著者
山本 一成 竹内 聖悟 金子 知適 田中 哲朗
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.42-48, 2010-11-12

本稿では,将棋においてMagicBitboardを適用する手法を提案する.Bitboardはチェスなどの二人ゲームのゲーム木探索で盤面を表現するのに適した手法であり,チェスや将棋の強いプログラムで広く使われている.MagicBitboardは従来のBitboardの手法に比べ,よりシンプルなデータ構造を管理するだけで利きを算出することが可能となる近年開発された手法である.MagicBitboardはチェスの盤面が一つの64ビット整数で表現できることに依存した手法であり,盤面のマス目の数が81マスの将棋で,MagicBitboardを使う方法は知られていなかった.しかし我々は初めて,複数の整数で表現された盤面においてMagicBitboardを使って利きを算出する手法を発明し,Bonanzaを使った実験で我々の手法の効果を示した.
著者
田中 宏樹
出版者
東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻生涯学習基盤経営コース
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号 : ;学位授与年月日 : 2009-3-23 ;学位の種別 : 修士 ;学位の種別 : 修士(教育学);学位記番号 : ; 研究科・専攻: 教育学研究科総合教育科学専攻
著者
田中 孝平 片山 翔 大倉 和貴 岡村 正嗣 縄田 佳志 中西 信人 篠原 史都
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.273-280, 2021-12-15 (Released:2022-01-15)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1

重症患者において骨格筋は身体機能に重要な役割を果たし,骨格筋の評価は重要である.骨格筋の評価にはComputed Tomography(CT),超音波検査,生体電気インピーダンス法(BIA法:Bioelectrical Impedance Analysis),バイオマーカーなどが用いられる.CTは正確な骨格筋量の評価が可能であり,第3腰椎レベルでの骨格筋量評価がゴールドスタンダードである.CTでの評価は放射線被曝の影響やCT室への移動を伴い,後方視的に骨格筋量の評価が行われることが多い.一方,超音波や体組成計は非侵襲的で,ベッドサイドで骨格筋量の経時的な測定が可能であるが,正確な測定には知識や技術を要する.重症患者は水分バランスの変動が大きく体組成計での測定では浮腫に注意する必要がある.さらに近年では骨格筋量評価のためのさまざまなバイオマーカーも報告されている.適切な骨格筋評価を本邦でも普及させることで,重症患者の社会復帰につながる栄養やリハビリテーションへの介入が期待される.
著者
坂本 文徳 大貫 敏彦 香西 直文 五十嵐 翔祐 山崎 信哉 吉田 善行 田中 俊一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.1111290030, (Released:2011-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
8 10

The environmental behavior of radioactive Cs in the fallout from the accident of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant has been studied by measuring its spatial distribution on/in trees, plants, and surface soil beneath the plants using autoradiography analysis. The results of autoradiography analysis showed that radioactive Cs was distributed on the branches and leaves of trees that were present during the accident and that only a small fraction of radioactive Cs was transported to new branches and leaves grown after the accident. Radioactive Cs was present on the grass and rice stubble on the soils, but not in the soils beneath the grass and rice stubble, indicating that the radioactive Cs was deposited on the grass and the rice plant. In addition, the ratio of the radioactive Cs that penetrated into the soil layer by weathering was very small two months after the accident. These results indicate that trees and other plants are the reservoir of the fallout Cs and function to retard the fallout Cs migration with rain water.
著者
田中 靖人
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.102-113, 2021 (Released:2021-10-10)
参考文献数
9

近年MMT(Modern Monetary Theory,現代貨幣理論)と呼ばれる学派の主張が注目を集めているが,これまであまり理論的,あるいは数学的な分析がなされることはなかった。本稿は効用関数と予算制約式による消費者の効用最大化,独占的競争における企業の利潤最大化,財の需要・供給の均衡,などの新古典派的なミクロ経済学の枠組みの基本を維持しながら,MMTの主張の骨格をなすものを理論的に基礎づけることを目的とし,技術進歩による経済成長を含む単純な静学モデルを用いて以下の事柄を論証する。1) 経済が成長しているときに完全雇用を維持して行くためには継続的な財政赤字が必要であり,その財政赤字を将来の黒字によって埋め合わせる必要はない。2) 実際の財政赤字が完全雇用維持に必要・十分な水準を上回ることによってインフレーションが引き起こされる。さらなるインフレーションを起こさないためには安定的に一定の財政赤字を続ける必要がある。3) 財政赤字の不足は不況を招き非自発的失業を発生させる。そこから回復させるためには完全雇用を維持して行くのに必要な水準を超える財政赤字が求められるが,完全雇用回復後は継続的な財政赤字が必要なので,不況克服のために生じた赤字を将来の財政黒字によって埋め合わす必要はないし,そうしてはならない。
著者
田中 里尚
出版者
文化女子大学
雑誌
文化女子大学紀要 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.31-38, 2011-01

本研究は,Angela McRobbieが行った『Jackie』の分析視角を『CanCam』に適用した試論である。1982年1月に創刊された『CanCam』(小学館)は,現在のイメージとは相反して大学生活をエンターテインメント化し,その架空の舞台を通じて,ファッションや恋愛の情報を提供する雑誌であった。ところが,80年代の好景気と雇用機会均等法の施行という背景を受けて,徐々に誌面の中での高級化が進行した。高級化とは単に情報として提示される服の価格の上昇ということではない。すなわち,服を用いて表現されるアイデンティティにステータス意識を持ち込むことによって,創刊当初の大学生活の舞台とファッションが犠牲になり,ステータス意識のある女性像が構築された。その結果,誌面にはブランドを推奨する記事があふれた。それは単にブランド好きということではなく,ステータス意識をもつ女性像に必要なものとして提示され,正当化をほどこされている。また,異性目線によって作られていたファッション記事は,ステータス意識を持つ女性が語る「自分らしさ」という言葉に代表されるように,自分あるいは同性の目線で作られる記事へと変容した。
著者
瀧 雅人 田中 章詞
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.759-764, 2019-11-05 (Released:2020-05-15)
参考文献数
10

このところ深層学習(ディープラーニング)という言葉を頻繁に耳にするようになってきました.巷では技術的特異点などのパワーワードに引っ張られ,人工知能が人間の仕事を奪うかもしれない等と報道されるケースも少なくないため,怪しい分野だと思われている方もいるかもしれませんが,そうではありません.機械学習の理論的下地は確率・統計学にあり,むしろ物理学を修めた方なら誰でも腑に落ちるような枠組みに支えられています.深層学習は,数多ある機械学習の手法群の中の一つの手法です.その一方,親玉である機械学習という分野は,データをもとにそこからパターン・知識を抽出する手法一般の研究開発を指します.物理学者が普段行っているデータ解析のうち,ある程度の割合は機械学習だといっても過言ではないでしょう.深層学習は,ニューラルネットワーク(ニューラルネット)と呼ばれる特殊な数理モデルを用いる点で,他の機械学習の手法と大きく異なります.ニューラルネットは20世紀の中頃,動物の脳の数理モデルとして提唱されましたが,その後はデータの学習のための機械学習モデルとして広く研究されるようになりました.長い研究の歴史を持つニューラルネットですが,2006年頃になり新しい段階に突入し,やがて加速的な発展期を迎えます.ネットワーク構造を深層化することでニューラルネットが極めて高い学習能力を発揮することが実証され,広範なタスクに対応できるネットワーク構造が次々と開発され始めたのです.この一連の流れで発見されたアルゴリズム・技術・ノウハウの総体が深層学習だ,といって良いでしょう.深層学習は画像認識にとどまらず,Google翻訳のような自然言語処理,音声の変換・生成,フェイク動画の生成,アルファ碁に代表されるゲームAIなど,急激にその応用範囲を拡大し,産業・科学技術の風景を変えつつあるのは皆さんもご存知の通りです.では,この間の研究によって全ては理解され尽くされ,応用も試み尽くされたのでしょうか? 実態はそうではなく,むしろその逆です.ニューラルネットが高い性能を実現する理論的なメカニズムは未だほとんど理解されておらず,そのためアドホックなネットワーク構造の設計も当然第一原理に基づくものではありません.そしてゲームAIのような探索的作業への大きな可能性があるにもかかわらず,深層学習の基礎科学への導入は,まだ部分的かつ初歩的な段階にあります.深層学習の高い表現能力や汎化性能の理論的理解や,データサイズに比べてデータ次元が極めて高いような場合に対応できる学習アルゴリズムの発見など,今後物理学者も寄与できる未解決問題も数多くあると考えられます.またこれまでの産業・ソーシャルデジタルデータだけではなく,科学データへの応用を通じて露わになる深層学習の技術的問題点や改良の可能性も数多くあるでしょう.これからは,基礎科学研究によって深層学習の新しい可能性が開けていくものと期待しています.
著者
菱田 吉明 土田 知也 西迫 尚 家 研也 佐治 淳子 田中 拓 奥瀬 千晃 松田 隆秀 田中 逸
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.153-160, 2019 (Released:2019-12-24)
参考文献数
29

44歳女性。2日間継続する発熱を主訴に近医受診し,尿路感染症の疑いで抗菌薬を投与されたが改善なく,翌日に全身筋肉痛と下痢を伴う40度の発熱とショックバイタルを呈し当院紹介となった。身体所見では結膜充血と顔面・四肢体幹にびまん性紅斑を認め,血液検査ではWBC 17,700 /μL,CRP 34 mg/dlと高度の炎症反応を認めた。身体所見及び,頸部〜骨盤部造影CTでは熱源となり得る有意な所見は指摘できなかった。月経期間中であったことや,以前からの生理用タンポンの使用歴からToxic shock syndrome (TSS) を疑い,多剤抗菌薬併用療法に加え,大量補液,昇圧薬による加療を開始した。血液培養は陰性であったが,腟細菌培養でmethicillin-sensitive Staphylococcus aureus (MSSA) が検出された。他の所見に加えて,第7病日には両手足の皮膚落屑を確認でき,TSSの診断を確定した。黄色ブドウ球菌が産生する毒素により引き起こされるTSSは敗血症性ショックを呈する疾患の中でも多臓器不全をきたし致死的となる可能性が高いが,疾患を想定した病歴聴取がなされなければ診断が困難な場合がある。近年日本でも生理用タンポンの使用率は増加傾向にあることより,月経関連TSSはさらに重要性が増すことが予想される。
著者
山崎 博史 藤本 心太 田中 隼人
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.40-53, 2019-02-28 (Released:2019-03-23)
参考文献数
80
被引用文献数
2

Meiobenthos is a term usually referring to microscopic benthic organisms which pass through a 1 mm mesh sieve and are retained on a 32–63 μm one. Meiobenthos occurs in any aquatic environment, shows high species diversity as well as high biomass, and often plays an important role in ecological and evolutionary studies. However, the species diversity of these animals in Japanese waters has been insufficiently investigated. Here we review several methodologies for collecting extant meiobenthos from the marine environment, including the method for sampling sediments in various environments, extracting meiobenthos from the sediment samples, and some tips for sorting, fixation, and observation of them.
著者
田中優美 伊藤久祥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.167-169, 2011-03-02

Twitterは、独自のゆるいつながりが特徴のコミュニケーションサービス<br />である。Twitter上においては、あるユーザにとって個人的に不快な<br />つぶやきがあった場合に発言者との関係を絶つ対処方法が提供されている。<br />しかし、この方法は、本サービスの特徴である他のユーザとのつながりを<br />破棄する形になってしまう。<br />本研究では、ユーザが不快と判断したつぶやきを見づらくすることで、<br />Twitter独自のつながりを保持したまま不快を受け流す手法を提案する。<br />タイムライン上の任意のユーザのつぶやきを見づらくするWebシステムを<br />試作し、その上でどのような見づらさが不快を受け流すのに適切であるか<br />検討し、評価を行う。
著者
田中 康平 Darla K. Zelenitsky François Therrien 小林 快次
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.25-40, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
160

主竜類(ワニ類,翼竜類,そして鳥類を含む恐竜類など)は,非常に多様で成功した陸上脊椎動物である.絶滅種(例,非鳥類型恐竜類)及び現生種(ワニ類及び鳥類)の営巣方法や営巣行動を理解することは,主竜類の進化や多様性を検討する上で重要である.しかしながら,恐竜類の営巣方法や営巣行動は,多くの場合,化石記録から直接観察できないため,かれらの営巣様式(巣の構造,抱卵行動,孵化日数など)は,卵・巣・胚化石から得られる特徴(クラッチサイズ,卵重,卵殻間隙率,胚の形態的特徴など)を用いて推定・復元される.非鳥類型恐竜類の巣や営巣行動は多様だったと考えられ,恐竜類を含め主竜類におけるこれらの形質の進化が議論できる.
著者
佐藤 友哉 田中 恒彦 前田 駿太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.21405, (Released:2023-02-01)
参考文献数
84

The purpose of this study was to conduct a systematic review of the literature on exposure therapy based on an inhibitory learning approach and to comprehensively summarize the accumulation of studies on this approach and its effectiveness. A literature search was conducted using PubMed, PsycINFO, and Web of Science. A screening and eligibility assessment identified 59 articles on exposure therapy based on the inhibitory learning approach. The literature was categorized according to the inhibitory learning approach’s specific strategies, and the intervention’s effects were reviewed. As a result of the overview, it became clear that there was an insufficient number of studies for each study, except for those pertaining to the use of partial agonists of NMDA receptors. Furthermore, although 33 of the 59 studies showed intervention effects, the breakdown of the studies was skewed. Therefore, it is thought that the inhibitory learning approach is not adequately effective, and further research data and research methods should be devised in the future.