著者
晝間 文彦 池田 新介 須斎 正幸 高橋 泰城 筒井 義郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

時間割引率は人々の現在と将来にかかわる意思決定を決める重要な要因で、時間割引率が高いほど現在を重視した(せっかちな)、低いほど将来を重視した(我慢強い)意思決定を意味する。この研究では、時間割引率がどのような要因に関係しているかをアンケートによって調べたが、時間割引率は自制力が高いほど、認知能力が高いほど、低いことが明らかとなった。これは時間割引率に対する教育の有効性を示唆するものである。
著者
細見 光一 室井 延之 東 和夫 池田 りき子 魚本 智子 大川 恭子 三宅 圭一 中川 素子 河本 由紀子 清原 義史 金 啓二 沢崎 高志 小野 達也 西田 英之 大野 真理子 緒方 園子 福島 昭二 徳山 尚吾 大西 憲明 平井 みどり 松山 賢治
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.64-72, 2006-01-10
被引用文献数
6 7

We conducted a survey on the practical training of pharmacy students in 47 community pharmacies and 76 hospital pharmacies in Hyogo Prefecture. Items surveyed included the acceptance system for pharmacy students, practical training curriculum, problems and difficulties. In many community pharmacies and hospital pharmacies, instruction in practical training was recognized as worthwhile despite the workload involved. Though the content of the practical training varied, dispensing and medication instruction were the most common items in the practical training for both community pharmacies and hospital pharmacies. Communication with patients and management of medication history were the focus of training in community pharmacies, while the major aspects of training in hospital pharmacies were dispensing of injections and TDM (therapeutic drug monitoring). Many pharmacists were of the opinion that the content and goals of the training should be reviewed and that it needed to be further evaluated. Revision of the practical training in universities was also recommended. Further, in order to achieve an efficient practical training curriculum it was felt that the training should be more linked to the special characteristics of community pharmacies and hospital pharmacies.
著者
千田 稔 笠谷 和比古 頼富 本宏 池田 温 大庭 脩 上垣外 憲一 葛 剣勇 石井 紫郎 河合 隼雄
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本調査研究によって解明された主要な点を上げるならば、次のとおりである。1.明治維新後の日本において、中国人蒐書家によって系統的な典籍の蒐集がなされ、中国本土に移送されていた。ことに清国総領事黎庶昌や清国領事館駐在員であった楊守敬らによって系統的に蒐集されて、中国大陸に移送され、その後、各地を転々とするとともに、日中戦争から国共内線の時期における散逸、焼亡の危機をくぐりぬけて今日に伝来するにいたった各種図書・文献について、その所在を跡づけることができた。2.京都高山寺の寺院文書が、中国武漢の湖北省博物館において所蔵されていることをつきとめた。今回の発見成果の重要なものの一つが、この湖北省博物館所蔵の高山寺文書であった。これも楊守敬蒐集図書の一部をなしている。明治初年の日本社会では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れており、寺院の什器や経巻の類が流出して古物市場にあふれていた。高山寺文書の流出も多岐にわたっているが、その一部が楊守敬の購入するところとなり、中国に伝存することとなったのである。3.今回の調査で、日本の仏典が中国各地の所蔵機関に少なからず伝存することを確認し得た。そして同時に次の点が問題であることが判明した。すなわちこれら日本から請来された仏書、写経の類は、中国人の目からは敦煌伝来の仏典と見なされる傾向があるという点である。明白に日本で書写された経巻であるにもかかわらず、それらがしばしば敦煌伝来の写経と混同して所蔵され、また目録上にもそのような配列記載がなされているという問題である。これは日本人研究者の考えの及ばなかった問題でもあり、日中双方の研究者・関係者の協議に基づいて、問題が早急に改善されることが望まれる。
著者
片岡 靖景 伊東 一典 池田 操 中澤 達夫 米沢 義道 今関 義弘 橋本 昌己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.23-30, 1998-08-07
被引用文献数
3

近年、カラオケの普及により、一般の人が人前で歌う機会が増加しており、上手に歌いたいと練習に励む姿を見かける。また声楽を学ぶ人も自分の習熟度を客観的に評価したいと考えている。そこで本研究では、声楽経験の異なる被験者の歌声を分析して、音高と音長の精度、音量に着目した強弱記号の表現など、種々の歌唱情報を抽出して、習熟度の程度を伝える歌唱支援について検討したので報告する。In recent years, many average people have begun studying how to sing because, with the surge in popularity of Karaoke, they have many chances to sing in front of an audience. On the other hand, people who professionally study vocal music want to receive an objective evaluation of their singing. The instrumental assessment of singing development requires musically relevant stimuli which give accurate information about musical pitch, length of tone, loudness control and other vocal skills. In this paper, we propose a support system for singing evaluation based on the vocal analysis of subjects whose musical experience is markedly different.
著者
佐藤 比呂志 岩瀬 貴哉 池田 安隆 今泉 俊文 吉田 武義 佐藤 時幸 伊藤 谷生
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

平成16年度には、2003年7月26日に発生した宮城県北部地震の震源域を横断する反射法地震探査を行い、中新世に形成された正断層が逆断層として再活動することによって発生した地震であったことが判明した。この北方の宮城県北部で1900年以降に発生したM6.5を越える内陸地震は、2003年の震源域の北方の領域から、南方に破壊してきたことが明らかになった。この一連の地震は、中新世の日本海の拡大時の最末期に形成された北部本州リフトの東縁のリフト系の再活動によるものであった。このリフト系の延長である水沢地域における石油公団が実施した反射法地震探査データと、現地の活断層調査によって、この地域の活断層はリフト系のハーフグラーベンを限る西傾斜の正断層が逆断層として再活動して形成されたものであることが明らかになった。また、リストリックな形状の正断層の再活動に伴って、浅層の高魚部分をショートカットして形成された、footwall short cut thrustも見いだされた。同様の再活動は、このリフト系の東縁の延長である三戸地域でも見いだされ、地表地質と重力から推定される密度構造から、中新世初期に活動したハーフグラーベンの東縁の断層が鮮新世以降再活動し、現在、活断層として知られる折爪断層はこの再活動によって形成されている。東北日本の太平洋側に分布する活断層は、仙台市周辺の長町-利府断層も含め、こうした中新世の背弧海盆の拡大に伴って形成されたかつての正断層が再活動したものである。したがって、震源断層は均質な物質中で形成される30度前後の傾斜を有するものではなく、50度前後の高角度のものとなる。本研究プロジェクトで検討した、中央構造線活断層系や糸魚川-静岡構造線活断層などの成果も含め、現在の大規模な内陸地震は、既存の断層の再活動によって発生しており、深部の断層の形状は地質学的なプロセスと密接に関連している。
著者
森 茂生 池田 直
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では (1-x)BiFeO_3-xBaTiO_3固溶体に着目し、磁気・誘電特性および結晶構造や強誘電分域等の微細構造について調べた。その結果本物質系は、x>0.33組成で存在する立方晶構造は、立方晶構造中にナノスケールサイズで強誘電性を有する菱面体構造が存在する2相共存状態として特徴づけられるとともに、強誘電分域が微細化され、x>0.33組成では、約20~30nm程度の大きさで強誘電ドメインと強磁性ドメインが共存し、磁気誘電リラクサー物質であることが明らかとなった。
著者
平尾 一郎 三井 雅雄 池田 修司 森山 圭
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

A-TとG-Cの塩基対に人工の塩基対を加えることにより、遺伝情報を拡張し、RNAやタンパク質中に新たな構成成分を部位特異的に導入する技術の創出を目指して、生物のシステム(複製・転写・翻訳)で機能する人工塩基対の開発研究を進めた。申請者は、既に、転写と翻訳で機能する人工塩基対(s-y塩基対)を開発しているので、その知見に基づいて、複製においても機能する人工塩基対の開発に挑戦した。その結果、ユニークな性質を示す種々の人工塩基対(v-y、s-z、s-Paなどの塩基対)を開発することができ、最終的に、複製と転写において相補的に機能する人工塩基対(Ds-Pa塩基対)を作り出すことができた。すなわち、このDs-Pa塩基対を含むDNAをPCRで増幅することもでき、また、どちらの人工塩基(DsとPa)もRNA中に転写で取り込ませることができる。さらに、申請者らが開発したyやPaなどの人工塩基に機能性の置換基(蛍光色素、ビオチン、ヨウ素、アミノ基など)を結合させた転写用の基質を合成し、人工塩基対による転写系でこれらの基質をRNA中に取り込ませ、種々の機能性RNAを作り出し、本技術の応用化の可能性を示した。以上のように、申請者は、従来の遺伝子操作技術に代わる遺伝情報拡張技術を可能とする人工塩基対の開発に世界に先駆けて成功した。今後は、この人工塩基対システムを幅広い分野に利用したベンチャー企業を設立し、本技術の普及を図ると共に医療に役立つ技術と製品を社会に提供したい。
著者
池田 実
出版者
日本法政学会
雑誌
日本法政学会法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.64-81, 1993-05-15

Introduction 1. Legislative process 2. Constitutional reform 3. Senate as the chamber of territorial representation Conclusion The 1978 Constitution of Spain calls the Senate "the chamber of territorial representation", but actually it is only partly the case. This paper refers to the functions and powers of the Senate in relation to the legislative process, constitutional reform, and the autonomous communities in order to make out the real character of the Senate and raison d'etre of contemporary bicameral system.
著者
緒方 一喜 池田 高治 海野 登久子 BOCANEGRA Rodolfo Zeissig
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.47-57, 1992
被引用文献数
2

グアテマラにおけるマラリア対策のための残留噴霧法の改良のために, Anopheles albimanusの吸血・休息行動の観察を, 南部太平洋岸の一部落で2年半にわたって実施した。吸血活動の季節的ピークは, 雨期の始まり直後(6月)と終わり(11月)に現れる二山型であった。時刻的消長は, 日没3時間内にピークをもつ一山型であったが, 季節的には必ずしも一定しなかった。最初の観察時には屋外・屋内吸血性は相半ばしたが, 殺虫剤の散布開始によって屋外吸血性が高まった。屋内で吸血した個体は数時間内に大半は屋外に脱出し, 翌朝まで残るのは数%にしかすぎなかった。屋内平均滞留時間は, 無散布家屋で約30分, 殺虫剤散布家屋で10数分であった。しかし, 殺虫剤残渣面への忌避は顕著ではなく, とくにプロポクスルにはよく接触し, 大部分は屋内で死にいたった。昼間の休息場所の観察では, 常に多数発見できたのは小屋の屋根裏で, 人家内・屋外には少なかった。以上の知見を現行の残留噴霧法にからめて論じた。
著者
池田 勝
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
no.138, pp.6-11, 1970-12-30

As a series of studies on small harbour crafts, the data on small crafts under GT 5 tons are presented in this paper.
著者
大利 昌久 新海 栄一 池田 博明
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.111-119, 1996
被引用文献数
10 16

The redback spider, Latrodectus hasseltii, is a common venomous spider in Australia. This species had not been recorded in Japan until late 1995. Large numbers of redback spiders were collected in Osaka City and in Yokkaichi City, Mie Prefecture, in November 1995. Another species of widow spiders, namely, the brown widow spider L. geometricus, was also collected in various ports : Yokohama, Tokyo, Nagoya, Osaka and in Okinawa. The author has reviewed current available information on widow spiders including the life cycle, reproduction, hunting behavior, systematics and distribution of each species, etc. The invasion route of these species into Japan is also discussed. The invasion of redback spiders into Japan apparently dates back several years as frequently old, empty egg sacs have been found. There is no information on how the redback spiders survived the winter season in Japan. Fortunately, so far in Japan no biting cases have been reported.
著者
山本 裕子 池田 由紀 松尾 ミヨ子 大鳥 富美代 林田 麗 土居 洋子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2型糖尿病と診断された患者の特徴を明らかにし、診断後3年以内の早期患者を対象とした学習支援プログラムについて検討した。その結果、糖尿病の受けとめに特徴がみられ、積極的受けとめと消極的受けとめがあり、受けとめがその後の自己管理に影響することが示唆された。学習支援プログラムは、患者が気持ちを表出しやすいように、グループアプローチをとりいれたが、早期の患者では糖尿病による経験が浅いことや、外来受診患者を対象としたためメンバーの関係を築きにくく、グループアプローチ機能の活用は困難であった。
著者
吉川 英夫 渡辺 禎 池田 尊 三野 俊作
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.54, no.505, pp.2670-2674, 1988-09-25

In this study, a test of exhaust gas noise reduction is reported through the application of a heat-resistant epoxide resin, in place of a steel motorcycle muffler of a gas engine exhaust system. The findings show that this resin muffler results in a noise reduction without decreasing the engine efficiency, even in a restricted space. The experiments were conducted using the same shape for the steel and resin mufflers which were set at the outlet of a 250 ml engine exhaust system. The noise level of the exhaust gas after being introduced into the shielding compartment was measured by a standard noise-meter and FFT analyzer for the comparison of noise reduction effect.
著者
沢田 健志 須賀 卓 斉藤 正典 池田 哲臣 高橋 泰雄 影山 定司 大野 秀樹 大塚 国明 堀江 力
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.41, pp.1-6, 1998-08-21
被引用文献数
4

電気通信技術審議会において昨年9月策定された地上デジタルテレビジョン放送暫定方式の原案(伝送部分)の仕様に準拠した伝送実験装置を試作した。地上デジタル放送の標準化に寄与することを目的に、本装置を用いて暫定方式原案の動作検証と性能評価を行っている。ここでは、装置の概要について報告する。
著者
新開 明二 池田 五苗 長尾 健 長 俊寿
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
西部造船会会報 (ISSN:0389911X)
巻号頁・発行日
no.105, pp.179-186, 2003-03-20
参考文献数
9

As one of the counterplans to the global warming problem, wind power energy has promising availability in natural energy, and the technical development of wind energy conversion systems is also tackled in Japan. Since the sea has less restriction about social conditions than land, paying attention to the geographical conditions of the Japanese country surrounded by the sea our own time demands, basic investigation about offshore wind energy conversion systems. This paper presents an example of examination for the Miyake island circumference ocean space with emphasis on "wind power investigation", using the prediction program WAsP as wind climate prediction in offshore windmill installations site. The amount of power generation is estimated with regard to some concrete windmills, and then, as one concept in a system design, an energy conversion system (called "offshore wind energy conversion fleet network system") with the windmill of a float type is proposed. It is confirmed that industrialization of offshore wind power is a theme of an energy policy of Japan which deserves examination as a proposal on the other hand.
著者
森 靖博 笠井 唯克 岩島 広明 藤本 雅子 江原 雄一 桑島 広太郎 水谷 豪 池田 昌弘 毛利 謙三 安田 順一 田邊 俊一郎 広瀬 尚志 住友 伸一郎 玄 景華 高井 良招 兼松 宣武
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.7-10, 2006-06-25

平成13年10月1日より平成16年12月31日までの3年3ヶ月間の朝日大学歯学部附属病院での歯科救急外来における患者受診状況について報告する.1.調査期間中の受診患者総数は4,729人であり,一日あたり平均3.98人であった.2.受診患者数は年々わずかながら増加傾向を認めた.3.性差別受診患者数は男性がやや多かった.4.時間帯別受診患者数では,平日は21時台,土曜日は13時台,日曜および祝日は9時台がそれぞれ最も多かった.また各日0時以降の受診患者数は減少する傾向を認めた.5.年代別受診患者数は20歳代が最も多く,次いで30歳代,10歳未満の順に多く,比較的に若い年代の受診が多かった.6.曜日別受診患者数では日曜日が最も多く,次いで土曜日が多く,土,日曜日に集中する傾向がみられた.7.疾患別の受診患者数では,歯周組織疾患が最も多かった.
著者
本間 さと 池田 真行
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

視床下部視交叉上核(SCN)に存在するほ乳類の中枢時計は、網膜からの光情報を受容し、内因性の周期を24時間の明暗サイクルに同調すると共に、SCN外脳内組織や末梢臓器の末梢時計を調節し、全身の時間的統合を行っている。しかし、そのメカニズムは不明である。夜行性齧歯類における行動リズムの季節変動は、これまで、夕日および朝日に同調し、活動の開始と終了を調節するEvening(E)とMorning(M)の二振動体によると考えられてきた。そこで、発光レポータートランスジェニックマウスを用い、SCN細胞のPerl発現リズム位相をSCN内で部位別に測定し、日長と行動リズム位相との相関を解析し、生体が行動や内分泌機能に季節変動を生じる機構について検討した。24時間明暗周期の明期を6〜18時間と変動させたところ、すべての明暗比において、吻側SCNのPerl発現リズムピークは夕方の活動開始位相にphase-lockしており、E振動体の局在が示された。一方、尾側SCNのPerl発現ピークは、測定したすべての明暗比で、朝の活動終了位相にPhase-lockしておりM振動体の局在が示された。尾側SCNのPerlピークのphase-lockingは、明期20および22時間という極端な長日周期でも確認された。明期18時間では吻側SCNのPerl発現が二峰性となり、さらに明期を延長すると吻側、尾側ともに二峰性ピークが観察された。発光イメージングによる細胞リズム解析の結果、すべてのSCN細胞の発光リズムは約24時間であり、二峰性リズムは、ほぼ180度位相が異なり、かつ、左右SCNにほぼ均等に混在する、2種の細胞群によることが分かった。以上の結果、日長によりSCN内で部位時的に遺伝子発現リズム位相を変位させるSCN細胞のダイナミズムが、行動リズムの季節変動を調節していることが分かった。