著者
戸田 宏文 古垣内 美智子 江口 香織 山口 逸弘 吉長 尚美 森田 泰慶 上硲 俊法 田中 裕滋 吉田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.326-329, 2019-05-20 (Released:2019-12-15)
参考文献数
19

We report herein on two cases of bacteremia caused by daptomycin-resistant Corynebacterium striatum. In these cases, daptomycin-resistant C. striatum was detected after receiving daptomycin for the treatment of multidrug-resistant C. striatum bacteremia, and ERIC-PCR band patterns were identical among the isolates of C. striatum before and after daptomycin therapy. We performed an in vitro assay to determine whether daptomycin resistance is induced in nine clinical isolates of C. striatum, including our two cases, after exposure to daptomycin in broth culture, and seven isolates showed emergence of daptomycin resistance. To our knowledge, this is the first reported case of daptomycin-resistant C. striatum bacteremia in Japan. The use of daptomycin for the treatment of C. striatam infections should be avoided, considering the risk for rapid emergence of daptomycin resistance.
著者
横山 百合子 廣川 和花 森田 朋子
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

1872年の芸娼妓解放令は、“遊女の背後には必ず売春を強制する者がいる”という近世の売春観から、“淫らな女が自ら売るのが売春である”とする近代の売春観への変容の起点をなす法である。本研究では、これを近代初頭の「売春の再定義」と位置付け、日本社会にこのような売春観の変容をもたらした政治的、社会的背景を、19世紀の国際社会の動向、性感染症をめぐる近代医学の進展等もふまえて多角的に検討し、近世近代移行期社会の実像を断絶と継続の両面から明らかにするものである。
著者
森田 婦美子 山本 純子 高橋 弘枝
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.149-154, 2012 (Released:2017-05-10)
被引用文献数
2

口腔ケアは歯科疾患の予防を目的にしたものから,嚥下,構音,審美など広義の口腔ケアの目的が重視されるようになってきた。今回,口腔ケアとして,口腔へのブラシ刺激が,脳血流にどのように影響するのか前頭前野における脳血流の測定をおこなった。すべての研究協力者において上顎硬口蓋のブラッシング時,oxyHbの脳血流量が多く観察された。次いで舌,上顎中側切歯根部の順であった。目視解析においては,左眼窩前頭前野や頭頂葉の前運動領野からのoxyHb血流量増加を認めた。上顎硬口蓋への刺激は舌,上顎中側切歯根部に比較して優位に血流量が増加しており,これらのことから,日常のケアにブラシ刺激を取り入れることで,脳の活性が期待できると考える。

2 0 0 0 OA 金属と生体

著者
森田 茂
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.64-80, 1987-03-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
61
著者
森田 孝広 山原 弘
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.426-434, 2006 (Released:2006-12-15)
参考文献数
28
被引用文献数
3 1

ペプチド医薬の注射に代わる投与ルートとして経鼻投与が注目されている. 経鼻投与は, 鼻腔の生理学的特徴ゆえに高いバイオアベイラビリティが期待できるものの, ペプチド医薬にとっては, 透過・酵素バリアーや粘液バリアーなどの障壁が存在し, 実用化のためにはこれらを克服しなければならない.最近, 筆者らは, 作用点の異なる添加剤の組合せによる吸収改善効果, および非吸水性キャリアを利用した粉末製剤化による吸収改善効果を見いだした.本稿では, 経鼻吸収製剤を開発するうえでの基礎に触れるとともに, 経鼻製剤の市場動向と実用化された製剤の形態面からの分析, さらには最近の筆者らの吸収改善研究について紹介したい.
著者
森田 真史 糸満 盛憲
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.αーTCPとDCPDの配合比と練和液の粉液比と圧縮強度および硬化時間ここで用いた燐酸カルシウムセメントは三菱マテリアル(株)によって開発されたαーTCP・DCPD系水硬性セメントである.DCPD10%,粉液比P/L=2.6で効果時間6分,最大圧縮強度は練和後,3日目で57.0MPaに達し,その後徐々に強度は低下することが平野らによって明らかにされている.2.練和セメントの粘度人工関節の固定または骨欠損部への充填材として本骨セメントを用いる場合,セメントの操作性のうち特に練和時における粘性と硬化時間が重要である.そこで,DCPD10%セメント粉末に対する粉液比を1,2,3の割合で練和し,硬化前の粘度を測定した.粉液比2程度が最も操作性がよいことが分かった.3.TCP顆粒混入によるセメント強度の改善効果ハイドロオキシアパタイト粉末((1)粒度1.0ー0.5mm,(2)粒度0.5ー0.3mm,(3)粒度0.3ー0.15mm,1200℃焼結)をセメント粉に5,10,20%それぞれ混入し,同セメント粉末をポリエチレングルコ-ス(PEG)30%を含む水2gに対して3.2gの割合で練和し,直径6mm,深さ12mmの圧縮強度測定試験片を作成した.強度はいずれもアパタイト不含のセメントの強度の50%以下であり,強度の改善は観られなかった.その原因として,アパタイト粉末とαーTCPの界面接着性に乏しいことが強度改善に結び付かなかった原因と思われた.4.家兎によるセメントの生体適合性評価大腿骨遠位端から2cm骨腿空を掻爬し,セメントを注入し,親和性を経時的に観察した.長期経過は現在観察中であるが短期の組織像では特に拒絶反応は認められない.
著者
西川 和明 椿 博幸 森田 守
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.Supplement59, pp.73-79, 1992-12-20 (Released:2012-11-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

The total number of the cases was 437. The site of the foreign bodies was the ear (141), nose (94), oral cavity and pharynx (101) esophagus (84), trachea and bronchus (17).The most frequent foreign bodies in the ear were toys in children under 5 years old and insects in adults.The insects were common from July to September.The most frequent foreign bodies in the nose were toys in children under 10 years of age.The foreign bodies in the oral cavity and pharynx were mainly found in the oropharynx. Fish bones were most common.Most of the foreign bodies of the esophagus were found at the cricopharyngeus.Coins were the most frequent foreign bodies in children. Fish bones and prosthesis were the main foreign bodies in adults.Most of the foreign bodies of the trachea and bronchus were in children under five years of age. There was no marked difference infrequency between right and leftbronchus.
著者
小森田 龍生
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.93-101, 2022-03-23

本稿では、日本における性的少数者(ゲイ・バイセクシュアル男性)のメンタルヘルス悪化のメカニズムを、要因間の関連性と時間の経過に伴う影響力の変化に注目して明らかにすることを目的として実施した調査結果の一部を報告する。昨年度、本誌に掲載された調査報告に続く本稿では、メンタルヘルス問題と深いかかわりがある自殺念慮や自殺未遂経験(歴)、そのほか関連が予想される心理的変数およびカミングアウト経験の有無等を中心に集計結果を提示する。昨年度の調査報告と異なる視点として、本稿では異性愛男性とゲイ・バイセクシュアル男性との比較にくわえ、ゲイ男性とバイセクシュアル男性との比較を行った。その結果、ほとんどの変数に関して異性愛男性とゲイ・バイセクシュアル男性との間では異なる回答傾向が認められたが、ゲイ男性とバイセクシュアル男性との間では共通した回答傾向が確認された。たとえば自殺念慮や自殺未遂経験とも異性愛男性に比べてゲイ・バイセクシュアル男性の該当割合が高く、ゲイ男性とバイセクシュアル男性との間には目立った違いはなかった。ゲイ男性とバイセクシュアル男性との間で比較的に大きな違いがあったのはカミングアウト経験の有無であり、ゲイ男性のカミングアウト経験割合が高かった。カミングアウト経験とメンタルヘルスとの関連を調べたところ、カミングアウト経験がある場合にメンタルヘルスの状態が悪い傾向にあることが確認された。
著者
澤村 勇輝 谷津 元樹 森田 武史 江上 周作 鵜飼 孝典 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-059, pp.02, 2023-03-17 (Released:2023-03-23)

自然言語文中のエンティティ名をWikidataなどの大規模知識グラフのリソースと対応づけるタスクであるエンティティリンキング(EL)は,質問応答などの基盤技術として注目されている.最先端のEL研究は英語を対象としており,日本語を対象としたEL研究は少ない.ELモデル構築には言語モデルや知識グラフ埋め込みを利用しており,日本語ELモデルを構築するには言語モデルや知識グラフ埋め込みの日本語対応が必要となる.本研究では,英語ELモデルを日本語対応するための課題の分析を行う.Wikidataを対象とした英語ELモデルPNEL(Pointer Network based Entity Linker)構築において言語依存の埋め込みを変更することにより,日本語ELモデルを構築した.英語データセットであるwebQSP,SimpleQuestions,LC-QuAD2を翻訳し,日本語と英語ELモデルの比較評価から,モデル構築における課題を埋め込み手法の観点から分析した.
著者
長島 一真 森田 純哉 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.AG21-E_1-13, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)
参考文献数
43

To date, many studies concerned with intrinsic motivation in humans and artificial agents based on a reinforcement learning framework have been conducted. However, these studies have rarely explained the correspondence between intrinsic motivation and other essential cognitive functions. This study aims to build a method to express curiosity in new environments via the ACT-R (Adaptive Control of Thought-Rational) cognitive architecture. To validate the effectiveness of this proposal, we implement several models of varying complexity using the method, and we confirm that the model’s behavior is consistent with human learning. This method focuses on the“ production compilation” and ”utility” modules, which are generic functions of ACT-R. It regards pattern matching with the environment as a source of intellectual curiosity. We prepared three cognitive models of path planning representing different levels of thinking. We made them learn in multiple-breadth maze environments while manipulating the strength of intellectual curiosity, which is a type of intrinsic motivation. The results showed that intellectual curiosity in learning an environment negatively affected the model with a shallow level of thinking but was influential on the model with a deliberative level of thinking. We consider the results to be consistent with the psychological theories of intrinsic motivation. Furthermore, we implemented the model using a conventional reinforcement learning agent and compared it with the proposed method.
著者
森田 邦久
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.25-30, 2011-11-25 (Released:2017-08-01)
参考文献数
18

This paper provides a new criterion to distinguish the genuine science from the pseudoscience. Morita (2008; 2009) discussed that there are two demarcation criteria between science and pseudo-science: experimental and theoretical. In this essay, I focus on the theoretical criterion. This criterion is an application of a new view of scientific explanation shown in Morita (2007; 2008 ch. 1). The point is that scientific explanation must unify the phenomena in question into common framework, and new elements which is added to model in order to deduce explicandum must be observable or be able to promote unification.
著者
森田 勝 門松 香一 保阪 善昭 藤村 大樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.203-210, 2010-06-28 (Released:2011-05-27)
参考文献数
23
被引用文献数
2

先天性外表疾患である口唇口蓋裂は,比較的発生頻度が高く,当教室では現在までに複数の疫学的研究を行ってきた.本疾患の発生には,遺伝および胎児期の環境など複数の要因が関連しているとされているが,その要因は未だ特定されていない.本研究は1989年1月より2005年12月までに昭和大学病院形成外科を未治療で受診した1273名の口唇口蓋裂患者を対象とし,本疾患の発生要因として考えられる(1)母親の出産時年齢,(2)両親の喫煙習慣,(3)母親の飲酒習慣を調査した.そして,調査によって得られたデータと当教室の過去の報告,厚生労働省の統計と比較し検討を行った.解析方法として,F分布による検定とχ2検定を用いた.その結果,母親の出産時年齢,両親の喫煙習慣は本疾患の発生に関連があることが示唆されたが,飲酒習慣については関連性を認めなかった.
著者
森田 裕介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.593-600, 2023-02-02 (Released:2023-02-11)
参考文献数
40

本稿では,教育工学におけるオンライン教育の研究動向を概観することを目的とした.まず,オンライン教育に関連する研究のキーワードとして,遠隔教育,e ラーニング,ブレンディッドラーニング,オンライン教育に焦点を絞り,海外並びに日本の研究動向についてまとめた.次に,日本の高等教育のオンライン化を10年ごとに分け,1990年代を黎明期,2000年代を発展期,2010年代を拡張期,2020年以降を革新期とし,オンライン教育に関する研究の変遷を考察した.
著者
平岩 弘 森田 学 渡邊 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.602-609, 1985-09-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

外来患者40名を対象として刷掃指導を行った。顎模型を用いた群 (コントロール群), 位相差顕微鏡によりプラークの観察を行った後, 顎模型を用いて指導した群 (位相差群), 術者が実際に患者の口腔内を清掃し, 指導する群 (術者群), 位相差顕微鏡によりプラークの観察を行った後, 術者が患者の口腔内を清掃し, 指導する群 (術者+位相差群) の4群に分け, 歯肉炎指数, プラーク指数を4週間にわたって追跡した。その結果, 位相差顕微鏡の効果は, 実験初期においては認められるものの, 持続性に欠けていた。術者+位相差群では, すべての診査項目において著しい改善が認められた。以上のことから, 従来よりの顎模型を用いた刷掃指導に比べ, 術者による刷掃と位相差顕微鏡の併用が刷掃指導を行う際のモチベーションに有効であることが示唆された。
著者
松村 秀一 権藤 智之 佐藤 考一 森田 芳朗 江口 亨
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.693, pp.2307-2313, 2013-11-30 (Released:2014-07-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

Major prefabricated houses manufacturers started their business around 1960s and became world class large housing companies. This study clarifies 9 major prefabricated houses manufacturers' developments at early stage by interviews with their in-house engineers and architectural designers as well as analysis of relating documents. Early prefabricated houses were developed by small number of engineers intensively. Various architecture and specialists including foreign architecture, famous architects and academics affected these developments in some aspects. Furthermore, each of early prefabricated houses had many unique characteristics in building systems. Some of them had changed in early stages, while the others still remain nowadays.
著者
森田 優己
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.135-158, 2007

本稿は,イタリア中・北部における産業遺産の保存と活用,およびそれらを展開軸とする都市再生に関する筆者の見聞録である。産業遺産の意義は文化遺産や自然遺産,および労働文化との複合的な文脈の中に位置づけられるが,その保存と活用の仕方は次のように3分類できる。1.産業遺産の保存とその博物館としての再利用による地域貢献。2.旧重工業地域における産業遺産の保存と都市再開発によるランドスケープの形成。3.産業遺産である「カンパニィタウン」の保存による地方都市の開発,産業観光化の試み。こうして呼び起こされた「産業の記憶 industrial memory」は,地域のアイデンティティを再生し新たな活力を生み出す契機となることを期待されている。その方向性は,成熟社会における新たな産業の創出,とりわけ文化的観光を射程に入れたものと思われる。