著者
戸田 賢二 森川 治 森本 智之 萩本 有哉 内田 裕之 引地 信之 日比 康守 松本 祐教
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.33, pp.1-6, 2012-02-24

ヘテロジニアス・マルチコア技術により Android 機器を高速・省電力化する Ultra-Android プラットフォーム開発プロジェクトの一環として,その性能評価システムを開発した.本システムは,独自開発の FPGA 基板を用い,Ultra-Android を実装する FPGA 基板と AMBA バスで接続を行い,Ultra-Android 側のイベント処理時間を測定したり,Ultra-Android に予め設定したタイミングで入力を行いそのレスポンス時間を測定するなどの機能を有するものである.プロセッサ基板側は殆ど測定の影響を受けずに正確なタイミングデータを計測することができ,Ultra-Android の実時間性能を含めた性能改善に役立つことが期待される.A performance evaluation system for Ultra-Android platform ,which achieves high performance and less energy consuming android apparatus by using heterogeneous multi-core technology, has developed. The evaluation system is implemented on our originally developed FPGA board and connected with another FPGA board where Ultra-Android runs ia AMBA bus. The system is capable of measuring event processing times and response times to pre-defined key-input-sequences. Since software on the microprocessor board is not affected by the measuring and provides precise timing data, performance improvement, in particular real-time performance, is enhanced.
著者
津森 登志子
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

メラノコルチン4受容体(MC4R)がキイロールを果たすとされる中枢レプチン・メラノコルチン情報伝達系は、摂食行動やエネルギー消費のみならず、血糖値やインスリンの恒常性にも重要な役割を担っている。MC4Rプロモーターの支配下に緑色蛍光蛋白を発現する遺伝子導入マウスを用いて、研究代表者らは迷走神経背側運動核 (DMV) が多数のMC4R発現ニューロンを含むこと、またこれらのニューロンの中に胃や十二指腸の壁内神経節あるいは膵内神経節のニューロンにシナプス形成するものを見いだした。これらのことから、MC4R発現 DMV ニューロンからの投射線維は胃腸や膵臓の機能調節に密接に関与することが示唆された。
著者
野田 公俊 盛永 直子 桑原 聡 清水 健 森 雅裕 盛永 直子 桑原 聡 清水 健 森 雅裕
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

蛍光色素で標識した精製SubABを作製した.この毒素の標的臓器は上部消化管であると推察された.臨床分離株大腸菌におけるSubAB産生株の出現頻度について解析した.使用したEHEC29株中、全株がStxを産生しており、2株だけがsubAB遺伝子を保有し、かつSubAB毒素を産生してた.SubAB産生株を効率良く迅速に検出するためのキット作製には、SubAB毒素の特異的酵素活性による検出法が有効と結論された.
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 神宮 純江 南部 由美子 新谷 早苗
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.197-202, 1981
被引用文献数
2

福岡市博多保健所において昭和50年度から同54年度までの間に実施された3歳児歯科健診時の各種資料を基に, 同期間における3歳児健診受診状況ならびにう蝕罹患状況の推移, さらには, 保育環境および保健所の実施した母子保健活動とう蝕罹患状況との関連を検討した。健診受診率およびf歯率ほこの期間毎年有意に増加し, う蝕罹患者率および一人平均df歯数は有意に減少した。なお, う蝕罹患型別罹患者率については有意な増減は認められなかった。<BR>昭和54年度においては, 被健診児が第1子である方が第2子以下よりう蝕罹患者率が有意に低率であり, また, f歯串は保育園非就園児が就園児より, そして祖父母と同居している方が核家族より有意に高率であった。<BR>また, 同保健所管内で保健所が行なう母子保健活動の度合は異なった地区別のう蝕罹患状況の変化を昭和50年と54年について比較すると, う蝕罹患者率および一人平均df歯数はそれぞれ母子保健が推進された地区においてより高い改善傾向がみられた。
著者
川越 保徳 森村 茂
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

温度や塩分濃度の変化に迅速柔軟に対応できる“淡水-海水コラボレートAnammox 培養系”を構築し,窒素除去特性と細菌群集構造を明らかにした。淡水性と海洋性Anammox細菌の両培養物を反応槽に接種し,淡水,海水,および中間的な培養条件にて連続培養を実施し,全条件下で約5日間以内にAnammox反応特有のNH4-NとNO2-Nの同時除去を確認し,その後0.1g/L/dの窒素容積負荷で安定した窒素除去能を認めた。また,淡水と海水の中間的条件での連絡培養物では,淡水性Anammox細菌と海洋性Anammox細菌の存在比が1:30となり,培養条件の違いによって細菌叢が変化することが明らかになった。
著者
前田 吉昭 森吉 仁志 伊藤 雄二 藤原 耕二
出版者
慶応義塾大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

1997年から1998年にかけては,次の研究テーマを主題に行なった.(1) 4次元空間のYang-Mills gradient flowと3次元空間のYang-Mills-Higgs gradient flowの研究.(2) 変形量子化問題と非可環幾何学(3) 無限次元空間における無限次元リー群の作用によるオービットの幾何学的性質(1)については,4次元コンパクト多様体のYang-Mills qradient flowについて,チャーン数に近い初期データを与えることでその滑らかな解が大域的に存在することを示した.また,3次元空間のYang-Mills-Higgs qradient flowについては,その弱大域解の存在を与えられることがわかった.(2)については,特に接触多様体の変形量子化問題とそのレダクションの方法について研究を行なった.(3)についてはコンパクト多様体のリーマン計量の空間に作用する微分同型群(無限次元リー群)のオービットに対する平均曲率の定式化とその応用について研究を行なった.これらの研究は萌芽研究として申請した,非可換微分幾何学の構築において基礎となる成果をあげることができた.そして,その成果はこの2年間の間に行なわれた,国内の研究集会,国際研究集会で発表や討議を行ない,これから先に非可換微分幾何学の展開に向けて,大きな成果をあげた.さらなる成果は,近い将来に出版される予定である.
著者
森 雄兒
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.13, pp.5-8, 1996

日用品の素材を組み合わせて, 5分ほどで液体窒素の霧箱を作ることができる。この霧箱では, 熟練を要せず簡単にα線の飛跡を見ることができる。またアルコールの量を増やすと, β線, 陽電子, コンプトン散乱などの飛跡もみることができる。
著者
森 一樹 木下 大輔 古宮 誠一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.3, pp.437-446, 2012-03-01

筆者らは,ソフトウェア開発プロジェクトの開発計画(スケジュールと開発を担当する要員の割当の)案を自動的に立案するシステムを研究開発してきた.工程遅延が発生した場合に,これまでは,クラッシングやファーストトラッキングに基づく対策案(工程遅延を回復できるような開発計画案)を自動立案する仕組みを研究してきた.工程遅延の回復方法には,クラッシングやファーストトラッキング以外に休日出勤による方法が挙げられる.これまでのシステムでは,休日を要員割当処理上の制約としては捉えず,全ての休日を単に割当不可能な日とみなし,非明示的に(つまり,アプリケーション上,変更不可能な対象として)扱っていただけであったが,この論文では休日を『要員割り当て対象日に関する制約』として捉え,原則として要員割当ができない日として,明示的に(つまり,アプリケーション上,変更可能な対象として)扱う.しかし,ユーザが指定したいくつかの工程のみは,休日も要員割当可能な日として扱う.これにより,特定の工程のみは休日にも要員を割り当てるような対策案を自動立案するとともに,提案した仕組みの有効性を検証している.
著者
五ノ井 あずさ 森谷 友昭 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.14, pp.61-64, 2011-03-04

近年,拡張現実感が注目されている.本研究では,拡張現実感を用いたゲームを制作することを目的とし,ゲームをより面白くするために,3Dオブジェクトを表示する際に用いるマーカそのものに着目し,新しいマーカを提案する.基本となるマーカを参考に,拡張された新しいマーカを複数考案し,認識実験とアンケート調査を行い,実用性を評価した.またARマーカを用いて,現実環境の中で遊ぶことができるAR脱出ゲームを制作した.これにより,コンピュータゲームである脱出ゲームと拡張現実感を組み合わせた新しいゲームが可能になった.
著者
高橋 満 石井山 竜平 広森 直子 笹原 恵 槇石 多希子 朝岡 幸彦 千葉 悦子 大高 研道 宮崎 隆志 松本 大
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本の社会教育制度は、福祉国家的な施策として制度化がすすめられてきた。しかしながら、この制度や管理運営の在り方は、経済のグローバル化や、これへの政策的応答としての自由主義的改革のもとで機能不全に陥っている。本研究では、これに対して、ソーシャルガバナンスという「パートナーシップ型の統治」モデルを提案している。それは、行政とともに市場やNPOなどの多様な主体がステークフォルダーとして独自な役割を果たすものとして参入し、新しい公共性をつくりあげるものである。
著者
森 博明 北田 敏廣
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.352-375, 1999-09-10
被引用文献数
4

濃尾平野およびその周辺地域において, 大気環境が悪化する場合の気象条件を明らかにするため, 1985・1986年度における大気常時監視測定局73局の日平均値, 日最大値(NO_2,NO_x, O_x, SO_2,SPM)を基に, 年間を通しての高濃度日の出現状況とその時の気象条件について統計解析を行った。その結果, 月別ではO_xを除き, 高濃度日は寒候期(10〜3月)に多く出現したが, 特にNO_xの場合はその傾向が顕著であり, 11〜1月の3か月に高濃度日の7〜8割が集中していた。また, 高濃度日の気象条件を集約すると7類型に分類できたが, このうち, NO_2の場合は曇・雨天弱風型が45%強を占め, これに続いて晴天弱風型と晴天→曇・雨天移行弱風型がそれぞれ20%前後を示したのに対し, NO_xでは晴天弱風型が50%前後, 曇・雨天弱風型が30〜40%を占め, 両者の出現傾向には相違が見られた。また, O_xの高濃度日は, 暖候期の広域海陸風型が約9割(日最大値)を占め, 前駆物質の主要発生源が位置する臨海部を風上として吹く海風との強い関連が認められたが, 日平均値については名古屋南部や尾張西部を中心に, 春季に成層圏オゾンの影響と考えられる晴天北西風型でもしばしば高濃度を示した。このほか, SO_2は晴天弱風型と曇・雨天弱風型で高濃度日の50〜60%を占めたが, 暖候期の海陸風型も20〜30%見られた。また, SPMは全域では曇・雨天弱風型が50〜60%を占めたが, ただし, 岐阜については, 海陸風型の出現率が他地域よりも高いことから, 名古屋地域からの移流汚染の可能性が示唆された。このように, O_xを除く4物質については, 全般に寒候期の晴天弱風型と曇・雨天弱風型において高濃度が多く出現したことから, これらの2つの型について, 高層気象観測結果等を基に, 気流および気温の鉛直構造と濃度の日変化を比較・検討した。その結果, 晴天弱風型では, 概ね21〜23時頃にかけて, 周辺の地形特性に基づく局地風系の切り替え(西よりの風→北又は東よりの風)に伴い生じる静穏〜微風状態と, 接地逆転の発達(最大で地上約300m)により高濃度のピークを生じることが明らかになった。
著者
森 浩太 陳 國梁 崔 允禎 澤田 康幸 菅野 早紀
出版者
日本経済国際共同センター
巻号頁・発行日
2008-12

本稿は、日本における自死遺族の数の推計を試みる。自殺者の家族構成・親族関係に関する統計情報は存在していないため、本稿では日本の平均的な数値を基づいて推計を行う。主な結果としては、現在の日本では自殺者一人当たり5 人弱の遺族が存在するということ、現在日本には自死遺児(親を自殺で失った未成年者)の数はおよそ9 万人存在するということ、そして現在日本に存在する自死遺族全体の人数はおよそ300 万人であるということの3 点が挙げられる。
著者
川端 秀明 磯原 隆将 竹森 敬祐 窪田 歩
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2011-CSEC-53, no.3, pp.1-6, 2011-05-05

Android OS の特徴として,利便性の高いアプリケーション (以下,アプリ) を実現するパーミッションという機構があり,アプリケーションのインストール時にユーザが承認することで,端末の情報や機能へのアクセス権を制御している.また,アプリの可用性の向上のために web 機能をアプリに内包する webkit を搭載している.これを用いることで,Android アプリと HTML,CSS,JavaScript など Web アプリとを柔軟に連携できる.しかし,webkit を利用したアプリが,外部サーバから JavaScript を受け取り実行した場合,アプリに与えられたパーミッションの範囲で実行される脅威がある.要するに,アプリ単体では不正な動作をしないが,後から送り込まれた悪意の JavaScript によって端末を操作されてしまう.そこで本研究では,アプリの静的解析により得られるコードの特徴から,後から送り込まれる JavaScript の機能を把握し,潜在的な脅威を推定する手法を提案する.これはアプリの実行コードの逆コンパイルによるコード解析であり,外部サーバの JavaScript から呼び出されるメソッドを特定することで,情報漏洩や端末の不正操作を推定する.