著者
十時 詠吾 山口 信一 田中 敏則 伊藤 一将 大穀 晃裕 森本 茂雄
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.10, pp.763-770, 2021-10-01 (Released:2021-10-01)
参考文献数
34
被引用文献数
1

This paper presents a new configuration for the concentrated windings of permanent magnet motors in order to reduce the torque ripple. There are limited choices for the concentrated windings in conventional permanent magnet motors when selecting the numbers of poles and slots, which results in winding factors for harmonics that cannot be zero and the corresponding torque ripple remains. Unlike conventional concentrated-winding motor, whose teeth are all wound with one coil, the proposed concentrated-winding motor has some teeth with multiple coils wound around. The number of turns for each coil can be optimized to reduce its winding factors for harmonics to nearly zero so that the corresponding torque ripple could be significantly reduced. Prototypes of the conventional and proposed motors were constructed, and the experimental results are compared. Simulation and experimental results confirm the torque reduction effect of the proposed concentrated-winding motor.
著者
小川 修史 藤井 祐次 掛川 淳一 高野 美由紀 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.217-220, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
2

筆者らはこれまでに行動要因の分析を目的としたケース会議支援システムを提案している.システムを経験の浅い教師に適用したところ,行動要因に関連した気づきが議論を通して発生する一方で,議論する事前に実施される個別作業の際に,行動要因を客観的に分析することが難しく,これらを支援することでより効率的に気づきが発生すると考えた.そこで,行動要因とストレスの対応関係に注目し,アノテーションをストレスの観点で分析させることで,個別の作業であっても行動要因の客観的な分析が可能となると考えた.この仮説に基づき実装したストレス可視化機能を用いて予備調査を実施した結果,仮説が有効である可能性が示唆された.
著者
岡井 治 多気 昌生 望月 篤子 西脇 仁一 森 卓二 藤尾 昇
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.271-278, 1979-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21
被引用文献数
5 1

低周波音 (8~50Hz; 105dB) における人体の反応を評価した. 低周波音は, 直接外気に接する聴覚器, 前庭器, 呼吸器に作用するものと思われる. そこで, 低周波音に全身曝露して人体反応を調べ, 次の結果をえた.i) 低周波音に敏感な人は, 閾値が低くかった. もっとも, 多くの人では, 他の報告と同じ閾値をもっていた.ii) 閾値付近で脳波の振幅が減少した.iii) 心拍数, 呼吸数は減少傾向を示した. 肺循環脈波は振幅が増した.iv) 血圧および身体の動揺は一定の傾向を示さなかった.
著者
上田 恵子 粟島 由海 森田 直之 中安 雅美 足立 真理子 エデラ ロビンソン 井上 奈穂
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 41 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.321-322, 2017 (Released:2018-08-16)
参考文献数
2

著者が在学していた東京都立多摩科学技術高等学校(以下、本校)は、平成22 年に開校し、平成24年に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定された。著者は平成26 年4 月から平成29 年3 月まで在学したが、本校では2 年次に『課題研究』、3 年次に『卒業研究』といった研究活動を主体とした授業が用意されている。この授業では、自ら課題解決に関するテーマを設定し、授業が展開されている。本研究では、SSH 指定を受けた進学型専門高校における課題解決型授業におけるテーマ設定プロセスを生徒の立場で考察し、実践した内容を報告する。
著者
森下 一期
出版者
技術教育研究会
雑誌
技術教育研究 (ISSN:02872730)
巻号頁・発行日
no.65, pp.67-69, 2006-07

本の紹介
著者
本屋敷 美奈 杉原 亜由子 永井 仁美 高山 佳洋 森定 一稔 柴田 敏之 森脇 俊 笹井 康典 田中 英夫
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.174-185, 2021

<p><b>目的</b>:大阪府における自殺未遂者相談支援事業(以下同事業)を評価し,自殺未遂者本人(以下本人)の支援者との関係の改善につながる効果的な支援方法と内容を明らかにする.</p><p><b>方法</b>:本研究は二段階で実施した.第一段階ではフォーカスグループインタビューにて介入の効果についての仮説とアウトカム指標を定義した.第二段階では仮説に基づく評価を行った.調査対象は2014年 4 月から2015年 6 月の間に府内 5 つの保健所において同事業への同意が得られた自殺未遂者192人のうち,支援が終了した113人の中で,支援記録が入手できた102人とした.調査期間は2015年10月から12月とした.調査方法としては支援記録からケースワーカーが情報を抽出した.分析方法では,援助希求行動,信頼関係,支配性を個々の支援者との関係に影響を与える要素と定義した上で,個々の本人と支援者との関係について各要素を0-4点で数値化し,得点の合計が 6 点以上の場合を支援者との良い関係があるとした.過去の自殺未遂歴や精神科受診歴,保健所相談歴,年齢,性別を調整した上で支援(方法・内容)を説明変数とし,支援者との良い関係の介入後の増加を従属変数としてロジスティック回帰にて分析を行った.</p><p><b>結果</b>:対象者の平均年齢は40.7歳,女性は67.6%であった.良い関係を持つ支援者の数が増えた対象者は64人(62.7%)であった.ロジスティック回帰分析にて有意となった支援は,方法では本人・家族両方への面接(調整オッズ比(以下AOR)13.33;95%信頼区間(以下95%CI)2.44-72.81),内容では本人心理支援の内,ニーズの傾聴(AOR5.87;95%CI2.00-17.22),支援方針の説明と合意形成(AOR5.69;95%CI1.88-17.23),心理教育(AOR3.26;95%CI1.13-9.36),医療機関に関する支援では治療継続支援のみを行った場合(AOR4.72;95%CI1.42-15.71)であった.受療支援・治療継続支援両方ありに該当した 5 人の対象者全員に良い関係のある支援者数の増加が見られた.</p><p><b>結論</b>:仮説及びアウトカム指標の設定は本人の支援に関しては妥当であった.保健所での支援において,本人・家族両方との面接,本人との共同した意思決定,丁寧な受療支援の必要性が示唆された.今後は自殺未遂者・支援者関係の質的評価や対照を設けての評価が課題である.</p>
著者
原 歩 吉岡 政洋 伊藤 貴 西澤 雅彦 市川 雅 高橋 重人 緋田 めぐみ 竹森 政樹 石原 直毅 日比 紀文
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.1379-1383, 2001-12-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
20

症例は71歳,女性.他院での種々の検査の結果,特発性再発性アフタ性口内炎と診断されていた.本症例は約2年6カ月の間,再発するアフタ性口内炎に対して副腎皮質ホルモンの投与を受けていた.著者らは本症例のアフタ再発時にマレイン酸イルソグラジンを投与した.アフタは1週間で消失し,継続投与にて1年6カ月の間,アフタは再発していない.本症例はアフタ性口内炎に対するマレイン酸イルソグラジンの有効性を示唆した.
著者
石森 大知
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、ソロモン諸島におけるバハーイー教徒とキリスト教徒の共生関係を考察するものである。バハーイー教徒は、改宗後もキリスト教徒の諸儀礼や行事に参加している。そこには2つの論理がみられる。1つは、彼らは自らを「見えない存在」とする実践を行っていること。もう1つは、彼らは「宗教(lotu)」と「伝統」を異なるものとみなし、後者の領域に親族的な事柄を置くことで、既存の社会関係の維持を図っていることである。これらの論理が村落部における二者間の共生関係の基盤にあることが明らかとなった。
著者
石森 大知
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.89, 2009

近年のメラネシアで顕在化したエスニック紛争や政治的不安定な状況下、公共宗教の観点から、キリスト教の教会が果たす役割に注目が集まっている。ソロモン諸島ニュージョージア島にクリスチャン・フェローシップ教会の教会ネットワークとは、聖霊憑依の経験を契機として親密圏が転化する形で創造された社会空間であり、そこに連帯意識や公権力への抵抗などの要素が潜在する。
著者
石森 大知
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.171, 2008

マナをめぐる議論は、19世紀末のコドリントンによる報告以来、大変な蓄積がある。しかし、太平洋の人々がキリスト教徒となった現在でも、マナは伝統的信仰の象徴として扱われる一方、同概念とキリスト教的価値観との関連性は不問にされてきた。そこで本発表では、ソロモン諸島の事例に依拠し、マナは、聖霊とも結びつき、名詞的または実体的な「超自然的力」と認識されていることを明らかにするとともに、その社会・歴史的背景について考察をおこなう。