著者
山田 人恒 森田 修朗
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.73-81, 1969-11-30 (Released:2016-12-31)

In order to achieve accommodation of the eye which influences predominantly upon the kinetic visual acuity which chiefly relates to the accuracy in the timing action, the following studies were performed; that is, at the certain period of time, training to the velocity of accommodation was done repeatedly in every day, and the effect of training and the variations in the kinetic visual acuity accompanying with the training effect were determined. The results were obtained as described here, 1) By the training of accommodation of the eye, the accommodative contraction time shortened and the higher value of the kinetic visual acuity was obtained. 2) Relationship between the daily change in the accommodative contraction time and that in the kinetic visual acuity was due to chiefly to the degree of training for the optimal reaction to the moving object, where the subject himself performed in his daily life.
著者
富樫 遼太 後藤 春彦 森田 椋也 山崎 義人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.806, pp.1259-1270, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
23

Conventional architectural discussions have mainly focused on human living spaces. However, it is also a reality that spaces abandoned from living spaces are expanding. Those spaces are called ‘brownfields’, for example, and seen as problematic, but is there no significance in those actual state? This paper aims to clarify abandoned spaces that oppose human living spaces such as architecture by mixing the real image of mine sites and discussions of environmental philosophy. Specifically, the following characteristics of abandoned spaces were identified: [Multilayered traces] [Delocalization of traces] [Prosperity of industrienature] [Awaken senses of inconsistency].
著者
森田 健宏 堀田 博史 佐藤 朝美 松河 秀哉 松山 由美子 奥林 泰一郎 深見 俊崇 中村 恵
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.61-77, 2015 (Released:2017-09-14)
参考文献数
40

乳幼児のメディア使用については、その賛否や使用のあり方など、わが国でも様々な研究や提言等が見られるが、それらに大きな影響を及ぼしている先行的な知見の1つにアメリカの専門機関における声明文等がある。本研究では、最近発表されたアメリカ小児科学会(AAP)の「Media Use by Children Younger Than 2 Years.(2011年11月)」およびアメリカ幼児教育協会(NAEYC)「Technology and Interactive Media as Tools in Early Childhood Programs Serving Children from Birth through Age 8.(2012年1月)」の内容について、関連する文献と共に調査し、わが国における今後の乳幼児のメディア使用の課題について検討した。
著者
坂本 和靖 森田 陽子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、人間の行動規定要因としての規範意識の在り方が(Akerlof and Kranton2000)、家計行動に与える影響に関する実証分析を行った。ここでは規範として「性別役割分業意識(男性は仕事、女性は家事・育児)」に注目し、それが既婚女性の時間配分に与える影響を計測した。先行研究に倣い、(年齢・学歴・居住地域から推計された)女性の潜在的稼得所得を軸に分析した結果(Sakamoto and Morita 2020)、夫所得よりも潜在的稼得所得が高い女性ほど就業せず、稼得所得を抑制させる傾向が、また夫よりも実際の稼得所得が高い女性は逸脱行為を補うため家事時間が長くなる傾向が確認された。
著者
森田 千晶 山本 澄子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.75-82, 2007-01-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9
被引用文献数
5

片側上肢切断が姿勢にどのような影響を及ぼすのかについて, 安静立位姿勢に着目して運動学的分析を行った. 片側上肢切断者10名 (前腕切断5名, 上腕切断3名, 肩離断2名) と健常者10名 (20代男性) を被験者とし, 安静立位姿勢を3次元動作解析装置VICONにて測定した. 前額面での体幹の傾き (側屈) と左右への偏り, 水平面での回旋, また前額面での重心について分析を行った. 前額面での偏りのみ健常者と有意差が認められた. 水平面での回旋も有意差は認められなかったが, 上肢切断者が大きかった. 重心は両者とも大きな偏りはなかった. 上肢の物理的欠損による体重心の移動は前額面での姿勢に影響するが, 水平面での回旋も含めて義手使用や残存上肢の使い方も姿勢に影響することが示唆された.
著者
森田 佐知子
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.40, no.40, pp.102-109, 2021-12-01 (Released:2022-06-21)
参考文献数
41

本研究の目的は,実践共同体に関する国内外の文献をレビューすることで,特に,実践共同体が個人の自律的キャリア形成に与える効果についての研究の展開と課題を整理することである。文献レビューの結果,実践共同体の概念はナレッジ・マネジメント領域で普及し,その機能(成果)の一つとして個人の自律的キャリア形成があげられていることが分かった。さらに今後の課題として,①実践共同体とキャリア理論におけるアイデンティティ概念の整理の必要性,②実践共同体への参加が個人のキャリア形成に効果を与えるプロセスの解明,③個人の生涯発達(キャリアステージ)ごと,もしくはステージ間での比較研究の可能性検討,の3つが抽出された。
著者
南波 慶己 中村 篤雄 森田 敏夫 鍋田 雅和 高須 修
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.659-664, 2020-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
18

救急救命士が血糖測定を行う基準について,われわれの地域においては低血糖を疑った場合に可能となることから,適応を判断するための身体観察がきわめて重要である。低血糖の症状は交感神経症状と中枢神経症状に大別されるが,随伴する低体温に関して診断的有用性は明らかではない。病院前救護における体温測定が,低血糖を疑う観察所見として有用かを検証した。体温測定を行った救急搬送例67,953例を対象とし,体温別に3群に分け,低血糖の割合について後方視的に検討した。体温35℃以下のL 群は他群より有意に低血糖の割合が高く,季節ごとの検討では,とくに夏季において体温測定の有用性が高い結果であった。ベイズの定理を用いた検討においても,体温35℃以下の陽性尤度比は7.1と高値であり,低血糖を疑う臨床的判断の一助となり得ると考えられた。病院前救護における体温測定は,低血糖を疑う観察所見として有用である。
著者
森田 琢雅 溝上 章志 中村 嘉明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_993-I_1001, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

近年,地方では公共交通利用者数の減少による事業者の赤字経営が問題となっている.また多くの利用がある都市部の公共交通でも,渋滞緩和や乗換の待ち時間調整などの課題は尽きない.より正確で詳細な公共交通の利用実態の把握,問題の原因発見や運行の見直しが必要とされている.本研究では熊本市電を対象に,ICカードデータを利用して,利用者特性分析と実績ダイヤの作成・分析を行った,具体的には,クラスター分析による利用者の分類と定期券購入前後での利用変動の分析,ダイヤ編成支援システムとの結合による実績ダイヤの作成,問題点の考察を行った.
著者
森田 啓介 黒木 裕鷹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-031, pp.156-162, 2023-10-10 (Released:2023-10-12)

企業のガバナンスは経営の透明性やステークホルダーからの信頼と大きく関連する.コーポレートガバナンス・コードが,独立社外取締役の知見に基づいた助言に期待して,その選任を推奨する中で,一人の個人が複数企業の取締役および社外取締役を兼任するケースがある.取締役兼任ネットワークを分析した先行研究の多くは,ネットワーク中心性と企業の業績や情報開示の相関分析に焦点を当てている.しかし,同じ人物による異なる取締役会への参画によって,その人物の知見やノウハウが共有・伝播されるとすれば,接続の同類性やクラスター構造をはじめ,より複雑なネットワーク構造を捉えた分析が重要である.また,ネットワークデータを直接扱う機械学習技術の開発が進んできていることからも,兼任ネットワークにおいて,こうした豊富なネットワーク情報を考慮する意義を見定めることが必要である.本稿では,日本における兼任ネットワークの最近の動向を調査するとともに,条件付き一様グラフ検定と指数ランダムグラフモデル(ERGM)を適用し,ガバナンスとの関連が知られる諸指標の同類性(assortativity)を検証する.結果として,ベータや残差リスクは同類性をもつことがわかり,取締役の兼任によって企業間で知見が共有されている可能性が示唆された.取締役兼任ネットワークのもつ豊富な情報を活用して,ガバナンス構造の分析・予測を行う余地があると考えられる.
著者
森田 航
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

化石資料の中でもっとも豊富であり、現生種と化石種の類縁関係を推定する鍵となっている大臼歯、特に上顎大臼歯間の形態の違いに着目し解析を行った。資料には国内外の博物館や大学が所蔵する標本を用いた。CTスキャンを行い3次元モデルとして再構成し定量的な比較を行った。その結果、ヒトと現生類人猿は全体として共通する大臼歯間変異のパターンを持っていることが示された。しかしその中でもヒトでは特殊化の程度が大きく、遠心舌側咬頭の顕著な退縮傾向を持つことがわかった。またケニアから出土した未記載の大臼歯についても解析を進め、概ねこれまで知られている中新世化石類人猿と同じく祖先的な形態を保持していることが分かった。
著者
小森田 秋夫 高橋 一彦
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1993年に一部の連邦構成主体で導入され、2010年に全国化したロシアの陪審制は、いま困難な状況のもとにある。第1に、テロ、スパイなど一定の国家犯罪の適用除外、控訴審制度導入と関連した一連の事件の州級裁から地区裁への移管にともなう適用犯罪の縮小という制度的変更と、訴追側や一部の弁護士の陪審制適用の回避志向などの結果、事件数は大幅に縮小している。第2に、連邦最高裁の方針にもとづき、陪審員の判断対象を縮小する裁判実務が行なわれている。陪審制にとってのこの逆風は、少なくとも部分的には、それが「訴追側への偏り」というロシアの刑事訴訟の病弊を克服する可能性を示すという成果のゆえ、と見ることができる。
著者
森田 美弥子
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.93-106, 2018-05-25 (Released:2019-05-25)
参考文献数
21

本稿は,学生相談の視点から大学生が抱える問題の多様化を論じる.学生相談というと,悩みを抱えたり不適応に陥ったりした学生のためのものとみなされやすいが,決してそうではない.広義の教育の一環として位置付けられている.昨今では,学生相談担当者や担当部署のみならず,キャンパス構成員全体で取り組む課題として学生支援が重視されるようになっている. 最初に学生相談の歴史を概観した後,学生相談という文脈で注目されてきたトピックス:(1)スチューデント・アパシー・(2)ふれあい恐怖心性・(3)発達障害傾向を紹介する.大学生における青年期心性の変化が生じているのかいないのか,学生支援の動向とそこで留意すべきことは何か,について検討する.心性という言葉を用いたのは,思考や感情といった心理的機能や行動特性などを含みつつも,青年自身の志向性,メンタリティ,その時々の心の動きに目を向けていたいという姿勢からである.
著者
横山 咲 由利 かほる 森田 祥司 上野 真菜 河端 美玖 雨宮 あや乃 中村 進一 服部 浩之 頼 泰樹
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.35-41, 2018 (Released:2018-06-26)
参考文献数
11

作物は無機態窒素だけではなく遊離アミノ酸を吸収し,窒素源として利用している可能性がある.しかし,植物の窒素吸収における根のアミノ酸吸収能の寄与は明らかにされていない.我々はまず土壌のアミノ酸動態を明らかにするために,アミノ酸混合液および3種類の有機質肥料を施用し,アミノ酸濃度の変化を経時的に追跡した.アミノ酸混合液の添加ではいずれのアミノ酸も12時間以内に10%以下に分解された.また,有機質肥料の添加では,添加直後のアミノ酸の濃度は最も高く,3日程度で大幅に低下したが,30日目まで高い濃度が維持された.アミノ酸組成は,有機質肥料添加直後には添加した有機物ごとに異なっていたが,時間の経過とともにいずれの有機物の添加でもGln,Arg,Lys,Thr,Glu,Asn,Alaが高い割合で検出されるようになった.これらは土壌微生物の細胞壁の主な構成アミノ酸であり,微生物バイオマスの代謝回転によって,比較的早期 (3日以降) から土壌に供給されることが明らかとなった.有機質肥料添加土壌のアミノ酸は2時間以内の半減期で分解されており,土壌のアミノ酸存在量の約15~20倍のアミノ酸が1日に供給されることが示唆された.植物のアミノ酸吸収能は高いことがすでに示されており,本研究の有機質肥料添加による土壌のアミノ酸濃度・供給量は植物根が利用可能なレベルであると考えられた.
著者
中尾 義則 森田 隆史 伊藤 飛鳥 小屋 幸勇 津呂 正人 土屋 照二
出版者
名城大学農学部
巻号頁・発行日
no.47, pp.19-23, 2011 (Released:2012-12-03)

ニホンナシ果実の発育に伴う果肉中のペクチン組成の消長およびその品種間差を、早熟性の‘新水’および‘新世紀’、中熟性の‘幸水’および‘長十郎’、ならびに晩熟性の‘今村秋’の5品種を用いて調査した.5月4日から8月ないし9月の収穫期まで3週間毎に果実を採取し、 果実横径、水分含量、アルコール不可溶性物質(AIS)を測定し、AISから水可溶性ペクチン、熱水可溶性ペクチン、ヘキサメタリン酸可溶性ペクチンおよび塩酸可溶性ペクチンを抽出し、定量した.果実の肥大は6月上旬から中旬に一時的に停滞し、この時期は細胞肥大準備期に相当し、果肉中の石細胞の密度が高まる時期でもある.この肥大停滞期に水分含量が低かったが、その後増加して一定となった.一方、この肥大停滞期には塩酸可溶性ペクチン含量が多く、その後果実の成熟とともに減少した.この塩酸可溶性ペクチンの減少は晩熟性品種ほど遅れて始まるとともに、その減少量が少なかった.また、果実の成熟期には水可溶性ペクチンあるいは熱水可溶性ペクチンがわずかに増加した.これらから、果実の成熟に伴う果肉の軟化は、細胞壁構成成分であるペクチンの可溶化と関連があると考えられた.