著者
田中 徹 清水 勇夫 大﨑 大輔 山下 淳 矢木 一範
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.209-211, 2023-06-20 (Released:2023-06-30)
参考文献数
8

日焼け止めやメイクアップ化粧料において,マイクロプラスチックビーズは,感触改良剤として広く使用されている。しかし近年は,マイクロプラスチック(MP)の環境流出による海洋汚染が国際的な問題として注目されており,MPビーズの代替原料が求められている。そこでわれわれは,この問題を解決すべく,環境に優しい素材としてシリカに着目し,感触特性に優れる球状シリカを開発した。そして,この感触特性に優れたシリカ粒子に対してベヘニルアルコールとジステアリルジモニウムクロリドを併用した複合多層処理を施すことで,MPビーズに近い「柔らかさ」をもつ,表面処理球状シリカの開発に成功した。
著者
加来 鉄平 鈴木 美威瑠 冨永 隆生 小川 暁郎 清水 厚志 渡邉 和孝 渡邉 和晃 前田 智司 松田 佳和
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.3, pp.289-293, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
11

In recent years, lifestyle-related diseases such as hypertension and diabetes have been on the rise. These conditions can cause serious conditions such as myocardial and cerebral infarctions. Therefore, proper control of blood pressure and blood glucose levels is important issues in preventive medicine. Traditional fermented foods have been shown to have various functions, and their effects on lifestyle-related diseases have attracted particular attention. In this study, we investigated the effects of fermented soybeans and rice bran (OE-1) and supplements containing OE-1 on blood glucose levels and weight changes. We identified an inhibitory effect on elevated blood glucose levels upon administration of OE-1, and this effect was thought to be due to digestive enzyme inhibition. These effects of foods containing OE-1 are expected to have a positive effect on the prevention and improvement of lifestyle-related diseases as health foods.
著者
松田 大哉 野口 翔平 清水 啓介 中道 哲朗 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.64-69, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
11

To investigate the effects on postural change and muscle activity in foot muscles during lateral weight shift while wearing an AFO. The subjects were 15 healthy men (average age 24.9 ± 2.5 years old). They performed a lateral weight shift in the standing position to the right lower limb while wearing an AFO on the right foot, then repeated the process without one. In each instance, postural change and electromyograms (EMG) of the peroneus, foot supinator muscles, and tibialis anterior were measured. When initiating the lateral weight shift while wearing the AFO, hip adduction on the moving side resulted in pelvic depression on the non-moving side. Continuation of the lateral weight shift also resulted in lateral flexion of the thoracolumbar area on the moving side, as well as outward inclination of the lower limb on the moving side. Compared to the barefoot lateral weight shift, there was a trend toward overall decrease in muscle activity in the peroneus, foot supinator muscles, and tibialis anterior. During a lateral weight shift while wearing an AFO, the AFO limits both foot pronation and supination. It can be surmised that this function of the AFO results in reduced muscle activity of the peroneus, used for grounding the foot, as well as in reduced muscle activity of the foot supinator muscles and tibialis anterior, which are used to restrict outward inclination of the lower limbs.
著者
木内 恵子 中川 美里 香河 清和 松浪 薫 清水 智明
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.576-582, 2006 (Released:2006-10-25)
参考文献数
13

著者の所属する施設では予定帝王切開術の96%を脊髄くも膜下麻酔で行っている.0.5%高比重ブピバカイン2.5mLにモルヒネ0.1mgを添加して使用している. ブピバカインはテトラカインと比較して術中鎮痛補助薬の使用が少なく優れた鎮痛効果を示す. またモルヒネを添加することにより術中術後の鎮痛作用を増強させる. 脊髄くも膜下麻酔は手技が容易かつ効果が確実で運動神経遮断効果が高く, 3種類の区域麻酔法のなかで, 効果発現が最も早い麻酔法である. 欠点としては, 低血圧の頻度が他の区域麻酔法に比べて多いことがあげられる.
著者
小牧 ゆか 大友 一 大茂 壽久 清水 建詞
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.203-207, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
17

骨粗鬆症に骨軟化症が合併している病態である,osteoporomalacia症例を2例経験した.症例1:80歳女性.右大腿骨転子部骨折の術後に,骨粗鬆症に対しビスフォスフォネート(BP)製剤による治療が開始となっていたが,術後約1年半経過時に,左非定型大腿骨骨折を受傷した.血液検査での血清カルシウム(Ca),リン(P),アルカリフォスファターゼ(ALP)値の異常を認め,骨軟化症が強く疑われた.症例2:77歳女性.右大腿骨頚部骨折と左尺骨骨幹部骨折の術後に,骨粗鬆症に対しエルデカルシトールが投与されていたが,術後1年経過時に,左非定型大腿骨骨折と診断され,骨形成促進剤の導入及び治療目的に当院に紹介となった.血清Ca,P,ALPは異常値であり,骨軟化症が強く疑われた.考察:本症例のように脆弱性骨折を繰り返している症例では,血液検査の重要性が高く,骨粗鬆症のみならず骨軟化症の合併も考慮して治療すべきと考えられた.
著者
有井 賢次 渡邊 学歩 武智 国加 清水 則一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00002, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は,既存橋梁の安全監視へのGNSS (Global Navigation Satellite System)による変位計測の適用性を明らかにすることを目的に,センサーの設置方法の工夫,長期計測の安定性,変位計測精度などを調査し,GNSS変位計測が橋梁の複雑な変位挙動把握の有効な手段になり得る可能性を考察するものである.本稿では,スタティック測位方式で取得した3次元変位データと種々のモニタリングデータとの比較により,載荷荷重に対する橋梁のたわみおよび温度変化に起因する比較的長期かつ周期的な三次元変形挙動に対して,必要な精度で計測可能であることを示すとともに,構造解析や計測データの解析結果に基づき,長期および短期の変位挙動把握の可能性に関する検討結果を報告する.
著者
清水 則夫
出版者
日本思想史研究会
雑誌
年報日本思想史 (ISSN:13472992)
巻号頁・発行日
no.8, pp.24-39, 2009-03-25
著者
清水 誠 薩 秀夫
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.555-563, 2004-11-20 (Released:2017-10-10)
参考文献数
36

食品中の栄養素や機能性成分が体内に吸収される場として小腸上皮はもっとも重要である. 小腸における吸収(物質輸送)の効率を変化させれば, 体内に入る栄養素の量をコントロールすることができる. 近年開発が急速に進んでいる特定保健用食品の中には, 腸管における栄養素吸収を制御することを主要なメカニズムとする製品も多い. 糖の消化吸収を抑え血糖値の上昇を抑制する食品, コレステロールの吸収を抑えて血清コレステロールレベルを制御する食品, 中性脂肪の消化吸収を抑えて肥満を予防しようという食品, ミネラルの腸管吸収を促進する食品など, 腸管における栄養素の消化吸収を制御することは, 生活習慣病の予防のための簡単でかつ実効性の高い戦略と認識され, 利用されている. また, 腸管上皮は食品成分をはじめとする腸管内容物と直接接触する組織であり, 食品成分の影響を受けやすい組織でもあると推定される. 物質の吸収のみならず, 食品成分が持つさまざまな情報を受容し, それに応答する組織としても腸管上皮は興味深い.
著者
清水 聖志人 永見 智行 森山 倫良 佐藤 満
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.177-187, 2012-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
10
被引用文献数
2

This study focused on the takedown movements of female Japanese World Champion wrestlers in competition. Take down time which conducted from touching leg to getting point and these movements of two World champions were compared with those of other of other high level athletes.     As a result, World Champion had much higher number of effective takedown and much shorter the takedown time than other wrestlers. The following four findings were obtained as characteristics of a successful takedown movement. 1)Stayed in a forward leaning stance. 2)Head direct movement toward trajectory with little up and down motion. 3)The step back (jab step) of the trail leg was short. 4)Takes a leg attack with the opponentʼs loss of balance.     It is thought that a practical application of these findings could result in more effective coaching and training.
著者
津山 真拡 劉 笛 藤田 恵美子 亀田 豊 清水 宗茂
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00033, (Released:2023-06-09)

本研究では, 国内の異なる海域で採取し, 製造された3種類 (沖縄県産, 伊豆大島産, 徳島県産) の国産食塩に含まれる大きさが20µm以上のMPの存在について, 顕微FT-IRを用いた分析を行った. その結果, すべての食塩にPPおよびPEが存在していた. ほかにも, 4種類のMPが確認され, FT-IRでの検出が困難であった微小なMPが食塩中に存在することを明らかにした. また, ほとんどのMPは粒子状であり, 大きさは29~459µmと幅広く存在していた.
著者
松方 冬子 蓮田 隆志 橋本 雄 岡本 真 彭 浩 高野 香子 川口 洋史 木村 可奈子 清水 有子 原田 亜希子 北川 香子 西澤 美穂子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

主たる成果として、松方冬子編『国書がむすぶ外交』(東京大学出版会、2019年)を刊行し、前近代のユーラシアの全域にみられた「国書外交」とその周辺にあった通航証について明らかにした。おもな論点は、今までtributary system(華夷秩序・朝貢体制・東アジア国際秩序などと訳される)と呼ばれてきたものは、その実態からみるならば国書外交と呼べるものであること、国と国をつなぐ仲介者(商人や宗教者、国書の運び手となることが多い)の役割が重要であること、である。台湾の中央研究院で日明勘合底簿の手掛かりとなる史料を発見するなど、多くの実証的な新知見を明らかにした。