著者
土江田 奈留美 中川 有加 土屋 円香 永森 久美子 小林 紀子 堀内 成子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.33, pp.85-92, 2007-03

本稿は,聖路加看護大学看護実践開発研究センター主催,日本助産学会東京支部中央区分会の後援により2004年9月に開設した,ルカ子母乳育児相談室の2年間の事業報告である。本事業の主な内容は,病院,助産院などで勤務経験がある助産師で,大学院生と教員による,地域での母乳育児支援である。毎週金曜日に来室相談および随時訪問相談を行っており,2年間での総相談者は母児54組,総相談件数は289件であった。そして,主な相談内容は,「母乳分泌量の不足」「乳房のトラブル」「断乳・卒乳」「吸わせ方や抱き方」「哺乳拒否」であった。また,利用者の感想は,「不安が解消された」「子育てに自信がついた」「また利用したい」などであった。そして今後のルカ子母乳相談室の役割として,以下の3点を継続,拡大していきたいと考えている。1.授乳期全期にわたり悩みが尽きない母親たちの支援を行う場2.資源が少ない地域への貢献の可能性3.病院だけでは補いきれない育児支援を継続していく場
著者
城間 直司 石川 哲史 井上 康介 福岡 泰宏 森 善一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.763, pp.619-626, 2010-03-25

Autonomous control of an articulated steering type vehicle such as a wheel loader, which is usually used at surface mining fields to load mineral resources and rocks, is highly expected for operation cost reduction. A wheel loader is one of heavy machines which is also used for snow removing and/or loading operation at construction fields because of its high mobility. Its steering system is articulated steering and the rear wheels follow tracks where the front wheels have traveled. We have introduced a new virtual velocity constraint of the vehicle and formulated nonlinear state equations using two velocity constraints. A nonlinear state-feedback controller is designed using exact linearization. Simulation and experimental results show that an articulated steering type vehicle can follow a straight line with the proposed feedback control method.
著者
阿部 なつ江 馬場 聖至 荒井 章司 富士原 敏也 杉岡 裕子 鈴木 勝彦 山野 誠 平野 直人 中西 正男 道林 克禎 石川 正弘 町田 嗣樹 志藤 あずさ 伊藤 亜妃 仙田 量子 水上 知之 清水 健二 森下 知晃
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

海洋プレートの非活動域に発見された新種の火山「プチスポット火山」海域において、地球物理学的・地質学的調査および岩石試料採取を実施してきた。同試料・データは、東北沖日本海溝に沈み込む前の海洋プレートそのものであり、陸側プレートに与える影響や島弧における火山および地震活動を評価する上で、重要な試料・データをもとに、海洋プレートとその下のマントル構造について総合的な研究・調査を行った。
著者
松岡 達雄 大附 克年 森 岳至 古井 貞煕 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2125-2131, 1996-12-25
被引用文献数
39

近年,大語い連続音声認識の研究がアメリカ英語,イギリス英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語などを対象に新聞記事を用いて盛んに行われている.しかしながら,日本語を対象とした,これに類する研究については報告がない.これは,主に,日本語が単語間にスペースなどのデリミタをおくことなく書かれるため,大語い連続音声認識において重要な役割を果たす単語N-gramなどの言語モデルの導入が容易でないためと考えられる.我々は,日本語新聞記事を対象として大語い連続音声認識の研究を進めている.単語N-gramを言語モデルとして用いるため,テキストを形態素解析することにより形態素(単語)にセグメンテーションした.形態素を単語と定義し,約5年分の新聞記事を用いて単語N-gram言語モデルを推定した.認識システムを評価するため,音声データベースを設計し,54名の話者の各100文ずつの音声データを収録した.この音声データベースの最初の10名の音声を用いて大語い連続音声認識の実験を行った.7 kの語いサイズに対して,no-grammar言語モデル,音素文脈独立音響モデルを用いた場合には単語誤り率が82.8%であった.単語bigram言語モデルと音素文脈依存音響モデルを用いることにより単語誤り率が20.0%に改善された.
著者
疇地 宏 藤岡 慎介 重森 啓介 村上 匡克 長友 英夫 中井 光男 白神 宏之 乗松 孝好 門野 敏彦 藤田 尚徳 長井 圭治 萩行 正憲
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は衝撃点火方式によるレーザー核融合の原理実証を行うものである。この原理を実証するためにはレーザー核融合用の燃料の一部を5g/ cm^3まで圧縮しながら1000km/ sまでの高速に加速できなければならない。第一に、米国海軍研究所のNIKEレーザーを用いて、燃料片を1000km/ sまで加速するという目標を達成した。また圧縮しながら加速するという実験にも成功し、大阪大学激光XII号で0. 5-0. 7g/ cm^3で、370km/ sまでの加速に成功した
著者
森島 圭祐 古川 勇二 吉田 真
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

燃料電池の燃料として,バイオマスから生産されるバイオ燃料や,生物の生体触媒機能によって生産されるエネルギーを利用することで,化石燃料に依存しない発電が可能となる.このような,生体エネルギー変換機能に依存したバイオ燃料電池は,地球環境に対する適合性が高く,研究開発が盛んに行われている.本研究では,光合成細菌であるシアノバクテリアを燃料とし,その代謝反応において生産される還元物質を,導電性高分子であるポリアニリンによって細胞内から直接抽出ることで発電する,直接光合成型バイオフューエルセル(Direct Photosynthetic Bacteria Fuel Cell:DPBFC)を開発してきた.しかし,シアノバクテリア自体の還元物質生産能力が低いため,電池出力は5.3μW/cm2と低く,細胞内から還元物質が抽出されるため,細菌活性も著しく低下し,電池寿命は約2時間と短い.そこで,有機酸を炭素源として代謝を行い,遺伝子操作によって還元物質生産能力を制御することができる紅色光合成細菌Rhodopseudomonas palustrisを新たな燃料として選定し,遺伝子操作による還元物質生産能力の向上によって,DPBFCの出力向上を図った.その結果,遺伝子操作によって,細胞内での還元物質生産能力を向上させた電子蓄積型R.palustrisを使用した際、出力を向上させることができた.また,有機酸を炭素源としていることから,その供給による細菌活性の維持によってDPBFCの長寿命化を図った.有機酸の供給方法には,蒸発現象と吸水性ポリマーの吸水力による流体駆動方法を提案し,外部ポンプを用いることなく,最大流量32nl/minを得ることが出来た.この供給方法を用いた培地還流型DPBFCを試作し,電子蓄積型R.palustisを燃料として使用した結果,12時間以上の発電を確認することが出来た.さらに,試作した薄型DPBFCは、従来型の3分の1程度に厚みを減少させることに成功し,その出力が57μWと従来 のフレキシブルDPBFCとほぼ同等であることを確認した.
著者
鈴森 康一 神田 岳文 脇元 修一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

これまでの多くの機構(メカニズム)では、硬い材料が用いられていた。本研究では柔らかいゴム材料のみで構成され、かつ機能性を有する新たなマイクロメカニズムの開発に関して基盤技術の構築と実際のメカニズムの具現化という2つの側面から実施した。基盤技術として、高精度なゴムの成型法や接着法を確立し、機能性ラバーシート、内視鏡用アクチュエータ、マイクロチェックバルブ、大湾曲アクチュエータといった新たなメカニズムを実現した。
著者
高橋 昌彦 川平 敏文 勝又 基 山田 洋嗣 亀井 森
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

台湾大学図書館に残る幕末の国学者長沢伴雄の旧蔵本・長沢文庫のすべてについて調査を行い、これまで以上に正確で詳細なデータを作成した。近年中、目録として刊行予定である。また、文庫中に残る伴雄の和歌和文集『絡石の落葉』の翻字を行い、刊行した。同じく、伴雄や同時代を理解するのに重要な日記について調査を行い、翻字作業にとりかかっている。こちらは出版計画中である。何よりも、和本に関する知識の供与などにより、台湾大学図書館との信頼関係を築くことができた。
著者
高橋 伸弥 森元 逞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.204, pp.55-59, 2005-07-16

従来の音声認識では、咳やくしゃみ、あくびのような非言語音または非音声音は、誤認識を引き起こす雑音として扱われて来た。しかし、自然な音声対話を実現する場合、このような音情報も積極的に利用すべきである。このような非言語音声を検出する方法としては、対象音の音響信号的な特徴を用いた信号処理的アプローチや、対象音から学習したHMMを用いる音声認識的アプローチなどがあるが、対象音の多様性に対処するためには、いずれも多量のデータが必要となる。そこで本研究では、対象となる非言語音声を音素系列で近似表現した疑似単語モデルを提案する。このモデルは、音素認識の結果得られる音素系列をクラスタリングし、上位クラスターの中心となる音素列パターンを非言語音声の近似的な発音とするというものである。提案手法の有効性を確認するために、咳及び咳払いを対象として、音声認識実験を行い、咳/咳払いの波形を学習データとしたHMMを用いる手法と比較して、認識正解率、認識精度が改善されることを示した。
著者
高橋 伸弥 森元 逞
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.73, pp.135-139, 2005-07-23
被引用文献数
4

従来の音声認識では、咳やくしゃみ、あくびのような非言語音または非音声音は、誤認識を引き起こす雑音として扱われて来た。しかし、自然な音声対話を実現する場合、このような音情報も積極的に利用すべきである。このような非言語音声を検出する方法としては、対象音の音響信号的な特徴を用いた信号処理的アプローチや、対象音から学習したHMMを用いる音声認識的アプローチなどがあるが、対象音の多様性に対処するためには、いずれも多量のデータが必要となる。そこで本研究では、対象となる非言語音声を音素系列で近似表現した擬似単語モデルを提案する。このモデルは、音素認識の結果得られる音素系列をクラスタリングし、上位クラスターの中心となる音素列パターンを非言語音声の近似的な発音とするというものである。提案手法の有効性を確認するために、咳及び咳払いを対象として、音声認識実験を行い、咳/咳払いの波形を学習データとしたHMMを用いる手法と比較して、認識正解率、認識精度が改善されることを示した。This paper proposes imitated word models that represent non-verbal sounds,especially cough sounds here,as phoneme sequences. In conventional speech recognition systems,non-verbal sounds,so-called human noises,are processed as burden noises that cause mis-recognition. Non-verbal sounds are,however,important information to know user`s physical and psychological condition. In particular,coughing is one of the most important barometers of daily health check,so we propose an approach to cough sounds from user utterances using the imitated word models constructed by clustering of phoneme sequences obtained in phoneme recognition. The experimental results show that this approach can improve the correct rates and the accuracies for words and coughs compared with the approach using HMM constructed from cough waveforms.
著者
森 道子
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.A93-A107, 2003

Where Angels Fear to Tread と『雪国』とは、海外旅行と国内旅行という違いはあるが、ともに鉄道による旅行小説である。特に注目したいのは両者におけるトンネルの効果的な活用である。旅人である主人公に密着した三人称の語り手が故郷と正反対の、ユートピア性をもつ旅先の土地での事件と徒労を描写する。タイトルに暗示されるように登場人物の間に浄化作用が、宗教的かつ神話的に働くことや、異郷の情景描写など具体的な旅行の魅力を存分に備えながら、旅先で起きる死によって旅とは人生であり、その行く先は死であるのを象徴することなどの共通点を探り、二作品を比較対照した。