著者
若倉 正英 岡 泰資 三橋 孝太郎 橋本 孝一 泊瀬川 孚 宮川 孝
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.337-343, 1998-05-30
参考文献数
4
被引用文献数
1

一般廃棄物では収集運搬, 処理過程で少なからぬ事故が発生している。一般廃棄物を取り扱う工程での安全を担保するためには, 危険性の実態を把握することが重要である。廃棄物処理管理技術者協議会では厚生省の協力の下に, 平成4年から8年の間に一般廃棄物処理施設で発生した事故に関するアンケート調査を行い興味のある結果を得た。5年間で400件近くの事故が報告され, その中には32名の死亡者と198名の負傷者が含まれ, 被害額1, 000万円以上の物損事故は30件以上発生した。<BR>カセットボンベなどに起因する火災, 爆発事故が多発し大きな施設破壊と時には人身事故を引き起こしていた。また, 施設の老朽化や処理対象廃棄物の増加, 作業マニュアルの整備の不足は種々な労災事故の原因となっていた。さらに, 新規な処理技術の開発や処理対象物質の多様化が進んで, 混触による中毒や異常反応に伴う爆発など, 事故の形態がこれまで以上に複雑化してくる可能性が示唆された。
著者
瀬川 栄一 静間 久晴 柏木 宏彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P1120-C4P1120, 2010

【目的】<BR>近年、理学療法士はスポーツ現場より様々な立場での介入を求められることが増加傾向にある。その中でもメディカルスタッフとしてアスリートに対するコンディショニングサポートを要求されることが多い。スポーツ現場においてコンディショニングの用語の定義は難しく、「技術面」、「体力面」、「栄養面」、「用具」など総合的な意味合いで使用されることが多い。中野によれば、競技者のコンディショニングでは、目指す大会期日に照準を合わせてトップコンディショニングになるように準備することを目的とし、選手自らがコントロールしなければならず、選手の主体的なコンディショニング管理はセルフコントロール(自覚的コンディション)が階層的な部分の底辺にあり土台となるとしている。それに対して、理学療法士を含むコーチやトレーナーといった職種のプライマリーケアが競技成績に反映される、とされ重要視されている。本研究においては、2009年5月に行われた水球男子日本代表のワールドリーグアジア大洋州ラウンド遠征に帯同した機会を用いて、競技者の自覚的疲労度と理学療法の介入に焦点をあて関係性を検討する事にした。<BR><BR>【方法】<BR>2009年5月22日~31日においてFINA Water Polo World League 2009 アジア大洋州ラウンドが開催された。日程の詳細は22日~24日(オーストラリアラウンド)、28日~31日(ニュージーランドラウンド)であった。また、ラウンド間の日程は練習を行った。対象は2009年4月に行われた代表選考会により選出され本遠征に参加した男子選手13名、平均年齢22.6±3.18歳。調査期間は2009年5月20日から31日の12日間。理学療法(以下PT)は希望者に対し、夕食後介入した。この間施行したPTは106件あり、処置内容の割合はマッサージ52%、アイシング14%、ストレッチング12%、超音波療法10%、その他12%であった。選手全員は夕食時およびケア対応時に配布された問診表に、疲労・疼痛を感じる部位とその強度を記入した。強度に関しては、疲労を全く感じていない状態を0としてベースラインを設け、疲労は1~3、疼痛は4~6の6段階スコアにて表現した。各選手の訴える身体部位すべてのスコアを合計し、前日との差を求めた。次にそれら全選手11日間分のデータを、前日にPTが介入した群とPTが非介入であった群に振り分け、スコアの合計、延べ人数を算出し比較・検討した。検定にはMann-WhitneyのU検定を用い、有意水準5%にて解析した。<BR><BR>【同意と説明】<BR>対象者には遠征参加時に研究目的・研究内容について十分な説明を行ったうえ同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR>11日間における介入群の延べ人数は62人、合計スコアは-65と自覚的疲労度は減少した。非介入群では延べ人数81人、合計スコアは20という値を示した。2群間において、介入群に有意な疲労度の減少が認められた(p<0.05)。<BR><BR>【考察】<BR>今回、短期間の横断的手法であったものの、理学療法の介入が選手の自覚的疲労度を低下させる結果を得られた。遠征初期では約2週間の国内事前合宿と長時間の移動による影響から不安定な値を示した可能性が考えられた。ファーストラウンドの終了した24日には大会主催の食事会があり、介入する事ができず翌日に疲労度を上昇させた要因と考えた。<BR>セルフコントロールがコンディショニング作りの基礎であると考えるならば、主観的な感覚にアプローチする意義はある。そして、アスリート自身が疲労感を自覚的にとらえることができるような指導を行わなければならない。アスリートの主たる内省報告の内容は「筋肉のハリ」や「痛み」、「違和感」といった抽象的なものが大部分を占めている。それらの要求を軽減させることが選手やチームのコンディショニングの向上につながるであろう。これらはいわゆる遅発性筋痛(delayed on-set muscle soreness: DOMS)に対するアプローチと言い換えられることも考えられ、処置内容の生理学的考察と内省報告との相関を検討することを今後の課題とした。<BR>【理学療法学としての意義】<BR>スポーツの現場からは常に理学療法士としての介入を求められるとは限らない。特に「アスレチックトレーナー」としての介入が一般化してきている。そのうえ合宿や大会期間のみという短期間で「競技成績」や「パフォーマンスの向上」といった、チームに対する貢献度が我々の業務評価につながることもあり、「チーム強化」という目的を意識しなくてはいけない。このような需要にこたえることが理学療法士の社会的地位向上や職域拡大の一助となるであろう。また、自覚的な疲労感を考察することは一般の医療機関における臨床場面においてもフィードバックできる要素と考える。<BR>
著者
栗﨑 宏 藤井 義久 簗瀬 佳之 西川 智子 中野 ひとみ 瀬川 真未 清水 秀丸
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.256-263, 2015 (Released:2016-02-01)
参考文献数
7

寺社,木橋,古民家といった日本の伝統的木構造物では,擬宝珠,端隠し,根巻き,釘隠しなどと呼ばれる銅製金物が,防水の目的で施工されてきた。これら銅金物を施工した建築物では,金物の下方の木材部材の生物劣化が強く抑制されているものがある。これは,金物から溶出した銅が部材に移行し,木材保護効果を発揮したのではないかと考えられる。銅の溶出を検証するために,三条大橋高欄の銅擬宝珠付き木柱や釘隠し付き横木の表面と,橋のたもとに設置された防腐処理支柱の表面を,ハンドヘルド型蛍光X 線分析装置を用いて分析した。得られた蛍光X 線強度値から,FP 法に基づいて各元素の含有率を算出した。その結果,擬宝珠付き支柱表面では14の全測定点から銅が検出され,うち12点では防腐処理支柱表面で検出された銅含有率0.4%を上回った。今回の調査により,銅金物からは銅が溶出して周囲木材へ移行すること,また,その銅の量は木材の生物劣化抑制に十分寄与しうるレベルであることが確かめられた。
著者
瀬川 真平
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.215-236, 1995
被引用文献数
7 3 8

Buildings are moulded by and reflect order, social relations and ideas. However, how people build not only results from but also exerts influences upon how they think: order, social relations and ideas find expressions in actual buildings.As a message any building has to be decoded by those who use or observe it. But while it is composed of a multiplicity of signs, it also invites a plurality of readings and meanings. It must thus be considered on the basis of whose beliefs or whose view of the world a particular reading and meaning circulated in society is made up.The powerful in society often bring up unintentionaly as well as deliberately a certain reading and meaning of a building. Rather, the dominant are those who manage to present them that may be taken in as unquestioned and thus "natural". Buildings are major arenas where reading and meaning publicly unfold.The material of my discussion is the Taman Mini Indonesia Indah (Beautiful Indonesia in Miniature Park), popularly known as Taman Mini, located in a suburb of Jakarta, the capital city of Indonesia. It is both a recreation park and a cultural theme park containing examples of traditional architecture, museums, religious buildings, movie theaters, gardens, and other cultural and historical exhibitions and facilities alike. It is designed to provide visitors with an overall insight into Indonesia's people, arts, social customs, history and living environment.My purpose is to reveal the use of the Taman Mini by investigating its design, location and way of representing, considering the socio-political setting of which it is a part. Both in the selectivity of its content and in the signs and style of representation the Taman Mini works to support the order favorable to those who have built it.In November, 1971, when the government was shifting to pro-capitalistic development policies, the President's wife first announced an idea to build a museum-park complex aiming at making Indonesia known to international tourists and raising national consciousness. A few years before, the republic saw the most crucial time in its post-colonial history. Late on the evening of 30 September 1965, army units launched a limited coup in Jakarta ostensibly to remove a group of generals said to be plotting against the then (and first) president. They killed six leading generals, the corpses of whom were later discovered in a well near the present site of the Taman Mini. The coup was crushed in twenty-four hours by special forces commanded by Major General Suharto. These events laid basis for a gradual seizure of power by him and the installation of the so-called New Order.Mrs Suharto's idea immediately came under attack by intellectuals and students, for being for her prestige and a waste of domestic funds, and for the compulsory clearing of small-holder farmlands at the site at a low rate of compensation. She insisted on fighting for her project and declared it was of service to the people to deepen their love for the fatherland. At last the President uttered a statement affirming his full back-up to his wife's project. Construction of the vast park began in 1972, and the opening by the President occurred on April 20, 1975.Some facilities and exhibitions of the Taman Mini are precise replicas with more perfection than their originals. Others are drained from immediate functions and actual life by being replanted regardless of the backgrounds on which they should be. They are all signs of"Indonesian-ness", and the Park serves as a sketch map showing in public space how Indonesia is organized.The Taman Mini conveys a set of values. The juxtaposition of provincial architectures, houses of worship, folk ways of life, handicrafts, and performing arts visualize the cultural diversity and relativism of Indonesian society.
著者
杉山 暢彦 澤本 潤 杉野 栄二 瀬川 典久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-07-28

論文サーベイは研究活動において、動向調査や新規性の確認をするための非常に重要な過程の一つである。近年では、Google Scholar や Cinii などといった論文検索サービスによって簡単に論文を探して取得できるようになった。しかし、論文検索は目的に沿った論文を探すために、より深くページを辿り、多くのキーワードを使う必要がある。そのため論文検索は、少数の優良なページを探したら活動を終了できる通常の検索活動とは大きく異なる特徴を持つ。そこで、本研究では他者の検索結果を利用する事で論文検索活動を容易にするシステムを提案・実装した。本システムは論文検索機能に加えて、キーワードに関する論文グループを提示し、グループ内で利用されるキーワードを提示する機能を持つ。これにより、論文検索における手間の軽減を狙う。In research activities, paper survey is one of the process very important for checking the novelty trends and research. In recent years, it has become possible to find and fetch the paper simply by article search services such as Cinii and Google Scholar. However, in order to find the paper in line with the objective, it is necessary to follow a deeper page, use many keywords paper search. Search paper is characterized by very different from the normal course of search that can terminate the activity if you looking for a good few pages for that. Therefore, we propose and implement a system that facilitates the search paper activities by making use of the results of others in this study. In addition to the article search function, the system has the ability to present a paper on the keyword group presents a keyword that is used within the group. As a result, I aim to reduce the time and effort in the paper search.
著者
齋藤 光正 飯田 健一郎 Villanueva Sharon Y. A. M. 麻生 達磨 宮原 敏 尾鶴 亮 金丸 孝昭 瀬川 孝耶 吉村 芳修 池尻 真美 荒牧 夏美 日高 悠介 Chakraborty Antara Widiyanti Dian Muslich Lisa Tenriesa Amran Muhammad Yunus Gloriani Nina G. 小林 好江 福井 貴史 増澤 俊幸 柳原 保武 吉田 眞一
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

レプトスピラ症の感染成立から重症化(とくに黄疸発症)に至るまでの病態メカニズムについて次のような新知見が得られた。レプトスピラは、皮膚の角化層が失われると表皮細胞間(あるいは細胞内)を通過して皮下まで侵入し感染が成立する。感染初期は皮下脂肪組織の血管内に定着し増殖する。やがて増殖の場は肝臓が主体となる。肝臓のディッセ腔に達したレプトスピラは肝細胞間に侵入を始め、細胞間接着を剥がして毛細胆管の構築を破壊する。その結果胆汁排泄障害を来たし、黄疸が生ずる。したがって、血管内定着、肝細胞侵入の際の標的分子が明らかになれば、それらのアナログにより重症化への進展を阻止できることが期待できる。
著者
瀬川 至朗 中村 理 山田 耕 桶田 敦 千葉 涼 于 海春
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災に伴う福島第一原発事故の初期段階について「事故の実態」「日本政府記者会見(東京電力を含む)」「全国紙の報道」という三者の関係性を分析した。「炉心溶融」に絞り、量的かつ質的に分析したところ、全体として、炉心溶融の実態を政府記者会見が過小に評価し、その記者会見を踏襲した形で報道される傾向がみられた。また、隣国である中国の新聞は当時、記事の情報源として日本のメディア報道を採用していた。本研究では日本政府記者会見をテキスト化しFUKUSHIMA STUDYのサイトで公開した。この会見テキストを用い、記者会見における記者の積極性や記者会見と新聞報道の連動性について、より詳細な分析を実施した。
著者
瀬川 直美 間 晃郎 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.93-111, 2011-02

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、その背景に織り込まれた民俗伝承を研究した先駆的業績である。第7章においては、鳥類を除く様々な動物にまつわる興味深い伝承や俗信が紹介されており、ここに訳出した(その1)では、サルからゾウまでが扱われている。西欧古典やキリスト教伝説などが引用され、古代人の風俗なども紹介されており、大変に興味深い内容である。
著者
浅野 祐一 瀬川 滋
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.357, pp.12-15, 2004-08-13

7月12日の夜から13日の夜までと16日から18日までの2回にわたって,新潟県や福島県を中心に豪雨が襲った。北陸地方に停滞する梅雨前線の南側にあった高気圧から暖かく湿った大気が流れ込んだからだ。最も激しく雨が降った7月13日の1日当たり降水量は,新潟県栃尾市栃尾で421mm,三条市三条で208mmに達した。

2 0 0 0 OA 長唄:浦島(一)

著者
(二世)瀬川 如皐[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1931-08
著者
瀬川 麻里子
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、原子炉から発生するガンマ線及び熱中性子線を種に高速中性子を他方向に発生させ、設置位置可変の分散型中性子ジェネレータを新たに開発する事を目的とする。そこで、LiF及びPbからなる中性子ジェネレータより発生する高計数率の中性子及び除去すべきバックグラウンドであるγ線を2次元で計測するシステムを構築した。当システムは、中性子・ガンマ線検出器、マルチチャンネルデータ計測器、可視化部からなる。線源及びコリメータを使用して当システムの空間分解能を評価し、本実験に向けた性能を実証することに成功した。
著者
瀬川 進 井塚 隆 玉城 世雄 奥谷 喬司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.101-108, 1993-03-31

1992年5月18日に, 沖縄県石垣島の米原沖約1.5kmのサンゴ礁で囲まれた水深約23mのくぼ地に発達した直径約20mの枝状の群体を形成するミドリイシ類を主体とするサンゴ礁において, アオリイカの産卵群を観察する機会が得られた。産卵群は少なくとも, 最後の観察を行った7月2日まで継続的に観察され, その間の産卵群の個体数は目視によると, 最低約20個体から最高100個体以上であった。産卵群の詳細な観察は1992年5月25日および5月28日にスキューバ潜水により行った。数個体を除いたほとんどのアオリイカは雌雄の対をなしており, 雌雄は同一方向を向いて上下にならんで遊泳していた。卵嚢は死んだ枝状のサンゴの上に発育した生きているサンゴの隙間を通して, 死んだサンゴの枝に産み付けられていた。卵嚢は従来報告されているアオリイカの卵嚢のように, 数十の卵嚢が卵嚢の基部から房状に束ねられて産み付けられるのではなく, 個々の卵嚢が比較的ばらばらにサンゴに付着しており, すでに産み付けられた卵嚢の中央部に付着して産み付けられた卵嚢も観察された。卵嚢中には5&acd;13個(平均9.2個, 標準偏差1.2個)の卵が1列に並んでいた。アオリイカでは1卵嚢中に10個以上の卵を保有する卵嚢の報告は今までに知られていない。産卵を行っている雌雄に他のアオリイカが近付きすぎた場合に, 番(つがい)を成している雄が近付きすぎた個体に対して独特の体色変化を示す例が観察された。他の個体が番を成している雄の上から近付いた場合は, 雄は雌に近い頭部および腕の部分を褐色にし, 相手に近い外套部を白く浮き立たせた。また他の雄が横から近付きすぎた場合には, 雄は雌に近いほうの体半分を褐色にし, 相手の雄の側面半分を白色に, 背中線を境に左右に異なる体色を示した。このような体色変化はアオリイカでは初めての観察である。従来沖縄に生息するアオリイカは, 漁業者によって「アカイカ」, 「シロイカ」, 「クアイカ」などと異なった名前で呼ばれていながら, 形態的には区別が付けられていなかった。しかし, 今回の観察により産卵生態, 1卵嚢中の卵数の違い等から, 明らかになんらかの形で隔離された複数の異なった個体群の存在が示唆される。
著者
堂浦 克美 逆瀬川 裕二 照屋 健太 逆瀬川 裕二 照屋 健太
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

プリオン病とアルツハイマー病では、難溶性蛋白質(プリオンとAβ)が脳組織内に沈着して神経細胞障害がおこる。インビトロ及びインビボにおけるアミロイド親和性化合物の構造活性相関解析研究を通じて、治療学の側面から両疾患に共通する病態発生のメカニズムの存在を検証した。その結果、難溶性凝集体としての物性は似ているものの、プリオンとAβでは凝集能や毒性に関与する立体的化学構造は異なっていることが明らかとなった。また、両疾患でアミロイド親和性化合物のインビボでの効果がほぼインビトロでの効果と相関しており、インビトロでの作用メカニズムの共通性から、プリオンとAβの産生や病態発生には共通なメカニズムがあり、アミロイド親和性化合物はこのメカニズムを抑制することにより治療効果を発揮しているものと考えられた。
著者
塚越 貴之 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子 瀬川 大勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.55-60, 2005-02-07
被引用文献数
1

本稿では,多重スケール解析としてウェーブレット変換を用いた非写実的画像生成手法を提案する.分散の異なるガウス関数の差分(Difference of Gaussian; DoG)による多重スケール解析を用いた非写実的画像生成手法が提案されている.本研究では,演算量がスケール数に比例する離散2進ウェーブレット変換を用い,従来手法に類似した画像を,より高速に生成する手法の実現を目指す.従来手法と同様に,分解した各成分の詳細度を考慮した重みを乗じ合成することで,エッジのような局所的な情報や,テクスチャのような大域的な情報を得ることができる.提案手法は,インタラクティブな処理を行うアプリケーションや動画像への応用が期待できる.This study is focused on non-photorealistic rendering (NPR) based on multi scale analysis. In the previous studies, difference of Gaussian (DoG) functions has been mainly used for multi scale analysis. Although wavelet transform is a technique for multi scale analysis, it has not been used for NPR. In this paper, therefore we propose a method of NPR with wavelet transform instead of DoG functions. Proposed method is expected interactive application and applying to video image.