著者
中澤 明子 松河 秀哉 奥林 泰一郎 森 秀樹 前迫 孝憲
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.85-88, 2010
被引用文献数
2

日本とシンガポールの学校間において,通常のインターネット回線と低帯域高精細映像伝送方式を用いたところ,2Mbps程度で高精細映像による国際間遠隔学習を行うことができた.映像の遅延は約1秒あったため,生徒からは遅延が気になるという意見も聞かれた.その一方,高精細映像により遠隔地の細かな文字等を含む発表資料がはっきりと見え,高精細映像利用の意義が示唆された.
著者
森 仁志
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

頂芽優勢は頂芽が腋芽の成長を抑制して優先的に成長する現象である。本研究では、オーキシンによるPsIPT転写抑制の分子機構と、サイトカイニンによる腋芽休眠解除の分子機構を明らかにすることを目的として研究を行った。PsIPT2プロモーター::GUSを導入したシロイヌナズナは、オーキシンに応答してプロモーターの活性が抑制された。このPsIPT2プロモーター::GUS入シロイヌナズナを変異処理し、オーキシンによる転写抑制が起こらなくなるmutantのスクリーニングを開始した。元の形質転換体は根端を除く根がGUS染色される。従って植物体を発根3日目に0.1μM NAAを含む寒天培地に移し1週間NAA処理をした後に、根がGUS染色されなくなる個体を選抜する、あるいは根全体と根端もGUS染色される個体を選抜する。これまでに候補となるようなmutantは選抜できていない。また、細胞周期制御から腋芽の休眠を解析した。休眠腋芽の細胞周期はG1期で抑制されている。これまでの知見から、cyclin/CDK/KRP/PCNAがタンパク質複合体を形成していると推測されている。この点を明らかにするために、CDKにaffinityのあるp13^<sucl>カラムを用いて、休眠腋芽抽出液から複合体の単離を試みた。得られた画分をトリプシン消化後、質量分析計で解析した。リガンドにしたp13^<sucl>と、CDKと思われるタンパク質は検出されたが、KRPと推定できるタンパク質は検出されなかった。
著者
杉森 正義 川本 義海 本多 義明
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.179-189, 2005-03-15

1945年(昭和20)の地方新聞の記事から,同年寒候期の雪および雪と社会との関わりを調べた.年最大積雪深は161cmで,当時では既往5位,現在では7位である.歴史的には,太平洋戦争の末期で,社会状況は現在からみると異常なものであった.収録の対象は,雪に関係する記事すべてとし,145件あった.記事の特性を調べるため,地域,雪との関係(雪の記事とした根拠),内容,記事のヒーロー,および記事の動機の5個の軸項目で整理し,さらに軸項目間のクロス集計をとった.雪との関係の割合は,雪害発生(6.2%),雪害予防(4.8%),雪対策(35.2%),で,他は雪が介在または背景の記事であった.内容分類では,鉄道,居住地および道路,農業,林業の順で多かった.記事の中で注目を集める誰かをヒーローとすると,地域住民,行政,児童生徒の順であった.記事の動機は,勤労奉仕,事実の報道,職務精励の順であった.以上から,鉄道や農業などの雪対策において,地域住民や児童生徒の勤労奉仕が賞賛されているパターンのものが多く,雪の記事は当時の社会状況を強く反映していることがわかった.また,本報告の解析方法により今の雪問題の議論との接点ができた.

1 0 0 0 中国四国

著者
森本孝編
出版者
農山漁村文化協会
巻号頁・発行日
2011
著者
森戸 直美 西宮 肇 都築 和代
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.161, pp.19-27, 2010-08-05
被引用文献数
1

冷房の気流が睡眠に及ぼす影響について明らかにする目的で,被験者実験を実施した。比較したのは、エアコンの風を感じにくくするために開発した天井設置型冷房システム(天井冷房)と一般的な壁取り付け型エアコン(エアコン冷房)の2条件である。いずれの条件とも、実験室内の平均温度が26℃になるように制御した。実験用戸建住宅内の2実験室を使って10名の健康な青年男子を被験者とした。被験者近傍における実測の平均値は、天井冷房条件は温度26.4℃、相対湿度53%、平均放射温度26.1℃、風速0.04m/s、PMV-0.25、エアコン冷房条件は同じく26.4℃、58%、26.3℃、0.14m/s、-0.30であった。天井冷房の方が、風速は小さく(躯幹部位置で最大風速0.3m/s、エアコン冷房では1.1m/s)、かつ、送風頻度(冷風が吹き出す頻度)も少なくなった(8時間あたり11回、エアコン冷房では28回)。平均皮膚温や快適感、睡眠段階毎の総時間には2条件間で有意な差は認められなかったが、エアコン冷房の方で風を感じており、温冷感でやや寒いという申告であった。送風時においての比較では、エアコン冷房の方で皮膚温低下度が額や腕など露出部位において有意に大きくなり、覚醒、心拍数の上昇、ならびに、体動の回数が有意に多くなった。これらの結果は、エアコン冷房の方が冷刺激となり睡眠を阻害する可能性があり、天井冷房の方が睡眠に適していたことを示唆している。
著者
宮川 洋一 森山 潤 松浦 正史
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.139-150, 2008

<p>The purpose of this study is to obtain basic data that are useful for future study guidance by examining problem solving process and knowledge structure in Event Driven Type of programming. We examined the relation between knowledge structure that investigated it by 'Card Sorting' and problem solving process that was obtained by 'Problem solving process scale in event driven type of programming'. As a result, the next point became clear. 1) 'Control structure' and 'Utilization of the object' of knowledge structure are exerting the influence on problem solving. 2) The structure of excellent knowledge is useful for the process of 'Planning and Realization of the plan', 'Action check', 'Modification of the error' in processing procedure of programming. 3) The difference is not admitted in logic error and structure error search process by the standard of knowledge structure.</p>
著者
山本 晴彦 大槻 恭一 森永 邦久 宮本 久美
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、高糖系温州のマルチ栽培において、連年安定・高品質果実生産を実現するため、樹体・土壌水分環境と樹体光環境を迅速に計測するシステムを開発し、両環境の制御により水分ストレスを抑制して、好適な光環境下で高品質果実生産を実現できる技術を構築することを目的としている。土壌水分および樹体水分の計測法の開発においては、市販されているセンサを用いて炉乾燥法と併用して安価で迅速に計測できるセンサを選定した。半楕円モデルより算出した樹体体積を乗して得られた樹体総葉面積と実測による樹体総葉面積には非常に高い相関(r=0.897)が得られ、PCA(プラント・キャノピー・アナライザー)のほぼ10分の1の十数万円の魚眼レンズ付きデジタルカメラを用いて、樹体総葉面積を高精度かつ非接触・非破壊で推定可能な技術を開発した。また、最新の樹木蒸散流の計測手法であるグラニエ法を用いて、白色マルチ栽培下における土壌水分およびカンキツ樹体の蒸散流計測を試みた結果、蒸散流速度は日射量に追随して推移する傾向を示し、白色シートマルチの降雨遮断による土壌乾燥が、樹体に乾燥ストレスを与えて蒸散流速度を低下させることを明らかにした。さらに、近赤外分光解析装置を用いて、カンキツ個葉の水分状態を非破壊で推定する手法と推定精度について検討した。土壌の水分状態、日射・気温・湿度などの気象条件により変動する葉内水分ポテンシャルの範囲内において、全測定波長1,061個(1300〜2400nm)を使用した場合の8主成分のPLS回帰式は、重相関係数R=0.817、予想標準偏差SEP=0.300MPa、残差の平均値Bias=0.004MPaの高い予測精度が得られた。このことから、近赤外分光法を用いてカンキツ葉の葉内水分ポテンシャルを非破壊的かつ迅速で推定が可能であることが明らかになった。
著者
森下 正康
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13425331)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.33-41, 2006-02-28

本研究の目的は、幼児について、父母のどのような態度パターンにおいてどのようなモデリングが生じているかを明らかにすることであった。そのために、次のような仮説を立てた。仮説1.受容的な態度や統制のゆるやかな態度を示す親に対して、向社会的行動のモデリングが生じるだろう。仮説2.その反対に、拒否的な態度や統制的な態度を示す親に対しては、攻撃行動のモデリングが生じるだろう。仮説3.リーダーシップを持つ親に対して、向社会的行動や攻撃行動のモデリングが生じるだろう。これらの仮説を検証するために、3,4,5歳児の父親と母親に対して、子どもおよび自分自身について向社会性と攻撃性に関する評定と養育態度に関する評定を求めた。また、幼稚園の担任教師に対して子どもの向社会性と攻撃行動に関する評定を求めた。すべてのデータがそろった244組について分析した。モデリングの指標としての親子間の相関(類似性)と父母の態度パターンとの関連を検討したところ、子どもについて父親母親の評定に共通する次のような結果が得られた。(1)男児について、父親が統制的で母親が統制のゆるやかなパターンの場合、男児の向社会性得点と母親の向社会性得点との間に有意な正の相関があった。また、父母のリーダーシップが共に高い場合、男児の向社会性の特徴は母親の向社会性の特徴と類似していた。(2)女児について、父母共に受容的な場合、女児の向社会性の特徴は父親の高い向社会性の特徴と類似していた。(3)父母共に統制的な場合、男児の攻撃性の特徴は母親の攻撃性の特徴と類似し、全般に高い攻撃性を示していた。また、父親の方がリーダーシップをもつ場合、男児の攻撃性の特徴は母親の攻撃性の特徴と類似していた。以上、部分的に仮説1. 2が支持されたが、仮説3は反対の結果もあった。また、向社会性にしても攻撃性にしても男児は母親を向社会性および攻撃性のモデリング対象としているのに対して、女児は父親を向社会性のモデリング対象としている可能性があるということが示唆された。
著者
青森地方気象台
出版者
気象庁
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-02-04
著者
南石 晃明 木南 章 伊東 正一 吉田 泰治 福田 晋 矢部 光保 堀田 和彦 前田 幸嗣 豊 智行 新開 章司 甲斐 諭 樋口 昭則 石井 博昭 松下 秀介 伊藤 健 亀屋 隆志 八木 洋憲 森高 正博 多田 稔 土田 志郎 後藤 一寿 佐藤 正衛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食料・農業・環境に関わる諸問題は,相互に密接に関連しており,その根底には「リスク」が深く関与している.このため,食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には,「リスク」に対する理解が不可欠である.食料・農業・環境に潜むリスクには,どのようなものがあり,それらはどのように関連しており,さらにどのような対応が可能なのか?本研究では,学際的かつ国際的な視点からこれらの点について明らかにした.
著者
森本 善樹 土江 松美
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

生物の二次代謝産物である生物活性天然有機化合物トリテルペンポリエーテルとアルカロイドの分子科学的研究を進展させるために、それらの化学合成研究を行った。その結果、オマエザキアノールの不斉全合成による全立体構造の決定、イソデヒドロチルシフェロールの化学合成法の開発、テウリレンとエケベリンD4の仮想生合成様オキサ環化反応の化学的再現に成功した。またハウアミンBのインデノテトラヒドロピリジン骨格の効率的合成を達成した。
著者
福嶋 慶繁 出口 大輔 目加田 慶人 森 健策 村瀬 洋 鳥脇 純一郎 野口 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.91, pp.29-34, 2004-05-21
参考文献数
5

本稿では,前立腺摘出標本画像を用いた前立腺針生検シミュレーション結果と,従来行ってきたX線CT像へ仮想的な病変を埋め込んだ場合の生検結果との比較を行う.前立腺針生検とは,前立腺に生検針を刺し組織を採取する組織診断法である.前立腺針生検では,病変組織を確実に採取しかつ患者への負担の少ない生検手法が求められる.そこで,101症例の前立腺摘出標本画像から作成した仮想前立腺に対して針生検シュミレーションを行い生検手法の評価を行う.利用した前立腺摘出標本は3mm間隔でスライスされた前立腺の断面画像に対し医師が病変部を示したものであり,その断面画像より前立腺を再構成したものが仮想前立腺である.作成した仮想前立腺に対して仮想針生検を行い,各生検手法の病変検出率と病変採取体積を評価した.実験の結果,病変検出率は,従来のX線CT像を用いた結果との相関値が0.77と非常に強い正の相関があり,X線CT像に対して仮想的に病変を発生させた仮想前立腺の有効性を確認した.
著者
松本 明 森嶋 厚行 北川 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.67, pp.83-90, 2002-07-18

既存のXML問合せ言語や操作系では,ユーザはテキストエディタや視覚的操作系を用いて問合せを直接記述する.我々はこれらとは全く異なるアプローチのXML操作系であるXLearnerの研究開発を行っている.XLearnerは,サンプルのXML要素に対するユーザの例示操作からシステムがXQuery問合せを推論する.構造化データであるRDB等と異なり,例示操作に基づくXQuery問合せ推論は自明ではない.XLearnerはXQuery問合せに対するシステマティックな推論機構を提供する.XLearnerを用いた問合せ推論過程では,ユーザとシステムのインタラクションが必要となる.本稿では,本推論機構の概要,および,問合せ推論に必要なインタラクション数に関する実験結果について報告する.Existing XML query languages are textual or graphical languages in which we can specify queries for XML manipulation. This paper explains XLearner, a different kind of manipulation framework for XML. XLearner infers XQuery queries based on operations of sample XML elements. Inferring queries for XML is a non-trivial task, because XML is a kind of semistructured data, in contrast to relational databases whose data structure is completely regular. XLearner gives a systematic way to infer XQuery queries. The algorithm requires interactions between the system and the users. The paper reports an overview of its inference mechanism and experimental results on the number of required interactions.
著者
大森 弘喜
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
no.190, pp.1-59, 2010-11
著者
田中 弘美 平井 慎一 陳 延偉 田中 覚 島田 伸敬 森川 茂廣 来見 良誠 山口 哲 小森 優
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

触覚情報が重要な遠隔協働タスクとして医療分野における低侵襲手術訓練を想定し,触覚フィードバックによる遠隔実地訓練を可能にする遠隔協働型超臨場感仮想環境を実現した.そのために,(1) マイクロセンサを用いた内部センシングに基づく,生体軟組織等の非一様変形パラメータ群推定法,(2) オンラインリメッシュ型インタラクティブ柔軟物シミュレーションの実装と高速化法,(3) 腫瘍や血管などの微細構造の変形と連動させた大規模ボリュームデータの可視化法を確立し,(4)遠隔3地点間で低侵襲胆嚢摘出手術と穿刺手術訓練が可能となるボリュームベース遠隔触覚協働環境システムのプロトタイプの実現し,検証実験により有効性を実証した.