著者
稲津 美穂子 四津 里英 玉木 毅 的野 多加志 加藤 康幸 林 利彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.988-991, 2015-12-01

要約 21歳,女性.東アフリカ・ウガンダ共和国に2週間滞在した.帰国から10日後,右母趾爪郭の疼痛,皮疹に気づいた.右母趾爪郭に径5mm大の緊満性の黄白調小結節が1か所あり,粟粒大の黒色点が透見された.臨床所見,スナノミ症の流行地への渡航歴より,スナノミ症を疑い摘出した.実体顕微鏡にて虫体,虫卵の充満した卵巣が確認され,虫体はTunga penetransと同定された.当院では,2009年10月〜2013年10月の4年間に,自験例を含め計6例のスナノミ症患者が受診している.グローバル化に伴い,日本でも今後症例数の増加が予想される.
著者
尾田 成幸 上妻 智行 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 吉田 吾郎 菊池 則雄
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 = Bulletin of Fukuoka Fisheries and Marine Technology Research Center (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.22, pp.77-81, 2012-03

海域環境に適合したノリ養殖対象種および育種素材を探索するため,2010年と2011年の3月に福岡県豊前海沿岸の16河川の河口域でアサクサノリPorphyra tenera Kjellmanの分布状況を調査した。その結果,奥畑川(北九州市門司区大積)と近衛川(京都郡苅田町新浜町),および長野間川(行橋市稲童浜)の3河川でアマノリ属の生育が確認された。3河川で採取されたアマノリ属の葉状体は,奥畑川で採取されたソメワケアマノリPorphyra katadae Miura等を除き,形態的特徴とDNA分析結果からアサクサノリと判断された。アサクサノリはアシ原などの自然環境が残る干潟付近で生育が認められることが多い。近衛川は工業団地を流れ両県を護岸に囲まれた人工的な小河川で、長野間川についても護岸に囲まれた小河川であったが,いずれの河川も共通して河口域に広い感潮域が形成されていた。福岡県内でアサクサノリの生育が発見されたのは初めてである。今後は養殖対象種および育種素材として利用できるか否かを評価する必要がある。
著者
三品 輝男 渡辺 泱 荒木 博孝 都田 慶一 藤原 光文 小林 徳朗 前川 幹雄
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.1256-1279, 1981-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
63
被引用文献数
1 1

前立腺癌の高危険度群を知る目的で, 学歴, 職業, 収入, 信仰, 結婚状況, 性生活, 食生活, 身体状況, 既往歴および家族歴を重点調査目標とする111項目よりなる独自の前立腺癌疫学調査用質問用紙を作製し, インタビュー方式により, 前立腺癌100例と, それらの症例に年齢と現住所を一致させた正常対照者100例とを対象に, matched pair analysis による case-control study を行つた. その結果, 前立腺癌群において正常対照群よりリスクが高いと考えられたのは, 次の諸点であつた (危険率10%以内のものにはアンダーラインを付さず, 危険率5%以内のものにはアンダーラインを付した).1) 職業については管理的職業に従事せず, 軍隊歴がなく, 染料を取り扱つたことがある. 2) 収入については, むしろ低い. 3) 結婚状況については, 早婚で, 結婚継続年数が長い. 4)性生活については, 最初の性交年齢が若く, 青壮年期の性交回数は多いが, 老年期に入ると性交回数が少なく, 性活動停止時期も早い.5) 食生活については, 魚介類はあまり摂らぬ西欧型の食事内容で, 緑黄色野菜の摂取が少なく, 香辛料や塩つぱいものを好む. アルコール, 喫煙はあまり関係がない. 6) 既往歴としては, 前立腺肥大症およびロイマの既往あり. 7) 学歴, 信仰, 身体状況および家族歴には特記すべきものはなかつた.すなわち前立腺癌の高危険度群は, 特に性生活と食生活に特異なパターンを有する人達であることが明らかになつた.
著者
河合 敦夫 村林 篤 椎野 努
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, 1997-09-24

画像処理ソフトウェアの蓄積や, ハードウェアの低価格化, 高速化により, 各種画像処理応用システムが作られている。我々は, 現在, 菓子パンの種別(クロワッサン, メロンパン, ...)を認識する画像処理系を試作している。
著者
栗山 哲 中山 昌明 友成 治夫 沼田 美和子 林 文宏 疋田 美穂 川口 良人 細谷 龍男
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.1369-1373, 1997-12-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

現在, 除水不全を呈するCAPD患者に有効に作用する薬剤はない. 本研究では, 除水不全を認めるCAPD患者において, 抗プラスミン剤であるトラネキサム酸 (tranexamic acid: TNA) が改善効果を有するか否かを検討した.限外濾過不全I型の除水不全を認めるCAPD患者5例において, 先行するCAPDスケジュールを変更せずにTNA 1500mg/日を2週間経口投与し, その薬理効果を検討した. その結果, 1) TNA投与で一日総除水量は全例で有意に増加した. また, 体重は5例中3例で有意に減少した. 2) TNAはCAPD排液中の電解質, UN, Cr, アルブミン等の総除去量に影響を与えなかった. また, PETのD/PcrやKT/V, PCRにも影響を与えなかった. 3) TNA投与により血中およびCAPD排液中のブラジキニン濃度, 血中の組織プラスミノーゲンアクティベーター (tPA) 濃度は有意に低下した.以上, TNAは除水不全を呈するCAPD患者で除水量を増加させる. その機序は不明であるが, ブラジキニン, tPAの抑制を介した腹膜透過性の変化が関与している可能性が示唆された.
著者
小林 誠 北川 隆夫 藤下 雅敏 吉本 静雄 久保西 一郎 新谷 憲治 田口 博国 三好 勇夫 園部 宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.1384-1390, 1983
被引用文献数
2

Pneumocystis carinii(Pc)肺炎は専ら免疫不全状態にある患者に発症する.最近CMV感染あるいは麻薬の常用が,同性愛の男性の免疫不全の原因となる可能性が指摘されている.我々は異常な性習慣や麻薬歴のない健康成人女性に発症したPc肺炎の1例を報告する.症例は37才の女性で,主訴は労作時呼吸困難.両側性びまん性胸部陰影の精査のため入院した.患者は10年間縫製業に従事しており,入院5ヵ月前の胸部X線像は正常であつた.入院第10病日に高熱が出没するようになり,次第に低酸素血症と胸部陰影が増強したため,経気管支肺生検を施行した.メテナミン銀染色で肺胞腔内に充満するPcの虫体を認めたので, TMP-SMZの内服を開始した.投与後5日目に下熱し,その後8週間で胸部陰影は全く消失し, Po<sub>2</sub>も正常化した.入院後間もなく患者は腋窩部と下腹部を中心に疥癬に罹患していることが判明し,皮膚病変は成人ではまれとされる皮下トンネルの形成が著明であつた.血清学的にCMVに対する抗体は陰性で,末梢血リンパ球数, T細胞数, B細胞数, PHAとPWMに対するリンパ球幼若化反応,末梢血単球と好中球の貧食能,免疫globulin値はすべて正常であつたが, PPD皮内反応は陰性であつた.細胞性ならびに液性免疫能が正常でかつ基礎疾患のない婦人にPc肺炎が発症した理由は明らかでないが,トンネル形成が著明な疥癬が合併したことを考えると,本例に何らかの免疫不全が存在したことは否定できない.
著者
奥村 直彦 小林 栄治 鈴木 秀昭 両角 岳哉 濱島 紀之 三橋 忠由
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.222-234, 2000

ブタの品種特異的な塩基配列を明らかにする目的で,2種類の毛色関連遺伝子の多型を調べた.ランドレース,大ヨークシャー,デュロック,バークシャー,ハンプシャー,メイシャン,モンカイ,ニホンイノシシについて,メラニン細胞刺激ホルモンレセプター(MClR)遺伝子の第2膜貫通領域を含む612bpの塩基配列を調べた.また,KIT遺伝子のエクソン16から19にわたる約4Kbpについて,上記の8品種に加えヨーロッパイノシシとユカタンマイクロブタの塩基配列を調べた.MClR遺伝子については測定した品種全体で多型部分が8箇所あり,6種類のハプロタイプが得られた.ハプロタイプの1つはデュロック特異的であった.ランドレース,大ヨークシャー,バークシャー,ハンプシャーは互いに共通の配列を有しており,MClR遺伝子の情報のみではこれらを識別することは不可能であった.メイシャンの配列はモンカイと同じであり他の全ての品種と異なるハプロタイプを持っていた.KIT遺伝子ついては,全品種で62箇所の多型が認められ,11種類の異なったハプロタイプが得られた.KIT遺伝子の17番目のイントロンの最初の塩基は優性白色ブタと有色ブタとで明確に異なっていた.イントロン部分の配列比較の結果,塩基置換の類似性が観察された.すなわち,ニホンイノシシ,メイシャン,モンカイ,バークシャーの配列は類似しており,これらは東洋起源と推察される.ヨーロッパイノシシ,大ヨークシャー,ランドレース,デュロックの一部で配列は類似しており,これらは西洋起源と推察される.また,鹿児島県産の一部のバークシャーの配列はユカタンマイクロブタと類似していた.本研究で対象とした2つの遺伝子には,毛色の異なる品種それぞれに特異的な多型が存在していた.
著者
小林 直人 中村 修 大井 健太
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-25, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
著者
小林 道
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.126-133, 2021-06-01 (Released:2021-07-09)
参考文献数
21
被引用文献数
1

【目的】地域住民を対象として,中食の利用頻度と食品群別摂取量及び栄養素等摂取量の関連を明らかにすることを目的とした。【方法】2018年7月~8月に,北海道江別市に在住する20~74歳の成人を対象として,自記式質問紙調査を行った。食品群別摂取量及び栄養素等摂取量は,簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)により評価した。最終的な解析対象者は1,469名(男性:625名,女性:844名)であった。中食の利用頻度と食品群別摂取量及び栄養素等摂取量との関連は,共分散分析を用いて検討した。【結果】男性では,中食の利用頻度が週1回未満の群と比較して,週2回以上の群で,緑黄色野菜類,その他の野菜類,食物繊維,カリウム,カルシウム,マグネシウム,葉酸,ビタミンCの摂取量が有意に低く,女性では,これらの食品群と栄養素等に加えて,豆類,卵類,動物性たんぱく質,動物性脂質,鉄,亜鉛,銅,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンB6 の摂取量が有意に低かった。男女ともに中食の利用頻度が週2回以上の群では,ナトリウム・カリウム比(Na/K比)が有意に高かった。【結論】中食の利用頻度が週2回以上の群では,野菜類摂取量が低く,それに伴って食物繊維及び複数のビタミンなどの摂取量が低値を示し,Na/K比が高まる可能性を認めた。中食の利用頻度が高い場合には,Na/K比を低くするために野菜類摂取量の増加に留意する必要性が考えられた。
著者
小林 達明
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.115, pp.B12, 2004

1.なぜJABEEに取り組んだのか 本学でJABEEに関わる検討が初めて行われたのは5年ほど前に遡る。当時の学部長が、「法人化された大学では、教育も外部評価を得る必要がある。JABEEという技術者教育評価を行う民間機関が設立されるので、各人は所属する学会に働きかけて対応して欲しい。学会がJABEEに加盟しないと審査員を派遣する事ができず、すなわち評価を受ける事ができなくなってしまう」という趣旨の発言を行った。 それから対応が始まったので、学部全体がJABEEを意識しながら進んできた経緯がある。これは学科が受審する上でメリットだった。それはJABEE審査がプログラムの達成度が検証可能なシステムになっており、その検証結果をもとに教育改善のループがうまく機能しているかどうかを重視しているからである。すなわち、制度化した形のそのようなシステムを学科単独で準備するのは難しい点がある。2.JABEE評価の特徴とそれへの対応 JABEE審査の特徴はその成果主義、アウトカムズ(outcomes)評価にある。われわれがまず取り組んだのはシラバス記述の改善である。それまでのシラバスはほとんどが教員側の視点で書かれており、学生に理解できるようには十分書き込まれていなかった毎回の学習内容の記述はもちろんのこと、他科目との関連などカリキュラムにおける位置付けの明示、学生が到達度を把握しやすい学習目標の設定、それと整合した評価基準の設定を重点的に改善してきた。現在では個別指導時間(オフィスアワー)の明示と実施に取り組んでいる。 現在、とくにJABEEが求めているのは、プログラム全体の達成度評価が可能な、学習・教育目標の設定である。プログラム全体の目標であっても、相当に細目化されて、量的な判定が可能な程度に具体化されることが求められている。ここに至るには、プログラムの教育理念がよく練られ、実際に来る学生の質に合わせたカリキュラムと講義内容が巧妙にデザインされている必要がある。正直に言って、私たちにとっては未踏の領域だが、今後、プログラム改善を継続的に行う中で、具体的な姿が見えてくるのだろう。 昨年はJABEEそのものがWAの実地審査を受けた年でもあった。その視察団から、また新たな課題が投げかけられた。指摘された事項でもっとも大きなものは、design教育が不十分だということである。ただしここでのデザインとは、広く課題解決のための計画能力のことである。彼らは技術者教育と科学教育の違いを、このデザイン教育の有無と位置付けている。3.試行審査を受けて_-_千葉大学の経験と波紋 JABEE受審の経験はわれわれに様々な影響をもたらした。主張の裏付けとなる証拠資料の重要さ、教育目標と評価の関係、理念とカリキュラムの重要性、受審準備にあたっての教員間のチームワークの大切さなど様々あるが、もっとも大きな成果は、学科が学部教育の基本単位である事を確認し、われわれ教員団の中に躍動感が持ち込まれたことではないだろうか。 JABEEが直接のきっかけではないが、1999年には園芸学部の課題について、学生にアンケート調査を行い、様々な問題のありかを把握する事ができた。さらに2002年にはフォローアップを行い、問題の解決状況を把握すると共に、卒業生にもアンケートを送付し、学科の教育が社会で実際に役に立っているかどうかモニターした。このほかにも同窓会の力を借りて、学科教育に関するシンポジウムも開催された。個々の授業は学生の評価を受けるようになった。これらの取り組みで、現在の問題の所在はほぼ把握されたと考えられる。 問題はその後の対応だが、それについても、2002年より、学科の理念と組織、カリキュラム、入試に関する3つのワーキングが組織され、議論が進んでいる。大学法人化初日には間に合いそうにないが、2004年度中には、理念にもとづいた組織とカリキュラムが組み上げられそうな見通しである。
著者
栗林 正俊 大塚 孝一
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.55-60, 2019

長野県環境保全研究所(飯綱庁舎)において,2012~2018年に聞かれたセミの鳴き声をカレンダーに記録し,各種セミの鳴き声の聞き始めと聞き終わりについてまとめた。この結果,(1)エゾハルゼミ,アブラゼミ,エゾゼミおよびコエゾゼミ,ヒグラシは,聞き始めの日が早期化している可能性があること,(2)エゾハルゼミとアブラゼミは聞き終わりの日が早期化している可能性があること,(3)エゾゼミおよびコエゾゼミは聞き終わりの日が晩期化している可能性があること,が示された。また,2012年以前に飯綱庁舎で聞かれていなかったセミとして,ハルゼミが2014年,ツクツクボウシが2015年に初めて鳴き声が確認され,これらのセミは2018年にも鳴き声が確認された。
著者
遠藤 純子 成田 宏之 工藤 勝正 駒井 裕民 時田 繁 伊香賀 俊治 林 立也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.113, 2005

青森県では平成15年に「青森県環境調和建築設計指針」を策定し、環境負荷低減対策を講じた県有施設整備を推進している。本指針では施設を計画する際に、施設の運用CO2排出量、LCCO2、IC、LCCを評価することとしており、これら指標値を計画段階で簡易に算出できるツール「環境負荷低減手法選択シート」を開発した。本報では本シート(庁舎版と学校版)の構成・計算手法、対策の組合わせによる検討結果を示す。
著者
沢崎 達夫 小林 正幸 新井 肇 藤生 英行 平木 典子 岩壁 茂 小澤 康司 山崎 久美子
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.108-122, 2016 (Released:2018-06-03)
参考文献数
39

日本カウンセリング学会資格検討委員会は,その任期中に新たなカウンセラーの資格について検討を進めることになった。そして,公認心理師資格が実現した中,現在のわが国におけるカウンセリングの位置づけをより明確にし,また日本カウンセリング学会の発展に向けて何をすべきかを,さまざまな観点から議論してきた。認定カウンセラーに続く新たな資格は,将来的には「カウンセリング心理士」として実現される手はずであるが,そこに至る道筋の一端をここに示す。全体の構成は,「カウンセリング,カウンセラーとは(概念,定義,活動内容,領域など)」,「カウンセリング心理学と臨床心理学」,「学校におけるカウンセリングの将来展望」,「カウンセラー資格の現状と課題」,「国際資格について」,「カウンセラーとして学ぶべきこと」となっている。これらを踏まえて,日本カウンセリング学会として,カウンセリングをどのように捉え,どのようなカウンセラーを養成すべきかを明確にし,それを実現するための具体的なカリキュラムと養成方法を検討していくことが今後の課題となっている。
著者
長田 忠良 小林 俊市
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.23-27, 1971
被引用文献数
1

道路横断方向に4観測点を定め, それぞれの点における路面圧雪の密度, 硬度, 雪温などを連続的に測定した.<BR>最高気温が2.1℃, くもりの日中11~17時の間に平均密度が0.57g/cm<SUP>3</SUP>から0.63g/cm<SUP>3</SUP>に, 表面付近の雪粒の最大粒径は約0.3mmから0.5mmに変化し, 表面下約3mmまでは完全に氷板化した. この間に測定された表面硬度は, 35~110kg/cm<SUP>2</SUP> (木下式硬度) であった. 横断方向4点の硬度差の最大は50kg/cm<SUP>2</SUP>であって, 日中の通行幅の広がりによって15kg/cm<SUP>2</SUP>まで減少した.<BR>もっとも融解が進んだとみられる時においても, 横断方向4点の硬度のうち最大は55kg/cm<SUP>2</SUP>で, 一般の除雪機により十分な処理量が得られるほどの硬度の大きな低下はみられなかった.
著者
中村 友香 藤澤 憲 中西 裕子 西林 佳人 守谷 安津蓉 小河 理恵子 髙橋 真一郎 亀井 有美 高橋 眞琴 Yuka NAKAMURA Ken FUJISAWA Yuko NAKANISHI Yoshito NISHIBAYASHI Atsuyo MORIYA Rieko OGAWA Shinichiro TAKAHASHI Yumi KAMEI Makoto TAKAHASHI
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 = Bulletin of Center for Collaboration in Community Naruto University of Education (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
no.35, pp.29-38, 2021-02

新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の対応に際して,緊急事態宣言発出後,筆者らが関与する教育関係,福祉関係,医療関係の最前線での実践現場においては,これまでの実践内容にない対応を求められた。本論文では,筆者らが関与している教育関係,福祉関係,医療関係の最前線での実践現場についての現状と課題を把握していくことを目的とした。現状として,実践現場での感染症予防対策以外にも教材作成や労務上の対応が求められており,課題として,児童・生徒,利用者の心のケアや実践者自身のバーンアウトへの対応必要性も示唆された。