著者
渡辺修次郎 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
1888
著者
渡辺 大一 福谷 俊 伊川 博 山浦 哲明 加瀬 則子 水谷 弘子
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.4855-4858, 1986-11-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

Two crystal forms of the new dihydropyridine derivative, methyl (E)-3-phenyl-2-propen-1-yl 1, 4-dihydro-2, 6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)pyridine-3, 5-dicarboxylate (FRC-8411), were obtained by recrystallization from methanol. These crystal forms were identified by using powder X-ray diffractometry, infrared spectroscopy, differential scanning calorimetry (DSC) and thermogravimetry. By means of DSC, the melting points of forms I and II were found to be 140 and 121°C, respectively.Forms I and II, having a similar particle size distribution, were administered orally or intravenously to spontaneously hypertensive rats. In the case of oral administration, the hypotensive action of form I was milder than that of form II and tachycardia was not observed after administration of form I.
著者
稲葉 克己 渡辺 貴介
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.98-102, 1986

第二次世界大戦前にほぼ完成された関東圏の鉄道網において、その鉄道敷設目的は、産業振興・沿線開発・通勤通学客輸送など多岐に渡っていたが、観光客輸送を目的とした観光関連鉄道路線と言える路線も数多く存在していた。それらの路線は。東京から各観光地に到達する方法の違いにより、「直結型」、「枝分型」、「回遊型」、「延伸型」、「創造直結型」、「創造枝分型」と呼べる6タイプに分類でき、時代と共に変遷していった。また、それらの路線を成立させるのに、各鉄道会社は、出発地・鉄道・目的地のそれぞれの地点で様々な観光客誘致策を実施した。
著者
中西 麻美 稲垣 善之 深田 英久 渡辺 直史
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

樹木の成長は土壌中の窒素や水分などの資源量と資源利用効率に影響を受ける。葉の窒素濃度は窒素吸収量の指標として、葉の炭素安定同位体比(δ13C)は水分利用効率の指標として用いられている。これらの指標を用いて窒素利用と水分利用がヒノキの成長量に及ぼす影響を高知県内の林齢28~73年のヒノキ人工林30林分で評価した。葉の窒素濃度は7.8~12.3mg/g、δ13Cは-28.4~-26.2‰を示した。窒素濃度とδ13Cには有意な関係は認められず、窒素濃度が高く、光合成活性が高い条件でδ13Cが増加する傾向は認められなかった。樹高成長量は0.08~0.53m/年、材積成長量は1.4~11.0Mg/ha/年を示した。林齢と窒素濃度を説明変数として成長量を予測する重回帰モデルでは、林齢が若く、生葉窒素濃度が高い林分ほど樹高および材積成長量が大きい傾向を示した。これらの重回帰モデルで、樹高成長量では53%、材積成長量では30%を説明できた。δ13Cと樹高や材積成長量には有意な傾向は認められなかった。したがって、高知県におけるヒノキの成長には窒素資源が重要であり、水分資源の制限は小さいことが示唆された。
著者
谷口 明日香 丸山 里菜 京極 奈美 渡辺 裕子 飯村(久松) 裕子 長尾 慶子 小林 理恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.157, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】近年、雑穀粉の健康機能性に注目が集まっているが、これらはグルテンを形成しないため、調理への利用用途は限定的である。しかし、小麦粉のグルテン形成を抑制しながら揚げ加熱する天ぷら衣には利用の可能性が高い。そこで、小麦粉以外に天ぷら衣として利用例がみられる主穀のうるち米粉・もち米粉と共に、雑穀の大麦粉・ソバ粉・ハトムギ粉を用いた天ぷら衣の力学特性並びに外観及び吸油量とから客観的に嗜好性を評価した。【方法】各穀物粉15 gに、小麦粉の粘度と同程度となるよう加水し、バッターを調製した。これを直径30㎜×高さ10㎜のシリコンカップに2.0mLずつ分注し180±5℃に熱したキャノーラ油600 mLにカップごと投入して140秒間揚げ加熱した。各揚げ衣は1分放冷後、重量、表面色(L*, a*, b*値)、破断強度を測定した。また、各揚げ衣5 gに付着した油を石油エーテルで抽出後、40℃で蒸留して吸油量を測定比較した。【結果】揚げ衣の圧縮初期の応力及び微分値を比較すると、その硬さはうるち米粉・ハトムギ粉>大麦粉>ソバ粉となり、うるち米粉、ハトムギ粉、ソバ粉は小麦粉に比べて吸油量が少なかった。雑穀粉の揚げ衣の色は、主穀粉に比べて暗褐色であったが、特にソバ粉では濃い灰褐色を呈していた。天ぷら衣は淡黄色でもろく軽い仕上がりが望ましいことから、雑穀の大麦粉及びハトムギ粉は天ぷらの衣として小麦粉と代替えできる可能性が高い。
著者
小宮山 荘太郎 渡辺 宏 笠 誠一 西納 真介 広戸 幾一郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.417-424, 1981-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
13

The middle and inferior pharyngeal constrictor muscles which are composed of the hyopharyngeal, thyropharyngeal and the cricopharyngeal muscle directly act and convey the bolus from the pharynx to the cervical esophagus. These muscles spread over the midposterior of the thyroid and cricoid cartilage like belts, and act like peristaltic movement of the visceral smooth muscle.Histochemical and physiological studies were done used the canine cricopharyngeal muscle just after sacrifice.Histochemical study;The fresh muscle were frozen and sectioned by cryostat The specimens were then stained by myofibrillar adenosine triphosphatase, phosphorylase, reduced nicotinamide adenine dinucleotid dehydrogenase and succinic dehydrogense. The cricopharyngeal muscle was occupied mainly by the type I fiber, whose occupational ratio was 57%. The type I fiber was recognized at the ratio of 12% in the hyopharyngeal, 20% in the thyropharyngeal, and 16% in the cervical esophageal muscle.Mechanogram:The muscle specimen was diluted by the modified Krebs solution aerated by 95% O2. The cricopharyngeal muscle was then electrically stimmulated by 0.5 msec duration rectangular impulse. Time to reach peak tension in single twitch was 380 msec in the cricopharyngeal muscle and 70 msec in the brachial muscle. The cricopharyngeal muscle was easily fused by 10Hz stimmulation, and formed the complete tetanus. The hypoharyngeal and thyropharyngeal muscle didn't show K+-induced contracture, but the cricopharyngeal muscle partially show this contracture while 118 mMol KCI solution was diluted.Manometric study in man:A recording catheter with four openings of diaphragmatic transducers 1.5cm apart was swallowed through the nose until the lower esophagus and the recording on swallowing 2ml of water was done with the catheter withdrawn. The sequences of study were done aiming to the pressure change, first, on swallowing at the level of the nasopharynx, oropharynx, hypopharynx and upper most of the esophagus, and secondarily, of dynamic propelling force to convey the bolus ahead in the esophagus. It was an interesting result that there was a physiological low pressure zone around the vallecula of the pharynx. This result reflects the phenomenon that patient complaining of mild dysphagia remains the rest of barium at the vallecula on esophagography. Force to withdow the ball from the esophagus was stronger in male than in female, and at the level of the cricopharyngeal muscle, strain gauge showed the force of 700g in male and 400g in female.
著者
荻野 雅史 江連 和己 渡辺 彰 佐々木 和人 鈴木 英二
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-24, 1995 (Released:2003-08-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

三郷市健康フェアーに参加した一般県民74名(男性31名,女性43名)を対象に,ウエストヒップ比と肥満指標(Body Mass Index,体脂肪率,皮脂厚)及びWBIの関連性について調査検討した。その結果,ウエストヒップ比と肥満指標・WBIとの間には相関関係が認められた。このことから,ウエストヒップ比は,肥満の評価には有用であり,また,筋力低下による下肢痛などの障害発生の一指標になる可能性があると考えられた。
著者
伊藤 隆 渡辺 賢治 池内 隆夫 石毛 敦 小曽戸 洋 崎山 武志 田原 英一 三浦 於菟 関矢 信康 及川 哲郎 木村 容子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.195-201, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
1

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。
著者
藤本 潔 小野 賢二 渡辺 信 谷口 真吾 リーパイ サイモン
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1.はじめに<br><br> マングローブ林は、地球上の全森林面積の1%にも満たないが、潮間帯という特殊環境下に成立するため、他の森林生態系に比べ、地下部に大量の有機物を蓄積している。しかし、その主要な供給源である根の生産・分解プロセスは不明のままであった。そこで本研究では、主として細根の蓄積・分解速度を、樹種別、立地環境別に明らかにすることを目的とする。対象地域は、熱帯湿潤環境下のミクロネシア連邦ポンペイ島とマングローブ分布の北限に近い亜熱帯環境下の西表島とする。対象樹種は、アジア太平洋地域における主要樹種で、ポンペイ島はフタバナヒルギ(<i>Rhizophora<br>apiculata</i>)、ヤエヤマヒルギ(<i>Rhizophora stylosa</i>)、オヒルギ(<i>Bruguiera<br>gymnorrhiza</i>)、マヤプシキ(<i>Sonneratia alba</i>)、ホウガンヒルギ(<i>Xylocarpus<br>granatum</i>)、西表島はヤエヤマヒルギ、オヒルギとする。<br><br>2.研究方法<br><br> 各樹種に対し、地盤高(冠水頻度)の異なる海側と陸側の2地点に試験地を設置し、細根蓄積速度はイングロースコア法、分解速度はリターバッグ法で検討した。イングロースコアは径3cmのプラスティック製で、約2mmのメッシュ構造となっている。コアは各プロットに10本埋設し、1年目と2年目にそれぞれ5本ずつ回収した。コア内に蓄積された根は生根と死根に分け、それぞれ乾燥重量を定量した。コア長は基盤深度に制約され20~70cmと異なるが、ここでは深度50cmまで(50cm未満のコアは得られた深度まで)の値で議論する。リターバッグにはナイロン製の布を用い、径2㎜未満の対象樹種の生根を封入し、各プロットの10cm深と30cm深に、それぞれ3個以上埋設した。<br><br>3.結果 <br><br> 1) 細根蓄積速度<br><br> ポンペイ島では、現時点でフタバナヒルギとヤエヤマヒルギ陸側の2年目のデータが得られていないため、ここでは1年目のデータを用いて検討する。細根蓄積量(生根死根合計)は、海側ではいずれの樹種も40~50 t/ha程度であったが、陸側では、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキ、およびオヒルギが25 t/ha前後と相対的に少なかった。樹種毎に海側と陸側で比較したところ、フタバナヒルギの死根と生根死根合計、マヤプシキの生根と生根死根合計、オヒルギの生根死根合計で海側の方が陸側より有意に多かった。樹種間で比較すると、海側の生根はマヤプシキが有意に多かった。陸側の死根は、ヤエヤマヒルギがオヒルギ、マヤプシキ、フタバナヒルギより多い傾向にあり、陸側の生根死根合計は、ヤエヤマヒルギとホウガンヒルギがオヒルギ、マヤプシキ、フタバナヒルギより多い傾向にあった。海側の死根は、マヤプシキがヤエヤマヒルギ、オヒルギ、ホウガンヒルギより有意に少なかった。<br><br> 西表島の1年目の細根蓄積量は、ヤエヤマヒルギが海側で6 t/ha、陸側で9 t/ha、オヒルギが海側で4 t/ha、陸側で6 t/haであった。海側と陸側で比較すると、1年目、2年目共、いずれの樹種も有意差はみられなかったが、樹種間では2年目の陸側生根でヤエヤマヒルギがオヒルギより有意に多かった。標高がほぼ等しいヤエヤマヒルギの陸側とオヒルギの海側では有意差はみられなかったが、ヤエヤマヒルギの海側とオヒルギの陸側では前者が有意に多かった。<br><br> ポンペイ島と西表島で比較すると、ポンペイ島の方がヤエヤマヒルギで約7倍、オヒルギで4~7倍多かった。ただし、地上部バイオマスは、西表島のヤエヤマヒルギ林が80 t/ha、オヒルギ林の海側が54 t/ha、陸側が34 t/haであるのに対し、ポンペイ島のヤエヤマヒルギ林は216 t/ha、オヒルギプロットの林分は499 t/haであった。すなわち、地上部バイオマスはポンペイ島の方がヤエヤマヒルギ林で約2.7倍、オヒルギ林で9.2~14.6倍多く、ヤエヤマヒルギは地上部の相違以上に地下部の相違が大きいのに対し、オヒルギは地上部の相違ほど地下部の相違は大きくなかった。<br><br>2)分解速度<br><br> ポンペイ島におけるリターバッグ設置1年後の残存率は、ヤエヤマヒルギの海側10cm深で7.7%と極端に低く、フタバナヒルギの陸側30cm深とオヒルギは60~85%と相対的に高かった。他の樹種はおおよそ40~50%程度であった。西表島はいずれも50~60%で有意差はみられなかった。
著者
両角 清隆 渡辺 誠 森川 博
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.29-36, 1996
参考文献数
7
被引用文献数
1

ユーザーの行動を分析・モデル化し,それを基にしてインタフェースデザインを行うことより,わかりやすいインタフェースデザインを達成することが目指されている。しかし,実際のユーザーの経験は多様であり,モデル化は容易ではない。そこで,これまでの研究で行動の類似性が認められた緊急時の操作を題材として,インタフェースデザインを考えた。緊急時の行動の特徴であるa)すぐ操作できる方法を選択する,b)一般的な知識を使って操作する,c)順方向操作との関係性(対称性)を想定して操作する,を考慮してシミュレーションモデルを作成した。その結果,ユーザーの緊急時操作の行動特性に対応したユーザーインタフェースデザインの指針として次の項目を得た。1)行動の特性に合った複数の操作経路を設定する,2)操作の対象を視覚的に表現する,特に緊急時の操作に対応する操作子は表面に設定する,3)情報の処理で認知的に高負荷をかけるダブルファンクション等は避ける
著者
渡辺 拓 高塚 尚和 Watanabe Hiraku Takatsuka Hisakazu
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 = Niigata medical journal (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.130, no.6, pp.361-373, 2016-06

全国の交通事故発生件数,負傷者数及び死者数は減少しているが,高速道路における交通事故は増加傾向にある. 一般に高速道路では, 事故が発生すると乗員が重篤な外傷を負う可能性が高く, 事故時の救急搬送体制,救急医療体制の整備が求められている.本研究では,新潟県警察本部交通部から提供された新潟県内の関越自動車道において, 2006年1月から2012年12月末までに発生した人身事故292件について,病院への救急車による搬送の状況を中心に調査を行い,救急医療の現状と問題点について検討した.交通事故292件中,救急搬送された件数は182件(搬送率62%)であった. 負傷者数は463人(軽傷者371人, 重傷者81人,死者11人)であり,救急搬送された負傷者は309人(搬送率67%)(軽傷者228人, 重傷者70人,死者11人)であった.事故発生時刻は, 8~17時に比較的多く発生し, 21~23時, 2時~4時は少ない傾向にあった.事故現場から病院に搬送されるまでに要した時間は、平均20分,距離は平均15.4kmであった. また事故発生現場は関越道ほぼ全域に見られ,負傷の程度とも明らかな関連は認められなかった.救急搬送された負傷者309人のうち,重傷者及び死者が81人と約1/4を占めていたが, 関越自動車道が整備されている中越及び魚沼地区では,高度の救命救急医療が可能な医療機関は,長岡赤十字病院,立川綜合病院,長岡中央総合病院と長岡市に偏在している. 重篤な負傷者は,受傷後1時間以内に手術が行われるか否かが生命予後を決定する重要な因子であるが,前述の3病院に搬送された事例において,交通事故の覚知から病院に搬送されるまでに要した時間が1時間を超えたものが64人中19人, 32%存在していた. 2015年6月に開院した魚沼基幹病院が救急搬送にもたらす効果を明らかにするため,関越自動車道の各キロポスト区間における最短搬送時間と距離を算出し,魚沼基幹病院開院前と同院開院後での変化をシミュレーションした.その結果,上り線では平均搬送時間が27分,搬送距離が26.6km短縮され(p<0.05), 下り線では平均搬送時間が24分,搬送距離が25.3km短縮されることが判明した(p<0.05). さらに上り線及び下り線がそれぞれ交差している国道及び県道に,高速自動車道から直線の救急車専用退出路を設置したと仮定して, 1キロポスト毎に搬送時間を検討した.その結果,上り線では平均搬送時間が3分短縮し(p<0.05), 下り線では1分短縮した(p<0.05). 2016年秋頃に2機目のドクターヘリが長岡赤十字病院に導入されることから,前述の長岡市の3病院に搬送された64人についてその効果を検証した.その結果,平均搬送時間が19分短縮されることが、判明した(p<0.05). しかし, ドクターヘリには,夜間巡航や高速道路上に直接着陸できない等の問題があることから,消防防災ヘリとの連携,高速道賂上やサービスエリア離着陸の検討が必要である. さらにドクターカーの適切な運用や高速道路からの救急車専用退出賂の整備等も必要である.救急搬送に関わる諸機関がこれまで以上に連携して,救急搬送を取り巻く環境及びシステムを改善・構築し, さらなる人命救助に繋げる必要があると考える.
著者
渡辺 賢一 井上 幹雄 中野 るりこ 文 娟 国崎 恵 水戸 沙耶佳 馬 梅蕾 TV プニヤコッテイ G ナラシマン PS スレシュ P パラス M ワヘッド KA ファデア AE リヤド H ベナム 平山 匡男 小林 隆司 小山 博史 神田 光雄
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.120, no.5, pp.279-289, 2006-05-10

【目的】γ-aminobutyric acid (GABA)・リンゴ酢含有飲料水「顆糖熟(かとなーる)^[○!R]」の血圧に及ぼす作用と安全性を検討した.【方法】対象は,正常血圧者(収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満.N群.8名)と未治療正常高値血圧者(収縮期血圧130-139mmHgまたは拡張期血圧85-89mmHg)・軽症高血圧患者(収縮期血圧140-159mmHgまたは拡張期血圧90-99mmHg)のH群(10名)のボランテア計18名(男/女=13/5.平均46±3歳.)である.1本90mlにGABA70mg含有する飲料水「顆糖熟^[○!R]」を1日1本12週間摂取し,2週間毎に血圧・血液生化学・尿を検査した.【結果】診察所見・自覚所見で有害事象は見られなかった.N群では摂取による血圧の有意な変化は見られなかった(収縮期血圧118±3mmHgから113±4mmHg).H群では,摂取6週目から血圧低下が見られ,開始日(収縮期血圧136±2mmHg)と比較して10・12週目に有意な低下が見られた(収縮期血圧129±3・128±4mmHg,両p<0.05).興味深いことに,摂取中止2週後は更に血圧が低下し(126±3mmHg,p<0.05),中止4過後に血圧が上昇してきて摂取前と差が見られなくなった(130±4mmHg).摂取による血液生化学・尿検査の異常変化は見られなかったが,血糖値・GOT・γ-GTP・LDHの有意な低下と総コレステロール値の低下傾向が見られた.【総括】GABA含有飲料水「顆糖熟^[○!R]」は正常高値血圧者・軽症高血圧患者で緩やかに血圧を降下させ,安全性が高いことが示唆された.
著者
渡辺 喬 高木 康 五味 邦英 岩田 隆信
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.512-517, 1995-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
16

脳神経疾患における血清CKおよびCKアイソザイムの変動をクモ膜下出血, 脳内出血, 脳梗塞, 脳腫瘍, および頭部外傷を対象として検討した.診断は, 病歴, 症状, 髄液所見やCTスキャン, 脳動脈撮影により行った.血清総CK活性は, クモ膜下出血, 脳内出血では症例によるバラツキが大きく, 健常基準値より異常高値となる症例はそれぞれ4例 (20%) , 3例 (33.3%) であった.これはCKアイソザイムについても同様であり, 非CK-M活性はクモ膜下出血では症例によるバラツキは大きいが, 平均値は健常対照群の約2倍であり, 3例 (15%) に電気泳動法でCK-BBが検出された.これらに対して脳腫瘍や脳梗塞では血清総CK活性は健常対照群とほぼ同値であり, 異常高値となる症例もほとんどなかった.また, 外科的治療による経時的変動では術後1~1.5日で血清総CK活性は1, 500~2, 500IU/lの極値となった後に漸次低下し, 術後1週間でほぼ健常基準値に復する経過であった.これは非CK-M活性, CK-MB蛋白量も同様であり, 症例によっては術後1~2日に電気泳動上でCK-BBが検出された.CK-BBと疾患の重症度, あるいは手術時の侵襲の程度との間の関係については詳細な分類による検討は行わなかったが, 直接的な因果関係はないように思われた.