著者
林 義雄 草野 保
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学会報 (ISSN:13455826)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1, pp.1-8, 2006-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
14

Hynobius tokyoensis is a pond-breeding salamander which is endemic to the Kanto district and southern Fukushima prefecture in Japan. To examine genetic differentiation of this salamander, the hyper-variable region 2 (HV2) of the mitochondrial D-loop was sequenced and compared among 66 individuals derived from 37 localities. A total of 20 haplotypes were detected in this study. Six of 21 variant positions in this region were found in the repeat sequences. The phylogenetic analysis indicated that this species was clearly divided into two major groups: a northern and a southern population. The dominant haplotypes were different among local populations within each major group. These results suggest that in order to protect and to preserve the genetic diversity of this species, each local population should be protected as far as possible.
著者
脇坂 聿雄 林 真二
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.345-353, 1966 (Released:2007-07-05)
参考文献数
14

ナシ花粉の簡単な貯蔵法として, 家庭用電気冷蔵庫を用い, 1年間貯蔵した花粉を供試して, 二十世紀の結実率, 果実肥大, 含有種子数などについて調査した。1. 1962~1965年の4か年にわたり, 1年間電気冷蔵庫で貯蔵した花粉の発芽率をみた結果, 最適条件の場合, 長十郎80.3%, 晩三吉67.4%, 八雲85.0%で, 新鮮花粉に比較して5~10%の低下率であつた。2. 1年間貯蔵した花粉を二十世紀に人工授粉した結果, 発芽率30%以上の花粉であれば, 結実率も80%以上となり, 新鮮花粉区と変わらなかつた。幼果の発育および収穫果重も, 両者の間にほとんど差を認めなかつた。3. 貯蔵花粉でも, 発芽率が30%以上であれば, 含有種子数も平均7個以上となり, 果肉細胞, 糖度, 酸などいずれも新鮮花粉区に劣らず, 実用に供して何ら支障のないことを認めた。4. ナシ花粉の貯蔵上注意すべきことは, 樹勢のよい樹から採花し, 摘花から開葯, 冷蔵庫搬入までの時間を24時間以内とし, 湿度は30~50%, 温度を年間5°Cに保てば, 約70%以上の発芽率をもつた花粉が得られることを確認した。
著者
大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典文 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 25.39 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.25-30, 2001-06-20 (Released:2017-06-23)

新Super-HARP(High-gain Avalanche-Rushing amorphous Photoconductor)膜は、アモルファスセレンを主成分とする光電変換膜で、膜内での電子のアバランシェ増倍現象を利用することで超高感度を実現している。この新Super-HARP膜を使用した撮像デバイスは、非常に暗いシーンの撮影に使用されるが、その際にはショットノイズによる画質劣化が問題となる。そこで、このショットノイズの影響を軽減するため、新Super-HARP膜の緑色光に対する量子効率の改善に取り組んだ。新しい膜構造の設計にあたっては、アモルファスセレン層の一部にテルルを添加した領域を設けるとともに、このテルル添加領域を入射光(信号電極側)寄りに挿入することでその増感効果を一層高めることとした。これによって、カラーカメラの画質に大きな影響をおよぼす緑色光での量子効率を従来の約2倍に高めることができた。また、ショットノイズのみを考慮したS/N_<shot>を評価した結果、緑色光で約3dBの改善が認められた。
著者
中島 粂男 栗林 勝利
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.T249-T263, 1970

目的 第1報においては, 工程中にガイドローラーがなくダンサーローラーのみの系について, それの検出器としての動特性を周波数応答の立場から解析した結果を報告した。本論文ではガイドローラーが有限個ある場合のダンサーローラー系について, ガイドローラーがダンサーローラーの動特性に与える影響を周波数応答の立場から解析する。 結果 1) ガイドローラーが多くある場合のダンサーローラーの動特性は, 第1報の系の変数にガイドローラーの数だけ変数を加えた多元連立微分方程式によりあらわされる。したがって周波数応答は多元連立代数方程式を解く問題となり, 解は電子計算機により求める必要がある。 2) ガイドローラーの慣性モーメントがダンサーローラーに集中した仮想ダンサーローラー系を考え, これの理論をもとのダンサーローラー系に対する近似理論とした。そうすると解析表示されている第1報の理論式がそのまま近似理論として適用できることになる。この近似理論と厳密な理論とを比較した結果, もとのダンサーローラー系の最小共振周波数以下の周波数において, 近似周波数応答が厳密な周波数応答を良好に近似することを確かめることができた。 3) 使用可能周波数上限はダンサーローラーから一番離れた走行糸布についての張力の最小ジャンプ周波数である。そして近似理論から計算した近似最小ジャンプ周波数は, 上記最小ジャンプ周波数を良く近似することがわかった。 4) 使用可能周波数の範囲において, ガイドローラーがダンサーローラーのみの系に与える影響は, ダンサーローラーの慣性に全ガイドローラーの慣性を追加した場合の影響と見なすことができる。したがってダンサーローラーのみの系に比べて, ガイドローラーのある系の使用可能周波数上限は下がる。
著者
小林 久幸
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山大学短期大学部紀要 (ISSN:13459732)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.64_a-53_a, 2002-02-01

2000年10月開催アジア杯サッカー選手権レバノン大会の日本代表チーム出場6試合(00ACJ)を収録したVTRから, サッカー試合中のインプレーとアウトオブプレー時間の比率およびアウトオブプレーの要因別出現回数・所要時間とその比率などを検討した。結果は以下の通りである。(1)ロスタイムを除いた試時間90分におけるインプレーとアウトオブプレーの1試合当り平均時間(比率)では, 00ACJは54分50秒(61%)対35分10秒(39%)である。(2)インプレーの1試合当りの出現回数および1回当りの持続時間では, 00ACJは約115回, 28.7秒である。(3)アウトオブプレーの1試合当りの出現回数および1回当りの所要時間では, 00ACJは約125回, 16.9秒であり, 日本は約63回(51%), 17.1秒である。(4)アウトオブプレーの1試合当りの要因別出現回数の比率では, 00ACJは比率の高いものから順にFK33%(41回), TH32%(40回), GK15%(19回), OTH12%(16回), CK7%(10回)である。(5)アウトオブプレーの1試合当りの要因別所要時間では, 00ACJの最も長いのはFKの11分52秒, 次いでOTHの7分20秒, THの6分16秒さらにGKの5分51秒であり, 最も短いのはCKの3分52秒である。(6)アウトオブプレーの要因別1回当りの所要時間では, 00ACJは所要時間の長いものから順にOTH28.4秒, CK24.4秒, GK18.8秒, FK17.4秒, さらにTH9.3秒である。(7)アウトオブプレーの時間区分別の生起率では, 00ACJの最も多いのは10&acd;20秒の37%であり, 次いで10秒未満の30%である。(8)日本と対戦チームとのアウトオブプレーの比較では, 日本のFK20%(1試合当り26回)は対戦チームの12%(15回)よりも多く(P<0.001), さらにゴール前でのシュート・得点をねらうFKでは日本の7回は対戦チームの3回よりも多い (P<0.01)。逆に, GKでは対戦チームの10%(12回)は日本の5%(6回)よりも多い(P<0.001)。
著者
林 和彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.394-403, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

Bismuth based high temperature superconductor has discovered by Dr. Maeda at NIMS (National Institute for Materials Science). Just after the discovery of this material, Sumitomo Electric has carried out the R&D on long length and high performance wire, and many application prototypes for more than 20 years. As a wire manufacturing technology, CT-OP (controlled over pressure sintering) process is very effective to make high performance wire. Power cable and ship propulsion motor applications using bismuth based superconducting wire are highly expected.
著者
小林 慎一 中島 隆芳 山崎 浩平 佐藤 謙一
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.422-429, 2012-07-25 (Released:2012-09-12)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

Since the discovery of bismuth-based high-temperature superconductors in 1988 in Japan, much work has been done to develop superconducting wires and their applications. Applications include cables, motors, transformers and fault current limiters used at 77.3 K, high field magnets and motors used at 20 K and super-high field magnets and current leads used at 4.2 K. Some applications are already commercial products. This paper introduces the wire fabrication methods, wire characteristics and application apparatus.
著者
林 〓情
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.20-32, 2003-03-31 (Released:2017-04-29)

本研究は,アンケート調査をもとに,両国の非親族に対して用いられる呼称例を収集し,類型を作り,その類型から呼称の使い分けとその特徴について対照比較したものである.分析の結果,(1)既知の人に対する場合,両言語では,親族名称,実名・愛称,人称代名詞,地位・役職名,職業・役割名などが呼称として用いられている.呼称表現の使用をみると,韓国語では年上に対しては親族名称が,同年輩,年下に対しては実名・愛称で呼びかけるのが一般的である.これに対し日本語では,同僚や知人においてごくわずかな親族名称だけが用いられているだけで,非親族に対しては実名・愛称で相手のことをとらえることが圧倒的である.(2)一方見知らぬ人に対する場合,両言語では,親族名称,人称代名詞,「喚起語句」などが呼びかけとして用いられており,その中でも「喚起語句」が多用されている点で共通している.しかし親族名称の使用には違いが見られ,日本人に比べて韓国人のほうが多用している.
著者
武森 真由美 坂牧 成恵 貞升 友紀 植松 洋子 門間 公夫 新藤 哲也 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.99-105, 2018
被引用文献数
1

<p>HPLCおよびLC-MS/MSを用いた食品中のエリスリトール,マルチトール,ラクチトールおよびトレハロースの分析法を開発した.HPLC分析では,アミノ基結合型ポリマーカラムを用い,カラム温度を室温とすることで定量することが可能になった.LC-MS/MSでは,SRMモードにより定量・確認を行うことができた.また,試験溶液を1,000倍以上に希釈することで,試料由来のマトリックスによる影響を抑えられた.紅茶飲料,ゼリー,ラムネ菓子およびチョコレートを用いた添加回収試験の結果,回収率はいずれもHPLCで90%以上(CV≦6.1%),LC-MS/MSで94%以上(CV≦4.8%)であった.クッキーについては,まず水で抽出してからエタノールを加えることで,HPLCで回収率83%以上(CV≦4.1%),LC-MS/MSで回収率90%以上(CV≦3.0%)と良好な結果が得られた.</p>
著者
中村 恵美子 伊藤 誠治 林 敬子 馬場 孝秀
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.318-326, 2006-07-05
参考文献数
34
被引用文献数
3

北陸地域においてより安定的した収量性、精麦品質をもつ新品種を育成するために、現在栽培されているミノリムギとファイバースノウを含む精麦用オオムギ4品種を用い、収量や精麦品質の年次変動の品種間差を調査した。その結果、穂数、千粒重、整粒歩合、粗蛋白含有率、硝子率、硬度差の各形質では、品種と年次との交互作用は検出されなかった。一方、整粒重、リットル重、55%搗精白度、55%搗精時間には交互作用があった。ミノリムギはオオムギの生育に良好な年では整粒重が多かったが、多雪年や登熟期に降雨が多い年では整粒重の低下が著しかった。一方、北陸皮35号は整粒重の年次変動が少なく安定的な品種であった。リットル重は年次によって最も重い品種と軽い品種が異なっていた。55%搗精白度と55%搗精時間においては、シュンライが年次変動が最も小さく安定していた。ミノリムギは年次にかかわらず55%搗精白度が最も低く、55%搗精時間が最も長かった。整粒重には登熟期の降水量や積雪の多少が、リットル重、55%搗精白度、55%搗精時間には登熟期の降水量がそれぞれ影響を及ぼし、その程度は品種により異なっていた。整粒重、リットル重、精麦品質が安定して高位である形質をもった品種育成のためには、多雪年を含み登熟期の降水量の異なる複数年の試験を行うことが必要であると考えられた。雲形病発病程度は年次間差のみあり、罹病性品種は自然感染の条件下では安定して発病しなかった。
著者
林 朝子 HAYASHI Asako
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = BULLETIN OF THE FACULTY OF EDUCATION MIE UNIVERSITY. Natural Science,Humanities,Social Science,Education,Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.383-393, 2017-03-31

現在、書道・毛筆文化への再評価が進んでいるが、書を鑑賞することは一般的に十分な理解を得られているとは言い難い。そこで『書論・鑑賞I』履修生9名を対象に、書の構成要素の理解の徹底と実際の書作品を多く見ることで、書の鑑賞への意識の高まりと鑑賞内容の深まりを目指した。その結果、自身の鑑賞の視点が明確化され、直観的鑑賞に留まらない、具体的な視点からの分析的鑑賞を様々な書に対して行う姿勢へと結びついたことが示された。キーワード:書の鑑賞、造形性、書の構成要素、分析的鑑賞
著者
本弓 康之 林 正博 富永 昭
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.245-249, 2003-12-20 (Released:2017-02-10)
参考文献数
28
被引用文献数
5

音速を求める「Kundtの実験」は,気柱共鳴管の中においた粒子が周期的に集まることを利用している。しかし,この周期的な粒子の集まりは,粒子によってその様子が異なる。そこで,「Kundtの実験」に関連した実験事実を明らかにし,物理教育での「Kundtの実験」に関する取り扱いについて考える。
著者
小林 紀之 山下 桂治 上原 貴夫
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58(2001-GI-006), pp.59-66, 2001-06-07

ブリッジのエキスパートは,難しい場合は楽観的に考えて大胆にプレイし,易しい場合は悲観的に考え安全にプレイをするよう教えている.現在のコンピュータブリッジには,問題の難易に従って,プレイのモードを切替える機能はない.本論文では,マルチモードプレイの実装方法を提案する.
著者
小林 和夫
出版者
Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.13-16, 1983-10-30 (Released:2010-03-19)
参考文献数
11

In order to teach and work effectively at survey and photogrammetry, one should understand basic semiological abbreviations which derived form foreign languages to Japan. This paper describes that several technical abbreviations in surveying correspond closely with Dutch words which were imported into Japan in the Edo era (1600-1867) .It was considered that, as established theory, symbols“B”and“L”were German abridgments of“Breite”and“Länge” (i.e. latitude and longitude), respectively, by force of making an amendment form French triangulation system to German triangulation system which had employed by the military serivice of Japan in 1882.Nevertheless, “B”and“L”also coincide with Dutch terms of“breedte”and“lengte..which were transfered to Japan at least since 1803. Moreover, it reveals that symbols“B”, “P”and“C”being utilised for eccentric triangulation might be said as abridgments of Dutch terms form“bevordelijk standpunt”for instrumental center, “piramidaale centrum”for center of measuring tower (namely“pyramid”) and“centrum van geodesische monument”for center of hurried mark, respectively.
著者
清錢林撰
出版者
王氏有嘉樹軒刊
巻号頁・発行日
vol.[10], 1858
著者
猿橋 拓弥 宮本 竜之介 穆 盛林 秋本 高明 北園 優希
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.12-13, 2015

家事は毎日行わなければならない大変な作業である。その中でも洗濯は,洗い作業は洗濯機が行ってくれるが,干し,乾かし,たたみといった作業は手作業である。そこで我々は家事の負担を減らすために,Tシャツの乾きを自動検知し折りたたむシステムを開発した。しかし,そのシステムには欠点があり,一度の駆動で多くの洗濯物はたためなかった。そこでシステムを改良し,一度の駆動で多くの洗濯物をたためるようにし,実用性を向上させた。本論文では,その改善したシステムについて説明する。