著者
土田 和可子 波之平 晃一郎 梶村 政司 森田 哲司 政森 敦宏 小川 健太郎 児玉 直哉 山本 真士 松井 和寛 河原 裕美 藤村 昌彦 弓削 類
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E0763, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】 最近,クリニカルパスの導入に伴い,入院日数が短縮され,病棟での自主練習や自宅でのホームエクササイズの重要性が高まっている.しかし,対象者は高齢者であることが多く,運動内容や負荷量・回数などを一度で覚えることは容易ではない.そのため,本研究では,説明パンフレットを患者個別に対して容易に作成できるソフトウェア(以下ソフトウェア)を開発し,理学療法の場面に活かしていける要素を検討した.【方法】 本研究に同意の得られた病院勤務の理学療法士20名(8施設,女性8名,男性12名,平均年齢27.3±5.75)を対象とし,ソフトウェア使用群10名,パンフレット使用群10名の2群に分けた.対象の2群に対し,患者数,ホームエクササイズ指導の現状と介入効果について調査研究を行った.また,ソフトウェアもしくは6種類の運動パンフレットを配布し,使用方法を説明した.この説明の2週間後,4週間後,6週間後に,質問紙にて調査を行った.調査項目は,ホームエクササイズ指導回数,パンフレット作成回数,パンフレット配布の重要性,等とし比較検討した.統計処理は,T検定を行い,有意水準を5%とした.【結果】 ホームエクササイズの指導状況は,指導回数平均8.7回/月(3.9回/2w),指導時間7.9分/回,また全体の60%が既存のパンフレットがあると答えた.パンフレットの作成・使用回数は1.08回/2w,パンフレットの重要性は4.9(7段階評価),ホームエクササイズの重要性は5.1(7段階評価)であった.介入前のソフトウェア群とパンフレット群においては,各項目において有意差は認められなかった.ソフトウェア群,パンフレット群ともに介入後において運動パンフレット作成回数が介入前より増加した.作成回数の介入前後の変化量は,パンフレット群に比べソフトウェア群の方が有意に高かった.【考察】 パンフレットを配布することは,患者が治療の目的,運動回数,実施期間等を理解する上で必要である.アンケート調査によりホームエクササイズの指導は,2週間に平均3.9回行っていた.しかし,パンフレットは,その27.4%しか用いられてなかった.アンケートによると,配布しない理由として,「忙しい」「作成に時間がかかる」との回答があった.本研究では、ソフトウェアを導入することによって,パンフレット作成回数が増加した.これは,セラピストにとって,業務負担が少なく,実用的なツールとなったためと考えられる.今後は、個別対応したパンフレットの患者への効果も明らかにしてく必要がある.
著者
小林 史枝 武田 正則 佐藤 正暢 山下 好史 杉山 賢司 森田 雅教
出版者
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.59-63, 1997

近年の膜型人工肺は,ハードシェルめ静脈貯血槽との一体型が多く,簡素化されている。しかし,最低貯血量の必要性などにより,人工心肺回路の充填量軽減には限界がある。そこで我々は,低充填量を目的に,静脈血液が貯血槽を経ない遠心ポンプと落差の併用脱血方式の回路を試作し,臨床使用した。脱血回路は,貯血槽から遠心ポンプへの回路の中間へ接続し,主な静脈血は直接遠心ポンプへ流入し,灌流量以外の静脈血は貯血槽の流出口から自然落差により逆流し貯血する。灌流量が不足の場合は,貯血槽から補う方式とした。また,脱血回路にはエアーフィルタを装着し,遠心ポンプへの空気混入を回避した。エアーフィルタは100μmに織ったポリエステルのスクリリーンタイプで,充填量が40mlのものを使用した。このフィルタの性能試験を牛血(Ht=20%)で1分間5mlの空気を4回注入し,フィルタの出口で気泡を検知した結果,40μm以上の気泡は18個で,その内17個が60μm以内で,1個だけ70μmが検知された。この微小気泡は,人工肺出口でも同量が検知されたが,遠心ポンプの拍出には影響なく,最終的には動脈フィルタにおいて全て遮断された。試作回路は充填液量が1,000mlと少なく,脱血回路への空気混入は,エアーフィルタで除去され,弁疾患などの開心術症例にも支障なく使用でき,有用な人工心肺回路であった。
著者
原田 雅子 大久保 三四朗 高 仁子 田村 隆生 森 敦子 山口 恵美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.315-321, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

オリンピックの経済効果は,競技会場新設や観戦関連消費等の「直接効果」よりも,都市インフラ整備や観光需要増加による「間接効果」が大きいと試算されている。そこで本稿は,東京オリンピック組織委員会のプロジェクト長から要請を受けたプロジェクトメンバーという設定で,東京オリンピックを『見せる場』として,インフラ輸出,観光需要を増加すべく,体験・体感を通して訪日外国人にアピールすべき日本技術・文化を検討した。アピールすべき日本技術・文化の選定は,「マーケットイン」の視点で訪日外国人のニーズを重視した。ニーズ抽出にはグローバルなオープンデータを活用し,対応する日本技術シーズは特許・学術文献解析と企業情報から選定,文化シーズについては日本政府のクールジャパン戦略や各省庁の情報から選定し,日本技術・文化の体験・体感方法までを総合的に検討した。
著者
森暁紅 編
出版者
三芳屋
巻号頁・発行日
1911
著者
高見 淳史 大森 宣暁 青木 英明
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:13482858)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.55-60, 2011

2010年7月,ロンドン中心部で「Barclays Cycle Hire」のサービスが開始され,パリのVelib'に続く大都市での大規模な自転車共同利用システムの導入となった。本稿はこのシステムを取り上げ,導入の背景,Transport for London・Serco社・Barclays社など各主体の役割,需要予測の手法,ステーション敷地の選定基準,開業初期時点における利用状況や課題,などについて整理した。利用や運営の状況に関しては,計画された規模の完成に向けて整備が進められる途上の情報ではあるが,利用は1日平均約15,000回で目標水準に達していないこと,通勤利用の多さから一部地区で自転車や空きラックの不足が問題化していること,開業後の自転車再配置の改善やステーションの漸進的な設置の過程でそれへの対応が試みられていること,などを示した。
著者
石井 宏明 神田 学 森脇 亮 奥園 孝二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.233-238, 1999
被引用文献数
2

Field observation was performed on two islands located in Tokyo Bay to investigate the atmospheric environment over Tokyo Bay by using Radio Sonde, Dopper Sodar and airplane in summer 1998.<BR>The following results were obtained; 1) The atmospheric boundary layer (ABL) over Tokyo Bay was composed of multiple layers.Especially, it was composed of three layers on August 10. 2) These multiple layers were formed by the effect of various kinds of return flows from the land. The upper boundary layer about 1250-2000m over Tokyo Bay was hotter and drier than the one over the land. 3) The airplane observation suggests that the air pollutant might be more concentrated over Tokyo Bay rather than over the land due to the difference of the boundary layer structure.
著者
森尾 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1178-1182, 1999-11-25
参考文献数
5
被引用文献数
4

ソニーは,1946年,井深大と盛田昭夫により東京通信工業として設立された.井深が書いた設立趣意書には「自由闊達にして愉快なる理想工場」とある.若い技術者集団は多くの人に楽しんでもらえる新商品を他社に先駆けて世に送り出すことに情熱を燃やし,テープレコーダ,トランジスタラジオ,VTR,トリニトロンカラーテレビ,CCD,CDなどの新技術を開発してきた.個人の「自由」,「やる気」,「挑戦」を基本に,明確な目標設定とその実現に向かって邁進する集中力が新技術の開発には不可欠である.
著者
佐藤 達雄 塩原 由紀江 大森 明文 芳野 未央子 久芳 慶子 高田 圭太 池田 由紀 元木 悟 小倉 秀一 工藤 光夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.303-307, 2009 (Released:2009-07-25)
参考文献数
13

黒色の液状マルチ資材が地温ならびにコマツナの生育,収量に及ぼす影響を明らかにするため,処理量を1,0.5,0.25 L・m−2区および無処理区の4水準3反復,播種日を2007年9月21日,10月5日,10月20日および2008年1月22日の4水準として組み合わせ,栽培試験を行った.その結果,液状マルチ資材は,散布量に関わらず無処理に比較して増収することが明らかになった.地下5 cmの温度を解析したところ,液状マルチ散布により最高地温は上昇するが,9月21日播種を除き最低地温は低下した.この現象はコマツナの生育初期に顕著であったが,生育に伴って,その差は小さくなった.播種後10日間の毎正時積算地温に有意な差は認められなかった.地温の日較差の増大はコマツナの増収に寄与した可能性が考えられた.
著者
北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 箕輪 はるか 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 斎藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 阿部 善也 岩本 康弘 上杉 正樹 遠藤 暁 大河内 博 勝見 尚也 神田 晃充 久保 謙哉 小池 裕也 末岡 晃紀 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 高瀬 つぎ子 高橋 賢臣 張 子見 中井 泉 長尾 誠也 南部 明弘 藤田 将史 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇 渡邊 明
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【研究背景】 2011年3月に起こった、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県を中心とする陸域に大規模な放射能汚染が起こった。事故後の2011年6月には、日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした有志の研究グループが、汚染状況の把握のための土壌採取のフィールド実験を実施した。これにより初期の汚染状況が明らかとなったが、航空機サーベイ等による汚染状況の把握は継続して行われているものの、実際に土壌を採取して汚染状況の詳細を把握する大規模な調査はそれ以降行われていない。事故から5年以上が経過し、土壌に沈着した放射性核種(主に放射性セシウム:134Csおよび137Cs)は環境中でその化学形態等を変化させ、土壌の深部への浸透や流出により、初期とは異なる分布状況に変化していることが予想される。帰還困難区域の除染作業が開始されようという状況で、土壌の放射性核種の汚染状況を把握するのはきわめて重要である。そこで本研究では、福島県内の帰還困難区域を中心として土壌採取のフィールド実験を行い、その分析により現在の汚染状況の把握することを目的に実施した。【調査概要】 本研究プロジェクトは、2016年6月から9月にかけての9日間、のべ176名で実施した。福島県内の帰還困難区域を中心として、公共施設等を選定したうえで、各自治体との情報交換を行い、除染が行われていない地点全105か所を土壌採取場所として選択した。まずはNaIシンチレーターもしくは電離箱を用いて地面から1 mおよび5 cmの空間線量の測定を行い、専用の採土器を用いて表層より5 cmの土壌を採取した。試料採取場所におけるばらつきを評価するために、1地点ごとに5試料の採取を実施し、5年間の環境中での放射性核種の移動状況を評価するために、土壌は表層部の0.0-2.5 cmと、深部の2.5-5.0 cmに分けて採取した。また放射性核種の移行過程をより詳しく調べるために、4地点につき1地点程度、深さ30 cmのコア試料の採取も行った。本講演では、この調査について概要を説明し、事故直後と5年後の比較などいくつかの初期結果について簡単に紹介する。より詳細な結果については、別の講演にて報告が行われる。
著者
森戸光彦 [ほか] 編
出版者
医歯薬出版
巻号頁・発行日
2015
著者
森 直子 浅野 智絵美 永田 忠博 伊藤 輝子
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.144-149, 2014
被引用文献数
1

干しいもの摂取が排便に及ぼす影響について平均年齢20±1歳の女子学生84名を対象とし,非摂取期2週間および摂取期2週間(干しいも100g/日)の単一群試験を実施した.被験者は,排便状況を毎日記録し1週間ごとに提出した.その際,食事調査と身体測定を受けた.また,週3日以上排便がない者を便秘群(15名),週4日以上排便のある者を非便秘群(69名)とし,群別に解析を行った.その結果,非摂取期と比較し摂取期では,被験者全体として排便日数,排便回数,排便量および放屁回数が有意に増加した.また便秘群では,排便日数および放屁回数が有意に増加したが,非便秘群では,放屁回数が有意に増加した以外に,他の項目での有意差は見られなかった.干しいもの摂取による排便促進効果を介入試験により示し,便秘の改善を確認したが,将来はプラセボ対照群を設定し,食事や長期摂取による影響を調べ,本試験結果を検証したい.
著者
岡久 雄二 小西 広視 高木 憲太郎 森本 元
出版者
The Japanese Bird Banding Association
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.12-18, 2011

キビタキ<i>Ficedula narcissina</i>の雄について,外部形態に基づく齢査定の方法を検討した.第1回夏羽の個体は第2回夏羽以降の個体よりも自然翼長,尾長とも短かったが計測値は重複が大きかった.また,脛羽の色は第1回夏羽,第2回夏羽,それ以降の第3回夏羽以降の3群でそれぞれ異なっており,第1回夏羽では淡褐色,第2回夏羽では灰黒色の羽が疎らに生え,それ以降の第3回夏羽以降では純黒色の羽が密に生えていた.さらに,虹彩の色は第1回夏羽では灰褐色,第2回夏羽では褐色であり,第3回夏羽以降の個体の多くは赤褐色であった.これらより,キビタキの雄の齢は脛羽と虹彩の色によって第1回夏羽,第2回夏羽,第3回夏羽以降の3群に識別することができると考えられた.

2 0 0 0 OA 永寿百人一首

著者
[森仙吉 編]
出版者
青木恒三郎
巻号頁・発行日
1885
著者
森田 深雪
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.11-18, 2012

本研究の目的は,在日韓国・朝鮮人(以下,在日)認知症高齢者の家族介護者がかかえるストレスの背景を明らかにすることである。在日認知症高齢者の家族介護者6人に半構成的面接を実施し,得られたデータについて記述的探索的に分析を行なった。その結果,在日認知症高齢者の家族介護者がかかえるストレスは【出口の見えない嫁・姑の家族関係】の中で【家父長的支配と忍従】を強いられながら,【在日の閉鎖的生活環境】での介護であること,そして【異文化ケアへの配慮のなさ】や【在日ゆえの介護保険サービスの利用しにくさ】が【朝鮮民族女性としてのプライドと,「在日」として生きる現実との葛藤】に関連してストレスを増大させていた。また,【介護に対する否定的認知】や【仕事と介護の両立】も介護ストレスの背景となっていた。