著者
江崎 保男 大迫 義人 佐川 志朗 内藤 和明 三橋 弘宗 細谷 和海 菊地 直樹
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

兵庫県但馬地方のコウノトリ再導入個体群は2015年に、そのサイズが80に達したが、本研究により社会構造がほぼ解明され、但馬地方の環境収容力が約50羽であることがわかった。巣塔の移動や給餌の中止を地域住民の合意のもとに進め、生息適地解析、個体群モデルの活用、核DNAをもちいた家系管理を進めながら、水系の連続性確保に努めた結果、餌動物の現存量増加が確認できたことなど、野生復帰が大いに進展した。また、コウノトリが全国各地に飛んで行き、徳島県では新規ペアが産卵するなど、メタ個体群形成に向かって野生復帰が一気に加速しており、アダプティブ・マネジメントの手法もほぼ確立できた。
著者
江崎 行芳 沢辺 元司 新井 冨生 松下 哲 田久保 海誉
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.116-121, 1999-02-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
8 10

「老衰死」の有無を考察するため, 老年者の最高グループである百歳老人 (百寿者) 42剖検症例の死因を検討した. 対象は, 最近までのおよそ20年間に東京都老人医療センターで剖検された男性9例, 女性33例で, この性別比は全国百寿者のもの (1対4) にほぼ一致する.臨床経過や諸検査値を充分に考慮して剖検結果を検討すると, これら42症例の全てに妥当な死因があった. 死因となったのは, 敗血症16例, 肺炎14例, 窒息4例, 心不全4例などである. 敗血症の半数近くは腎盂腎炎を原因としており, 肺炎の多くが誤嚥に起因していた. 悪性腫瘍は16例に認められたが, その全てに前記死因のいずれかがあり, 悪性腫瘍自体が主要死因となったものは1例も存在しなかった.超高齢者では, (1) 免疫機能の低下, (2) 嚥下・喀出機能の低下, が致死的な病態と結びつきやすい. しかし, このことと「老齢であるが故の自然死」とは関わりがない.「老衰死」なる言葉に科学的根拠があると考え難い.
著者
松浦由生子 石川大樹 大野拓也 堀之内達郎 前田慎太郎 谷川直昭 福原大祐 鈴木千夏 中山博喜 江崎晃司 齋藤暢 大嶺尚世 平田裕也 内田陽介 佐藤翔平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【目的】近年,膝前十字靭帯(ACL)再建術後の再断裂例や反対側損傷例に関する報告が増えている。我々もサッカー選手において反対側損傷率が高いことを報告したが(谷川ら,2012),その詳細については未だ不明な点が多かった。そこで本研究ではACL再建術後に反対側ACL損傷を来たしたサッカー選手の詳細を検討し,その特徴を報告することを目的とした。【方法】対象は2003年1月から2012年10月までに当院にて初回ACL再建術を行い,術後1年以上経過観察しえたスポーツ選手612例(サッカー選手:187例,その他の競技選手:425例)とし,それぞれの反対側損傷率を比較した。さらに,サッカー選手187例を片側ACL損傷173例(男性151名,女性22名:片側群)とACL再建術後に反対側ACL損傷を来たした14例(男性11名,女性3名:両側群)に分けて,片側群と両側群の比較を行った。検討項目は,①初回受傷時年齢,②初回受傷側,③競技レベル,④競技復帰時期,⑤術後12ヶ月のKT-2000による脛骨前方移動量の患健差(以下,KT患健差),⑥術後12ヶ月の180°/s,60°/s各々の膝伸展・屈曲筋力の患健比(%)とした。なお競技レベルはTegner Activity Score(TAS)にて評価し,筋力測定には,等速性筋力測定器Ariel(DYNAMICS社)を使用した。また,両側群(14例)を対象として初回受傷時と反対側受傷時の受傷機転の比較を行った。項目は①コンタクト損傷orノンコンタクト損傷,②オフェンスorディフェンス,③相手ありorなし,④ボールありorなしとした。なお,相手に合わせてプレーをしていた際を「相手あり」とし,相手に合わせず単独でプレーをしていた際を「相手なし」とした。統計学的分析にはSPSS Ver.20.0(IBM社)を使用した。サッカーとその他の競技の反対側損傷率の差,片側群と両側群の初回損傷側の比較にはχ2乗検定を用い,その他の項目はWilcoxonの順位和検定を用いて比較した。さらに両側群の初回受傷時と反対側受傷時の受傷機転の比較にはMcNemar検定を用いた。有意水準5%未満を有意とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者に本研究の趣旨を説明し,書面にて同意を得た。また当院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】反対側ACL損傷率はサッカー選手7.49%(14例),その他の競技選手3.29%(14例)であり,サッカー選手が有意に高かった(p=0.02)。片側群と両側群の比較において,初回受傷時年齢は片側群28.5±9.5歳,両側群26.7±8.7歳(p=0.32)であった。初回受傷側に関しては,右下肢受傷が片側群49.2%,両側群64.3%で2群間に有意差を認めなかった(p=0.82)。TASは片側群7.5±1.0,両側群7.9±1.1(p=0.12),競技復帰時期は片側群9.3±2.0ヶ月,両側群9.6±2.0ヶ月(p=0.56),KT患健差は片側群0.0±1.2mm,両側群0.5±0.8mm(p=0.14)であった。膝筋力の患健比は180°/sでの伸展筋力が片側群87.2±15.3%,両側群86.4±10.0%(p=0.62),屈曲筋力が片側群88.2±18.9%,両側群87.8±14.8%(p=0.56),60°/sでの伸展筋力が片側群84.4±19.5%,両側群86.6±10.8%(p=0.98),屈曲筋力が片側群86.6±18.2%,両側群91.6±11.5%(p=0.32)でありいずれも有意差を認めなかった。両側群の受傷機転において,初回受傷時では相手あり4名,相手なし10名であったのに対し,反対側受傷時で相手あり11名,相手なし3名であり有意差を認めた(p=0.02)。その他の項目に関しては有意差を認めなかった。【考察】本研究においてサッカー選手がその他の競技選手と比較し,有意に反対側損傷率が高いことが示された。多種目の選手を対象とした先行研究での反対側ACL損傷率は約5%と報告されているが,本研究でのサッカー選手の反対側損傷率は7.49%であり,やや高い傾向にあった。両側群の受傷機転に関しては,初回損傷時よりも反対側損傷時の方が,相手がいる中での損傷が有意に多かった。サッカーは両下肢ともに軸足としての機能が要求される競技であるため,初回再建術後に軸足としての機能が回復していないと予測困難な相手の動作への対応を強いられた際に,反対側損傷を起こす可能性が高まるのではないかと推察した。以上のことから,サッカー選手に対しては初回ACL再建術後に対人プレーを意識した予防トレーニングを取り入れ,軸足としての機能回復や予測困難な相手の動きに対応できるagility能力を高めておくことが反対側ACL損傷予防には重要であると考えた。【理学療法学研究としての意義】本研究では,サッカー競技におけるACL再建術後の反対側ACL損傷は対人プレーでの受傷が多いという新しい知見が得られた。サッカーに限らず,反対側ACL損傷率を減少させるためには,スポーツ競技別に競技特性や受傷機転などを考慮した予防トレーニングを行っていくことが重要であると考える。
著者
小池 香代 江崎 哲夫 樋田 治夫 矢崎 蓉子 水野 裕之 竹内 敏明 前田 徹 大橋 千草 荒川 由佳 長崎 淳 黒田 純子 服部 隆宏 浅野 知子 近藤 勝弘 丹村 貴之 山田 芳敬 野間 秀一 藤田 幸子 長谷川 信策
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.116-125, 2002-04-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
19

In Nagoya City University Hospital, a two-week training program for senior students in pharmacy training was carried out up until 1999. The large majority of senior students took a passive role in this pharmacy training course and therefore did not understand that importance of such training. Therefore, the pharmacy training period was extended from two-weeks to four-weeks in 2000. We thus evaluated what differences there were after the training was increased from two-weeks to four-weeks.The four-week training program was found to increase student motivation toward the pharmacy training. Our survey concluded that approximately 69 % of all senior students were interested in pharmacy training and 75% of senior students understood the role of the pharmacist. In addition, 87% of senior students had an improved image of pharmacists after the new pharmacy training. The reason for such an increase was that the senior students gained a better understanding of the reasons for training and also obtained practical experience in pharmaceutical care. These findings suggest that the four-week training program with self-learning exercises was useful for normally passive senior students. It also enabled hospital pharmacists to make an even greater contribution to the pharmacy training program.
著者
森本 侃 岩田 徹 江崎 昭彦 坂田 眞砂代 平山 忠一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.8, pp.726-730, 1994-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

ポリエチレンイミンを配位子とし,セルロースをマトリックスとする繊維状吸着剤(Ce11-PEI)を調製し,この吸着剤を用いて,種々のタンパク質水溶液からのエンドトキシン選択吸着除去を試みた。CeH-PEIのアニオン交換容量は,調製時のビスコースに対するポリエチレンイミンの添加量を調節することにより容易に制御できた。同吸着剤のエンドトキシン吸着能は,吸着剤のアニオン交換容量の増大とともに増大し,吸着時のイオン強度の上昇とともに低下した。しかしながら,同吸着剤(アニオン交換容量1.1-3.4meq/g)は幅広いイオン強度域(μ=0.05-0,4)で,高いエンドトキシン吸着能を保持した。さらに,同吸着剤(アニオン交換容量1.1meq/g)を用いて,エンドトキシンを添加したウシ血清アルブミン(BSA)水溶液中からのエンドトキシンの選択吸着除去を試みたところ,イオン強度μ=0.05-0.2,中性付近のpH域下で,BSAをほとんど吸着することなく,エンドトキシンのみの選択的吸着除去ができた。
著者
村松 智穂 橋山 智訓 江崎 朋人 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.174-174, 2007

スポーツ,演劇,音楽コンサートは世界中多くの人に楽しまれているエンタテインメントである.特にスポーツ観戦の醍醐味は,直接試合を観ることに加え,歓声,ブーイングという行為を通じてスタジアム全体で一体感を感じることができる点である.ワンセグ放送の普及によりいつでもどこでも携帯端末機でのスポーツ観戦の機会が増えてくると予想される.しかし,スポーツの試合自体は届けられても一体感は届けられているとはいえない.ただし,パブリックビューイング,スポーツカフェでは,スタジアムの空間を共有していないにもかかわらずスタジアムに近い一体感を覚えることができる.本研究では,この携帯端末機での観戦とパブリックビューイングとの比較,分析を行い,一体感を提供するためのシステムに必要な要素,機能について考察した.そして,携帯端末機での観戦で一体感を提供できるシステムの構築を目指す.
著者
江崎 朋人 橋山 智訓 塚本 弥八郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.127, 2005

プロ棋士に勝つための将棋プレイングシステムが研究されている。ゲームの局面を見積もることは主な問題となっている。局面は進行に応じて序盤、中盤、終盤と呼ばれている。各状況によって、適切な戦略は異なっている。本論文では駒の強さを考慮した自己組織化マップにとる局面の分類を試みた。100のプロ棋士の棋譜を用いて、我々が提案する方法の実現可能性を示す。全ての棋譜で、3つクラスに分類できた
著者
山内 昌和 江崎 雄治 西岡 八郎 小池 司朗 菅 桂太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.109, 2009

<B>課題</B> 沖縄県の出生率は、少なくとも沖縄県が日本に復帰して以降、都道府県別にみればもっとも高い値を示す。2007年のTFRは全国の1.37に対し、沖縄県は1.78であった。<BR> 沖縄県の高い出生率の背景に夫婦の出生力の高さがあることは知られているが(例えば西岡・山内2005)、さらに踏み込んだ検討はほとんどなされていない。こうした中で、Nishioka(1994)は、1979年に沖縄県南部地域で行われた調査データをもとに、沖縄県の夫婦の出生力が高いのは家系継承者として父系の長男に固執するという家族形成規範があることを実証した。同研究は沖縄県にみられる出生行動とその要因を指摘した重要な研究といえる。しかし、近年の沖縄県の出生率が低下傾向にあることを踏まえるならば、現代の沖縄県の出生率の高さを沖縄県特有の家族形成規範で説明できるのかどうか慎重であるべきだろう。他方、Nishioka(1994)は言及していないが、沖縄県の高出生率は人口妊娠中絶率の低さとも関わっている。このため、妊娠が結婚・出産に結びつきやすいことも沖縄県の高出生率の一因となっている可能性がある。<BR> 以上を踏まえ、本研究ではNishioka(1994)で利用された調査データの対象地域を含む地域で改めて調査を実施し、近年の沖縄県における出生率の高さの要因について検討する。<BR><B>方法</B> 出生行動を把握するための独自のアンケート調査を実施し、その結果を分析する。アンケート調査は調査員の配布・回収による自計式とし、20~69歳の結婚経験のある女性を対象として2008年10月下旬から11月中旬にかけて実施した。対象地域は沖縄県南部のA町の複数の字であり、全ての世帯(調査時点で1,838)を対象とした。<BR><B>結果</B> 調査票は20~69歳の結婚経験のある女性1,127人<SUP>1)</SUP>に配布し、有効回収数は946(83.9%)であった。<BR> 分析対象とした調査票は、有効票のうち、Nishioka(1994)や全国の出生行動についての調査結果(国立社会保障・人口問題研究所2007)との比較可能性を考慮し、夫婦とも初婚であり、調査時点で有配偶であること、子どもの数とその性別構成が明らかであること、さらに複産・乳児死亡を含まないという条件を満たす706である。分析の結果、以下の点が明らかになった。<BR>(1)45~49歳時点の平均出生児数は2.9人で全国の2.3人(国立社会保障・人口問題研究所2007)よりも多かったが、1979年の4.7人(Nishioka1994)よりも減少した。<BR>(2)かつてみられた強固な男児選好は弱まっていたが、夫ないし妻が位牌を継承した(或いは予定のある)ケースでは男児選好が強く、多産の傾向がみられた。このため、沖縄県特有の家族形成規範と出生行動との関連は弱まっているものの、依然として一定の影響を与えていることがわかった。<BR>(3)第1子のうち婚前妊娠で生まれた割合が全体で4割を超え、明瞭な世代間の差もみられなかった。このため、妊娠が結婚・出産に結びつきやすい傾向は少なくとも数十年間は継続していると考えられる。<BR> 以上から、沖縄県の高出生率をもたらしている夫婦の出生力の高さの要因として、沖縄県特有の家族形成規範と妊娠が結婚・出産と結びついていることの2点を挙げることができる。ただし、沖縄県特有の家族形成規範と出生行動との結びつきは弱まっており、今後は沖縄県の出生率がさらに低下する可能性もあろう。<BR> なお、本研究の実施に当たって科学研究費補助金(基盤研究B)「地域別の将来人口推計の精度向上に関する研究(課題番号20300296)」(研究代表者 江崎雄治)を利用した。<BR><BR>1) 対象地域の1,838世帯の全てに調査を依頼し、協力を得られた1,615世帯(87.9%)に対して聞き取りを行い、対象者を特定した。<BR>
著者
江崎 孝行
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.237-244, 2006 (Released:2006-08-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
菊池 淳 坂本 菊男 中島 格 江崎 和久 楠川 仁悟
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 = Stomato-pharyngology (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.317-326, 2004-06-01
参考文献数
13
被引用文献数
9

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) に対するUPPPの適応を, 外来診療の段階の簡易検査で決められないか検討した.用いた検査は, 口腔・咽頭の所見, セファログラム, いびき音テスト, AHIの結果である.根治になるための条件として,(1) 口蓋扁桃肥大 (2) いびき音テストで咽頭閉塞が左右型 (3) 顎顔面形態のリスクが小さい, ことが考えられた.顎顔面形態の評価には, 健常者のプロフィログラムを正常フレームとして, 患者のセファログラムに当てはめる方法で行った.この方法で, 簡易に顎顔面形態のリスクを判定することができた.また, UPPP単独では根治的効果が得られなくても, CPAPなどSASに対する他の治療法を補助するための治療として重要であると考えられた.
著者
酒本 勝之 金子 和真 江崎 光裕 藤井 麻美子 金井 寛 浅野 次義
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.184-191, 1995 (Released:2011-10-14)
参考文献数
14
被引用文献数
2

A new method (BIM) by bioelectrical impedance for the estimation of human whole body or local part fat volume is described. This method is based upon that the resistivity of adipose tissue is much greater than that of fat-free mass of which frequency characteristics shows β dispersion phenomenon. It is well known that the admittance locus of fat-free mass provides the semicircle. Because the impedance value of trunk is only 10 or 20% of the whole body impedance (Zall) between arm and leg used by the commercialized impedance fat meter, if the fat volume in the trunk increase, the estimation error in the fat volume estimated from Zall would increase. Therefore, instead of Zall, BIM adopts the impedances measured at 5 local parts which are antebrachium, brachium, trunk, femoral part and cruralis. We measured the impedance of each parts for the frequency range from 3kHz to 300kHz and calculate the admittance locus in order to obtain the conductance at much lower frequency (Ge) and much higher frequency (Ginf) than β dispersion frequency. Arms, trunk and legs are represented by parallel models which are cone shape and consists of fat layer and fat-free mass layer. And then we calculate the equivalent conductivity σ of parallel models from Ge or Ginf. From σ, fat volumes of local parts which are arm, trunk and leg and whole body are estimated. When we estimate the fat volume of trunk, in order to take into consideration the adipose tissue which distributes around organs in trunk like liver, stomach, and etc., the weighting function K which is statistically given is multiplied to the equivalent conductivity of trunk. The reference fat volume can be measured by hydrometry. We can conclude that (1) the impedance at the trunk must be measured to consider the fat volume in the trunk, (2) Ge or Ginf must be used instead of impedance at about 50kHz to estimate the fat volume, and (3) correlation coefficients between the whole fat volume measured by hydrometry and that by BIM with Ge and Ginf are about 0.77 and 0.94, respectively.
著者
江崎 功二郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.58-63, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
36
被引用文献数
1 2

無散布木と散布木を均等に配置したコナラ林で2008年およびミズナラ林で2009年に研究を実施した。散布木にフェニトロチオン1.6%乳剤をカシノナガキクイムシ成虫の穿入直後とその約3週間後に, 地上から6mまで樹幹散布した。散布木において1回目散布後に穿入数の増加は認められなかったため, 穿入直後の散布は穿入の継続を断ち切ることを示した。さらに, コナラ林およびミズナラ林の無散布木において1回目散布後に新たに発生した穿入木の本数割合はそれぞれ81.1%および95.7%であったが, 散布木ではそれぞれ2.8%および18.5%に抑えられ, 穿入密度は低くなる傾向があった。このため, MEPの2回散布は成虫の発生期間を通じて, 高い穿入防止効果を維持できることを示した。
著者
江崎 孝行 三宅 正美
出版者
医学書院
雑誌
検査と技術 (ISSN:03012611)
巻号頁・発行日
vol.19, no.9, pp.770-771, 1991-08-01

マイクロプレートハイプリダイゼーション(microplate hybridization)法は,2つの菌株間の遺伝学的類似度を測定するために開発された定量的DNA-DNAハイブリダイゼーション法であるが,この方法はDNAの標識にアイソトープを使わないため,一般の細菌検査室で菌種の同定に応用できる.同定に利用する場合は,図に示した手順で実験を行う.市販のキットを使う場合は,DNAを固定したプレートはすでに作製してあるのでこの操作は必要なくなる. まず,分離された菌株のDNAを抽出しフォトビオチンで標識する.同定したい菌株と類似した菌種のDNAが固定された96穴のプレートに標識DNAを分注し,ハイブリダイゼーションを行う.90分後,未反応の標識DNAを洗い流した後,streptavidin-conjugated enzymeを加え,ビチオンとストレプトアビジンを結合させる.洗浄後酵素の基質を加え,二本鎖になったDNA量を定量し,標識菌と基準株のDNAの相同性を算出し最も近い基準株を探す.菌液を作製してから同定まで約3時間しかかからず,細菌の迅速同定が可能になった1).以下この方法を解説する.