著者
水田 良実 前田 慶明 小宮 諒 田城 翼 堤 省吾 安部倉 健 黒田 彩世 江崎 ひなた 浦辺 幸夫
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.111-116, 2022-10-31 (Released:2022-11-19)
参考文献数
16

本研究の目的は,感染症流行による部活動自粛後に発生した傷害を調査し,傷害と受傷した選手の特徴を探ることであった.部活動に所属する選手を対象に,自粛後半年間の傷害発生の有無,自粛中と自粛後の練習時間等をアンケートで調査し,自粛後の受傷群と未受傷群の2群に分類して各項目を群間比較した.回答者は148名で傷害発生数は52件であった.自粛中と自粛後の練習時間の差は受傷群で有意に大きかった(p<0.05).
著者
王 筱 江崎 哲也
出版者
山梨大学教育国際化推進機構
雑誌
高等教育と国際化 : 山梨大学教育国際化推進機構紀要年報 (ISSN:21893993)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.37-43, 2018-11-20

本研究では、日本語を母語とする大学生が、教員を「先生」と呼ぶ要因を解明するため、一対一で話す場面を設定し、「調査協力者の属性(性別、年齢、専攻)」、「力関係(年上/ 同年齢)」、「相手の属性(調査協力者が所属する大学の教員であるかどうか、性別)」、「親疎関係(親しい:プライベートの付き合いがある友達・親しくない:友達ではない)」、「教授されたか否か、またその内容(学問的/ 実用的)」の五つの要因を質問事項に入れ、日本語を母語とする大学生及び大学院生を対象にアンケート調査を実施した。決定木分析を用いて分析を試みた結果、「先生」という呼称選択を決定づける主な要因は「力関係(年上・同齢者)」であることがわかった。また、「相手の属性(調査協力者が所属する大学の教員であること)」と「教えられた内容(学問的・実用的)」も要因となることが示唆された。一方、所属する大学の教員であることを知っていても、「先生」と呼ばない学生が少数いることもわかった。
著者
永田 知里 江崎 孝行
出版者
岐阜大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

エクオール産生能の規定因子を明らかにするため,尿中エクオール排出と食習慣を中心とした生活環境因子との関連性を評価した。対象は乳がんのケース・コントロール研究参加者の内コントロール424名である。生活習慣に関する質問票および食物摂取頻度調査票により回答を得た。午後2時に部分尿を採取し,尿中ダイゼイン,ゲニスタイン,エクオール,クレアチニンを測定した。エクオールの先駆物質であるダイゼインは大豆食品に含まれるが,soy challenge testを行っていない状態では,エクオール産生能を有しても大豆を摂取していない場合,尿中にエクオールが検出できない。そこでsoychallengeを行った状態に相当すると考えられる尿中ダイゼイン量(10nmol/mg CRE以上)の163名に限定した解析も行った。尿中エクオール検場者は20.0%であった。エクオール排出と体格,婚姻状態,閉経の有無,喫煙,飲酒,運動との関連性は認められなかった。食物摂取頻度調査票をもとに推定した各種栄養素,食品群のうち,乳製品摂取のみ全体および限定した対象で尿中エクオールとの有意な関連性が認められた。尿中エクオール排出者は乳製品摂取量が低かった。エクオール産生と腸内細菌に関する研究では便サンプルを用いて,マイクロアレイによる腸内細菌解析を行い,尿中エクオール産生との関連を調べた。腸内細菌解析は16名が終了した。尿中エクオールが検出された者はこのうち11(68.8%)である。96種類の細菌のうち,尿中エクオール排出と有意な関連性を示した菌はBifidobacterium adlescentis,Clostridium cocleatum,Clostridium perfringenS,Ruminococcus hansenii,Bacteroides fraglisでどれもエクオール排出者に多く検出された。
著者
河端 瑞貴 岩田 央 江崎 亮介 倉田 陽平 奈良 温 濱田 由紀 山崎 裕太郎
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.179-185, 2006-12-31 (Released:2009-05-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

There is growing interest in developing Geographic Information Science (GlScience) curricula both in Japan and abroad. In this paper we examined GIScience education systems at 14 universities in North America for the 2005-2006 academic year. The GlScience education systems were more developed in North America than in Japan. Most of the 14 universities offer GlScience-related curricula, and several provide GlScience-related degrees or certificates. Seven universities offer GIS certificate programs, and five of those feature interdepartmental curricula, with classes from the geography and information science departments. The observations from this investigation are helpful in developing GIScience curricula in Japan.
著者
脇坂 英弥 江崎 保男
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.131-137, 2021-10-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
17

水田で営巣するケリVanellus cinereusの繁殖期は農繁期と重複し,農業活動にともなう人為撹乱が本種の繁殖に影響を与える可能性がある.本研究では圃場整備済み水田の農事暦とケリの産卵のタイミングの関係を調査し,人為撹乱がケリの繁殖成功に及ぼす影響を検討した.調査は2008年から2015年の8年間,京都府の巨椋池干拓地(710 ha)で行ない,計176巣を確認した.ケリの産卵は3月から7月にかけてみられ,3月と4月に集中していた.また3月から5月の営巣場所は主に田面であったが,6月になると田面から畦に移行した.ふ化成功率は3月が最も高く,その後は月を重ねるごとに低下した.また畦での産卵は5月以降に微増するものの,ふ化成功に至る巣は少なかった.ふ化失敗の要因は,田面では耕起による巣卵の破壊,および湛水にともなう巣卵の水没が大半を占めた.調査地の水田では,4月下旬から5月上旬にかけて耕起がほぼ一斉に実施される.ケリの抱卵日数は約30日であるため,調査地のケリは3月に田面で産卵することにより,人為撹乱が始まる前にヒナをふ化させることができ,実際,3月産卵がヒナの半数近くを生産していた.このようにケリは,農業活動にともなう人為撹乱を回避しながら繁殖を行なっていることが示唆された.
著者
山岸 哲 松原 始 平松 山治 鷲見 哲也 江崎 保男
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.79-85, 2009 (Released:2010-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

2000年から2006年の3月から7月にかけて,京都府南部の木津川において,チドリ類3種の営巣環境選択に関する研究を行ない,河川物理が3種の共存に与える影響を論じた.木津川ではコチドリ,イカルチドリ,シロチドリの3種が同一砂州上で繁殖している.現地調査においては営巣中のチドリを発見し,その営巣環境を,基質砂礫サイズの3区分をもちいて評価した.その結果,主に海岸の砂州干潟に営巣するシロチドリは,粒径の小さな基質に営巣する頻度が有意に高かった.また,コチドリとイカルチドリは比較的幅広い基質に営巣し,この2種間では有意差が見出せなかったものの,イカルチドリはコチドリよりも大きな礫を選好する傾向があった.調査地砂州の砂礫分布図を作成したところ,大粒径土砂と小粒径土砂の分布が,上下流のマクロスケールで明確に異なっていたのみならず,ミクロスケールでは小粒径土砂の砂礫内に大粒径土砂の小パッチが点在していた.これらの分布パターンは,ともに洪水によって形成されると考えられるので,チドリ類の同一砂州上での共存には定期的な出水が不可欠であると考えられる.
著者
野沢 謙 江崎 孝三郎 若杉 昇 林田 重幸
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.234-242, 1965-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
21

わが国の九州南西方につらなる離島には体格の著るしく小さい在来馬が古くから飼われている.この系統の馬は本邦の繩文,弥生時代に最初に出現し.わが国の馬産に大きな影響を遺した最も古いタイプの在来馬である.われわれはこの種在来馬の遺伝子構成を究めるため,1961年より1964年にかけ,対馬,種子島,口永良部島,トカラ,奄美両群島,および琉球諸島に数回の遠征を試み,毛色と血液型を調査した.その際比較のため,日本内地から導入された種雄馬によって改良された雑種馬の遺伝子構成をも調査し,さらに何人かの先学によっておこなわれた,いろいろな馬種の毛色と血液型に関する調査結果をも参照した.これらの比較検討によって次のことが判明した.1. 島嶼型在来馬の集団には元来,青毛遺伝子(a)と河原毛,月毛を支配する優性稀釈遺伝子(D)とはなく,日本内地から導入された改良馬によつて雑種化されるとこれらの遺伝子が流入する.2. 島嶼型在来馬の集団は鹿毛と栗毛を支配するB-b座位は多型をあらわしている.雑種馬の集団に比べて,b遺伝子の頻度は著るしく高い.3. 島嶼型在来馬の集団にはU1原を支配する優性遺伝子の頻度は極めて低く,雑種化と共にこの頻度は規則正しく増加する.
著者
山内 昌和 江崎 雄治 西岡 八郎 小池 司朗 菅 桂太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2009年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.109, 2009 (Released:2009-12-11)

課題 沖縄県の出生率は、少なくとも沖縄県が日本に復帰して以降、都道府県別にみればもっとも高い値を示す。2007年のTFRは全国の1.37に対し、沖縄県は1.78であった。 沖縄県の高い出生率の背景に夫婦の出生力の高さがあることは知られているが(例えば西岡・山内2005)、さらに踏み込んだ検討はほとんどなされていない。こうした中で、Nishioka(1994)は、1979年に沖縄県南部地域で行われた調査データをもとに、沖縄県の夫婦の出生力が高いのは家系継承者として父系の長男に固執するという家族形成規範があることを実証した。同研究は沖縄県にみられる出生行動とその要因を指摘した重要な研究といえる。しかし、近年の沖縄県の出生率が低下傾向にあることを踏まえるならば、現代の沖縄県の出生率の高さを沖縄県特有の家族形成規範で説明できるのかどうか慎重であるべきだろう。他方、Nishioka(1994)は言及していないが、沖縄県の高出生率は人口妊娠中絶率の低さとも関わっている。このため、妊娠が結婚・出産に結びつきやすいことも沖縄県の高出生率の一因となっている可能性がある。 以上を踏まえ、本研究ではNishioka(1994)で利用された調査データの対象地域を含む地域で改めて調査を実施し、近年の沖縄県における出生率の高さの要因について検討する。 方法 出生行動を把握するための独自のアンケート調査を実施し、その結果を分析する。アンケート調査は調査員の配布・回収による自計式とし、20~69歳の結婚経験のある女性を対象として2008年10月下旬から11月中旬にかけて実施した。対象地域は沖縄県南部のA町の複数の字であり、全ての世帯(調査時点で1,838)を対象とした。 結果 調査票は20~69歳の結婚経験のある女性1,127人1)に配布し、有効回収数は946(83.9%)であった。 分析対象とした調査票は、有効票のうち、Nishioka(1994)や全国の出生行動についての調査結果(国立社会保障・人口問題研究所2007)との比較可能性を考慮し、夫婦とも初婚であり、調査時点で有配偶であること、子どもの数とその性別構成が明らかであること、さらに複産・乳児死亡を含まないという条件を満たす706である。分析の結果、以下の点が明らかになった。 (1)45~49歳時点の平均出生児数は2.9人で全国の2.3人(国立社会保障・人口問題研究所2007)よりも多かったが、1979年の4.7人(Nishioka1994)よりも減少した。 (2)かつてみられた強固な男児選好は弱まっていたが、夫ないし妻が位牌を継承した(或いは予定のある)ケースでは男児選好が強く、多産の傾向がみられた。このため、沖縄県特有の家族形成規範と出生行動との関連は弱まっているものの、依然として一定の影響を与えていることがわかった。 (3)第1子のうち婚前妊娠で生まれた割合が全体で4割を超え、明瞭な世代間の差もみられなかった。このため、妊娠が結婚・出産に結びつきやすい傾向は少なくとも数十年間は継続していると考えられる。 以上から、沖縄県の高出生率をもたらしている夫婦の出生力の高さの要因として、沖縄県特有の家族形成規範と妊娠が結婚・出産と結びついていることの2点を挙げることができる。ただし、沖縄県特有の家族形成規範と出生行動との結びつきは弱まっており、今後は沖縄県の出生率がさらに低下する可能性もあろう。 なお、本研究の実施に当たって科学研究費補助金(基盤研究B)「地域別の将来人口推計の精度向上に関する研究(課題番号20300296)」(研究代表者 江崎雄治)を利用した。 1) 対象地域の1,838世帯の全てに調査を依頼し、協力を得られた1,615世帯(87.9%)に対して聞き取りを行い、対象者を特定した。
著者
加藤 慎 曽根 卓朗 塚田 学 江崎 浩
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2215論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1373-1380, 2020-06-17

著者らが所属する SDM (Software Defined Media) コンソーシアムでは,2016 年より三次元映像音声メディアを管理するためのプラットフォームとして SDM Ontology の提案を進めてきた.SDM Ontology は,メディアデータとともに様々な種類・粒度,かつ,膨大な量のメタデータを階層構造に整理して管理可能とする.従来の提案は,収録段階についての記述に焦点を当てた設計となっており,収録されたメディアデータの編集段階まで考慮していなかったため,編集作業に用いられるソフトウェアやミキサーなどのメディアプロセッサの情報を記述するための構造がなかった.また,メディア収録の情報は静的である一方で,メディアの編集作業は収録されたデータや編集されたデータをもとに繰り返しおこなわれることも多く,一般に動的といえるため従来設計では対応しきれない.このような問題を踏まえ,本稿では SDM Ontology の構造について整理し直し,修正を加えるとともに,動的構造を表現するために再帰的記述を導入し,メディアの収録・編集について記述可能な SDM Ontology Version 2.0 を提案する.
著者
河村 好章 長瀬 弘司 遠藤 正和 重松 貴 江崎 孝行 藪内 英子
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR BACTERIOLOGY
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.597-610, 1991
被引用文献数
3 3

グラム陽性,カタラーゼ陽性好気性球菌の迅速同定キット「スタフィオグラム」(テルモ)のプレート作製,追加試験選定およびコードブック編集のための基礎実験を行った。<br>この目的のため<i>Staphylococcus aureus</i>を含む<i>Micrococcaceae</i>の3属30菌種の基準株のそれぞれが固有のコード番号を示すスタフィオグラムプレートを作製した。このプレートは10種の糖分解試験と8種の酵素活性試験から成り,McFarland No.4の菌液50μlを各ウェルに分注し,37C, 4時間培養後に結果を判定する。<br>このプレートを用いて新鮮分離株の同定を試みるに先立ち,好気性グラム陽性球菌同定へのfluorometric microplate hybridizationの有用性を確認した上で,新鮮分離386株のすべてを核酸同定した。これらの菌株をスタフィオグラムプレートで培養すると,得られたコード番号236種類のうち218種(92.4%)は<i>Staphylococcus</i>属15菌種と<i>Stomatococcus mucilaginosus</i>に固有の番号であった。被検386株のうち,これらの番号のいずれかに該当した342株(88.6%)は追加試験を行うことなく同定できた。同定できた<i>Staphylococcus</i>属15菌種のうちApproved lists of bacterial namesに収録されているもの(すなわち1980年1月1日以前の正式発表名)が11菌種を占め,その後に提案された菌種と同定されたのは<i>S. caprae, S. lugdunensis, S. gallinarum</i>および<i>S. delphini</i>の4菌種に過ぎず,残りの8菌種に該当する株はなかった。しかし<i>S. caprae</i>(48株),<i>S.haemolyticus</i>(46株),<i>S. capitis</i>(35株)は<i>S. epidermidis</i>(67株)に次いで株数が多く<i>S. saprophyticus</i>(31株)より上位にあった。<br>236種類のコード番号のうち2菌種に重複したのは7種類(27菌株),4菌種に重複したのは1種類(17菌株)の計8種類(3.4%)であった。コード番号が重複した44菌株は追加試験として選択した8項目のうち1∼3項目を実施することでmicroplate hybridizationの同定結果を追認し得た。<br>以上の結果からスタフィオグラムは<i>Staphylococcus, Micrococcus, Stomatococcus</i>の各属の菌種の迅速同定キットとして有用であると確信した。今後核酸同定した菌株によるデータを集積して専用コードブックを作製し,同定精度の高いキットを完成させたい。
著者
江崎 秀男 小野崎 博通
出版者
JAPAN SOCIETY OF NUTRITION AND FOOD SCIENCE
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.161-167, 1980
被引用文献数
1 8

1) 青首宮重大根 (2.5kg) から, その辛味成分であるトランス-4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアナートをチオウレア誘導体として結晶100mgを単離, 同定した。<BR>2) チオウレア化合物の呈色試薬であるグロート試薬組成中の各種試薬の濃度を検討し, 原液を水で25倍希釈して改良グロート試薬とした。<BR>3) 比色定量のための標準物質として市販アリルイソチオシアナートより調製したアリルチオウレアおよび前記トランス-4-メチルチオ-3-ブテニルチオウレアを用いて改良グロート試薬による呈色の条件を検討し, 37℃で45分間インキュベートした後, 600nmにおける吸光度を測定した。これによってトランス-4-メチルチオ-3-ブテニルチオウレアの場合, 20μg/mlから200μg/ml範囲にわたって濃度と吸光度との間に直線関係が認められた。<BR>4) ここに新しく提案された大根辛味成分イソチオシアナートの定量法は次のとおりである。大根磨砕搾汁液5mlを30℃で30分間放置した後, これにエタノール: アンモニア水混液20mlを加え, 60分後, 50%酢酸1mlを加え, 濾過を行なう。濾液1mlに改良グロート試薬4mlを加え, 37℃で45分間インキュベートした後, 600nmにおける吸光度を測定し, あらかじめ作成した標準曲線よりトランス-4-メチルチオ-3-ブテニルチオウレア量を求め, これからトランス-4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアナート量に換算する。<BR>5) 前記定量法により大根の品種, 部位および生長時期と辛味成分量との関係をしらべた. 品種別においては, 同じ秋大根でも品種によって辛味成分量に差がみられた。部位別においては, 根部の先端に近くなるほど辛味成分量の増加が認められた. 生長時期との関係については, 大根中の辛味成分含量は生長とともに減少し, 収穫時期の大根100gより得られた磨砕搾汁液中には12mgのイソチオシアナート量が測定された。
著者
村田 伸 江崎 千恵 宮崎 純弥 堀江 淳 村田 潤 大田尾 浩
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.939-942, 2010 (Released:2011-01-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 1

〔目的〕女性高齢者の周径および大腿四頭筋筋厚を測定し,大腿四頭筋筋力や歩行・バランス能力との関連について検討した。〔対象〕地域在住の女性高齢者56名(平均年齢は71.6±6.5歳)とした。〔方法〕膝蓋骨上方10 cm部,15 cm部,20 cm部の大腿周径と大腿四頭筋筋厚を測定し,大腿四頭筋筋力,歩行速度,Timed up & go test(TUG)との関係をピアソンの相関係数を求めて検討した。〔結果〕すべての大腿周径と大腿四頭筋筋厚の測定値は,大腿四頭筋筋力と有意な相関を認めたが,膝蓋骨上方15 cm部と20 cm部の筋厚との相関係数が高かった。また,15 cm部と20 cm部の筋厚のみ,歩行速度やTUGと有意な相関が認められた。〔結語〕膝蓋骨上方15 cm部と20 cm部の大腿四頭筋筋厚は,筋力のみならず歩行能力やバランス能力をも反映する有用な指標となり得ることが示唆された。
著者
塚田 学 菰原 裕 粕谷 貴司 新居 英明 高坂 茂樹 小川 景子 江崎 浩
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.10-23, 2018-08-20

インターネットを前提とした視聴サービスが登場し,なかでも空間に存在する視聴対象を解釈し,コンテンツとして活用するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している.2014年より,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした視聴空間の研究を行っている.現在,音楽イベントのDVDなどのパッケージメディアは,マイクやカメラなどの収録機材の位置によって大きく制約を受けるコンテンツである.こうした課題を解決するため,本研究では,クラシックコンサートとジャズセッションのイベントを収録し,インタラクティブに自由視聴点での三次元映像音声を再生するアプリケーション「SDM3602」を設計,実装した.SDM3602を95人の被験者に実際に体験してもらい,インタラクティブ3Dコンテンツの自由視聴点再生の有効性を検証した.さらにビルボードジャパンが開催した2017年Live Music HackasongでSDM3602のデモンストレーションを行い,審査員と一般の来場者の投票により,優秀賞を受賞した.Various audio-visual service based on Internet are deployed these days widely. Among these, object-based audio-visual services are getting more critical. We started Software Defined Media (SDM) consortium to investigate object-based audio-visual services and Internet-based audio-visual since 2014. The placement of microphone and camera limits the audience to watch at the free viewpoint of the contents of the package media such as DVD. In the study, we designed and implemented the system of interactive 3D audio-visual service with a free-view-listen point, named SDM3602. 95 persons experienced SDM3602 and answered the questionnaire in subjective evaluation. We also demonstrated the system in "Live Music Hackasong 2017" hosted by Billboard Japan. We received the second prize based on the vote of the judges and the audience.
著者
石田 愛 永井 世里 小山 新一郎 江崎 伸一 濱島 有喜 村上 信五
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.14-16, 2017-06-01 (Released:2017-10-27)
参考文献数
10

Vocal cord paralysis often occurs due to unknown reasons. Since bilateral paralysis can cause dyspnea,we have to carefully watch the state of the patient while investigating the causes of paralysis. We herein report a case of bilateral vocal cord paralysis in a patient who was a vegetarian. The patient’ paralysis was improved by the administration of mecobalamin.
著者
松下 恭之 佐々木 健一 郡 英寛 江崎 大輔 春田 明日香 古谷野 潔
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-9, 2008-01-10
参考文献数
41
被引用文献数
7 1

オッセオインテグレーションインプラントは, 表面性状の改善や埋入システムの確立により, 5年程度の中期経過では100%に近い生存率も報告されている. しかし一方で長期の使用に伴い, 破折などの機械的偶発症と支持骨の吸収などの生物学的偶発症が増加することが報告されている. この原因は多様だが, インプラントに付与した咬合から生じたオーバーロードが偶発症の主な因子のひとつとして上げられている。<br>インプラントの咬合において, オーバーロードを引き起こすと考えられるリスクファクターについて疫学研究と基礎的研究のレビューを通して, 現状を整理した.<br>天然歯とインプラントが混在する場合の咬合については, 当初被圧変位量の差を考慮すべきとされたが, 現在これを積極的に肯定する研究は少なく, むしろ被圧変位量の分だけ低くした咬合を付与した場合に, 顎関節や隣在歯などへの影響を危惧する報告も散見される. 現状では, 天然歯と同様の接触を与えても臨床的な問題は少ないと考えられる.<br>側方ガイドや咬合力の側方成分, カンチレバー, 広すぎる咬合面幅によるオフセットローディングなどの非軸方向荷重については, 曲げモーメントとして作用するため, 軸方向荷重よりもその影響は強いと思われる. しかしながら生物学的に影響ありとした疫学データは見られない.<br>天然歯とインプラントの連結については, メタ解析の結果により骨吸収へのリスクが示唆されている.
著者
稲本 亮平 田中 健一 竹波 信宏 松本 淳一 土居 幹治 藤島 哲郎 河野 修一 江崎 次夫 全 槿雨
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.162-165, 2013 (Released:2014-04-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 3

エチゼンクラゲや食用クラゲなどのクラゲ類を脱塩・乾燥しチップ化したクラゲチップは,自重の約 8 倍の水を吸収するという保水性に優れ,保水機能の低下後は微生物などによって分解され,化学肥料並みの窒素含有量を含むなど肥料効果が認められる。さらに製材の際にでるオガクズも分解のやや遅い有機質の保水材として着目し,この両者の保水性と遅効性の肥料効果を活かして種子吹付工の資材に組み込んだ有機緑化資材を開発した。林道切取りのり面での半年間の実験の結果,植生の発芽や生育状況が無施用区に対して,有意な差を示し,その有効性が確認された。今後,周辺環境に対する負荷の少ない有機質のり面緑化用資材としての活用が期待できる。
著者
江崎 通彦
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.161-182, 1991-10-25
被引用文献数
2

This paper introduces the DTCN method; an new method for creative R&D that attempts to achieve the following three aims: (1) to create a new sense with regard to certain values; (2) to develop a useful method to deal with both R&D and the commercialization of its results; (3) to develop a method by which creative thinking finds concrete expressions. In the DTCN method, the origin and the norms for thinking and action are located in the customer. These thinking and action are systematized through DTCN. This method is thus a tool to stimulate and systematize the creativity of an organization and its members so that it may be rendered operational.
著者
野口 義紘 林 勇汰 吉田 阿希 杉田 郁人 江崎 宏樹 齊藤 康介 臼井 一将 加藤 未紗 舘 知也 寺町 ひとみ
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.277-283, 2017-02-28 (Released:2017-03-17)
参考文献数
20

Objective: Elderly patients commonly experience adverse drug events (ADEs) owing to their poor drug metabolizing and excretion ability, and these often cause multiple organ dysfunction syndrome.  Therefore, it is important that we identify the adverse drug events early on during prognosis.  We searched for oral medicines that might exacerbate the prognosis of ADEs in elderly patients.Methods: The objects under analysis were oral medicines that were registered in the Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER).  The associations between the elderly/non-elderly patients and exacerbation risk/non-exacerbation risk were analyzed by risk ratios (RR).  The signal detection of exacerbation risk was defined as 95% confidence interval of lower limit of risk ratio>1 and χ2≥4.Results: The oral medicines that might markedly exacerbate the prognosis of ADEs in the elderly patients in comparison with the ADEs of young patients included 84 items, of which 63 have not been described as potentially inappropriate medicines in all guidelines for medical treatment of the elderly patients.Conclusion: In this study, while we could not search for oral medicines having a high risk of ADEs, we were able to search for oral medicines that might exacerbate the prognosis of ADEs in elderly patients.  This result could contribute to the proper use of medicines in the elderly patients.