著者
矢野 育子 井関 健 東海林 徹 青山 隆夫 木津 純子 中村 均 藤井 俊志 渡邊 美智留 野田 幸裕 脇屋 義文 森田 邦彦 手嶋 大輔 二神 幸次郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.43-49, 2009 (Released:2010-02-07)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

With the introduction of 6-year pharmacy educational program in 2006,a provision was made to assign pharmacist faculties having working experience as pharmacists in pharmacy schools.In October 2007,we conducted a survey to investigate the situation of pharmacist faculties.We sent a questionnaire to 247 pharmacist faculties in 66 pharmacy schools and the response rate was 84.9%.The faculties consisted of professors (43%),associate professors (23%) and lecturers (23%),and 77% of them had a Ph.D.degree.In a typical week,the major activities they engaged in were educational activities (20.6 hrs),research (12.2 hrs) and management (9.6 hrs).While the average time they were occupied by clinical practice was 3.5 hrs,67% of them did not do any.Half of the faculties did not conduct any research with students or graduate students in their own schools,and in 2007 only 55% applied for Grant-in-aid for Scientific Research from the Ministry of Education,Culture,Sports,Science and Technology of Japan.Twenty-six percent said they were very satisfied or satisfied with their work on a five-point scale,and 44% rated their degree of satisfaction as fair.In conclusion,our survey showed that most pharmacy faculties are not sufficiently engaged in clinical practice and do not spend much time in clinical research.We hope that its results will promote discussions among pharmacy personnel concerning the role of pharmacist faculties so that even better clinical pharmacy education may be provided to students in pharmacy schools.
著者
森田 良 稲田 文夫 内山 雄太 梅沢 修一 石橋 雅裕 舩木 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00526-16-00526, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

In industrial fields, as the steam is commonly utilized for heat supply, drying process and so on, it is important to be aware of the steam flow rate in the view point of energy management. However, the steam utilized in the factory is usually wet steam condition. Though it is well known that the wetness affects the flowmeter reading, it is difficult to clarify the effects of the wetness in the steam flow quantitatively in actual plants and factories, and thus far, there has been no established method for estimating the error caused by the wetness of steam flow. In this paper, the difference of ultrasonic flowmeter reading due to wetness of the wet steam flow was clarified experimentally. Ultrasonic flowmeter reading in the wet steam flow was compared with Coriolis flow meter installed after heat exchanger in the steam apparatus. As a result, we clarified the flow rate difference of those two flowmeters was increased with increasing wetness, and the ultrasonic flowmeter reading was almost the same as the value of steam phase flow rate in the wet steam flow. We also proposed the correction method of the ultrasonic flowmeter reading by using density correction in the flow rate formula of the ultrasonic flowmeter. And finally, we clarified the uncertainty of the measured flowrates and their differences were less than 1.0%.
著者
岡林 昌彦 清水 公夫 森田 修己
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.179-188, 2001-02-10
参考文献数
17
被引用文献数
9 3

目的: 本研究の目的はカスタムメイドのラミネートマウスガードの設計, 製作にかかわる基準を提言することにある.<BR>方法: 9種類のシート材を用いて, 厚さ, 吸水性, 定荷重下における変形ならびに成形後のマウスガードの各部の厚さを評価した.<BR>結果: 1. 各製品ともにシート材は均一な厚さであった. 2. 吸水率は, D20 (Erkodur2.00mm) が最大で, F4 (Erkoflex4.00mm) が最小であり, Es (Essix) とPr (Pro-form) は同程度であった. 3. 定荷重による変形率は浸漬によってErkodurは増加し, Erkoflexは減少したが, EsとPrでは浸漬による影響は認められなかった. 4. 成形後の厚さは, すべての材料, 積層成形, 組合せ成形において減少し, Erkodur, Erkoflex, ErkoflexとErkodur, ならびにErkoflex間の組合せ成形では, 咬合面部が10~20%であり, 他の部位は30~46%であった. 一方, Es, Prでは口蓋側歯面正中部は2~4%であり, 他の部位は26~54%の範囲で減少した.<BR>結論: 本論文は, マウスガードシート材の吸水性, 浸漬による硬さへの影響ならびに成形後のマウスガード各部の厚さを定量的に明らかにし, カスタムメイドのラミネートマウスガードの設計, 製作に関する有用な示唆を与えている.
著者
森田 裕一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

1.はじめに 前回の1986年噴火から30年経過した伊豆大島は,1990年代後半から山体の膨張が始まり,現在も続いている.長期的なマグマ蓄積により,次の噴火の準備を行っていることが明らかである.一般に,このようにマグマの蓄積が進んでいる等の情報に基づく噴火の時期の予測が極めてあいまいな長期的な予測と,噴火直前に起こる極めて多数の地震発生,大振幅の火山性微動,大きな地盤変動の観測に基づき数時間から数分後に火山噴火が切迫していることを知る直前予測は比較的容易である場合が多い.しかし,防災対策上もっとも有用な数年から数ヶ月先の噴火活動を予測する中期的な予測は容易ではない.これまでの中期的な予測は,過去の噴火前に観測された事象が順を追って起こることを追認することで行われるが,噴火に至る過程の理解なしに行えば,過去と少し異なる噴火が発生したときには全く機能しない.つまり,次回の伊豆大島の噴火で大事なことは,過去の噴火事象を踏まえつつ,新たに視点に立って噴火に至る現象を把握することが何よりも大切であろう.2.温故:過去から学ぶもの 前回1986年の伊豆大島噴火の明瞭な前兆としていくつかの観測事実が報告されている.このうち噴火前兆として最も信頼できるのは,全磁力と電気伝導度の変化,火口内の熱異常,火山性微動の観測であろう.全磁力の変化は,約4年前から始まり1989年初頭から加速した.また,同時期に山頂火口を挟む浅部で電気伝導度が大きく変化した.噴火の約3ヶ月前から山頂火口内の熱異常域の拡大が見られた.火山性微動は噴火の4ヶ月前から始まり,最初は間歇的であったが,噴火の1ヶ月前から連続微動となり,徐々に振幅が大きくなり,11月15日の噴火直前には急激に大きくなった.これらのことから考えられることは,マグマに先行してマグマ溜まりから大量の高温の揮発性成分・火山ガスが上昇し,浅部の岩盤や地下水を温めた結果が観測されたと考えられる.1986年11月15日の噴火は穏やかな噴火であり,脱ガスが進んだマグマが上昇してきたと考えられるので,このような前兆現象が観測されたことと整合する.マグマに先行する揮発性成分の捕捉は,火山噴火の中期的な予測に有力であるが,全磁力の変化,火山性微動の発生までわからないのであろうか.3.知新:過去の知識から新たな視点で見るもの 揮発性成分の上昇は,火山ガスの観測などから見つかるかもしれない.しかし,測定点の依存性が大きく,全体像をつかむには広域かつ組織的な観測が不可欠であろう.別の手法として,火山性地震活動度と地盤変動,地殻応力の関係に注目した解析がある.著者は伊豆大島のカルデラ内浅部で発生する地震活動は,揮発性成分・火山ガスの上昇を捉えられる可能性を指摘してきた.地震活動は山体膨張・収縮を作るマグマ溜まりの応力変化に極めて良い対応がある.また,2011年頃からは地盤変動に比べ相対的に地震活動度が上昇していること,2013年ころからは地震活動が潮汐との相関がみられるようになったことを明らかにしてきた(「活動的火山」のセッションで発表予定).これらはすべて地震断層面の間隙圧が上昇している可能性を示唆している.最も考えられるのは,マグマ溜まりから揮発性成分の上昇が既に始まっていることを示している可能性である.揮発性成分が噴火前に大量にマグマから放出されていたら,噴火の爆発性が弱まることが知られている.このように,揮発性成分の放出は噴火様式を予測するうえでも極めて重要である.今後,次の噴火まで,地震活動のパターン変化と今後発現するであろう全磁力変化,電気伝導度変化,火山性微動の発生との関係が明らかになれば,噴火予測の高度化に役立つであろう.
著者
森田 園子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.195-204, 2015-01-31

日本の雇用において中小企業は重大な役割を果たしている。本稿は、その中小企業における女性役員・取締役のあり方が大企業と異なっているのか、異なっているとすればどのように異なっているのか、又その要因は何かを明らかにする前段階として、この課題を見るべき論点を明らかにするためのものである。そのため、ヒアリング調査は経営者であると同時に周辺企業を俯瞰する立場にあり、自らもまた働く女性として経験を積んで来た女性を対象とした。ヒアリングを通して得た知見により、今後検証を進めるにあたっての論点は以下のとおりとした。第1は、「役員・取締役に至る経緯」、第2は「システム整備」である。第1点は、女性管理職・役員にまで至った要因は何であったのかである。第2点は具体的な就業環境のシステム整備に力点をおくものである。そこには、育児休業などの制度整備が重要であることは言うまでもないが、ここではそのような制度を補完するものとして、もっとも具体的な人事管理システムとしての「業務の配分」や「働き方」のシステム整備を取り上げることとした。
著者
井上 加奈子 森田 敏子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.13-36, 2016-09

Objective: This study aims to clarify the following aspects when students meet patients during their participation in nursing practicum: what they experience (their awareness) "in the here and now;" the significance they place on their own practicum experience; and how they attain, form, and deepen their clinical knowledge which consists of situational knowledge, embodied knowledge, and knowledge of relations. Methods: A semi-structured interview was conducted with seven 4th-year students who had completed their nursing practicum at a nursing university, with the interview content qualitatively analyzed. Results: The interview time was 70±31 minutes. The subjects were aged 22±1 years. Although the students had experienced feelings of perplexity and confusion concerning nursing practicum and their patients' states at the beginning of the practicum, the study found that they were ultimately able to form and deepen their clinical knowledge through their relationships with the patients. Discussion: At the beginning of the students' nursing practicum, they felt perplexed at various situations around them. Then, bolstered by their desire to become involved with the patients, they focused on their patients present with them "in the here and now." By getting closer to the patients' worlds, the students assimilated clinical knowledge. When the students were liberated from their own operative emotions in their interaction with the patients, their clinical knowledge deepened. This study suggests that students' growth can be enhanced if support is provided, allowing students to become aware of their sensation of being together with the patients "in the here and now" and to form their "clinical knowledge." This process, in turn, deepens their clinical knowledge and mode of formation and deepening.
著者
中川 麻子 森田 舞 嶺野 あゆみ 浅田 晴之 前田 明洋 大澤 清二
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.26, pp.535-541, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
9

女性の選好からみたオフィス環境およびアメニティ空間における家具に関して,「かわいい」の語をキーワードとし調査研究を行った.326脚の椅子のサンプル写真から,印象・形態・所有意識に関する37項目を設定し女子大学生による評価を行い,結果を統計的手法によって分析した.その結果,評価項目「かわいい」と「座りやすそう」の双方の評価が高い椅子は見ることはできなかった.またサンプル写真の評価を集計し,クラスター分析したところ,6つのクラスターを構成することが明らかとなった.「くつろぎ感」と「ボリューム感」の2軸を用いて,椅子の位置付けをポジショニングマップに示すことができた.
著者
山本 亮 大谷 弘行 松尾 直樹 新城 拓也 宇野 さつき 廣瀬 光 松原 龍弘 瀧川 千鶴子 前野 宏 佐々木 一義 茅根 義和 池永 昌之 森田 達也
出版者
Japanese Society for Palliative Medicine
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.192-201, 2012
被引用文献数
3

<b>【目的】</b>小冊子『看取りのパンフレット』を用いた終末期患者を看取る家族への説明の有用性を評価することを目的とした. <b>【方法】</b>緩和ケア病棟5施設, 在宅ホスピス4施設, 緩和ケアチーム1施設で, 終末期患者の家族との面談時に小冊子を用いた説明を行い, 死亡後6カ月以上が経過した遺族に対して郵送法による質問紙調査を行った. <b>【結果】</b>325名に調査票を発送し, 260名(回収率85%)から回答を得た. 81%が小冊子が「とても役に立った」「役に立った」と回答した. 家族の体験として, 「変化の目安になる」(84%), 「症状や変化がなぜ起きているのか分かる」(76%)などが挙げられた. 運用の工夫が自由記述から抽出された. <b>【結論】</b>『看取りのパンフレット』は, 配布する時期を患者・家族ごとに検討し, 渡すだけではなく十分にコミュニケーションをとることに注意して運用することで多くの家族にとって有用であることが示唆された.
著者
森田 孟
出版者
成城大学
雑誌
成城文藝 (ISSN:02865718)
巻号頁・発行日
vol.189, pp.55-30, 2005-01-25
著者
森田 裕介 中山 実 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.167-175, 1999-12-20
被引用文献数
8

本研究では,図的表現のひとつであるコンセプトマップの効果的な表現形式を実験的に検証した.学習内容は,キーワードに包含関係または順序関係があるものを用いた.まず,コンピュータディスプレイを用いて,コンセプトマップ表現と文章表現を比較する提示実験を行った.次に,実際の授業を想定し,講義室でOHPを用いた提示を行い,コンセプトマップ表現と文章表現を比較した.そして,コンセプトマップ表現は,記憶学習に有効であることを示した.ただし,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させないものは,効果がないことを併せて示した.コンセプトマップは,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させて表現することによって,学習内容の全体構造を把握することが容易になる.そのため,学習内容の提示における有効利用が期待できる.
著者
山下 拳人 森田 千瑛 土居 更紗 山口 理佳 日沖 義治 村上 貴士 古野 俊佑 兒玉 隆之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-34, 2017-04-14 (Released:2017-04-15)
参考文献数
34
被引用文献数
1

目的:理学療法場面において,セラピストの親和・非親和的な非言語対応が対象者の脳内神経活動に及ぼす影響について検討した。対象と方法:対象は健常成人男性12名とした。初めに安静開眼2分,そして親和・非親和条件動画を其々観察し,再び安静開眼を2分行った。結果:親和条件では,内側前頭皮質や前部帯状回に有意に高い神経活動性を認めた。非親和条件では,島や扁桃体,頭頂葉連合野に有意に高い神経活動性を認めた。結論:親和条件では,リラックス状態の持続,意欲や動機づけを形成する脳領域の神経活動が認められ,非親和条件では,陰性情動の持続,不安や疼痛刺激が誘発される脳内の神経活動が認められた。これらのことより,非言語コミュニケーションの違いがラポール形成の脳内神経基盤に機能的差異を及ぼすことが示唆された。
著者
森田 真一
出版者
新潟大学
雑誌
新潟史学 (ISSN:02874946)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-27, 2001-05
著者
柿本 祥太郎 森田 雅文
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.410-413, 1990
被引用文献数
1

大阪地下鉄リニアモーターカーの試験走行に同乗し、ペースメーカーにおよぼす電磁障害について検討した。リニアモーター周辺では最大6.5ガウスの磁場が発生していたが、ペースメーカー機能には影響をあたえなかった。車両内で最も強い磁場を発生する制御装置周辺では、坐位での胸の高さでは最大14ガウスで影響をあたえなかった。しかし座席の高さでは最大45ガウスの磁場が発生しており最低15ガウスで固定レートへの変化がみられた。この反応はペースメーカーの機種や方向によってさまざまであった。床面の高さでは最大145ガウスの磁場が発生しており全機種で固定レートへの変化がみられた。しかし磁力線の方向によってはまったく変化を示さない機種もあった。制御装置の取り付け方を改良することによって、車両内に漏洩する磁場を10ガウス以下に押さえ、ペースメーカーに及ぼす電磁障害を回避することが可能であった。
著者
森田 伸子
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.16, pp.111-119, 2007-09-16

18世紀イギリスの教訓派作家とは、歴史的にどのように位置づけられるのだろうか。それは、児童文学史、社会運動史、そして教育史が交差するところに位置づけられる特異な存在である。このフォーラムはこうした対象を扱うことの困難とともにその可能性をも指し示している。子ども観の変化、中産階級の勃興と階級意識の発達、女性の自己変革とその社会的位置の変化、そして、社会経済的コードからは一定程度の独立と自律性を有する「教育的なるもの」の萌芽とその展開、これらの多様で多層にわたる動きが重なり合うところに、あの、独特な「児童文学」とは呼びがたい、しかし紛れもなく子どものための文学であるところの教訓的物語が成立するのである。そしてそれは、ほかならぬ18世紀という時代に成立し、19世紀が進むにつれて速やかに消えていくべく運命づけられた存在であった。