著者
森田 匡俊 奥貫 圭一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.82-96, 2006-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

境界効果とは,分析対象とする地域境界の定め方が分析結果に与える影響のことであり,いくつかの問題がある.本稿では,そのうち特に,地域境界によって定まろ対象地域の大きさが分析結果に与える影響に焦点を当てて検討を行う.境界効果の既存研究では,平面上でのK関数法の実践における境界効果は扱われているものの,ネットワ-クK関数法の実践における境界効果は,いまだ検討されていない.そのためネットワ-クK関数法の実践には,境界効果によって分析結果から誤った解釈を行ってしまう危険がある.本稿では,まずネットワ-クK関数値の振る舞いを一直線上のモデルとして構築し検討した.次に愛知県日進市の道路ネットワ-クとコンビニエンスストアの立地点分布を利用して,一般のネットワ-ク上のネットワ-クK関数値の振る舞いと境界効果の関係式を導出した.
著者
森田 晴香 菅村 玄二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.437-444, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
43
被引用文献数
1 2

Bibliotherapy has occasionally been used as a counseling technique. However, most reports are basically single-case studies and the psychological effect of this approach remains unclear. Two experiments using 96 healthy college volunteers were conducted to determine how the reading of emotionally positive, negative, or neutral passages affect one’s mood and level of distraction. Study 1 revealed that participants felt more relaxed after reading positive poems with either personal or social content than after reading negative ones, and they felt least refreshed and calm after reading negative poems with personal content. Study 2 showed that participants reported less depressed feelings both after reading an excerpt from an explanatory leaflet and after a controlled rest period. These results were discussed in terms of the mood congruence effect. Future research may evaluate the effects of reading novels, manga, and life teachings on self-narratives and views of life in normal and clinical populations.
著者
山崎 洋治 森田 十誉子 藤春 知佳 川戸 貴行 前野 正夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.21-27, 2018 (Released:2018-02-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

歯周病の予防に影響する口腔清掃習慣を,産業歯科健診情報を用いて縦断的に検討した.対象は,某企業の事業所従業員で2002年と2006年に歯科健康診断を受診した者1,985名(男性1,617名,女性368名,平均年齢40.0±9.2歳)とした.歯周病の評価はCPIで,健康行動(歯磨き,歯間ブラシおよびデンタルフロスの使用頻度,喫煙習慣)は自記式質問紙で調べた.ベースライン時の健康行動およびCPIの所見と4年後の歯周ポケット形成との関連性を多重ロジスティック回帰分析した. 2002年に歯周ポケットなしであった臼歯部セクスタントの7.3~9.5%,前歯部セクスタントの1.9~2.3% が,それぞれ4年後に歯周ポケットありに変化した.また,歯周ポケットなしのセクスタントが4年後に一箇所でも歯周ポケットありに変化した者と関連性が認められた要因は,1日3回以上の歯磨き(1回以下に対するオッズ比:0.68,p<0.05),デンタルフロスの毎日の使用(使用しないに対するオッズ比:0.41,p<0.05)およびベースライン時の歯周ポケットの有無(なしに対するオッズ比:1.52,p<0.01)であった. 以上の結果から,1日3回以上の歯磨きと毎日のデンタルフロスの使用は歯周ポケット形成の予防に有効であることが,また,歯周ポケットの保有は,歯周ポケットがない部位での新たな歯周ポケット形成のリスクとなることが示唆された.
著者
早坂 洋史 森田 克己 松岡 龍介
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Supplement, pp.57-58, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

図形認識力における男女差は、よく知られているにも拘わらず、その理由は必ずしも明白ではなかったように思われる。A.Peaseらは、彼らの著書『話を聞かない男、地図が読めない女』の中で、人は性によって異なった構造の脳、いわゆる男脳と女脳を有しているとし、その構造の違いにより種々のシチュエーションでの行動パターンが異なっているとしている。例えば、一般的に女性は男性に比べ地図を読むのが苦手だったり、方向音痴だったりするのは、この脳の構造の違いによるものとしている。もしこれが本当ならば、特に図形を取り扱う図形科学系の授業でも、この男脳・女脳を考慮しての教授法の展開が必要となってくると考えられる。本報告では、A.Peaseらが提案している、男脳・女脳テストを紹介すると共に、男脳・女脳テストを著者らが所属する大学で実施した結果につき述べる。男脳・女脳テストの被験者数は、三つの大学で合計257名 (男109名、女148名) であった。テスト結果の点数により、男脳・女脳の分布図を作成した結果、男脳・女脳のオーバーラップ域 (150~180点) に約1/3の学生が含まれること、この範囲を男脳側に20点広げ、130~180点とすると、約半数が含まれること、男性のみの傾向としては、男脳側の130点と90点にピークを有すること、女性のみの傾向として、オーバーラップ上限値の180点と男脳域の100点の両方に二つのピークを有することなどがわかった。また、北海道大学社会工学系の学生 (男35名、女10名) の傾向と上述の全体傾向との比較の結果、約8割弱は男性であるにも拘わらず、オーバーラップ上限の180点にピークを有し、80~230点までの広範な学生層であることなどが明らかになった。今後の課題としては、男脳・女脳テスト結果と図形科学の成績や切断面実形視テスト (MCT) の点数などとの関連性、専攻の違いによる男脳・女脳テスト結果の違いや傾向、などについての詳細な検討は、今後の課題である。
著者
成田 雅子 信本 聖子 竹田 博 森山 友恵 森田 美範 中岡 祐司
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.535-539, 2011-07-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
13
被引用文献数
6 12

北海道帯広市のばんえい競馬場で2004年12月から翌年3月,191頭の重種馬(在厩馬の約3割)に発熱と食欲不振の症状がみられた.発症馬21頭中14頭の発症時と回復時の組血清で牛コロナウイルスに対する中和抗体価の有意な上昇が認められ,発症馬の糞便から馬コロナウイルスNC99株の遺伝子ときわめて相同性の高い遺伝子が検出された.一方発症馬の鼻汁と糞便からコロナウイルス以外の既知病原体と遺伝子は検出されず,発症馬21頭の血清学的検査で馬ヘルペスウイルス1型,馬インフルエンザウイルス,ゲタウイルス,馬ロタウイルス,馬鼻炎Aウイルス,馬アデノウイルス,馬動脈炎ウイルス,腺疫,馬パラチフスに対する有意な抗体価の上昇は認められなかった.以上のことから今回集団発生した疾病は馬コロナウイルスの感染により起こされたことが疑われた.
著者
塚田 伸也 森田 哲夫 橋本 隆 湯沢 昭
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.727-730, 2013
被引用文献数
5

The landscape image of Mountains, many studies were continued for many years. In this study, Its attention was paid to attention to the text data of school song. The aim of this study analyzed the text data of junior high school songs in Gunma by text mining. We thought that landscape image of mountains were projected in school songs. The results were as follows: At first, it analyzed the elements which formed the image of mountains from the text data of the school song by analyzed text mining. And, it analyzed the relations between the elements. Next, we showed that image of mountains were considered by the relation between the name of mountain and the form. Therefore, it showed that the area around Mt. Akagi, Mt. Haruna, Mt. Myogi and Mt. Asama were formed in Gunma, and that there mountains were modified in different words. Than the above, the language of Mountains Landscape was clarified to image of Mt. Akagi in Gunma by showed according to the ward visual network.
著者
藤木 卓 森田 裕介 寺嶋 浩介 柳生 大輔 竹田 仰 相原 玲二 近堂 徹
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,原爆への科学技術的認識を育てることを意図したVR(Virtual Reality)技術を活用した学習環境を構築し,それを用いた遠隔授業実践を行うことを目的として研究を行った。その結果,携帯端末との連携を図るVR学習環境及び,それを遠隔地から操作するとともにテレビ会議映像の立体視伝送を行う環境を開発することができた。そして,これらの環境を用いた授業実践を行い効果を確認するとともに,今後の課題を把握することができた。
著者
滝沢 直樹 森田 浩庸 滝沢 久美子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.C0267, 2007

【はじめに】<BR> 若い男性にとって性行為は、重要なQOLの一つと考えられる。今回、膝関節拘縮により性行為時の体位が制限されていた症例が、2年以上の理学療法を行い正常位・後背位が可能になったのでここに報告する。<BR>【症例紹介】<BR> 35歳、男性、左下腿骨骨折(GASTILOIII-C)。2002年12月仕事中建設重機に挟まれ受傷、10ヶ月間創外固定にて膝完全伸展位をとり、その間、前傾骨筋切除、皮膚移植、足関節固定術を受けた。2004年2月関節受動術を受けた。<BR>【経過】<BR> 2004年4月より当院外来リハ開始、膝関節屈曲60°であった。2004年5月に「性行為時に、正常位ができずに困っている」という訴えを受け、体位獲得のための関節可動域運動(以下ROMex)中心の理学療法を開始した。動作練習として、四つ這い位にて膝を固定し骨盤を前後傾させるClosed Kinetic Chainを行った。2004年11月膝関節90°まで改善したが膝関節の違和感(筋の張り)の訴えがあり正常位での性行為ができなかった。そこでROMexに加え、軟部組織へのアプローチと筋活動をより増加させるために、膝立ち位での動作練習も行った。2005年3月には、膝関節屈曲100°となり軟部組織の柔軟性も向上し、性行為時の膝の違和感は減少した。2005年5月から仕事を始めるようになり、運動量が増加、軟部組織の柔軟性も明らかに向上していった。練習開始から14ヶ月後の2005年7月末、膝関節屈曲100°、正常位での性行為が可能になった。さらにROMex、軟部組織へのアプローチ、動作練習を継続し13ヵ月後、2006年8月中旬には、後背位にての動作も可能になった。この間膝関節屈曲100°で変化は無かった。<BR>【考察とまとめ】<BR> 性行為時の動作獲得のためには、関節可動域の改善は当然であるが、スムースな動きを出す筋活動も求められた。本症例では社会復帰の結果、活動量の増加し、筋活動も増していったことが目標の達成のための大きな要因となったとも考えている。<BR>この症例にとって12ヶ月以降関節の可動域に変化は無かったが、性行為時の動作を再学習するためには、27ヶ月のアプローチは必要であった。<BR>今回の症例のように、青年層が重症外傷によって膝に障害が残るケースもある。このような場合、性行為などのQOLを考慮したサービス提供も考えていく必要がある。<BR><BR>【謝辞】<BR>本症例には、発表に際し内容、個人特定されないよう配慮する旨を説明し、快諾を頂いたことに感謝します。
著者
森田 武志
巻号頁・発行日
2010-09-24

本研究では、近年になり地域の内外で広く知られるようになり、観光資源としても注目されている札幌スープカレーという地域の食を事例として、次の点を明らかにすることを目的としている。1) 札幌スープカレーが地域内外に定着した背景を明らかにすること。事例を一つの確立した地域ブランドととらえ、ここに、企業ブランド論におけるブランドアイデンティティやブランドイメージ、コンテクストの共有といった視点を持ち込み、現象を分析すること。2)上記の事例分析を踏まえ、今後、他の地域の食文化を観光や地域の振興に活用する際に取りうる戦略の可能性を検討すること。研究の背景としては、近年、地域の食を観光や地域の振興に活用することに成功している事例が増えており、これらのB 級ご当地グルメに注目が集まっている。そして、このような取り組みは、地域ブランドの形成という形で論じられることが多いが、実際に先行する企業ブランドの理論や知見を通じて理論的な背景を明らかにしたものは少ないため、研究の蓄積が必要である。また、企業ブランドと地域ブランドの間には相違点も多いことが指摘されており、今後の地域ブランド論にとってはこの点を明らかにすることも重要であるという目的意識がある。よって、本論では、地域ブランドとして確立した事例として、札幌スープカレーを選び、企業ブランド論のコンテクストブランディングという枠組みから分析を行った。第1 章では、研究の背景と目的、本論の流れを整理した。第2 章では、文献による先行研究のレビューおよび仮説の提示を行った。第3 章では、スープカレーに関する事例調査を実施した。調査内容は大きく分けて2つあり、まず一つは、文献や新聞・雑誌等のメディア調査である。もう一つは地域内住民に対するアンケート調査および札幌スープカレーに関係する人々に対するインタビュー調査である。第4 章では、第1 章の先行研究および第3章で得られたデータをもとに、札幌スープカレーが地域内外に受け入れられるに至った過程を、ブランド論の枠組みで考察し、仮説の検証をおこなった。結論として、次の2つのことが明らかとなった。1つ目は、札幌スープカレーは、まず地域内でブランドイメージが共有され、それが地域ブランドのブランドアイデンティティとなり、地域外に受け入れられ評価されるようになっていることである。2つ目は、札幌スープカレーは、ブランドの推進主体や、歴史的な背景が無いにも関わらず、地域内でブランドイメージが共有されており、その背景には、札幌スープカレーが持つ豊富なコンテクストにより、地域内でのブランドコミュニケーションが活発に行われたという理由が存在することがわかった。
著者
森田 雅也 Masaya Morita
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1-18, 1992-12-20
著者
森田 健太郎 橋本 果歩 尾方 壮行 堤 仁美 田辺 新一 堀 賢
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.53-56, 2018 (Released:2019-10-30)

主な感染経路の1つである接触感染に関して、公共空間では不特定多数の人々が多くの環境表面を共用するため、手指の顔面接触による感染経路を調査することは有用である。本研究では、模擬電車内における顔面接触頻度を計測し、顔面接触行動に影響を与える要素を分析した。統計解析の結果、女性と比較して男性の顔面接触頻度および粘膜面接触頻度が有意に高かった。また、電車利用後に手指衛生を実施しないと回答した人ほど粘膜面接触頻度が高い傾向がみられた。
著者
城戸 將江 福元 敏之 津田 惠吾 一戸 康生 森田 耕次
出版者
社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.24, no.94, pp.94_49-94_64, 2017-06-27 (Released:2018-07-06)
参考文献数
21

It is an urgent issue to formulate a design method for concrete filled steel tubular structures against the long duration earthquake. This report shows the results of the study and research about the cyclic rotation capacity of the square concrete filled steel tubular columns against the long period ground motion. The experimental results by previous studies and this committee are introduced and the outlines of the fatigue properties of square CFT columns subjected to the axial force and cyclic lateral loading with constant deformation are given.
著者
森田 学 稲垣 幸司 王 宝禮 埴岡 隆 藤井 健男 両角 俊哉 伊藤 弘 山本 龍生 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.352-374, 2013-01-16 (Released:2013-04-24)
参考文献数
106

2011年8月「歯科口腔保健の推進に関する法律」が公布・施行された。高齢化が進む中,生涯を通じて歯科疾患の予防や口腔機能の維持に取り組み,国民が健全な生活を営める社会の実現に向けた法的な整備が開始したことになる。この動きを受けて,本論文では,日本歯周病学会として,ライフステージごとの歯周病予防戦略について提案する。How to 式ではないので,「読んですぐ実践できる」という種類のものではない。むしろ,どのような考えをベースにこれからの歯周病対策をすべきか,診療室・地域において,歯周病学会会員ならではの活躍の参考資料になればと願う。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(4):352-374, 2012
著者
川口 淳一郎 森田 泰弘 澤井 秀次郎
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-180, 1995-09

本書は, 文部省宇宙科学研究所が平成7年1月15日に打ち上げたM-3SII型ロケット第8号機の第2段飛翔中に発生した姿勢異常について行った技術検討結果を報告するものである。本書は, M-3SII-8号機調査特別委員会の報告書ではなく, 内容は, 技術検討結果のみを報告するものである。過去, 今号機において行われた飛翔前試験の実施状況や, 体制を含めた不具合発生との関連, 再発防止などについては, 同調査特別委員会の最終報告書にゆずる。内容は, 何回かの調査特別委員会にて検討に供された技術資料を, 順次章ごとにたどる形式が採られている。本書では, 以下の同委員会報告内容の主たる点を, この冒頭で記述するにとどめる。「姿勢異常の原因は, 制御系を介した構造振動モードの励振に端を発した姿勢制御用噴射体の枯渇にあったことが明らかとなった。制御系が自励的に構造振動を発振せしめた原因は, 今第8号機におけるペイロード重量増により, 姿勢検出部における構造振動モードが不安定側に大きく転じていたことと, 同じ理由により構造振動に対する制御利得が著しく大きな値となっていたためである。M-3SII型ロケットの開発にあたっては, その初号機の飛翔前においては, 構造振動モード解析ならびにそれら柔軟性を考慮した制御系解析が行われたのであるが, 1)初号機においては剛体性が極めて高いことが数値指標で確認されていたこと, 2)姿勢検出部は初号機においては第1次構造振動モードの腹の位置にあり少なくとも線形性の成立する範囲ではペイロード重量の構造振動モードの制御安定性におよぼす感度は十分小さいと判断されていたこと, 3)今号機の飛翔以前の7回の飛翔を通じて第1次構造振動モードは励振はもちろん検出されたことがなかったことから, 今第8号機の飛翔前においては, 依然として剛体性近似が適用できると判断し, 構造振動モード解析および柔軟性を考慮した制御系検討は行われなかった。これが今回の不具合を事前に発見するにいたらなかった理由である。」