著者
池田 聡子 毛利 陽介 川口 千晴 清益 功浩
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.131-134, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
9

今回,我々はRSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)反復感染時に重症化する症例から何らかのアレルギー因子がないかどうかを検討した.対象は2015年4月から2020年3月までの5年間に当科を受診し,RSV迅速検査で複数回陽性になった反復感染例31例を初回感染時と比較して重症化した重症群9例と重症化しなかった非重症群22例で比較検討した.アトピー性皮膚炎,喘鳴例では,重症群,非重症群ともに有意差はなかったが,食物アレルギーについては,重症群で有意に多かった.今回の検討では,反復感染時に重症化するアレルギー因子として食物アレルギーが示唆された.
著者
池田 進
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.165-168, 1993-09-05

かつてメッツガーが供覧した‘透明に見える山,と同じような視覚的配置を大阪の北方の山並に見出すことができる。それを撮影した写真を供覧し、その山が透明に見える理由を考察した。
著者
池田 圭佑 岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 風間 一洋 野田 五十樹 諏訪 博彦 篠田 孝祐 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.14, pp.1-6, 2015-02-23

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災において,Twitter を利用して避難情報や被災地の情報が発信され,重要な情報源となった.しかし,Twitter で発信された情報は,急速に不特定多数の人に広まることから,誤った情報が発信されると瞬時に広がるというデメリットも存在する.そのため,デマ情報を早期収束させる方法を確立する必要がある.そこで,我々は Twitter における情報拡散メカニズムを探るため,新たな情報拡散モデルを提案する.提案モデルは,Twitter ユーザを趣味嗜好の概念を持つエージェントとして定義するさらに,同一ユーザが複数回つぶやくことと,情報経路の多重性を考慮する.提案モデルを用い,東日本大震災時に確認されたデマ情報拡散の再現実験をし,実際のデマ拡散の再現性について検討を行う.
著者
池田 透 立澤 史郎
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第52回日本生態学会大会 大阪大会
巻号頁・発行日
pp.810, 2005 (Released:2005-03-17)

日本の外来種対策においては一般市民や地域住民との合意形成が充分とはいえず、駆除に向けては多くの問題が残されている。特に哺乳類では、駆除対策に関して動物愛護の立場からの感情的反発も根強く、こうした社会的状況を考慮せずして外来哺乳類対策の円滑な実施は不可能である。そこで本研究では、飼養動物由来の外来哺乳類であって人間との関係が密であり、かつ地域生態系への悪影響が危惧されている北海道天売島のノネコ問題を対象として、地域住民や一般道民の合意形成や、管理対策を円滑に進めるための体制づくりに必要な条件の検討を試みた。全島民を対象としたノネコ対策に関する地域住民意識アンケート調査の結果、ノネコ問題自体に関しては島民の関心は非常に高く、多くの島民にノネコの存在が問題視され、ノネコの除去にも賛成する割合も高いことが明らかとなった。島民の中にもノネコの存在が問題であり、解決すべき問題であるという意識は強い。ただし、多くの島民にとってのノネコ問題の焦点は畑や庭を荒らすとか魚を盗むといった生活被害への苦情が多く、海鳥の減少可能性などの生態系保全に関わる問題意識は低かった。この点からも、従来のノネコ対策の目的と実際に島民が望むノネコ対策の目的に大きな隔たりがあることが明らかとなった。また、ネコ飼育者と非飼育者ではノネコ問題に対する意識に大きな差がみられ、ネコ飼育者においては自分が飼育しているネコ以外にも愛情を注いでいることが推測され、このことがノネコの管理をいっそう困難にしていることが予想された。今後のノネコ対策の在り方として、ノネコの実態把握を進めるとともに、島民同士が積極的にノネコ問題に意見を述べられる状況を作り上げ、島民参加のノネコ対策を作り上げていくことが重要であると考えられた。
著者
池田 伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2N5J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

本発表の目的は,精神医学におけるAI活用の現状を俯瞰することである。医学論文サイトであるPubMedでの検索によれば,精神科領域におけるAI関連の論文数は年々大きく増加しており,この分野でもAIの活用が徐々に浸透しつつあることが窺われる。研究対象は多彩であるが,「抑うつ」「統合失調症」「アルツハイマー病」など,精神科の主要な障害が順当に多数を占めている。一方,用いられているAI技術はほとんどが機械学習で,サポートベクターマシン,ランダムフォレスト,ロジスティック回帰などが頻用されており,ディープラーニングを活用した研究はいまだ少数にとどまっている。AI技術は,精神科の診療の質を向上させるだけでなく,これまで客観性の面で不十分であるとの批判を免れなかった精神医学の理論的基盤そのものを新たなパラダイムへと導く可能性を有している。精神科におけるAI活用を推進するためには,臨床医とエンジニアとの協働,および個人情報保護にも配慮した社会環境の整備が必須である。
著者
池田 泰久 三村 均 佐藤 修彰 新堀 雄一 小崎 完 佐藤 努 佐々木 隆之 桐島 陽 出光 一哉 稲垣 八穂広 鈴木 達也 竹下 健二
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

福島原発事故で発生した汚染物の合理的な処理・処分システム構築に向け、従来とは異なる固体・液体汚染物の性状研究、固体・液体汚染物の処理研究、発生廃棄物の処分研究の3分野に分け、基盤データの取得を行ってきた。その結果、燃料デブリの性状、核種の溶出挙動、汚染物の除染法、汚染水の処理法、高塩濃度環境下での核種の移行挙動等、燃料デブリをはじめとした従来知見の少ない海水を含む水溶液に接する条件下で発生した放射性廃棄物の処理・処分技術の開発に資する多くのデータを取得し、福島原発事故廃棄物の処理・処分方策に貢献しうるとともに、放射性廃棄物の処理・処分分野の進展に寄与しうる成果を出している。
著者
池田 浩貴
出版者
成城大学
雑誌
常民文化 = Jomin bunka (ISSN:03888908)
巻号頁・発行日
no.39, pp.146-129, 2016-03

Azuma Kagami, the offi cial history book compiled by the Kamakura shogunate, has many records of bizarre behavior of various organisms.Such records were kept because unusual natural phenomena including the behavior of organisms, which occurred around the Kamakura shogunate,were believed to be omens or cautions from heaven and gods or ancestors for future events or terrible disasters. Doves were one of the mostfrequently recorded animals in Azuma Kagami and have been and still are regarded as divine messengers of Hachiman. Doves were both auspicious and evil omens. In the Kamakura era of Minamoto no Yoritomo, we can see two good omens for the Kamakuraarmy signifi ed by doves in Azuma Kagami. When central fi gures of the Taira clan were drowning themselves in the last instance of Battle of Danno-ura, it is said that two doves were fl ying over the Tairaʼs ship. In the Battle of Oshu (between the Kamakura shogunate and Oshu Fujiwara), abanner on which two doves were embroidered was brought from Kamakura to Oshu. Conversely in the era of Minamoto no Yoriie and Minamoto no Sanetomo, doves were bad signs. About two months before the forcedabdication of Yoriie, carcasses of doves were found three consecutive times in Tsurugaoka Hachimangu. Just before the assassination ofSanetomo, a gokenin had a dream in which a dove was killed. On the day Sanetomo was assassinated, a dove repeatedly twittered. After the death of Sanetomo, almost no records of doves were kept in Azuma Kagami. Thus doves were strongly linked to three shoguns ofSeiwa Genji. Doves were given the role as divine messengers of auspicious or evil omens from Hachiman to Genji in Azuma Kagami.
著者
池田 和浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.120, 2017 (Released:2017-10-16)

本研究では、出来事の語り直しの3つの方略が自伝的記憶の意味づけに与える影響を調査し、記憶の再解釈と心的外傷後成長の成立の関連性を検証した。199名の参加者は、1つのネガティブな体験の記憶について、記憶の特徴に関する3つの指標に評定した:(1)Centrality of Event Scale, (2)主観的自伝的記憶評定, (3)Re-TALE。また、心的外傷後成長に関する尺度に評定を求めた:(1)ERRI, (2)Core Beliefs Inventory。分析の結果、ネガティブな自伝的記憶の語り直しには2つのステージが存在し、ネガティブ感情制御方略とポジティブ感情拡張方略に比べ、認知的転換方略が心的外傷後成長を促す促進因子となる可能性が示唆された。
著者
池田 真由美
出版者
福島県立医科大学看護学部
雑誌
福島県立医科大学看護学部紀要 = Bulletin of Fukushima Medical University School of Nursing (ISSN:13446975)
巻号頁・発行日
no.15, pp.23-31, 2013-03

資料【目的】産褥早期褥婦の疲労が,イトオテルミー療法により軽減できるかを客観的評価(加速度脈波測定システムを用い心拍変動周波数と心拍変動係数の前後差)と主観的評価(「疲労の自覚症しらべ」の前後差)で明らかにする.【対象】正常な妊娠経過をたどり,A病院で経膣分娩した褥婦34名.【方法】実験デザインは,被験者内比較型のランダム化比較実験(RCT)(イトオテルミー療法(A法)と安静(B法)の繰り返しのない被験者内比較)【結果】産褥早期褥婦の疲労において,イトオテルミー療法の効果を,APG(加速度脈波)による客観的指標と「疲労の自覚症しらべ」による主観的指標から見てみると,「CVa-a%」「全身がだるい」「頭が痛い」「頭が重い」「頭がぼんやりする」「肩がこる」において効果が確認できた.【結語】産褥早期褥婦にイトオテルミー療法を行う事で,皮膚に加えられた触圧刺激(器械的・温度的)により血行改善・筋硬直の軽減・筋弛緩効果が頭部や肩の不快症状の軽減につながり,また,快適温度刺激・香などにより爽快感・壮快感・催眠感など副交感神経機能亢進による心理的効果が表れたと考えられる.
著者
池田 めぐみ
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1_5-1_10, 2021 (Released:2021-02-06)
参考文献数
33

Extracurricular activities are important for students’ learning and development. This paper reviews previous research on extracurricular activities and summarizes the learning and development of university students in extracurricular activities. It also discusses future research topics on extracurricular activities.
著者
池田 緑
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 = Otsuma journal of social information studies
巻号頁・発行日
vol.15, pp.39-61, 2006

女子大学の教育目的には、「地位形成機能」と「地位表示機能」が存在するといわれてきた。しかし男女共同参画社会の趨勢のなかで、女子大学には改めて「地位形成機能」の充実が求められている。しかしながら目を転じれば、女子大学では古風な性別役割観が再生産され、家父長制的価値観に学生を回収しようとする企図も、いまだ根強く残っている。そのような企図は、女性へのセクシャルなまなざし、ミソジニー(女性嫌悪)と共に存在している。同様な視点は女子大学を取り巻く環境にも、また女子大に勤務する教員にも共有されている。家父長制的価値観は、女子学生の「成功不安」を喚起し、学生の自己評価を貶め、男性依存への道を準備する。その結果、女子大学においては「地位表示機能」が重視され、そのことが彼女らを学問から遠ざけてしまう。このように伝統的性別役割観が再生産され、学生たちの学問への動機が奪われてゆく過程は、一種の「温室効果」に似ている。そのような状況を打ち破るためには、「温室」を、ジェンダーの政治が露見する「戦場」に作り変える必要がある。そのためには、最初に男性教員を中心に、ジェンダーを克服することが、学生自身に学業の意義を理解させるための第一歩であり、そのような学問が社会的需要とも合致していることを理解することが必要である。そのような認識の共有のためには、男性教員をジェンダーに意識的にするための制度作りが必要である。そしてすべての授業において、ジェンダーの視点から男性中心の学問体系を再構築することが求められており、その結果として行われる教育は「女性支援教育」と呼ばれるにふさわしいものとなるだろう。
著者
池田 啓浩
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.441-442, 2020-03-10

患者 17歳,男性主訴 だるくて勉強ができない.
著者
池田 誠司 IKEDA Seishi
出版者
金沢大学環日本海域環境研究センター
雑誌
日本海域研究 = Bulletin of the Japan Sea Research Institute, Kanazawa University (ISSN:13477889)
巻号頁・発行日
no.51, pp.39-55, 2020

During Japan's occupation of the Korean Peninsula, the various Governor-Generals gaveinstructions to make the local school children learn honorific Japanese language phrases at elementaryschools. The local children used Japanese language textbooks. A very limited number of, but helpful forgoverning, honorific phrases in the textbooks were learned for four years at elementary schools duringthe thirty-five years of Japan's rule. The honorific phrases were necessary at every aspect of their livessuch as when talking to parents, classmates, and teachers. The relevant Japanese EducationalDepartment published the elementary school textbooks in the Japanese language. What they aimed atwas to make the school children behave politely and obediently in Japanese to their elders as well as theJapanese rulers. Moreover, they were expected to be respectful not only to their elders but also to theirclassmates or even people younger than them.As the international situation became more tense and conflict broke out between Japan and China(as well as other powers), the importance of the Korean Peninsula as the supply base for Japanesemilitary materials and manpower became more apparent. The escalation in tensions also caused theJapanese rulers to deprioritize education by reducing government spending and granting less attention tothe teaching of honorific Japanese. The number of Japanese language lessons (including honorificJapanese lessons) was reduced. By doing this, the initial objective of teaching honorific phrases to localschool children was sidelined. The opportunity to comprehensively teach respect to others including allpeople, young and old, men and women, was arguably lost.
著者
高橋 公也 池田 研介
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.26-88, 1995-04-20
被引用文献数
1

本記事は昨年(1994年1月12-14日)京都大学基礎物理学研究所でひらかれたモレキュール型研究会「音響系・光学系におけるカオス」において話題にとりあげられたいくつかの問題を、特に非線形力学系の立場から世話人が再編集しなおしたものである。個々の発表に関しては既に本誌に昨年掲載されているが(物性研究Vol.62,No.5(1994))その内容が音響学、楽器製作、楽器演奏、非線形光学、非線形動力学等の多岐多様な分野におよぶため世話人の立場から問題点を洗い直す方がよいのではないかと考え、このような記事を掲載するものである。
著者
ティヘリノ A. ジュリ 池田 満 北橋 忠宏 溝口 理一郎
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.476-487, 1993-07-01
被引用文献数
31

The main aim of this research is to establish a sophisticated methodology for building expert systems based on shared and reusable large knowledge bases. Multis, one of the major Conponents of the methodology, performs task analysis interview and synthesizes problem solving engines for a given task. To design Multis the authors identify libraries of task ontology and reusable software artifacts for construction of knowledge-based systems and make them available for Synthesis via direct-interactive mapping to task models. This library consists of a set of highly generalized software primitives abstracted from existing knowledge-based systems. The mapping to the target task model is accomplished through an intermediate step in which task performers identify the correspondence of the software primitives to their own task ontology. The task ontology itself is created with the use of non-functional task primitives in the form of generic vocabulary, i. e. a vocabulary that is dependent on the task, but not the domain of expertise. The vocabulary combines into verb/noun phrases forming generic processes which are generalized conceptual primitives for a given task. In this paper one such library of software artifacts is presented for the task of scheduling (eg. classroom scheduling for an educational institution) along with the corresponding generic vocabulary and generic process library.
著者
浅川 達人 岩間 信之 田中 耕市 佐々木 緑 駒木 伸比古 池田 真志 今井 具子
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.21-34, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
16
被引用文献数
3

The purpose of this study is to analyze, based on evidence, factors preventing the elderly from maintaining a healthy diet by using a revised food access indicator that takes food availability in stores into account. The area being studied is A City, a regional city in the northern Kanto region of Japan. The dependent variable in the study was dietary diversity score, which is a measure of the risk of adverse health effect caused by deterioration of diet. Multilevel analysis was used for the analysis of factors to allow individual level factors and group level factors to be analyzed independently.Regarding the individual level factors, results of the analysis suggest that FDs problems are present in areas with reduced food access, reduced social capital, or both, which supports the previous finding of FDs study groups. Among the group level factors, the presence of a store within a close distance of 500m most strongly affected the diet of the elderly. However, when a supermarket with nearly 100% food availability was located about 400m away or further, the condition for raising dietary diversity score from low to high was not met. In contrast, when the data was analyzed by assuming the shopping range to be 2km each way, the availability of a store as fully stocked as a supermarket within about 1.3km met the condition for raising dietary diversity score from low to high.