著者
白濱勝太 三神山駿 森本哲郎 西田純二 上善恒雄
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2014-EIP-63, no.2, pp.1-6, 2014-02-14

近年急速に普及しているスマートフォン等の Wi-Fi 通信機能を持つ機器は、Probe Request という管理パケットを定常的に発信している。その管理パケットから端末の MAC アドレスを得て、情報端末を持つ人の移動履歴情報を収集することが可能である。使い方を誤れば個人のプライバシ侵害にもつながるが、十分な配慮をすれば地下街や建物の中でも人々の流れをセンシングし、都市での人々の活動を知る重要なビッグデータのソースとして活用できる。我々は、街中に大量に存在する情報端末から MAC アドレスを取得直後に一方向ハッシュ関数等で処理するセンシングデバイスと統計解析システムを開発した。当面の応用として、デジタルサイネージの広告効果や節電を考えた動的な広告管理システムの開発を目標にしている。本論文では、Probe Request を利用して得た人流の傾向に従う動的デジタルサイネージに関する基礎的な実験について報告する。
著者
六反田 豊 森平 雅彦 長森 美信 石川 亮太
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

朝鮮半島における主要河川の一つである漢江を主たる対象として、高麗および朝鮮時代において、人々が河川という水環境といかなる関係を築き、またそれがどのように変化してきたかを検証するために、関連資料の収集をおこなうと同時に、5回にわたり漢江流域での現地踏査を実施した。そして、その結果を、関連する文献情報とともに資料集にまとめて刊行した。また、日本国内の研究者と勉強会や意見交換の場をもち、水環境史研究の課題や方法についての認識を深め、朝鮮史研究における水環境史の構築のための研究基盤を形成した。
著者
野々村 敦子 森本 茂昭 河原 能久 野間 京二
出版者
土木学会
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1147-1152, 2005-02
被引用文献数
3

Oxygen levels in eutrophic water bodies can become rapidly depleted at the presence of stable thermal stratification. The anoxic condition induces the release of nutrients and heavy metals from bottom sediments, leading to water quality problems. In Goten reservoir, we installed two sets of jet flow generator. One jet flow generator transports the water near free surface and eject it near the bottom while the other discharges pumped groundwater near the bottom. Field measurement has been carried out to understand the destratification process by the induced flow and the resultant changes in water quality. It is demonstrated that the jet flow generators accelerate the destratification process considerably and that the spatial distribution of water quality in a horizontal plane shows little difference during the process. It is also found that further improvement with the jet flow generators is necessary to increase more effectively the dissolved oxygen concentration near the bottom.
著者
堀江 佐知子 小玉 哲也 小野 栄夫 森 士朗
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、ナノバブルと超音波を用いた新しいワクチン接種法のためのドラッグデリバリーシステムを開発し、これまで治療が困難であった感染症などの予防や治療に貢献することである。これまで我々は、ナノバブルの体内分布の超音波画像でのモニタリングや生体細胞への遺伝子導入効率、さらには、超音波照射とナノバブル破砕時の組織障害の程度、それにともなう炎症性細胞浸潤の程度などを検討した。その結果、静脈注射によりナノバブルがリンパ節に流入し、リンパ節内の樹状細胞に抗原タンパクや遺伝子の導入が可能であること、ナノバブル破砕時の超音波の強さを調節することにより、照射部に適度な炎症性細胞の集簇を促し、ナノバブル破砕によるアジュバント効果が期待できること、ナノバブル表層への抗体の組み込みが可能なこと、バブル内への抗原タンパクや遺伝子、あるいはアジュバント分子の封入が可能であることなど、本研究を推進する上で極めて重要な知見を得ることができた。しかし、ナノバブルと超音波を用いた分子導入法においては、導入効率の低さが問題になる可能性が考えられた。そこで、1回のトランスフェクションで100日以上もタンパク発現が可能な長期発現プラスミドDNAをナノバブルと超音波を用いて導入するシステムを開発し、従来の分子導入法の導入効率の低さの問題を解決することが可能となった。しかしその一方で、生体内での持続的なウイルス抗原の産生は、高グロブリン血症や免疫複合体病等の誘発の可能性も考えられることから、今後は、タンパク発現量の増大のみならず発現タンパクの制御法の検討も必要かと思われる。
著者
木林 美由紀 大橋 健治 森下 真行 奥田 豊子
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.550-557, 2004-10-30
被引用文献数
10

幼稚園・保育園に通う幼児141名(6.1±0-3歳)を対象に,チューインガム法と感圧紙法(デンタルプレスケール^[○!R])を用いて咀嚼力を評価した.さらに,保護者と担任教諭および担任保育士を対象に幼児の日常の食行動および生活行動について質問紙調査を行い,咀嚼能力との関連性について検討し,以下の結果を得た.1.単位時間当たりの溶出糖量と咬合力には,性差は認められなかった.溶出糖量は,身長との間には正の相関関係が認められた.2.対象児の摂食時における咀嚼状態の評価は,施設内の担任者と保護者との評価に異なる傾向が認められた.3.保護者による評価で,偏食の少ない対象児は,偏食が多い対象児より溶出糖量が有意に高く,溶出糖量と対象児の偏食の程度は有意な関連性が認められた.4.保護者が食事を作るとき,意識して堅い物をメニューに加えている家庭の対象児は,デンタルプレスケール^[○!R]による咬合力が有意に高かった.5.担任教諭・担任保育士による評価において「友人ととてもよく遊ぶ」と評価された対象児は,ほかの対象児よりも溶出糖量が有意に高く,溶出糖量と「友人と遊ぶ」項目に有意な関連性が認められた.以上の結果から,幼児の咀嚼能力は,幼児の食行動や生活行動と関連しており,幼児と保護者に対する食教育の重要性が示唆された.
著者
渡邊 悟 深井 克明 長岡 俊治 羽柴 基之 高林 彰 森 滋夫 YAMAZAKI Yoshihisa 山崎 由久 和田 佳郎
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

コンピューターグラフィクス(CG)により立体視可能なバーチャルリアリティ画像を作成し、ゴ-グル上に投影し、動的視覚刺激を行った際の立位姿勢の変化に関するを行った。体動揺の発生と前庭機能との関連を調べるため直線加速度負荷装置を用い、負荷加速度と視覚刺激CGの動きを解析することを目論んだ。平成7年度、8年度の2年間でCG作成が完成させ、更にこの間平成7年度は視覚刺激を用いない正弦波様の直線加速度負荷中の立位姿勢の変化について検討し、比較的低い負荷加速度(0.02-0.04G)では加速度に応じて体の揺れを生じるが、高い負荷加速度(0.06-0.06G)では頭の位置が安定しほぼ垂直位に固定され、前庭-頚反射の関与の大きい事が明らかにされた。解析には身体各部の動揺をビデオトラッカーにより記録し、頚部、躯幹、下肢の筋電図の記録により行った。平成8年度、9年度は専らバーチャルリアリティ画像による視覚刺激を立位姿勢の被験者にゴ-グルを介して与えた。ゴ-グルのスクリーン上に投影された運動画像の提示は姿勢動揺を誘発する。この姿勢動揺と運動画像によって生じる自己運動感覚(vection)との関係を解析した。その結果、視覚刺激の速度成分とvectionの大きさ及び体動揺の大きさにほぼ比例関係を認めた。しかし、周波数のみの変化には殆ど依存しない。正弦波刺激は予測反応がかなり早く現れる。体動揺は暗算負荷により大きな影響を受ける。この際、vectionもはっきりと減少することが明らかとなった。この様なvectionの成因には周辺視野における広い視野の運動感覚が必要であり、視野の運動が自分自身の運動と間違えるという、心理的な現象であり、引き起こされる体動揺が高次な神経活動による結果とみなすことができる。今後、更に視覚系と体動揺によって生じる前庭系との関連に関して解析を行う予定である。
著者
水島 昇 斉木 臣二 野田 展生 吉森 保 小松 雅明 中戸川 仁 岩井 一宏 内山 安男 大隅 良典 大野 博司 木南 英紀 田中 啓二 佐藤 栄人 菅原 秀明
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

本新学術領域研究は、オートファジーの研究を推進するために、無細胞系構成生物学、構造生物学、細胞生物学、マウス等モデル生物学、ヒト遺伝学、疾患研究を有機的に連携させた集学的研究体制を構築することを目的として設置された。本総括班では、領域における計画研究および公募研究の推進(企画調整)と支援を行うとともに、班会議・シンポジウムの開催、領域活動の成果の発信、「Autophagy Forum」の開設と運営、プロトコール集公開などを行った。
著者
森村 謙一
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
東方学報 (ISSN:03042448)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.280-210, 2009-03

Author has been studying the history of 本草學 BenCaoXue (Pharmacognocy in East). On this time, the medicinal property of materials was thoroughly interpreted with two points of View. One was the decipherment of descriptions on original text; the other was the collection of modern pharmacological information. The original texts with which the old descriptions were examined are mainly ≪神農本草轎經集注 Shen Nong Ben Cao Jing Ji Zhu≫ in A. D. 5 and ≪新修本草 Xin Xiu Ben Cao≫ in A. D. 7. The letters from which picked up the names of materials are ≪五行大義 Wu Xing Da Yi≫, ≪黄帝内經太秦 Huang Di Nei Jing Tai Su≫ and ≪醫心方 Yi Xin Fang≫. The data gained from both sides above mentioned have filled up in each domain, but reciprocal verifications have not been done sufficiently until now, accordingly, the principle in the investigations of this paper was the minute comparison and verification between above two data. This time about 130 species of materials were adopted, many of which belong to the plant, but specific animals and minerals were also examined in scores respectively. Those materials have been very popular crud drags in the history of Asia and Orient. At that time, those materials had been connected each other with a thinking-model (五行 Wu Xing), for example: 五行(Origin) ; 木Wood 火Fire 土Earth 金Metal 水Water : 五穀(Cereals) ; 麻Hemp 粟Millet 麥Barley 米Rice 大豆Soybean : 五果(Fruits) ; 李Plum 杏apricot 棗Jujube 桃Peach 栗Chestnut : 五畜(Domestics) ; 犬Dog 羊Sheep 牛Cattle 鶏Chicken 彘Pig : 五石((Minerals) ; 曾靑Malachite 雄黄Orpiment 玉Jewel 金Gold 赤石脂Kaolin. (1) Habitats i. Plant-articles abound in 華中HuaZhong (The Yangtze valley), 華北HuaBei (The reaches of the Yellow River). A lot of the plants had been imported from South (India ~ Indo-china) and West (Central-Asia ~ Arabia ~ Africa). ii. Animal-articles inhabit in 華中 and 華南 (HuaNan・The south-east of China). iii. Mineral-articles yielded in the area 華北, 華中~ The west-China. (2) Efficacies i. General-feature・Exceedingly abundant technical-terms had been used on diseases and symptoms. This time exhaustive arrangement on them were carried out, all the Articles were classified into 14 categories according to their proper efficacy. Categories were decided on the human body system, for example: 消化器系 The digestive system, 呼吸器系 The respiratory system, and so on. The results of the classification were made up into Table 2 (5 sheets).
著者
宮森 恒 粕谷 英司 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1590-1599, 1997-06-25
被引用文献数
32

本論文では, 動作語を用いた問合せを受け付ける映像検索方式を提案する. 提案方式は,「だれだれが〜するシーンを検索せよ」といった動作に関連した問合せと, それが暗示する物体の位置関係とその時間変化に着目し, これを動き関連の言葉と階層的に対応づけ, 照合することによって映像の内容検索を実現するものである. 本方式は, 物体の近似手法により種々の映像へ適用可能と考えられ, 単純なキーワード検索ではカバーしきれない映像の内容にまで踏み込んだ内容検索機能をユーザに提供できる点が特徴である. ここでは, テニス2試合90ポイント分の中継映像を例とし, 映像インデキシングの自動化・半自動化が比較的容易に行えること, テニスの動作判定に不可欠なボールのインパクト時刻の検出に, 前/後方選択型の速度ベクトルが効果的であることを実験的に示した. また, テニスの中継映像を用いた検索実験によって, 定義した10の動作語について全体として4.8%の検出誤り, 1.9%の検出もれといった結果が得られ, 提案手法によって映像の内容検索が有効に実現できることを示した.
著者
高貝 就 中村 和彦 鈴木 勝昭 岩田 泰秀 尾内 康臣 竹林 淳和 森 則夫
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高機能自閉症者にみられる「タイムスリップ現象」に代表される記憶再構築障害に果たすドパミン系の役割を、ポジトロン断層法(PET)を用いて検討した。すなわち、定常状態とタイムスリップ現象を誘発するようなcueを負荷した状態とにおいて、ドパミンD1受容体密度を特異的トレーサー[llC]SCH23390とPETで計測した。現在、その結果について解析中である。
著者
中村 恵子 塚原 加寿子 伊豆 麻子 岩崎 保之 栗林 祐子 大森 悦子 佐藤 美幸 渡邉 文美 石崎 トモイ
出版者
新潟青陵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

養護教諭を対象とした質問紙調査を実施し、どのように養護診断・対応を行っているのかを明らかにした。養護教諭やスクールカウンセラー、生徒指導主事への面接調査を実施し、心の健康問題における連携について分析、記述を行った。スクールソーシャルワーカー(SSW)に面接調査を行い、SSWによる支援について明らかにした。また、養護教諭へのグループインタビューをもとに、保健室来室者記録の改善を図った。さらに、各関係機関を訪問し、連携について調査した。アセスメント・シートや情報提供書を作成するとともに、健康相談活動の進め方や体制づくり、関係機関との連携などについて、研究成果としてまとめた。