著者
菊森 忠嗣
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.65-68, 1987

三重県玉滝小学校では、昭和61年3月新校舎改築とからんでパソコン35台 (富士通16β) を視聴覚室に備えることになった。パソコンとワープロの区別もつかない職員12名は、それから今日までパソコンと悪戦苦闘を続けた。現在 (昭和62年・秋) 職員は、自分なりのCIAプログラムをまずいなリにもべージックを使って組み、授業に使うところまでこぎつけたが、思わぬところに問題が山積している。玉滝小学校における教職員のパソコンとの悪戦苦闘の足跡を紹介し、参加者の皆さんとともにより有効な運営法を探りだせればと思っています。そして、少なくとも三重県下の学校が、センターを中心に有効な組織と運営法を探りだし、全県下的に連絡をとりながら、相互扶助開発のシステムを作り出して欲しいと願うものである。
著者
谷口 匡史 建内 宏重 森 奈津子 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ca0198, 2012

【目的】 腰痛発生要因の約60%が体幹回旋と関連しており、腰痛と回旋動作には深い関係がある。腰痛患者では、体幹回旋時に骨盤回旋に対して脊柱回旋による回旋の割合が増加しており、相対的な脊柱回旋可動性の増加と腰痛が関連することが示されている。また、体幹回旋中の筋活動量に関する研究では、脊柱起立筋や外腹斜筋の異常筋活動が報告されており、この異常な筋活動状態で繰り返される回旋動作が腰痛を引き起こす可能性があるが、脊柱可動性と筋活動の関連は明らかではない。本研究の目的は、腰痛患者における脊柱可動性と筋活動の関連を明らかにすることである。【方法】 対象は、健常群15名(男性9名、女性6名:年齢25.2±5.5歳)および腰痛群15名(男性9名、女性6名:年齢22.5±2.4歳)とした。腰痛群は、Visual Analogue Scale(以下VAS)で30mm以上の腰痛が過去に3カ月以上続いた者とし、測定課題実施時には痛みのない者とした。神経症状を伴う腰痛や内部疾患および精神疾患による腰痛は、除外した。腰痛群における最近1カ月の疼痛は、VAS:平均35.6±23.3mm、腰痛群の健康関連QOL(Oswestry Disability Index)は平均15.1±10.5%であった。測定課題は、立位での体幹回旋動作とした。開始肢位は、両踵骨間距離を被験者の足長および足角10度とし、上肢は腹部の前で組んだ姿勢とした。対象者には、約2m前方で目線の高さに置かれたLEDランプを注視させ、LED点灯の合図にできるだけ速く回旋を開始するよう指示し、約1秒で最大回旋角度の75%以上体幹を回旋させ、その終了肢位で3秒間静止させた。数回の練習後、左右ランダムにそれぞれ5回ずつ実施し、非利き手側への回旋動作を解析に用いた。回旋角度の測定には、三次元動作解析装置VICON NEXUS(VICON社製)を使用し、サンプリング周波数200Hzにて実施した。体幹回旋角度は胸郭セグメントの回旋、脊柱回旋角度は胸郭セグメントと骨盤セグメントの回旋差により算出した。これより最大体幹回旋時における脊柱回旋可動性は、脊柱回旋角度を体幹回旋角度で除した脊柱回旋比として求めた。また、筋電図測定には、表面筋電図TeleMyo2400(Noraxon社製)を使用し、サンプリング周波数1000Hzにて三次元動作解析装置とLED信号を同期したパソコンに記録させた。3秒間の最大等尺性収縮時(MVC)より得られた筋電図波形は、全波整流平滑化し、この値を100%として各課題実施時における筋活動量(%MVC)を求めた。測定筋は、左右両側の脊柱起立筋腰部、多裂筋、腹横筋(内腹斜筋)、外腹斜筋、腹直筋、広背筋上部・下部線維、大殿筋上部線維の計16筋とした。解析区間は回旋開始から終了までとし、体幹回旋角度により規定した。なお、これらの分析にはMathWorks社製MATLABを使用した。統計学的検定は、群間比較にはMann-Whitney検定、腰痛群における脊柱回旋比と筋活動の関連はSpearmanの順位相関係数を用いて検討した。有意水準は5%とした。【説明と同意】 本研究は、倫理委員会の承認を得て実施した。対象者には本研究の目的を十分に説明し、書面にて同意を得た。【結果】 最大回旋時における脊柱回旋比は健常群28.6±5.9%に対し、腰痛群32.9±4.6%と腰痛群で有意に増加していた。また、筋活動量は、非回旋側外腹斜筋が腰痛群4.92±2.19%に対して健常群では3.42±1.69%であり、腰痛群の筋活動量が有意に増加(p=0.04、効果量: 0.77)し、非回旋側多裂筋の筋活動量が減少する傾向(p=0.09、効果量: 0.64)にあった。腰痛群における脊柱回旋比と筋活動の関連は、両側多裂筋(非回旋側: r=-0.732、p<0.01、回旋側: r=-0.604、p=0.02)と脊柱起立筋(非回旋側: r=-0.514、p=0.04、回旋側: r=-0.557、p=0.03)で有意な負の相関関係が認められた。【考察】 腰痛群では健常群に比べ、相対的な脊柱回旋可動性が増加し、外腹斜筋の筋活動量増加がみられた。また、腰痛群では脊柱回旋比と多裂筋・脊柱起立筋に有意な負の相関関係が得られたことから、回旋時の脊柱回旋可動性が高いほど多裂筋や脊柱起立筋の筋活動が低下していることが示唆された。腰痛群では外腹斜筋の筋活動量増加がみられたが、脊柱回旋比と関連を示さなかったことから、この筋活動増加は脊柱安定化筋の機能低下を代償し、回旋主動作筋としてだけではなく脊柱を安定させる固定補助筋として作用している可能性がある。以上より、腰痛患者の脊柱可動性増加は、主動作筋の過活動ではなく、多裂筋や脊柱起立筋の脊柱安定化作用の機能低下によって生じている可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】 腰痛患者における脊柱回旋可動性と体幹筋活動の特性を明らかにした研究であり、臨床場面における評価・治療の一助となる。
著者
新谷 裕 中谷 壽男 平出 敦 行岡 秀和 森田 大 西内 辰也 池内 尚司 林 靖之 松阪 正訓 木内 俊一郎
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.131-137, 2003

病院外心停止(OHCA)症例に関する検討は盛んに行われてきたが,小児のOHCAに関する検討は不十分である。われわれは大阪府全域で発生したすべての病院外心停止患者(OHCA)の蘇生に関わる事項をウツタイン様式を用いて網羅的に集計しているが,このデータを用いて小児に関する集計結果を報告する。1998年5月から1年間にOHCAは5,047例記録されたが,うち小児(15歳以下)は147例であった。その発生頻度は10万人当り年間10.3で大人(16歳以上)より有意に少なかった。しかし,乳児の発生頻度は10万人当り年間79で,大人より有意に多かった。心原性心停止,目撃のある心停止の割合が大人より少なかったが,bystanderによるCPRの割合は多かった。1か月生存率は大人より高かった。小児のOHCAのおよそ半数が乳児であるが,そのうちの41例に乳幼児突然死症候群(SIDS)の疑いがもたれた。この数値は従来の死亡統計に基づく17という値より多かった。小児のOHCAの内訳は,乳児(0歳)が68例,幼児(1-6歳)が43例,学童(7-15歳)は36例であった。乳児では内因性の心停止が多く,幼児,学童と年齢が上がるにつれ外因性が多くなった。小児のOHCAの内容は乳児,幼児,学童で明らかに異なっていた。このことは小児のOHCAのデータを解析する上で重要である。
著者
萩田 賢司 森 健二 横関 俊也 矢野 伸裕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_1023-I_1030, 2014
被引用文献数
2

交差点における自転車事故の実態を把握するために,事故当事者の進行方向別の事故発生頻度を明らかにした.千葉県東葛地域の交差点自転車事故を分析対象として,緯度経度情報,当事者の進行方向矢印と事故類型などをもとに,自動車と自転車の相対的な進行方向を求めた.その結果,信号の有無により自転車事故の発生形態が大きく異なっており,信号交差点では,自転車と平行して道路を走行している自動車の右左折に伴う事故が大半を占めていた.無信号交差点では,自動車が交差点を通過する際の手前側の交錯点を走行している自転車との事故が多発していることが示された.また,夜間においては,自動車は交錯する自動車と逆方向から進入してくる自転車と衝突しやすいことが示された.
著者
松本 忠彦 白川 康太郎 横山 勝 福田 寛文 サルカ アナマリア ダニエラ 小藪 助直 山崎 寛章 数馬 安浩 松井 宏行 丸山 亙 永田 佳代子 田邊 史子 小林 正行 新堂 啓祐 森下 了 佐藤 裕徳 髙折 晃史
出版者
Springer Science and Business Media LLC
雑誌
Scientific Reports (ISSN:20452322)
巻号頁・発行日
no.9, 2019-06-05

がんに遺伝子変異を導入する酵素の分子スイッチを発見 --リン酸化によるDNAシトシン脱アミノ化酵素の活性制御機構--. 京都大学プレスリリース. 2019-06-07.
著者
金森修著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1996
著者
冨永 和宏 松尾 長光 上野 功 森本 守 重本 康晴 空閑 祥浩 水野 明夫 佐々木 元賢
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.879-890, 1993
被引用文献数
1 1

To evaluate the utility of subperiosteal tissue expansion (STE) for mandibular augmentation with hydroxylapatite (HA) particles, two experimental studies in adult mongrel dogs were performed. One was to observe histologic changes following STE and to compare the tissue response to STE with that to subcutaneous expansion. The other was to observe clinical and histologic changes following implantation of HA particles in the subperiosteal expanded bed. In the first experiment, small tissue expanders were placed and inflated subperiosteally in the mandible and subcutaneously in the breast. A fibrous connective tissue capsule was formed surrounding the implanted expanders. Periosteum was replaced by simple connective tissue during expansion. Capsule formation during STE was much more rapid than the subcutaneous expansion. In the subperiosteal group, a thick fibrous capsule consisting of coarse collagen fibers was observed one week after full inflation. Leaving the fully inflated subperiosteal expanders in place more than one month accelerated the resorption of the underlying bone. In the second experiment, one week after full expansion of the mandibular subperiosteal expander, the expander was removed and HA particles were implanted in the expanded bed. Despite marked augmentation with excessive amounts of HA particles, there was no deformity or infection of the grafts, which maintained their designed controur. The firm fibrous capsule formed by STE permitted consolida tion of HA particles easily and effectively, and prevented migration of the particles. Immobilization of the grafts was achieved within two months following implantation of the HA particles.
著者
江森 健太郎 北脇 裕士 岡野 誠
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.34, 2012

2001年9月頃からBe拡散処理が施されたオレンジ/ピンクのサファイアが大量に日本国内に輸入され話題となった。当初は輸出国側から一切の情報開示がなく、"軽元素の拡散"という従来にはなかった新しい手法であったことから、鑑別機関としての対応が遅れる結果となった。その後の精力的な研究によってBe拡散処理の理論的究明には進展が見られたが、軽元素であるBe(ベリリウム)の検出にはSIMSやLA-ICP-MSなどのこれまでの宝石鑑別の範疇を超えた高度な分析技術が必要となり、その後の検査機関のあり方を問われる結果となった。<BR>LA-ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)は、軽元素を含む多元素同時分析による高速性と、ppb~ppmレベルの分析が可能な高感度性能を持つ質量分析装置である。鉱物等の固体試料の測定にはレーザーアブレーションにより直径数10μm程度の極狭小な範囲を蒸発させる必要があるが、Be拡散処理サファイアの鑑別には欠かせない新たな分析手法として宝石学分野においても活用されるようになった。さらにLA-ICP-MSは蛍光X線分析では検出できない微量元素の検出が可能であるため、それらの検出された微量成分の種類や組み合わせがケミカル・フィンガープリントとして宝石鉱物の原産地鑑別に応用されている。既にコランダム、エメラルド、パライバ・トルマリンなどでは多くの研究例があり、一定の成果が上がっている。<BR>本研究では、これらのLA-ICP-MS分析法の宝石学分野における他の重要な応用例の1つとして、天然及び合成ルビーの鑑別法について検討した。<BR>1990年代初頭、新産地であるベトナム産ルビーの発見と同時期に大量の加熱処理されたベルヌイ法合成ルビーが宝石市場に投入された。加熱が施されることにより、鑑別特徴であるカーブラインが見え難くなり、さらに液体様のフェザーが誘発されることで、識別が困難となった。1990年代半ば以降にはフラックス法によるカシャン、チャザム、ラモラ等の合成ルビーに加熱処理されたものが出現した。特にフラックス法合成ルビーは加熱によって内部特徴が変化すると、標準的な鑑別手法では識別が極めて困難となり、他の有効な鑑別手法の確立が必要とされている。本報告では、ベルヌイ法、結晶引上げ法、フラックス法、熱水法等の合成ルビーをLA-ICP-MSで分析し、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の遷移元素や希土類元素等の相違について纏めた結果を紹介する。
著者
森下 正明
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1950

博士論文
著者
ミットロモジュムダール ドッキナロンジョン 大橋 弘美 森 日出樹
出版者
松山東雲女子大学人文科学部紀要委員会
雑誌
松山東雲女子大学人文科学部紀要 = Annual bulletin of the Faculty of Human Sciences, Matsuyama Shinonome College (ISSN:2185808X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.77-101, 2014-03

ドッキナロンジョン・ミットロモジュムダール(Dakshinaranjan Mitramajumdar 1877-1957)は生まれ育った東ベンガル(現バングラデシュ)で親しんできたベンガル地方の昔話に魅了され、自ら採話した昔話編纂集である「おばあさんのお話袋-ベンガルの昔話-」(Thakurmar Jhuli Banglar Rupkatha)を、1907年コルカタで出版した。 本稿では、ベンガル語のオリジナルテキストの第2部から「ニールコモルとラールコモル」と「柘榴王子」の2話、第3部から「シュクゥとドゥクゥ」の1話を訳出した。第2部の2編はお后になりすましたラッコシ鬼(羅刹)と戦う王子の物語、第3部の1編は、機織りの善良な母娘と意地悪な母娘の物語である。いずれもベンガル昔話によく登場する鳥のように足の速いポッキラージ馬、言葉を話す不思議なビャンゴマ鳥・ビャンゴミ鳥、隠された本物の命などのモティーフが散りばめられている。
著者
八島 建樹 高木 敏行 出江 紳 一 永富 良一 浅尾 章彦 森 仁 阿部 利彦
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.103-109, 2016 (Released:2017-01-15)
参考文献数
24
被引用文献数
4 5

著者らが開発した末梢神経を刺激することを目的とした磁気刺激装置を用いて,健常者の橈側手根伸筋を刺激し,これ によって誘発される手関節の背屈運動と刺激条件との関係を調べた.磁気刺激の条件として,磁場強度を3 段階,刺激周波数を10 ~ 50 Hz の5 段階,刺激時間を0.5 ~ 2.0 s の4 段階に変化させ,前腕を刺激した.この時に誘発される手関節の運動角度を電子角度計を用いて計測した.刺激条件に応じて,手関節の背屈角度はごくわずかな動きから100 度を超える大きな動きまで誘発できることが明らかになった.
著者
永田 亮 河合 綾子 須田 幸次 掛川 淳一 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_51-2_65, 2010 (Released:2011-06-23)
参考文献数
22

自然言語処理や言語学においてコーパスは重要な役割を果たすが,従来のコーパスは大人の文章を集めたコーパスが中心であり,子供の文章を集めたコーパスは非常に少ない.その理由として,子供のコーパスに特有の様々な難しさが挙げられる.そこで,本論文では,子供のコーパスを構築する際に生じる難しさを整理,分類し,効率良く子供のコーパスを構築する方法を提案する.また,提案方法で実際に構築した「こどもコーパス」についても述べる.提案方法により,81人分(39,269形態素)のコーパスを構築することができ,提案方法の有効性を確認した.この規模は,公開されている日本語書き言葉子供コーパスとしては最大規模である.また,規模に加えて,「こどもコーパス」は作文履歴がトレース可能であるという特徴も有する.
著者
高橋 聡明 新谷 結衣 村山 陵子 野口 博史 阿部 麻里 Koudounas Sofoklis 仲上 豪二朗 森 武俊 真田 弘美
出版者
Japanese Society of Wound, Ostomy and Continense Management
雑誌
日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 (ISSN:1884233X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.576-584, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
28

背景:末梢静脈点滴の合併症は、時には潰瘍化にいたる重要な問題である。血流の多い血管を使用することにより、合併症予防の可能性が示されてきたが、末梢静脈の血流測定方法は確立されていない。そこで本研究では健常者における超音波検査装置による上肢静脈血流量測定の信頼性妥当性検証を行い、血流量測定を行うこととした。 方法:対象は健常成人8人、上肢12本とした。上肢主要静脈である上腕尺側静脈、前腕橈側皮静脈、前腕尺側皮静脈、前腕正中皮静脈を測定部位とし、訓練を受けた看護師が測定を行った。並存妥当性の検証を行うため、従来手技である手動による測定とAuto Volume Flow(AVF)機能を用いて測定を行い、ピアソンの相関係数を計算した。評価者内信頼性検証として級内相関係数(ICC)を、既知集団妥当性として豊富な血流量が予測される上腕尺側静脈と前腕に位置する静脈を比較した。 結果:測定者内信頼性について、従来手技では、すべての測定の平均は25.5 ml/minで、ICC(1,1)(1,3)はそれぞれ0.91 (p<0.01)、0.97(p<0.01)であった。並存妥当性については、従来手技、AVF による測定との相関はr = 0.96(p<0.01)であった。既知集団妥当性として、前腕の主要静脈の血流量はいずれも上腕尺側静脈と有意な差を示した(p<0.01)。 結論:上肢末梢静脈の超音波検査装置による血流測定の信頼性および妥当性が示された。
著者
阿部 美穂子 吉田 彩子 山川 俊幸 森 光康
出版者
富山大学人間発達科学部発達教育学科発達福祉コース
雑誌
とやま発達福祉学年報 (ISSN:21850801)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.3-13, 2014-05

本研究では、児童福祉施設併設特別支援学校に在籍する知的障害のある中学部生徒のキャリア力を育てることを目的に、生徒らが働く喜びを知り、自らの果たすべき役割の理解と働くことの意義を知るための授業実践に取り組んだ。役割を継続的に実行できれば、周囲から認められる機会が増え、働く喜びにつながると考え、このような経験の積み重ねで、キャリア力の裏付けとなる自己有用感を高めることを目指した。実践にあたっては、①「成果のイメージつくり→役割の実践→実践に対する自己評価→役割の価値理解」を「学習サイクル」として組み入れること、②グループでの活動を基本とすること、③自作「自己評価シート」を活用すること、さらに、④「グループの仲間のため」「見える他者のため」、「見えない他者のため」の3つの相手を設定して活動を設定することの4点から、授業を組み立てた。実践の結果、対象児らにグループの成員として質の高い仕事を成し遂げるため、自ら役割を果たそうとする行動が見られるようになり、併せて対象児らの自己評価から、その自己有用感が高まったことが確認された。
著者
吉村 研治 大森 庸子 吉松 隆夫 田中 賢二 石崎 文彬
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.897-903, 1996-11-15
参考文献数
6
被引用文献数
7 7

In a high density culture of rotifer (beyond the levels of 10<sup>3</sup>ind./m<i>l</i>), the amount of aeration needed to maintain an optimum dissolved oxygen (DO) level increases. In order to investigate the effect of aeration on the population growth of rotifer, a series of experiments were carried out. The S-type rotifer <i>Brachionus rotundiformis</i> was cultured at high density using 10<i>l</i> vessels under different aeration conditions. Air or oxygen gas was introduced into the culture media through two types of sparger which formed different sizes of bubbles, at aeration rates from 0.1 to 2.0vvm. The bubble-size from the two kinds of sparger were estimated from the value of <i>KLa</i> (volumetric oxygen transfer coefficient). When the aeration rate was high or the ceramic sparger that formed smaller bubbles was used, DO in the culture system remained at a high level. However, under these conditions, the growth of the rotifer population was seriously inhibited due to very high aeration rates and small bubbles, possibly as a result of foaming separation. When oxygen gas was introduced into the culture system, the density of rotifer was higher than that when air was introduced. Therefore, it is recommended to introduce high-purity oxygen gas for a high density culture to avoid any growth inhibition and to maintain optimum DO.