著者
江崎 治 窄野 昌信 三宅 吉博 三戸 夏子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.69-83, 2005-04-10
参考文献数
83
被引用文献数
2 2

日本人の食事摂取基準 (2005年版) のコレステロールに関する基本的考え方を解説した。至適コレステロール摂取量は, 疾病の罹患率, 死亡率が低くなるように, 今までの大規模観察研究や介入研究の報告を基に, 日本人のコレステロール摂取量を考慮して設定されるべきである。食事性コレステロール摂取量は血中コレステロール値に一般的には大きな影響を与えないが, 個人差があり, 欧米人に比べ, 肥満が少なく, 飽和脂肪酸摂取量の少ない日本人では, 食事性コレステロールによる血中コレステロール値の影響が欧米人に比べ, 大きい可能性がある。日本人も欧米人と同様, 血中総コレステロール値が高くても, 低くても死亡率は増加する。血中総コレステロール高値による死亡率増加はLDL-コレステロール値増加によって生じる動脈硬化が主因と考えられるが, 血中総コレステロール低値による死亡率増加は, 基盤にある消耗性疾患 (がん, 呼吸器疾患, 貧血, 感染症等) が原因と考えられる。観察研究では, 食事性コレステロール摂取量と総死亡率, 虚血性心疾患発症率, 脳卒中発症率との関連は認められていない。しかし, 日本人高齢者の糖尿病罹患率はこの5年間で増加しているため, 今後血中コレステロール値が増加すると, 糖尿病等の動脈硬化性疾患の危険因子をもった人では, 動脈硬化性疾患が増加する可能性が高い。また, 食事性コレステロール摂取量は肺がん, 消化器がん (膵臓がんや大腸/直腸がん) と正の関連を示す報告がある。以上の結果から, 多量のコレステロール摂取は好ましくなく, 成人ではコンステロール摂取量の上限値設定が必要と考えられた。
著者
安田 宣紘 江崎 健二郎 阿久沢 正夫 伊沢 雅子 土肥 昭夫 阪口 法明 鑪 雅哉
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1069-1073, 1994-12-15
被引用文献数
4

事故死したそれぞれ2頭のイリオモテヤマネコ(Felis iriomotensis)とツシマヤマネコ(Felis bengalensis euptilura)に寄生する蠕虫について検査した. イリオモテヤマネコからは Spirometra erinacei, Toxocara cati, Molineus springsmithi, Uncinaria maya, Capillaria aerophila, C. felis-cati, 肺に寄生する所属不明の線虫子虫, Acanthocephala 1種の計8種が検出された. ツシマヤマネコからは Pharyngostomum cordatum,Spirometra erinacei, Toxocara cati, Molineus springsmithi, Arthrostoma hunanensis, Uncinaria felidis, Capil-laria felis-cati, 肺に寄生している所属不明の線虫子虫, Acanthocephala 2種の計10種が検出された.

1 0 0 0 OA 年譜と一覧

著者
磐瀬 太郎 江崎 悌三
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, 1957-09-25
著者
後藤 久貴 宮副 誠司 江崎 宏典 松本 武浩 八橋 弘 井上 長三 古賀 満明 矢野 右人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.701-703, 1999-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

症例は32歳,女性.発熱,両側季肋部痛を呈し来院,炎症所見以外に腹部エコー, CT等の画像検査では腹痛の原因を確認できなかったが,腹腔鏡検査にて肝周囲に典型的なviolin-string状の線維性癒着を認め,腹痛は,既往歴と併せ,クラミジア肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)によるものと診断した.癒着の切離にて腹痛は消失,診断,治療に腹腔鏡が有効であった.クラミジア感染症の増加に伴い,腹痛の原因疾患としての本症に対する認織は重要となると考え報告した.
著者
江崎 玲於奈
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1959

博士論文
著者
浅見 徹 江崎 浩 関谷 勇司 斎藤 賢爾 山下 達也 岩浪 剛太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.809-814, 2012-09-01
参考文献数
5

本稿は平成23年12月に解散したネットワーク高度利用推進協議会の活動報告である.平成19年8月, Winnyに代表されるP2P (Peer to Peer)技術による著作権侵害や情報漏えいによる通信業界の混乱と,それによる商用P2Pサービスの立ち遅れが目立った日本の事情を鑑み, P2Pネットワーク実験協議会が設立され,キャッシュ技術全般に対象を拡大したネットワーク高度利用推進協議会に発展し,後述するヒントサーバ実験や標準化活動, P2Pガイドラインの制定,優良P2Pの認定等普及啓発活動を行った.第171回通常国会で著作権法が一部改正され,送信を効率的に行うために必要と認められる限度において著作権侵害にはならないことが明確になった.
著者
桑原 希尽 江崎 和博
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-129, no.2, pp.1-5, 2014-09-03

ソフトウェア開発プロジェクトの成功率は低く,その多くがプロジェクト崩れとなり失敗に終わっている.一般的に,成功率は約 30%と言われており,いかに失敗プロジェクトが多いかということが分かる.そこで,プロジェクトの計画段階で,プロジェクトの失敗するリスクを推定することができれば,計画段階でリスク対策を織り込むことによりプロジェクトの成功率を改善できる可能性がある.本研究では,まず第一歩として,プロジェクトにおけるリスクマネジメントの研究に関する動向を調査した.本論文では,その調査結果について報告する.
著者
田中 沙耶 江崎 芳子 谷藤 香菜江 藤本 真衣 波田 善夫 西村 直樹 松尾 太郎 小林 秀司
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;近年,ニホンジカ <i>Cervus nippon</i>(以下,シカとする )の個体数が全国的に増加しつつある.これに伴い,各地で農林業被害や自動車・鉄道との衝突事故が増加し,自然植生への影響も危惧されている.対策として,これまでは個体の直接駆除や防止柵などによる排除が行われてきた.しかし,猟友会や農山村の高齢化などの問題から,十分な個体数の駆除ができているとは言えない.また,防止柵についても,設置費や維持費がかかること,人の移動まで阻害することなど,さまざまな問題が生じている.そこで岡山理科大学動物系統分類学・自然史研究室では,シカが心理的な圧迫を受けることで,シカ自らが忌避するような移動阻害構造体 (以下,構造体と表記 )の開発を一昨年から試みている.<br>&nbsp;今回は,岡山理科大学内で飼育しているメスの成獣個体2頭を用いて,シカが構造体上を通過する際に,どのような行動がみられるのかを観察した.試験個体は 2011年に岡山県美作市の山中で捕獲されたもので,野生状態での実験結果に近づけるため,山の中で隔離して飼っている.過去のデータより,構造体上で,静止・構造体に鼻先を近づける・檻のフェンスに鼻先を近づけるといった行動や,構造体を前に引き返す・セルフグルーミングをするなどといった行動がみられることがわかっているが,これらの行動と,構造体を設置していない場合にみられる行動を比較することにより,構造体がシカにどの程度の心理的圧迫を与えているか分析した.また,構造体設置による行動の変化の度合いが個体によって異なることや,慣れによってシカの行動が変化することが考えられる.このことより,構造体を通過する際,どのような行動変化がみられるかを,構造体設置後から継続観察することで,行動の変化も調査することにした.そしてこれらのデータを分析し,構造体はどの程度シカに心理的圧迫を与えるのか,どれほどの期間シカに効果があるのかについて評価した.
著者
江崎 秀 幸 利彦 都甲 潔 津田 泰弘 中谷 和夫
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.117, no.9, pp.449-455, 1997-08-20 (Released:2009-04-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

The taste of beer was measured using a taste sensing system with eight kinds of lipid membrane. The output from the sensor has high discriminating power and high correlation with taste substances in beer and sensory test by human. The estimation of the concentration of taste substances by multiple regression analysis was fairly well. The taste sensor also well estimated the result of sensory test of many keywords concerning beer taste.
著者
江崎,悌三
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, 1935-08-31
著者
後藤 敬一 石橋 和樹 江崎 健二郎 山中 章喜
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.715-717, 2007-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6

2004年1月, 38頭のホルスタイン種を飼養する酪農場において, 呼吸器症状を主徴とし, 下痢および搾乳量の減少を伴う疾病が認められた.発症牛群の糞便および鼻腔拭い液から牛コロナウイルス (BCV) 遺伝子が検出されるとともに, 鼻腔拭い液からBCVが分離され, さらに, 発症期および回復期の血清でBCVに対する鶏赤血球凝集抑制抗体価が有意に上昇した.いっぽう, 牛RSウイルス, 牛伝染性気管支炎ウイルス等の呼吸器病起因ウイルスは抗原検索, 分離ともに陰性であり, 抗体検査でも有意な上昇を示さなかった.また, 有意な病原細菌および寄生虫は確認されなかった.これらの結果から今回の症例はBCV単独によるものと思われた.
著者
堀田 昌伸 江崎 保男
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.145-157, 2001-08-31 (Released:2007-09-28)
参考文献数
48
被引用文献数
3 2

樹洞営巣性鳥類の樹洞をめぐる種内•種間の相互関係について,自然樹洞の研究を中心にレビューした.樹洞営巣性鳥類の研究では巣箱が積極的に使われてきた.巣箱を利用することには,巣箱の中を容易に観察できるために繁殖成功を正確に測ることができる点や巣箱とその中身の追加•除去などにより操作実験が可能となる点など幾つかの利点がある.しかし,繁殖密度や種構成などが容易に変化してしまうなど不利な点もある.van Balen et al. (1982)以降,自然樹洞での樹洞営巣性鳥類に関する研究が少なからず行われるようになってきた.そこで,自然樹洞に関する研究について,利用可能な樹洞数と樹洞営巣性鳥類の占有率,頻繁な樹洞の再利用,営巣場所選択における競争と捕食の重要性を概説した.最後に,森林管理や保全の観点から興味深い "Nest Webs" の考え方について簡単に紹介した.
著者
江崎 太宣 柗田 憲亮
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1299, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】距骨下関節としての踵骨の位置は,立位での重心動揺に大きな影響を与えているとされる。また距骨下関節への介入を行いパフォーマンスの向上も多数報告されている。しかし,同時に筋出力を計測したものはなく,足部の形状に応じた介入方法を選択,実施する為の重要な根拠となる可能性があるため今回調査したので報告する。【方法】1.対象 測定に支障のない健常成人の男性5名,女性6名の計11名(年齢21.5±0.5歳,身長160.4±9.4cm,体重54.2±11.8kg)を対象とし行った。2.方法(1)支持脚の決定 ボールを蹴らない足を支持脚として採用した。(2)足部可動域の測定 足関節の回内・回外関節可動域を測定。その後,非矯正,回内矯正,回外矯正時のLeg-heel-aligment(以下,LHA)を片脚立位で三通り測定した。また,誘導は足底板を用いて行った。(3)片脚立位での重心動揺,足部筋出力の計測 重心動揺計(アニマ社製TWIN GRAVICORDER G-6100)を用いて総軌跡長,外周面積,X・Y方向動揺平均中心変位の計測を行い,測定時間は30秒とした。また,同時に被検筋(後傾骨筋,長腓骨筋,前脛骨筋,腓腹筋外側頭)に電極を取り付け,表面筋電図を用いて各介入時の筋活動について計測した。(4)統計学的処理非矯正位,回内矯正位,回外矯正位における計測値は,一元配置分散分析後Tukey法を用いて多重比較検定を行った。また,対応のある検定を用いて各肢位での筋活動について比較検討した。統計はSPSSを使用し,有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】被検者には研究の趣旨を十分に書面をもって説明し同意を得た。また,本研究は国際医療福祉大学研究倫理委員会の承諾(番号13-48)を得た。【結果】LHAは,回外矯正位で4.4±4.3°であり,非矯正位と比較し回外矯正位では有意な低下を認めた。総軌跡長は,非矯正位で74.9±13.6cm,回外矯正位で66.2±13.1cmを示し,回外矯正位では有意に低下を認めた。非矯正位と回外矯正位のおける筋活動を比較では,回外矯正位で後脛骨筋,前脛骨筋の活動が有意に低下することを認めた。その他の項目については有意差を認めなかった。【考察】本研究の結果,LHAの比較から,本研究の対象者の立位距骨下関節のアライメントが回内位にあることを認めた。その為,非矯正位と回内誘導時の計測値全般に差がないと考えられた。一方,回外矯正位では非矯正位と比較し,LHAの値が有意に低下したことから,足底板による回外誘導はある程度実施できていると考えられた。また,回外矯正位の総軌跡長は,非矯正位と比較し有意に低下することから,片脚立位での安定性は増加したと考える。先行研究では,距骨下関節の回外誘導は中足部の外側面が内側面に対して下降することにより距舟関節と踵立方関節が交差した位置関係を取り,横足根関節の可動性が減少するため中足部が強固なテコとして機能すると報告されている。このため回外誘導により足部の骨性や靭帯性による固定性が増加し,片脚立位の安定性増加の一要因として影響していることが示唆される。一方,回外矯正位の筋活動について非矯正位と比較し,後脛骨筋と前脛骨筋の筋活動の有意な低下を認めた。この理由として,回外誘導による骨性・靭帯性による固定性の増加,足部内側支持の減少に伴う筋活動の低下が予測される。また,回外誘導に対するカウンターフォースとして作用する長腓骨筋や腓腹筋外側頭については,筋活動が維持されるため低下しなかったと考えられた。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から,距骨下関節の回外誘導が片脚立位の安定性の増加に寄与することが示された。
著者
江崎 孝三郎 早川 純一郎 富田 武 尾藤 惇一 野沢 謙 近藤 恭司
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.218-225, 1962 (Released:2008-03-10)
参考文献数
20

1. 長野県西筑摩郡の農家に飼育されている,いわゆる木曾馬の毛色に関して,1860年前後の古文書より,当時の状態を調査した.1943年以降は,「産駒登記原簿」および「伝染貧血症検査台帳」により,また直接に観察して,各種毛色の頻度の推移を調査した.2. 木曾馬産駒集団においては,年々鹿毛は増加,青毛は減少の傾向にあり,栗毛はほぼ一定の割合を維持している.河原毛および月毛は,合計してわずかに5%以下であつた.すなわち,遺伝子aの頻度qaは,1943年に約0.55であつたが,次第に減少して,1960年には約0.35となつた.遺伝子bの頻度qbは約0.45で,1943年以来この値を維持している.遺伝子Dの頻度qDは約0.02であつた.3. 以上の事実は,遺伝子A~aに関しては移行多型(transient polymorphism),遺伝子B~bに関しては平衡多型(balanced polymorphism)となつていることを示している.4. 木曾馬産駒集団における毛色の多型の維持と推移の機構に関して,種畜の選択に際して働く淘汰選抜の作用と,種畜から次の世代に移る間に働く淘汰に注目して,分析を行なつた.その結果,遺伝子aには,その頻度を減少させる方向に,上記二つの淘汰が相加的に作用すること,また遺伝子bに関してはは,前者がその頻度を,減少させる方向に,後者が増加させる方向に働いていることが判明した.そして,これら二つの要因によつて,鹿毛,青毛および栗毛の年次的変遷を遺伝的に説明することができた.
著者
江崎 泰雄
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.56, no.178, pp.308-316, 2014 (Released:2018-01-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

It is well-known that the deposits accumulated excessively in automobile engine affect the exhaust emission and drivability. Accordingly, the accumulation of the deposit is one of the serious problems to be solved for developing high performance engines. We have been studying the analytical methods of the deposit formation in order to clarify the cause of the deposit accumulation. The methods introduced in this documentation are as follows. First, the deposits were classified into two types of seven components by the differences in their formation origins and environments; four components from fuel, three components from engine oil. Next, the characteristics of these components were determined by four kinds of analytical techniques, and the seven components could be distinguished from one another by four kinds of analytical indexes; chemical structure, elemental composition, thermal gravimetric property and solubility. Furthermore, by using these indexes, the deposit formation factors such as formation origins, formation environments and formation routes could be estimated. In addition to the above methods, the key points to keep in mind for the deposit countermeasure were also described.