2 つの活動を紹介し,今後の課題を報告する.
著者
林 広樹 笠原 敬司 木村 尚紀
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.2-13, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
78
被引用文献数
15 12

関東平野の地下に分布する先新第三系の地体構造に制約を与えるため,新第三系を貫通した深層ボーリング,および反射法地震探査のデータを収集した.収集したデータはボーリング49坑井,反射法地震探査31測線である.坑井ではコアまたはカッティングス試料により岩相を観察し,地体構造区分上の帰属を足尾帯,筑波花崗岩・変成岩類,領家帯,三波川帯,秩父帯,四万十帯およびこれらを覆う中生界の堆積岩類に区分した.また,坑井におけるVSP法またはPS検層データによって基盤岩の物性を調べたところ,より年代の古い地質体ほど大きなP波速度を示すことが明らかになった.この性質を用いて,反射法地震探査による地下構造断面を地体構造の観点から解釈し,関東平野地下における地体構造区分分布図を作成した.
著者
鈴木 みずえ 松井 陽子 大鷹 悦子 市川 智恵子 阿部 邦彦 古田 良江 内藤 智義 加藤 真由美 谷口 好美 平松 知子 丸岡 直子 小林 小百合 六角 僚子 関 由香里 泉 キヨ子 金森 雅夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.487-497, 2019-10-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
34

目的:本研究の目的は,パーソン・センタード・ケアを基盤とした視点から認知症高齢者の転倒の特徴を踏まえて開発した転倒予防プログラムの介護老人保健施設のケアスタッフに対する介入効果を明らかにすることである.方法:2016年5月~2017年1月まで介護老人保健施設で介入群・コントロール群を設定し,認知症高齢者に対する転倒予防プログラムを介入群に実施し,ケアスタッフは研修で学んだ知識を活用して転倒予防に取り組んだ.研究期間は,研修,実践,フォローアップの各3カ月間,合計9カ月間である.対象であるケアスタッフにベースライン(研修前),研修後,実践後,フォローアップ後の合計4回(コントロール群には同時期),転倒予防ケア質指標,学際的チームアプローチ実践評価尺度などのアンケートを実施し,割付条件(介入・コントロール)と時期を固定因子,対象者を変量因子,高齢者施設の経験年数,職種を共変量とする一般線形混合モデルを用いた共分散分析を行った.結果:本研究の対象者のケアスタッフは,介入群59名,コントロール群は70名である.転倒予防プログラム介入期間の共分散分析の結果,転倒予防ケア質指標ではベースライン63.82(±11.96)からフォローアップ後70.02(±9.88)と最も増加し,有意な差が認められた.介入効果では,認知症に関する知識尺度の効果量が0.243と有意に高かった(p<0.01).結論:介入群ではケアスタッフに対して転倒予防ケア質指標の有意な改善が得られたことから,転倒予防プログラムのケアスタッフに対する介入効果が得られたと言える.
著者
吉野 朋美 小林 ふみ子 青木 幸子 中嶋 真也 平野 多恵 佐藤 至子 兼岡 理恵 中野 貴文
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、以下の四点に集約される。【1】多様な教育手法と経験を備えた大学と高校の教員が、専門分野や学校の垣根を越えて連携し、研究と高等教育の現場を結びつけて、探究型の古典文学教育を実現する。【2】学習者(高校生・大学生・大学院生)と教授者(高校・大学教員)が同じ題材を学び合うことで多様な視座の獲得を可能にするワークショップ(以下WS)を継続的に開催し、古典文学教育でディープ・アクティブラーニングを実現する授業方法を開発する。【3】欧米の大学・大学院における教育方法を応用し、新たな古典教育のモデルを開発する。【4】本研究で開発した教材や教育方法モデルをWeb公開して、社会に広く還元する。
著者
大林 隆司
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.53-57, 2008-03

小笠原諸島は2007年1月に世界自然遺産の「暫定一覧表」に記載されることが決定した。そのため、各種の外来生物への早急な対策がますます求められており、ニューギニアヤリガタリクウズムシについても同様である。筆者は2006年に小笠原諸島における本種の状況について述べたが、それ以降の小笠原諸島における本種の知見(対策も含む)を述べた。
著者
小林 明日香 渋川 周平 高野 晋 室 伊三男
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.1180-1185, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
12

We have found that the number of packages influences contrast for brain tissue signals on fluid-attenuated inversion recovery (FLAIR). The purpose of this study was to evaluate the contrast of white and gray matters by changing the number of packages. In a volunteer study (n=8), FLAIR images were obtained with the various number of packages (number of package=2, 3, 4, 5). We investigated the same imaging condition at both 1.5 and 3.0T. The signal intensity of white and gray matters in all volunteers was increased as increasing the number of packages. Moreover, the contrast ratio between white and gray matters was slightly decreased. In our conclusion, the contrast between the gray and white matters on FLAIR was influenced by the number of packages.
著者
北條 彰 田角 勝 阿部 祥英 花岡 健太朗 小林 梢 板橋 家頭夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.598-606, 2016 (Released:2017-03-16)
参考文献数
20

特異的読字障害は学習障害の一つであり,知的障害がないにもかかわらず,読字を苦手とする.近年の研究では,文字の音声化や単語や語句をひとまとまりとして認識することの障害と考えられている.今回,特異的読字障害の児童が読字をする際の視線を分析し,読み方の特徴を評価した.対象は,読字障害群(17人),ADHD(注意欠陥多動障害)群(10人),コントロール群(12人)の児童である.対象の児童に音読検査課題を実施し,読み飛ばしと読み誤りの回数を測定した.同時に音読検査課題中の視線の動きをTobii社製の眼球運動計測・視線追跡装置(アイトラッカー)を用いて,注視点の数(視線を動かした数)や注視点の大きさ(視線が停滞した時間)を比較し検討した.1.読み飛ばし,読み誤りともに読字障害,ADHD,コントロールの順に回数が多い傾向があった.2.4種類の音読検査課題において,読字障害群の注視点数がコントロール群の注視点数よりも有意に多かった(p<0.01).読字障害の児童の視線の動きをアイトラッカーで可視化することは,読字障害の児童がどのように読字に困難を伴っているかを理解するために有用である.
著者
小林 哲郎 柏木 悠 相馬 満利 藤戸 靖則 平野 智也 山岸 道央 和田 匡史 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.182_2, 2016

<p> 【目的】全力クロール泳におけるキックが水平速度(SV)、ストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、ストロークサイクル内の水平速度変動(IVV)に及ぼす影響を明らかにすること。【方法】被験者は日本代表経験者を含む男子水泳選手5名(身長;175.2 ±6.5cm、体重;78.1 ±7.5kg、50mベストタイム;23.82 ± 0.73s)であった。試技はクロール泳の通常の泳ぎ(スイム)と足首をロープ固定した腕によるストロークだけの泳ぎ(プル)で、25m全力泳をそれぞれ行った。デジタルビデオカメラ(60fps)を用いて選手右矢状面より水中映像撮影を行った。分析区間は右手の1ストロークサイクルとし、選手の右大転子点よりSVを算出した。【結果及び考察】SVはプルに対してスイムで約20%の速度増加がみられ、SRには有意差がなく、SLはスイムの方が大きい値を示した。IVVは、スイムとプルでそれぞれ7.84 ±1.76、9.73 ± 1.87%であり、スイムの方が統計的に有意に小さい値を示した(p<0.05)。スイムはキックにより1ストロークあたりの距離を大きくすることで高い速度を得ていることが推測された。</p>
著者
斉藤 一三 飯島 利彦 林 正高
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.260-261, 1970-01-31 (Released:2016-09-05)

カバキコマチグモ, Chiracanthium japonicumの刺咬症の1例について報告した.カバキコマチグモの毒性は非常に強く, 痛みははげしく, 一般的な鎮痛剤では効果はなく麻薬を用いることによつて痛みを軽減することが出来た.