著者
森脇 久隆 清水 雅仁 高井 光治
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1. リン酸化型RXRα蛋白発現がマウスES細胞に及ぼす影響:はじめに、doxycycline投与によってリン酸化型RXRαの発現調節が可能なクローニングベクターを作製し、リン酸化型RXRα誘導性ES細胞およびマウスの作製を作成した。リン酸化型RXRα蛋白がRARE, RXRE, PPREプロモーター活性に及ぼす影響について検討したところ、RXRE, PPRE活性の明らかな低下を認めたが、RAREへの影響は認めなかった。次に、マウスES細胞を分化培地で培養し、doxycycline投与の有無による細胞増殖への影響について検討したところ、リン酸化型RXRα蛋白発現群では、非投与群に比べて優位な細胞増殖の増加を認めた。また、リン酸化型RXRα蛋白発現群では、alkalinephosphatase染色に陽性を示す、比較的未分化な形態を保った細胞の出現を認めた。2. リン酸化型RXRα蛋白の肝発癌感受性に関する研究:我々が作成したトランスジェニックマウスを、リン酸化型RXRα mutant発現群(Rxrα/+; Rosa/+)と対照群(Rosa/+)の2群に分け、Diethylnitrosamine(DEN: 25mg/kg、生後15日腹腔内投与)で肝腫瘍を誘発した後、4週齢より0.2% doxycyclineを飲水投与し、月齢6ヶ月にて屠殺を行った。各群の肝腫瘍発生率、腫瘍最大径、総腫瘍数について肉眼的に評価を行ったところ、肝腫瘍は各群とも全例に認められたが、総腫瘍数についてはRxrα/+; Rosa/+群において、Rosa/+群と比べ明らかな増加を認めた。また、腫瘍最大径、肝重量についてもRxrα/+; Rosa/+群での増加を認めた。以上の結果から、リン酸化型RXRα蛋白はDEN誘発肝腫瘍形成の過程において促進的に影響しうる可能性が考えられた。
著者
森 博嗣 黒川 善幸 谷川 恭雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、複合材料であるコンクリートの変形・破壊性状をミクロな立場から解析的に取り扱い、従来、実験的な情報の整理によってしか得られていないコンクリートの構成則を、理論的な立場から検討し、より汎用的な力学モデルを構築することを目的として、粘塑性サスペンション要素法を、粘弾塑性解析に拡張し、この新しい解析手法を用いた硬化コンクリートの変形・破壊性状のシミュレーションを行うとともに、実験的な検証によってその妥当性を確認した。本研究の成果は以下のようにまとめられる。1.粘弾塑性サスペンション要素解析手法の開発および拡張現有の2次元プログラムを3次元に拡張するとともに、細部に至る多数の境界条件を整備した。また、この結果を基づいて、多軸載荷・除荷、高速繰返し載荷、粗骨材の破壊、鉄筋による拘束などの条件にも適用可能な汎用的な機能をプログラムに付加した。2.入力データの整備1.で開発したプログラムに用いる入力データを得るために、既往の実験結果を整理した。3.コンクリートの応力-ひずみ曲線の解析および検証実験コンクリート円柱供試体の各種応力下における破壊挙動のシミュレーションを行た。また、小型の供試体を用いて同条件で実験を行い、解析結果と比較した。4.アコースティック・エミッション(AE)現象の解析および検証(谷川)1.および2の成果より、コンクリートの破壊過程で生じるAE弾性波の発生シミュレーションを行い、引張破壊とせん断破壊の差異、カイザー効果の機構などについて解析的な検討を行った。5.コンクリートの構成モデルの提案以上の研究結果を総括し、コンクリートの変形・破壊性状に与える影響要因を整理した上で、汎用的な力学モデルを構築するための基礎的な検討を行った。
著者
森 達哉
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究課題の遂行にあたり、特にアプリケーションとして有望であるテーマから研究を進めた。具体的には暗号化通信の通信先ホスト名を推定する問題に取り組みんだ。この問題を解決するために、ドメインネームグラフと呼ぶデータ構造とアルゴリズムを提案し、DNSの観測情報から暗号化された通信の宛先ホスト名を高精度に推定できることを実証した。結果を国際会議 TMA 2015 (採録率 29.6%)で発表、スケーラビリティに関する課題を克服した結果を 2015年度に Computer Comminications 誌にて発表。国内特許出願1件と同出願のPCT出願1件を実施。国内招待講演を1件実施。
著者
小澤 道子 森 明子 久代 和加子 桃井 雅子 片桐 和子 堀内 成子 園城寺 康子 菊田 文夫
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.28, pp.39-49, 2002-03
被引用文献数
1

本学は1995年度入学生より,改訂カリキュラムを採用した。改訂カリキュラムの特徴として,自学自習能力の育成,統合化学習の推進,科目配置の順序性があげられる。本報告は,改訂カリキュラム導入期の3年間における卒業時点での学生側から見たカリキュラムの満足度と教科カリキュラムの順序性,統合性に対する評価の推移を知ることを目的とした。調査方法は,調査日を卒業式前日とし,質問紙を配布しその場で回収をした。質問紙の構成は,教科カリキュラムの統合性を知るために「総合看護・看護研究II」と履修した科目との関連,教科目の順序性,カリキュラムの満足の度合,授業や教育システム,教育支援に対する評価などである。その結果は,次の如くである。(1)『総合看護・看護研究II』(いわゆる卒業論文)にこれまで履修した教養科目・基礎科目・専門科目の,各科目の関連のあるものを科目の出現率で検討すると,3年間とも基礎科目と専門科目の出現率が高く,教科カリキュラムの統合性が支持されていると解釈できる。(2)改訂カリキュラムでは,看護へめ高い志向をもつ学生に,あえて1年次では,教養科目に力を入れる科目配置にした。しかし3年間とも学生は,入学次から看護学の科目を求めていた。入学年次に教養科目と看護学の科目をどのように配置していくのかが課題として残された。(3)カリキュラム全体に対する満足度は,3年間ともその高い順に「総合看護i看護研究H」,「専門科目群」,「実習科目群」であり,全体の平均は,5段階の4:「やや満足」から3:「どちらでもない」の間に分布じた。(4)カリキュラム運用に間しては,「専門的知識が身につく」「自分の視野を広げるのに役立つ授業が多い」等が3年間ともに肯定的回答が高く,また,「本学の学生として経験したことは肯定的にとらえている」とした学生は,9割以上を占めていた。一方,「情報処理関係の教育が充実している」には,否定的回答が年次毎に徐々に増加していた。今後とも加速的に変化する情報技術革命に対する設備投資という大きな側面と,日常的な維持管理への対応の側面の両面からの取り組みが急務な課題であろう。以上,カリキュラムの受け手である学生側の3年間の評価は,一部に年次差が見られたが,総じて,カリキュラムの統合性と順序生が受け入れられ,満足できるものとして示された。そして,より実効あるカリキュラムのためには,このような評価活動の重要性が再認識された。
著者
森藤 隆夫 渡辺 進 七宮 実 斉藤 孝一 西間木 友衛 吉田 浩 粕川 禮司
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.422-429, 1981
被引用文献数
3 2 11

各種膠原病(SLE 23例,RA 26例,PM-DM 17例,PSS 10例,Sjö-s 7例,Aort-s 4例)87例について,肝機能検査成績と生検肝組織を検討した.その結果,肝腫大17例(19.5%),黄疸8例(9.1%), HBs抗原陽性2例(2.8%), HBs抗体陽性18例(20.7%), Al-p値異常15例(17.2%), ICG異常16例(18.4%)が認められた.一方,経過中,GOT, GPT値に異常が認められた例は61例(70.1%), GOT, GPT値が100Ku以上であった例は,それぞれ36例(41.4%),16例(18.4%)であり,SLE, PM-DMに多くみられた.<BR>生検肝による組織学的検索は40例に行ったが,慢性肝炎様組織群6例,急性肝炎様組織群3例,非特異性肝炎群13例,脂肪変性群11例,正常組織群7例と多彩であり,その中ではSLE, Sjö-sで組織変化が強かった.以上の原因として,薬剤,肥満,ウイルス感染,悪性腫瘍の肝転移例が少数みられたが,多くは原因不明であったことから,膠原病においても何らかの肝障害が生じるものと思われた.
著者
時永 神三 森保 洋 宮崎 明雄 島津 宣之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1793-1800, 1996-11-25
被引用文献数
36

本論文では,時系列がフラクタル的な性質をもつ場合に,これを利用した予測手法を展開し,予測誤差の検討,フラクタル次元の推定,および応用例について示す.まず,時系列をスケール関数の展開形式で表現されたインパルス応答と入力信号との畳み込みにより表現するモデルを仮定し,時系列にフラクタル性がある場合には時間軸の伸長に対してインパルス応答が自己相似的な性質を保持するので,これを用いた予測が可能であることを示す.いくつかのフラクタル次元をもつ時系列について1時刻先の予測誤差が小さくなることを示すと共に,n時刻先の予測についても適応的な手段により求めた予測値を逐次的に観測値として用いた場合の予測誤差を小さくできることを述べる.また,与えられて時系列の共分散行列およびスペクトル形状に基づきフラクタル次元を推定する方法についても述べる.応用例として株価のオプション価格の比較分析をあげ,本論文の手法を用いた戦略の結果が良好であることを示す.
著者
森慶三郎 著
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1925

1 0 0 0 OA かげ草

著者
森林太郎 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1911
著者
酒井 悠輔 坂本 信介 加藤 悟郎 岩本 直治郎 尾崎 良介 江藤 毅 篠原 明男 森田 哲夫 越本 知大
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-65, 2013-06-30

飼育下でアカネズミ(<i>Apodemus speciosus</i>)の自然交配による繁殖を誘導できる飼育交配手法を検討した.巣穴環境を擬似的に再現することで繁殖が誘導できるとの作業仮説のもと,ケージ内の床敷きを覆うように板を設置した中蓋あり飼育ケージを考案した.季節的な環境要因の影響を考慮するため,自然環境温度・自然光周期条件である半野外飼育施設において中蓋あり条件と中蓋なし条件で交配実験を行った.さらに環境条件が一定の室内飼育施設においても中蓋あり条件で交配実験を行った.その結果,半野外飼育施設の中蓋なし条件で雌個体の妊娠が確認されたのは11個体中1個体で1例のみだったのに対し,同施設での中蓋あり条件では9個体中4個体で6例の繁殖が誘導された.さらに室内飼育施設での中蓋あり条件では10個体中4個体で12例の繁殖が誘導でき,繁殖したペアの多くが複数回の繁殖を行った.半野外飼育施設の結果から,飼育ケージに中蓋を設置し疑似巣穴環境を再現することで,飼育下においてアカネズミの繁殖が誘導できることが示唆された.さらに繁殖の誘導が困難とされてきた室内飼育条件においても,繁殖に適した物理環境条件下であれば中蓋を用いることで繁殖を誘導できることが明らかとなった.これらのことから,飼育下における本種の繁殖誘導には飼育ケージに中蓋を設置するという簡便な手法が有効であると考えられる.<br>
著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.
著者
相澤 一美 上村 俊彦 望月 正道 投野 由紀夫 杉森 直樹 石川 慎一郎
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本プロジェクトでは,3年間の研究期間内に,学習語彙表の作成と教材分析システムの構築を最終目標に掲げ,研究に邁進してきた。まず,前回作成したJACET8000を学習語彙表として検証し,その欠点を探ってきた。しかし,当初の予想以上にJACET8000の完成度が高いことがわかった。JACET8000の妥当性を検証した研究では,特に大きな問題点を発見することはできなかった。その結果を踏まえて,2年目途中から路線を転換し,検定教科書,口語,米語,児童英語に基づく4種類のサブコーパスを構築し,その中からJACET8000に漏れた語をsupplementとして提案することになった。しかし,時間的な制約に加えてsupplementの作成は,予想以上に困難な作業であった。新しく構築したサブコーパス・から,JACET8000をべースとした出現頻度順リストを作成した。非語,固有名詞等を排除した各リストを100万語換算で頻度補正した上で,4リストをマージしてレンジ値を取り,JACET8000のsupplement候補語636語を提案するに至った。以上のような軌道修正のため,教材分析システムを開発するという本プロジェクトの研究課題の一部が,未解決のまま残った。当面の間は,JACET8000とPlus250にもとついた清水氏作成のLevel Makerを代用することで対処したい。また,今回発表したSupplement636も,十分な検証が済んだわけではない。場合によっては,今回の候補語とJACET8000の語を統合して,リストを再構築することも視野に入れることも今後の課題として考えられる。