著者
小林 茂
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.82(2001-MUS-041), pp.9-14, 2001-08-04

1995年の登場以来、BeOSはマルチメディア処理に適したOSとして一部で高い評価を得てきた。しかし、残念ながら一般への普及度は低く、実際にどのようなことができるのかについてはあまり知られていないというのが実情である。BeOSはモダンOSの一つであり、よくデザインされたC++によるマルティメディア(ビデオ・オーディオ・MIDI)処理のためのフレームワーク・プリエンプティブなマルチタスキング・マルチスレッド・高性能な64bitジャーナリング機構付きファイルシステム、といった特徴を持っている。ここでは、リアルタイムのマルチメディア処理環境という視点からBeOSを紹介してみたい。
著者
小林 弘造 北村 規明 田辺 新一 西原 直枝 清田 修 岡 卓史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成17年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.2053-2056, 2005-07-25 (Released:2017-08-31)

The field study for 134 days, concerning indoor environment quality and productivity of call-center workers, was conducted. Call data of total 13,169 workers was analyzed. The rate of response to calls was adopted as an index to evaluate the worker performance. Worker performance decreased by 2.1 % when the average indoor air temperature rose at 1.0℃. The possibility of the improving productivity under thermal comfortable environment was suggested.
著者
林 倫子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.26-36, 2015 (Released:2015-04-20)
参考文献数
105

明治期までの鴨川納涼では,今日見られるような高床納涼席が沿岸に設置されるだけでなく,中州や橋の下など川中全体に盛り場としての納涼場が形成されていた.本研究では,納涼営業に関する制度面,物理環境面に着目して伝統的な納涼場の廃止までの変遷を追い,鴨川納涼場の変質をもたらした要因について考察した.その成果は以下のとおりである:1)官有地借用制度の変更と規制の強化が行われ,2)鴨川運河工事に伴う河床掘削で出店が敬遠され,構造規制の議論も始まった.3)それと同時に納涼場は徐々に衰退し,博覧会的要素導入という再興策も講じられたものの定着しなかった.
著者
吉村 健佑 川上 憲人 堤 明純 井上 彰臣 小林 由佳 竹内 文乃 福田 敬
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.E12003, (Released:2012-12-21)
被引用文献数
3 3 1

目的:本研究では職場におけるメンタルヘルスの第一次予防対策の実施が事業者にとって経済的利点をもたらすかどうかを検討することを目的とし,すでに公表されている国内の研究を文献検索し,職場環境改善,個人向けストレスマネジメント教育,および上司の教育研修の3つの手法に関する介入研究の結果を二次的に分析し,これらの研究事例における費用便益を推定した.対象と方法:Pubmedを用いて検索し,2011年11月16日の時点で公表されている職場のメンタルヘルスに関する論文のうち,わが国の事業所で行われている事,第一次予防対策の手法を用いている事,準実験研究または比較対照を設定した介入研究である事,評価として疾病休業(absenteeism)または労働生産性(presenteeism)を取り上げている事を条件に抽出した結果,4論文が該当した.これらの研究を対象に,論文中に示された情報および必要に応じて著者などから別途収集できた情報に基づき,事業者の視点で費用および便益を算出した.解析した研究論文はいずれも労働生産性の指標としてHPQ(WHO Health and Work Performance Questionnaire)Short Form 日本語版,あるいはその一部修正版を使用していた.介入前後でのHPQ得点の変化割合をΔHPQと定義し,これを元に事業者が得られると想定される年間の便益総額を算出した.介入の効果発現時期および効果継続のパターン,ΔHPQの95%信頼区間の2つの観点から感度分析を実施した.結果:職場環境改善では,1人当たりの費用が7,660円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,800円であり,便益が費用を上回った.個人向けストレスマネジメント教育では,1人当たりの費用が9,708円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,920円であり,便益が費用を上回った.上司の教育研修では2論文を解析し,Tsutsumi et al.(2005)16)では1人当たりの費用が5,290円に対し,1人当たりの便益は点推定値において4,400–6,600円であり,費用と便益はおおむね同一であった.Takao et al(2006)17)では1人当たりの費用が2,948円に対し,1人当たりの便益は0円であり,費用が便益を上回った.ΔHPQの95%信頼区間は,いずれの研究でも大きかった.結論:これらの研究事例における点推定値としては,職場環境改善および個人向けストレスマネジメント教育では便益は費用を上回り,これらの対策が事業者にとって経済的な利点がある可能性が示唆された.上司の教育研修では点推定値において便益と費用はおおむね同一であった.いずれの研究でも推定された便益の95%信頼区間は広く,これらの対策が統計学的に有意な費用便益を生むかどうかについては,今後の研究が必要である.
著者
林 直樹
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.35-51, 2016-10-01 (Released:2017-04-03)
参考文献数
27

東京東北部・千葉西部・埼玉東部といった複数域にみられるあいまいアクセントの実態を明らかにするため,下降幅・相対ピークという音響的指標を基に,当該地域話者30人・東京中心部話者7人,計37人を対象とした話者分類を行った。多変量解析手法の一つであるクラスター分析の結果,対象とする話者は三つの群に分類された。本稿では,分類された各群を「明瞭群」「高低差不明瞭群」「型区別不明瞭群」と解釈した。音響的指標を詳細に分析すると,「明瞭群」の下降幅は大きく,相対ピーク位置も型間の距離が大きいことがわかった。一方,二つの「不明瞭群」の高低差は小さく,とりわけ「型区別不明瞭群」は,高低差の小ささに加えて相対ピーク位置の型間の距離が小さいという特徴がみられた。このように分類された各話者群を地図上に付置し,あいまいアクセントの特徴として言及されてきた個人間のゆれを可視化した。最後に,分析によって得られた各群を高低差と下がり目の位置間の距離の程度によって位置づけた上で,当該地域アクセントの変化を,複数の音響的指標が連動する関係として捉え直した。
著者
進 健司 小林 大介 川尻 雄大 牛島 悠一 梅田 勇一 金澤 康範 神村 英利 島添 隆雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.2, pp.317-325, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Psychiatric treatment is shifting from hospital to ambulatory care. It is important that pharmacists positively support outpatients. Pharmacist-led interviews with outpatients have been conducted in the psychiatric department of Iizuka Hospital before examination by the doctor since 2015. Few studies in this field have reported about the effect of the pharmacist-led interviews using subjective evaluation of outpatients prior to examination by doctors. The aim of this study was to reveal this effect by the evaluation of outpatients. We conducted a questionnaire survey. More than 80% of the patients responded that it was “Good” to have an interview with the pharmacist prior to examination by the doctor. Moreover, 71.7% of the patients were “Satisfied” with the pharmacist-led interview, while 81.7% of them responded to “Agree” about continuing the interview in the future. Patients who were satisfied and wished to continue the pharmacist-led interviews were more likely to report better rapport with the doctor as well, in comparison to the patients who answered negatively. Furthermore, the patients who answered “Satisfied” were significantly less likely to forget reporting to the doctor than those who answered negatively. The pharmacist-led interviews in the psychiatric department were appreciated by the patients. In conclusion, pharmacists can facilitate communication between patients and doctors through these interviews. These results indicate that the pharmacist-led interview before the doctor examination is a useful effort from the perspective of outpatients.
著者
小林 一枝
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.127-148, 1996

The purpose of this paper is to examine the inconsistency between the story of <i>Sindbad the Sailor and the illustration of the Old Man of the Sea</i>. This miniature, which is supposed to depict <i>the Old Man of the Sea and Sindbad the Sallor</i>, does not belong to the manuscript on the so-called &ldquo;The Arabian Nights (Alf Layla wa-Layla)&rdquo;, but is an astrological work by Ab&uuml; M&acirc;'shar al-Balkh&icirc; kept in the Bodleian Library in Oxford (Ms. Or. 133). This manuscript <i>Kit&acirc;b al-Bulh&acirc;n</i>, which was copied in 1399, consists of 176 folios with 83 miniatures, and the illustrations were painted during the reign of the last ruler of the Jal&acirc;yrid dynasty, Ahamad ibn Uways (ruled 1382-1410). These miniatures could be classified into six parts according to their contents, and the illustration in question belongs to the legendary part. However, it has no text but only the inscription &ldquo;shaykh al-bahr (the old man of the sea) wa&hellip;&rdquo;. Therefore, T. W. Aronld and the author of the monograph <i>Il Kit&acirc;b al-Bulh&acirc;n di Oxford</i>, Stefano Carboni insisted that the story of <i>Sindbad the Sailor</i> lies in the background of this illustration.<br>It is indeed that several miniatures in the part originated in the legend of <i>Sindbad the Sailor or Sindbad cycle</i>, however, the figure of the old man is definitely inconsistent with the story. The lower half of his body was depicted fish-tailed. To conclude the story, he would need his own strong legs. The same type of the illustration can be recognized in MS. suppl. turc 242 (fol. 79v.) kept in Biblioth&egrave;que Nationale in Paris.<br>From the aspect of literary history, it is clear that the fabulous monster <i>the Old Man of thd Sea</i> originated as a Persian (or Indian) monster <i>Duw&acirc;l-P&acirc;</i>. Lane, one of the translators of &ldquo;The Arabian Nights&rdquo;, argued that this fabulous monster was inspired from an orangoutan, or as the curious island people mentioned in <i>Kit&acirc;b 'Aj&acirc;'ib al-Makhl&ucirc;q&acirc;t by Qazw&icirc;n&icirc;</i>, thus, the name <i>the Old Man of the Sea</i> itself was not so important.<br>From the view point of art history, the figures of these monsters were completely different from that of <i>the Old Man of the Sea</i> on Or. 133.<br>Tracing the term to its origin, as M. Gerhardt mentioned, it seemed to be derived from the Greek, <i>halios ger&ocirc;n</i>. Consequently, the study of the history of the illustrations of <i>halios ger&ocirc;n</i> made it clear that the miniature painter who depicted the folio referred to the traditional figure of <i>the Old Man of the Sea</i> which had been spread all over the Mediterranean world since ancient time.
著者
林 麻子 早坂 格 鈴木 秀久 小林 徳雄 佐々木 聡
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-87, 2013-04-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

漢方薬の関与が考えられた薬剤性膀胱炎の2例を経験した。症例1は6歳女児。原因不明の肉眼的血尿と頻尿にて当科受診,検尿にて高度蛋白尿が認められた。MRIを含む画像検査にて一部隆起性の膀胱壁肥厚,粘膜肥厚がみられ腫瘍性病変との鑑別を要した。症例2は11歳女児で,2か月間続く血尿と蛋白尿,無菌性膿尿のため当科紹介受診となった。超音波検査にて膀胱壁肥厚を認めた。症例1は柴胡加竜骨牡蠣湯エキスを約3年前から,症例2は温清飲を約1年前から内服しており,両者とも薬剤中止により膀胱炎症状が徐々に改善し,画像検査所見も正常化した。薬剤性膀胱炎は多彩な臨床症状を呈し得る疾患であり,時に画像検査上,腫瘍病変と類似した膀胱の形態異常を示すことがあり,その診断,治療に際して十分に留意すべきであると思われた。
著者
長尾 恭史 小林 靖 大高 洋平 篠田 純治 小澤 竜三 水谷 佳子 田積 匡平 西嶋 久美子 長尾 徹
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.1133-1138, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
27

【目的】誤嚥性肺炎患者に対して多職種協働での包括的摂食嚥下訓練を入院初期から行い食事開始早期化の効果を検証した。【対象および方法】誤嚥性肺炎にて入院後、嚥下訓練処方の時点で絶食であった65歳以上の患者139名を対象とした。2013年9月から翌年2月までの早期介入を行った87名(86.5歳±7.0歳)を早期群、2012年9月から翌年2月までの52名(85.6歳±7.2歳)を対照群とし、両群間で帰結を比較した。【結果】入院より食事開始までの日数(早期群3日/対照群5日・中央値)、抗菌薬継続日数(8日/11日・中央値)、院内肺炎再発率(6.9%/19.2%)は早期群が有意に少なかった。また、入院より食事開始までの日数は、抗菌薬の使用短縮に関連する独立した関連因子であった(オッズ比0.96、95%信頼区間0.94-0.99、P=0.012)。【結論】誤嚥性肺炎患者に対する入院早期の食事開始は治療期間を短縮し、さらには院内肺炎を軽減する可能性が示唆された。
著者
横井 輝夫 加藤 美樹 林 美紀 長井 真美子 水池 千尋 中越 竜馬
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.165-170, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

この研究の目的は,要介護高齢者の基本動作能力と摂食・嚥下障害との関連を明らかにすることである。摂食・嚥下障害の原因の多数を脳卒中が占めるため,脳卒中の有無に分けて検討した。対象は,介護老人保健施設に入所している要介護高齢者で,脳卒中を有する39名と脳卒中を有さない61名であった。基本動作能力は,「座位保持」,「立位保持」,および「歩行」の可否を,摂食・嚥下障害はむせの頻度を用いて評価した。その結果,脳卒中を有する者では,基本動作能力とむせの頻度との間に関連が認められ,「立位保持」,および「歩行」が可能な者は「ほとんどむせない」者が有意に多く,「座位保持」が可能な者に比べむせる者の割合は低かった。一方,脳卒中を有さない者では,2者に関連は認められなかった。しかし,むせる者の割合は,「立位保持」,および「歩行」が可能な者は不可能な者の2分の1程度であった。また,脳卒中を有する者の56%に対し脳卒中を有さない者も23%にむせがみられた。以上より,脳卒中を有する者だけではなく,脳卒中を有さない者においても,基本動作能力が低下している要介護高齢者は,摂食・嚥下障害の予備軍であと考えられた。また,脳卒中を有する要介護高齢者では,「立位保持」の可否が誤嚥の危険性を推測する臨床的に重要な指標であることが示唆された。