著者
田代 隆義 吉田 誠史 深田 陽一 坂本 健 梶山 義夫 吉本 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.410, pp.7-12, 2012-01-19
被引用文献数
2

10G-EPONシステムのモバイルバックホール適用や幅広い新サービスの提供を目的に,周波数および時刻同期機能を実装した試作装置の性能評価結果を報告する.OLTは外部リファレンス信号(GPs受信装置の10MHz正弦波・1PPS・ToD等)を入力可能とし,周波数および時刻同期を行う.OLT-ONU間においては,SyncE(網同期クロック転送)による周波数同期と,802.1ASプロトコルに従う時刻情報転送および時刻補正により時刻同期を実現する方式を採用した.また,より高精度な同期機能実現を日的に,物理層で得られた回線抽出クロックを用いて時刻情報の補正を実行する構成を採用した.これらを実装した試作機を作成し,高精度な同期性能が得られたことを確認したので報告する.
著者
西村 竜一 梶田 将司 武田 一哉 板倉 文忠 鹿野 清宏
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827837)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.605-613, 2001-03

本論文では, Webベースのオンライン教育環境に音声入力機能を加えるWebSPEAC(Web SPEech Acquisition for Courseware)Systemを提案する.これまで, Webベースオンライン教育環境では, 音声を出力する教材の作成は可能だったが, 音声入力のできる教材やコミュニケーションツールの提供はできなかった.本システムは, (1)Webブラウザには音声入力機能のみを提供し, 音声を用いるアプリケーションプログラムはWebサーバ上で一括管理するので保守性が高い, (2)クライアント側は, 簡単な初期設定のみで利用できる, (3)サーバプッシュを利用してWebでの音声入力インタフェースを実現している, という特徴があり, 音声を用いたインタラクティブなWebベースのオンライン教材の作成を可能にする.また, 本システムの応用例として, Webベースの入力音声分析ソフトウェア, 音声確認システム, 受験者認証システムを作成した.このうち, 音声入力部分について, 入力音声分析ソフトウェアを利用してファイルアップロードによる従来システムとの比較実験を行った.その結果, 本システムはステップ数, 誤りステップ数, タスク完了時間において操作コストを削減できることが確認できた.
著者
三村 寛一 秋武 寛 谷口 恵理 織田 修輔 宮本 利夫 梶 綾子 田中 哲也
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第4部門, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.253-262, 2012-09

本研究は,K市における一般人,指導者,中学生を対象に,熱中症に対する知識・理解の実態を把握することと今後の熱中症対策の方向性について検討することを目的とし,アンケート調査を実施した。その結果,指導者は一般人と中学生に比べて熱中症に対する知識が豊富であった。また,昨年に引き続き8割以上の指導者が生徒に熱中症予防の指導を行っているにも関わらず,生徒に上手く知識が伝わっていないことが明らかになった。以上の結果より,今後の熱中症予防の対策の方向性として一般人,中学生に対する啓発活動に加えて,熱中症予防に対する具体的な指導の必要性が示唆された。The purpose of this study was to investigate the cause of heat stroke and learned to take precautions against heat stroke for general public, instructors and students in K city. As the report showed, instructors had got adequate knowledge over heat stroke compared with general public and students. However, it was obvious that although more than 80 percent of instructors made preventive heat stroke lessons for students during the past year, the most of them got a poor awareness of the knowledge of heat stroke. In conclusion, it reflected that it was necessary to make general public and students understand concrete heatstroke prevention, and formally added it to the education activities , so as to establish the directivity of the heatstroke prevention measures in the future.
著者
江口 圭一 戸梶 亜紀彦
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.89-101, 2011

The present study discussed how organizational citizenship behavior, which is considered to improvethe effectiveness of an organization, is affected by cultural views of self and work values. We surveyeduniversity students who had working experience (N=115, mean age 21.7 years, SD=4.0). Independenceof cultural views of self was positively correlated with two subscales of organizational citizenshipbehavior. However, Interdependence of cultural views of self was not significantly correlated withorganizational citizenship behavior. Using hierarchical multiple regression analyses, Independence ofcultural views of self and Development of Self of work values positively influenced part of organizationalcitizenship behavior, while Sense of Achievement of work values negatively did. In addition,Development of Self and Contribution to Society of work values indicated significant moderator effects.Therefore it was suggested that cultural views of self and work values were antecedence factors oforganizational citizenship behavior.
著者
梶川 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1922年初頭からはじまるロシア正教会への弾圧はまず、飢餓民に必要な食糧を外国で購入するための貴金属没収の口実ではじまった。このキャンペーンの開始時には、中央委員の多くは必ずしも反教会の強攻策を支持しなかったが、3月半ばのシュヤ事件に対する党中央委員への秘密書簡は党指導部内のこれまでの待機的気分を一掃し、軍事力を動員しての教会と聖職者への容赦のない弾圧と迫害がはじまった。このようにして、宗教弾圧の実施過程でゲー・ペー・ウーにより民衆の抵抗を圧殺するシステムが動き出したのである。
著者
梶 亮太 岡本 正弘 八木 忠之
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.47, pp.63-81, 2006-06
被引用文献数
1 1

「ふくいずみ」は,西海199号を母とし,北陸148号(どんとこい)を父とした交配組合せから育成された。2004年に水稲農林400号として登録され,「ふくいずみ」と命名された。「ふくいずみ」は育成地(筑後市)における出穂期,成熟期が「日本晴」に比べて2~4日程度遅く,暖地では"早生の晩"に属する。「日本晴」と比較して,稈長は1~4cm短く,穂長はわずかに短く,穂数は同程度かやや少ない。草型は"中間型"である。耐倒伏性は「日本晴」より明らかに強く"強"で,耐転び型倒伏性は"やや強"である。いもち病に対しては真性抵抗性遺伝子"Pii"を持つと推定され,葉いもち圃場抵抗性は"中",穂いもち圃場抵抗性は"やや強"である。白葉枯病抵抗性は"中",縞葉枯病には"罹病性"である。穂発芽性は「日本晴」並の"やや易"である。移植での収量性は「日本晴」並で,直播での収量性は「日本晴」を上回る。玄米品質は「日本晴」にやや優る"中上"である。白米のタンパク質含有率は"やや低",アミロース含有率は"中"で,いずれも「日本晴」より低い。食味は"上中"で「コシヒカリ」に近い良食味である。温暖地の平坦地および暖地の全域に適する。湛水直播栽培においても,「日本晴」より耐倒伏性が強く収量が安定して優れる。
著者
滝 聖子 大崎 紘一 宗澤 良臣 梶原 康博
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.302-311, 2005-10-15
被引用文献数
2

本稿では,一般的なロボットシステムに料理を行わせるために,料理作業をロボット料理レシピとして定式化する手法を提案する.まず,人間の料理レシピの内容と料理知識からロボット化するために,ロボット料理レシピとしてまとめるために,料理作業の内容を5項目(料理作業名,食材,料理内容,料理用具等及び生じる中間食材)で示し,その内容及び条件を示した料理作業詳細表(レベル1,2,3)を作成する.レベル1では料理レシピの人間の行う料理作業を目的によって準備料理作業,主要料理作業及び完成料理作業に区分(以下,料理区分作業という)に分類する.レベル2では料理区分作業をロボットが単一の食材,料理用具・食事用具・厨房器具に対して行う作業,及び,ロボットを使用せず厨房器具・料理容器によって単一の食材を変化させる作業(ロボット料理作業)に,レベル3ではロボット料理作業をセンサで状態を見ながらロボットに行わせる動作(ロボット料理動作),さらにロボットの行うロボット動作とセンサの行う感覚動作に展開して料理作業詳細表を作成することにより,ロボット料理レシピを作成する.そして,著者らの開発した料理ロボットシステムで,提案したロボット料理レシピを用いて実際に料理を作ることでその妥当性を示した.
著者
杉江 修治 梶田 正巳
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.381-385, 1989-12-30

The quality of interactions among small group members constitutes a significant factor that brings about positive effects in school learning. And aspects affecting the quality of the interactions are still more numerous. In this study, we chose one of the important aspects, namely: "the effects of teaching activities", and examined the reasons why the activities would produce good results in small groups. Two types of instructions were given...A: "You must teach another person after learning yourself", B: "Your attainment will be evaluated after you have learned". Two types of activities were directed after a study lasting 25 minutes...a: To teach another person, b: To review the learning tasks. E_1 was the condition of A+a, and E_2: A+b, and C: B+b. Ss were 11-12 year-old children, and the tasks used were arithmetic. Results were as follows. (1) The learning set to teach another person "after one has learned" had positive effects on academic achievement. (2) The activities to teach another person seemed to have a possibility to raise some positive effects.
著者
野嶋 琢也 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.217-225, 2008
参考文献数
16
被引用文献数
2

The head up display (HUD) is becoming increasingly common in the aerospace field because it has many benefits such as enabling operations in poor visibility and improving flight safety. The HUD is a kind of augmented reality display that enables a pilot to observe the scene outside the cockpit while simultaneously viewing an artificial image of flight information. However, the HUD is too expensive and heavy for light airplanes. In this paper, we propose a new method to compose a simple HUD using Retro-reflective Projection Technology and a propeller. In this report, we also describe the developed system and preliminary experimental results.
著者
合田 典子 片岡 則之 奥田 博之 梶谷 文彦 山本 尚武 清水 壽一郎
出版者
岡山大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

研究目的:本研究では、エストロゲンの血管内皮細胞に対する作用を実時間で解析するため、ECIS(Electrical Cell -substrate Impedance Sensing)法を用い、細胞-細胞間隙と細胞-細胞下基質間隙および細胞自体の挙動をナノオーダーで定量的に計測した。さらに、これらナノ細胞挙動を引き起こす基礎となる細胞骨格や接着因子のダイナミックな変化を共焦点レーザー顕微鏡と原子間力顕微鏡を併用して観察し、エストロゲンの血管内皮細胞に対する作用を総合的に解析した。研究の成果:種々の濃度の17β-Estradiol(E_2)付加後の内皮細胞の微細動態(細胞-細胞間隙,細胞-細胞下基質間隙,細胞自体の挙動)をECIS法にて経時的に計測したところ、高濃度のE_2の負荷によりインピーダンスは減少し、細胞-細胞間隙が拡がったことが示唆された。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて機械的な弾性特性を測定した結果、高濃度のE_2による内皮細胞辺縁部の弾性は変化せず、成熟女性の生体内濃度(E_210^<-10>及びE_210^<-11>mol)では同部の弾性率を各々61%,56%低下させ、生理的濃度のE_2が内皮細胞の細胞ミクロメカニクスを有意に変化させた。また、動脈硬化症の危険因子として注目されている酸化LDLを培養内皮細胞に作用させた実験を併せて行った。健常者の酸化LDLはヒト血漿LDL画分中の0.01%程度とされるが、その影響を強調するため50μg/ml,100μg/ml及び200μg/mlの高用量を20時間作用させた。インピーダンスは全体として11%増大し、細胞-細胞間隙、細胞-細胞下基質間隙共に増大することが示唆された。また内皮細胞辺縁部弾性率はコントロール群に比べ、70〜80%の低下を示し、酸化LDLは細胞内皮の透過性の上昇及びバリア機能の低下を引き起こすことが示唆された。今後、酸化LDLが内皮細胞に及ぼすこれらの作用に対するエストロゲンの効果を検討する予定である。
著者
田口 洋美 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 三浦 慎悟 高橋 満彦 原田 信男 白水 智 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 原田 信男 白水 智 三浦 慎悟 神崎 伸夫 前中 ひろみ 高橋 満彦 岸本 誠司 中川 重年 梶 光一
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究が開始された翌年平成18年度においてクマ類の多発出没が発生し、捕殺数は約5000頭、人身事故も多発した。本研究はこのような大型野生動物の大量出没に対する対策を地域住民の歴史社会的コンテクスト上に構築することを主眼とし、東日本豪雪山岳地域のツキノワグマ生息地域における狩猟システムと動物資源利用を「食べて保全」という市民運動へと展開しているドイツ連邦の実情を調査し、持続的資源利用を含む地域個体群保全管理狩猟システムの社会的位置づけとその可能性を追求した。