2 0 0 0 OA 西洋演劇史

著者
小林愛雄 著
出版者
赤城正蔵
巻号頁・発行日
1914
著者
三星 知 山田 仁志 山崎 修治 小林 真理子 上野 和行 長井 一彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.7, pp.943-947, 2020-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Concomitant therapy with acetaminophen (APAP) and low-dose aspirin is often used in clinical settings; however, it is unclear whether this combination is involved in the progression of chronic kidney disease (CKD). We hypothesized that concomitant therapy with APAP and low-dose aspirin may cause CKD progression. We carried out a retrospective 6-year cohort study that included all patients who received low-dose aspirin from January 2011 to December 2016 at Kaetsu Hospital. Primary outcome was defined as CKD progression at the end of the study compared with baseline. Among the 441 patients treated during the study period, we identified 89 cases of CKD progression. Multivariate regression analysis showed that exposure to APAP>50 g [odds ratio (OR), 2.68, 95% confidence interval (CI), 1.08-6.70], age increase by 1 year (OR, 1.05, 95% CI, 1.02-1.08), and diabetes mellitus (OR, 2.40, 95% CI, 1.41-4.08) had positive associations with CKD progression. Our findings suggested that concomitant therapy with APAP and low-dose aspirin increased the risk of CKD progression. Therefore, we recommend more thorough monitoring of serum creatinine when patients are on such concomitant therapy. Moreover, it is important to advise users of low-dose aspirin to avoid unnecessary use of APAP, in order to reduce the risk of CKD progression.
著者
浅野 尚美 小郷 博昭 池田 亮 閘 結稀 髙木 尚江 山川 美和 吉岡 尚徳 小林 優人 淺田 騰 藤井 敬子 藤井 伸治
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.3-8, 2017-02-28 (Released:2017-03-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

生後4カ月以内の乳児では,母由来のIgG型抗A,抗B抗体の有無を確認した上で適合血を選択しなければならない.当院では,生後4カ月以内の乳児の外科的手術症例における輸血が比較的多く,限られた検体量の中で輸血用血液製剤の正確で迅速な準備が要求される.今回,母由来のIgG型抗A,抗B抗体が陽性であった生後4カ月以内の乳児に対し,赤血球輸血の際に選択された血液型について後方視的に解析を行った.2009年4月から2013年3月の4年間に,輸血検査を行った生後4カ月以内のO型以外の乳児は309人で,間接抗グロブリン試験でW+以上の凝集を認め母由来のIgG型抗A,抗B抗体が検出された症例が44例(14.2%)であった.1+以上を示した31例のうち24例がO型赤血球輸血を選択したが,省略してもよいとされているABO血液型ウラ検査(カラム凝集法)で,児の血液型と同型のウラ血球に凝集を認めた症例が17例あった.生後4カ月以内の乳児の輸血前検査として,A1またはB血球との間接抗グロブリン試験で1+以上の凝集を認めた場合に加え,血液型検査のウラ検査も,母由来のIgG型抗A,抗B抗体を検出できる場合があり,O型赤血球輸血の選択基準のひとつになり得ると考えられた.
著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第17回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.55-58, 2020 (Released:2020-06-19)

その国の研究力を測る手段として、研究論文数が取り上げられることが多いが、その国の学会を中心とした研究者コミュニティが主体的に編集に携わるジャーナル(自国ジャーナル)の数やそれらの質も、研究力を測る一つの指標となりうる。今回、クラリベイトアナリティクス社のジャーナルインデックスの中で、分野別のインパクトファクター上位25%(Q1ジャーナル)の雑誌群をその分野のトップジャーナルとみなし、その数と内容を国別に分析することで、その国の研究力や特徴に関する示唆を得ることができると考え、2000年以降のQ1ジャーナル数の推移を日本と中国に絞って調査・比較した。その結果Q1ジャーナル数において2010年代に日中の逆転が起こり、また、2018年には3倍以上の差が生まれていることが分かった。また、中国のQ1ジャーナルは、2000年代後半より戦略的な創刊、ないしはプラットフォーム移行がなされていることが示唆され、欧米の商業出版社との提携が多いことなどがわかった。

2 0 0 0 OA 郊外論の地平

著者
若林 幹夫
出版者
日本都市社会学会
雑誌
日本都市社会学会年報 (ISSN:13414585)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.19, pp.39-54, 2001-07-07 (Released:2011-02-07)
参考文献数
36
著者
若林 三千男 大場 秀章
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-27, 1995
参考文献数
16
被引用文献数
4

ホクリクネコノメの仲間(ホクリクネコノメ群)のホクリクネコノメとボタンネコノメソウは深山の渓流沿いなどの湿った場所に生え, 春先に花を咲かせる多年性草本で, 主として本州の日本海側寄りに分布している。ボタンネコノメソウはホクリクネコノメの分布域よりやや南側に生育し, 大井次三郎博士によって1933年, 種として記載されたが, 現在ホクリクネコノメの変種として扱われている。両者は主に, 花柱と雄しべが萼片より超出するか, またはそれより短いかで識別されるが, それらの変異についてはまだ詳しい解析はなされておらず, 変種関係とする理由も明らかにされていない。また両者の分布についても, 原(1957)および原と金井(1959)によって当時点での概略が示されているが, その後の詳しい研究はなされていない。最近, 岐阜県高山市在住の長瀬秀雄氏は, 飛騨地方一帯に変わったボタンネコノメソウがあることを発見された。私達はその実態を把握するため, 氏の案内で現地調査をする機会を得た。その結果, 花柱や雄しべが萼片より超出しない点はボタンネコノメソウに似ているが, 花はそれよりかなり大きく, 葯は赤色で萼が黄色を帝びるなとボタンネコノメソウとはかなり異なる特徴を示すことが確認された。さらにこの植物の分類学的位置づけを明確にするため, ホクリクネコノメ群全般にわたり, 花, 〓果, 種子表面の形態, 及び核型の変異を解析するとともに, 詳細な分布調査を行った。その結果, 上記の植物は, ホクリクネコノメとボタンネコノメソウと同様に2倍体(2n=22)で倍数性の変化はみられなかったが, 核型では一対の次端部動原体型染色体に付随体がある点でそれらと異なっていた(Fig.7)。また形態的には雌しべの形状や長さ, 雄しべの長さや葯と花糸の長さの比率など(Figs.1-3)でホクリクネコノメやボタンネコノメソウと明確なギャップがあり, 新分類群と認められた。特に〓果の形態では, 宿存する花糸は萼片と同長かわずかに短い点(Fig.4)で乾燥標本でも容易に識別できる。私達はこれにヒダボタンという和名をつけた。ヒダボタンのこれらの特徴はこれまで見過ごされてきたもので, ボタンネコノメソウと混同されていたと考えられる。また, ホクリクネコノメとボタンネコノメソウの間には上記の特徴では著しい差異があり, それぞれを変種関係とする形態学的証拠は見当たらなかった。さらに両者は異所的な分布圏をもち, まれにそれらが接する所では同所的に生育していることが分かった。これは生殖的隔離の存在を示唆するもので, 形態的ギャップと考え合わせると両者は既に種レベルまで十分分化したものと考えられる。ボタンネコノメソウは種として扱うべきだろう。これに伴い, ヒダボタンも種として扱うのが自然である。ヒダボタンも, ボタンネコノメソウとまれに混在して生育している所があり, まれに雑種と思われるものがあってもその花粉稔性は低い。ホクリクネコノメと同所的に生育している所でもそれぞれの種の特徴ははっきり維持されている。生殖的隔離が存在していると考えられる。最初に発見した長瀬氏の名にちなみ, ヒダボタンを新種Chrysosplenium nagaseiと命名・記載した。ヒダボタンは地域によって変異がみられるが, 種としては岐阜県中部を中心にした地域及び伊吹・鈴鹿山地に沿って南は三重県の野登山まで生育しており, 中国地方の山地にも散在的に分布する(Fig.8b)。岐阜県の西北部や滋賀県東北部(伊吹山地の西麓)には, 葯が黄色で萼も黄色または黄緑色で, 外観はボタンネコノメソウの品種キンシベボタンネコノメソウに似ているが, はっきりとしたヒダボタンの仲間が分布する。ヒダボタンより花がやや小さく, 分布的にもまとまっているのでこれを新変種ヒメヒダボタンvar.luteoflorumとした。また, 岐阜県西部の伊吹山地東麓, 養老山地, および霊山から野登山までの鈴鹿山地に分布しているものは, 外観は典型的なボタンネコノメソウとよく似るが, これもはっきりとしたヒダボタンの仲間である。ヒダボタンとは萼が赤褐色で花はそれよりずっと小さい点で異なっており, 新変種アカヒダボタンvar.porphyranthesと命名・記載した。中国地方に散在的に分布しているヒダボタンは, 現時点では標本によってのみ検討されたものなので, その実態については今後の調査を待ちたい。ヒダボタンの花や〓果は, ボタンネコノメソウとホクリクネコノメのものとの中間的な形態である。また, ヒダボタンは, ボタンネコノメソウとホクリクネコノメの分布域の間に位置するような分布をしている。これは, ヒダボタンがボタンネコノメソウとホクリクネコノメの間の雑種起源であるという可能性を示唆するものであるが, このことについてはさらに詳細な遺伝的解析が必要である。今回の研究でボタンネコノメソウとホクリクネコノメについても従来より詳細な分布状況を把握することができた。ボタンネコノメ
著者
芳原 達也 荻野 景規 小林 春男
出版者
山口大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

現在、地下水及び河川汚染で社会的問題となっているトリハロメタンジクロロホルム,)クロロブロモメタン,クロロジブロモメタン,ブロモホルム等)およびトリクロロエチレン,1,1,1ートリクロロエタンおよびテトラクロロエチレン等々の有機塩素系溶剤は、脱脂洗浄、樹脂溶解、塗脂溶解、塗料のシンナ-、リ-ムバ-、冷媒、ドライクリ-ニング等の目的で広範囲に使用されており、その使用量も非常に多い。毒性としては、中枢神経系に対する抑制作用、三叉神経、末梢神経障害、肝臓障害、腎臓障害、心臓血管系障害など多くが報告されている。また近年は環境汚染物質としてフロン等とともに、西暦2000年までに使用禁止物質として世界的に規制されつつある。しかし、これらの物質の生体内吸収、排泄、代謝などに関する生体内動態については解明されていない部分が非常に多い。そこでこれらの有機塩素系溶剤の中で、最も普遍的に用いられているトリクロロエチレンの着眼して、この溶剤の生体内動態および代謝について麻酔犬を使用し実験的に詳細に検討し、以下の結論を得た。まず、トリクロロエチレン(TRI)の腸管からの吸収を観察するために、私たちは麻酔犬での閉塞性腸管吸収システムを開発し、手術犬で腸管の3部位(空腸、回腸および大腸)に、それぞれ3濃度(0.1,0.25,0.5%)のTRIを投与し、TRIとその代謝産物である、遊離型トリクロロエタノ-ル、トリクロロ酢酸、抱合型トリクロロエタノ-ル血液、尿、胆汁および残留液で測定した。投与後2時間で、投与量の85〜90%のTRIが、すべての部位で吸収された。さらに、これらの部位間での吸収率には差は認められなかった。次に、尿および胆汁から投与後2時間で排泄された、未変化体およびその代謝産物の割合は、すべての群で吸収量に対し、非常に低い値であった。
著者
小林 久泰
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.1106-1112, 2014

ジャイナ教の基本文献『タットヴァ・アルタ・スートラ』における五大誓戒についての註釈には大きく二つの系統がある.すなわち,「注意を怠った人の行為によって」という「殺生」の定義に見られる限定句をそれ以外の四つの誓戒すべてに継起させる系統そして,その限定句を不淫戒を除いた三つの誓戒にのみ継起させる系統との二つである.後者の系統は,白衣派の伝統にのみ特徴的に見られ,註釈者たちは,その典拠を白衣派独自に展開した戒律文献に求めている.白衣派註釈者たちが不淫戒を特別視するのは,このような戒律文献の影響を強く受けているためであり,またその戒律文献に説かれる通り,姦淫を行う人は,不注意であるか否かに関係なく,必ず欲望と嫌悪を伴っているため,他の誓戒とは異なり,注意深かったからといって,その行為が例外的に容認されるということがないからである.
著者
小池 伸介 羽澄 俊裕 古林 賢恒
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物保護 (ISSN:13418777)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.19-30, 2003-02-21 (Released:2017-10-18)
参考文献数
44
被引用文献数
1

The authors studied the likelihood that seeds were being dispersed by the Japanese black bear (Ursus thibetanus japonicus) in a deciduous forest near Ashikawa Village, Yamanashi Prefecture. The forest was composed of 113 tree species. Japanese black bear ate fruits and seeds belonging to 37 species (including 7 unidentified). About 86.7 to 99.7% of seeds identified in 360 samples of bear feces were in good condition for 17 species (10 drupes, 5 berries, 1 multiple fruit of droplets and 1 pome). However, no intact seeds were found for 5 nut species. The germination rate of Yamasakura (Prunus jamasakura) seeds taken from feces was the same as for uneaten seeds. The results of this investigation suggest a high likelihood of seed dispersal by the Japanese black bear.
著者
橘田 正人 林 省吾 國田 佳子 浅本 憲 中野 隆
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.48100562, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】肩甲上神経は,棘上筋および棘下筋を支配する運動神経として知られているが,肩関節包および肩鎖関節包への枝(以下,知覚枝)や皮枝を含むとする報告も散見される(Aszmann et al. 1996, Horiguchi 1980).しかしながら,知覚枝がどの部位において分岐し,どのように走行するかについては,明確な記載が見当たらない.今回,肩甲上神経知覚枝について,分岐部と分布域を解剖学的に観察し,両者の対応関係を明らかにすることを試みた.さらに,肩関節包に分布する神経終末の組織学的所見を含めて報告する.【方法】愛知医科大学医学部において,研究用に供された解剖実習体9 体17 肩を対象とした.僧帽筋・三角筋を切離し,棘上筋・棘下筋・小円筋を剖出した.小円筋を切離した後,棘上筋・棘下筋を肩甲骨の骨膜とともに剥離,反転した.上肩甲横靭帯の腹側を通過する肩甲上神経を同定し,その分岐部および分布域を確認した.肩関節包,肩鎖関節包,肩峰下滑液包に付着する肩甲上神経の分枝を知覚枝と同定し,その分布域を解剖学的に確認した.さらに,棘窩切痕より上部および下部の領域において肩関節包とともに知覚枝を摘出し,薄切切片を作成してHE染色を行い,組織学的に観察した.【倫理的配慮、説明と同意】本研究は,死体解剖保存法に基づいて実施し,生前に本人の同意により篤志献体団体に入会し研究・教育に供された解剖実習体を使用した.観察は,愛知医科大学医学部解剖学講座教授の指導の下に行った.【結果】知覚枝は,17 肩中15 肩(88.2%)で確認できた.知覚枝は,15 肩において計33 枝が存在し,上肩甲横靱帯通過前で分岐するもの(以下,パターン1)2 枝(6.1%),上肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン2)6 枝(18.2%),棘上筋の腹側面(深層)で分岐するもの(以下,パターン3)21 枝(63.6%),下肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン4)4 枝(12.1%)に分類された.また,棘下筋の腹側面で分岐するものは観察されなかった.それぞれの主な分布域は,パターン1 および2 は肩鎖関節包および肩関節包の後面上部,パターン3 は肩峰下滑液包および関節後面の上部から中央部,パターン4 は肩関節包の後面中央下部であった.知覚枝が肩関節包に進入する部位の組織学的観察において,神経線維およびPacini小体様の固有知覚受容器が認められた.【考察】Aszmannら(1996)は,肩関節包の知覚について,前方部は肩甲下神経・腋窩神経・外側胸筋神経が,後方部は肩甲上神経・腋窩神経が支配すると報告している.また,肩甲上神経知覚枝として,上肩甲横靱帯通過付近で分岐し肩鎖関節・肩峰下滑液包・肩関節包後面上部に分布する枝,および棘窩切痕付近で分岐し肩関節包後面中央部から下部にかけて分布する枝を図示している.さらに,肩関節包にはPacini小体,Golgi-Mazzoni小体,Ruffini小体等の固有知覚受容器が存在し,圧力変化や加速度,とくに振動などの深部知覚の感受に関与することが知られている(Rowinski 1985).今回の観察では,肩甲上神経知覚枝は,棘上筋の腹側面(深層)において分岐する例(パターン3)が多く,主に肩関節包上部から後面中央部に分布していた.さらに,知覚枝が肩関節包に進入する部位において,Pacini小体様の固有知覚受容器が認められた.今回の結果および先行研究から,肩甲上神経知覚枝は,主に肩関節包上部から後面中央部の深部知覚を司り,それを中枢神経系へフィードバックすることによって,肩関節の内旋や水平屈曲のコントロールに関与することが示唆される.一方,今回の観察において,肩関節包後面下部に分布する知覚枝は確認されなかった.肩関節後面下部の知覚は,主に腋窩神経が司り,肩関節の外旋や挙上のコントロールに関与すると推測される.【理学療法学研究としての意義】肩関節可動域の改善を目的とする理学療法において,肩関節後面にアプローチする上で,肩関節包に分布する脊髄神経の走行および知覚枝の分布域を考慮することは重要である.さらに,根拠に基づく理学療法を行うためには,解剖学的所見だけではなく組織学的所見を含めて,機能解剖学的かつ病態生理学的な考察が不可欠である.本研究は,肩甲上神経知覚枝が肩関節運動のコントロールに関与する可能性を示唆するものであり,肩関節運動障害の病態理解や治療の発展にも寄与すると考える.
著者
鷲崎 弘宜 萩本 順三 濱井 和夫 関 満徳 井上 健 谷口 真也 小林 浩 平鍋 健児 羽生田 栄一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2020-SE-204, no.17, pp.1-8, 2020-02-24

DX(Digital Transformation)時代に向けた新たなソフトウェア工学(Software Engineering for Business and Society: SE4BS)に向けた枠組みと価値駆動プロセスを提案する.具体的には,今日においてソフトウェア「工学」として受け入れられている手法やプラクティスにおいて,顧客価値やビジネス価値に基づいてソフトウェア開発・運用を進める視点の欠落や,産業界において広く受け入れられているアジャイル開発との分断が起きているという問題を提起する.その問題意識のもと,DX 時代に必要な新たなソフトウェア工学として,ビジネスアジリティを組み入れて新規ビジネスのアイデアから,それを具体化する製品やサービスおよびユーザー体験までを結び付けるソフトウェアシステムの開発・運用に有用なモデル,手法,プラクティスを分類整理し,それらを用いる進め方としてビジネス・社会視点の価値駆動プロセスの一例を提案する.さらに,心的要素である知・情・意による分類を通じて,これからのソフトウェア工学と周辺の捉え方の一つを示す.
著者
全 炳河 徳田 恵一 益子 貴史 小林 隆夫 北村 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.323, pp.53-58, 2001-09-21
参考文献数
12

多空間上の確率分布に基づくHMM(multi-space probability distribution HMM:MSD-HMM)により, ピッチパターンをモデル化し, 学習したMSD-HMMからピッチパターンを出力する手法を提案し, 音声合成に適応した.しかしこれまでは, 有声/無声境界における動的特徴量を考慮せずにピッチをモデル化していたため, ピッチパターンを生成した際, 無声区間を挟んだ2つの有声区間の間でピッチパターンが不連続に変化する場合があった.本論文では有声/無声境界の動的特徴量を考慮してMSD-HMMによりピッチパターンをモデル化し, より自然性の高いピッチパターンを生成する手法について述べる.
著者
林 典雄 立木 敏和
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, pp.522-527, 1996-11-30 (Released:2018-09-25)
参考文献数
5

解剖実習用遺体7体(男性4体,女性3体)7肩(右側5肩,左側2肩)を対象とし,後方腱板(棘下筋,小円筋)と後方関節包との結合様式について肉眼的に観察した。棘下筋と後方関節包との間には,筋線維による直接的な連絡は認められず,関節包を裏打ちするがごとく疎性結合組織によって密着していた。小円筋と後方関節包との間には,小円筋の関節包側の筋線維が腋窩陥凹部後方から関節包後下方にかけて直接付着する所見が認められた。棘下筋の機能として,後方関節包の後方からの支持機能および,自身の収縮力を効率よく大結節へと伝達する支点形成機能が考えられた。小円筋の機能として,大結節へと停止する線維群による支点形成機能の他に,関節包側の筋線維群による肩関節外旋運動時の挟み込みの防止および肩関節挙上時における静的支持機構の補助機能が考えられた。

2 0 0 0 OA 国史館日録

著者
林鵞峯
出版者
巻号頁・発行日
vol.[15],
著者
久保田 一雄 町田 泉 田村 耕成 倉林 均 白倉 卓夫
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.40-45, 1997-01-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2

平成2年6月からの5年間に46例のアトピー性皮膚炎患者(男性31例,女性15例,25±11歳)に対して,草津温泉療法(40~42℃,1回10分,1日1~2回)を3~28週行った.その泉質は酸性(pH2.0)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉である.32例(70%)で皮膚症状が改善し,さらにそのうち18例で掻痒も改善した.皮膚症状の改善は血清LDHの有意な低下でも裏付けられた.皮膚症状改善例のうち,温泉療法前に皮膚表面に多数の黄色ぶどう球菌が検出された15例では,温泉療法後に13例で消失,2例で減少した.この草津温泉療法による皮膚症状の改善機序として,皮膚病変の増悪因子である黄色ぶどう球菌に対する酸性温泉水の殺菌作用が推定される.
著者
菅原 悦子 伊東 哲雄 小田切 敏 久保田 紀久枝 小林 彰夫
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.149-155, 1988-02-15 (Released:2009-02-18)
参考文献数
3
被引用文献数
1 3

枝豆の特有香を完熟大豆の香気との比較で検討し,その解明を試みた.試料としては岩手大学附属農場で収穫した枝豆と市販品を用い,Likens-Nickerson型のエーテル連続抽出装置を用いて香気濃縮物を得, GCおよびGC-MS分析をした.その結果,枝豆の香気成分として28成分を同定し, 19成分を推定した.未熟な大豆である枝豆からも完熟大豆と同様に豆臭,青葉臭の原因物質といわれる1-hexanol, hexanal, (E)-2-hexenal, 1-octen-3-ol, 2-pentylfuranが共通して同定された.これに加えて,完熟大豆には検出されなかった (Z)-3-hexenyl acetate, cis-jasmone, linalool, acetophenoneが同定された.これらの成分がさわやかな青葉様香気に花様で甘い香りを付与し,枝豆特有の香気が生成されることが判明した.とくにcis-jasmoneは農場産の枝豆,市販品ともに相当量存在するにもかかわらず,収穫が遅れると全く検出できなくなることから,枝豆香気の重要な一成分であることが明らかとなった.
著者
小林 弘明 吹場 活佳 本郷 素行 佐藤 哲也 溝端 一秀
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.644, pp.418-425, 2007 (Released:2007-10-10)
参考文献数
8

Experimental studies on telescopic aerospikes for aerodynamic control are reported in this paper. Parametric study on the aerodynamic characteristics of the aerospike has performed including the effect of spike length L, base diameter of tip cone D, spike translating speed and direction. The Axial force coefficient Ca of the aerospike suddenly increases at L/D=3.0 due to flow mode transition from the separation to the reattachment. Reattachment/separation flow mode transition phenomenon can be applicable to a newly invented aerodynamic control device, which is called air-breathing aerospike. In this paper, verification test results of this air-breathing aerospike are also reported. A small solenoid valve in the body cylinder successfully controls reattachment/separation flow mode transition at the angle of attacks from 0 to 12 degree. The spiked bodies’ Ca varies according to the mode transition. As a result, we can control the aerodynamic property of the spiked body by opening/closing the valves periodically.