著者
田口 真奈 後藤 崇志 毛利 隆夫 飯吉 透
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.109-118, 2017-12-01

京都大学は2014年よりKyotoUxとして、MOOCの提供を行っている。KyotoUxの研究チームでは、MOOCで得られた行動ログに加えて、質問紙調査を設計・実施して得られた回答を分析し、MOOCの質の向上に役立てるために講義を制作するチームやコース提供者に向けたフィードバックを行っている。本論文では、質問項目の設計プロセスやフィードバックのためのデータの可視化など、KyotoUxのデータ分析の実践について報告するとともに、今後、大学においてMOOCなどを通した教育実践を推進していくうえでの課題について論じた。
著者
丸山 俊則 田口 真 岸田 和人 熊本 秀喜 吉川 孝男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.67, no.664, pp.1948-1954, 2001-12-25
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

In these days, crashworthiness design has been required more frequently in rail vehicle. The results of static strength test of an end underframe that absorbs most of the crash energy were presented, as well as numerical simulations. By comparing both results, the numerical simulations were found to be adequately accurate. Then, a new and highly crashworthy structure was proposed. Both of the test and the numerical simulation confirmed that the structure worked well to absorb the crash energy. Further, effects of welding strength, geometrical initial imperfection, and strain rate on the crashworthiness were discussed. Especially, strain rate effect of materials is important to evaluate crashworthiness accurately.
著者
重田 勝介 中澤 明子 田口 真奈 松河 秀哉
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、高等教育初任者のキャリア形成を促し不安感を緩和するハイブリッド型対話支援システムを開発し評価するものである。そのために、オンラインで教員が普段の研究・教育活動を共有し語り合う教員用ソーシャル・ポートフォリオシステムを開発した。さらに、大学院生がプレFDの一環として反転授業を実施する知識や技能を身につけ、将来教員となるにあたってのスキル育成や不安感の低減を狙う研修プログラムを開発し実施した。評価の結果、参加者は教材内容に関する知識や実習における評価方法のほか、教材と授業双方に渡って学習目標の一貫性を保つことの重要性と難しさについて学んだことが明らかとなった。
著者
笠岡 俊志 大塚 洋平 牟田口 真 熊谷 和美 金子 唯 河村 宜克 鶴田 良介 前川 剛志
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.283-288, 2010-06-30 (Released:2023-03-31)
参考文献数
9

救急隊の活動中には現場や搬送の状況により良質な胸骨圧迫を実施できない可能性が指摘されている。本研究の目的は救急隊による心肺蘇生の質的評価と課題について検討することとし,救急救命士を対象に心肺蘇生の質に関するアンケート調査を行うとともに,蘇生訓練用シミュレーターを用いて胸骨圧迫の質および身体的ストレス度について評価した。アンケート調査では,蘇生活動時間のうち平均27%(中央値5分)は良質な胸骨圧迫を実施できていなかった。シミュレーターによる評価では,2分間の胸骨圧迫のうち約30%は良質な胸骨圧迫ではなかった。救急救命士の血圧・脈拍数・呼吸数で評価したストレス度は,胸骨圧迫実施前に比べ胸骨圧迫後に有意に上昇した。救急隊による心肺蘇生中には良質な胸骨圧迫を実施できない時間が存在し,改善策が必要である。
著者
香西 佳美 田口 真奈
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.449-460, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
28
被引用文献数
2

本研究は,大学教員の授業力量のうち重要な要素のひとつであるTPACK に焦点をあて,MOOCでの授業実践の経験を通じて大学教員がどのようにTPACK を形成しているのかを明らかにすることを目的とする.具体的には,MOOC での授業実践を経験した大学教員に対するインタビューにより,大学教員の授業力量がどのように変化したのかをTPACK フレームワークを用いて検討した.その結果,単一要素の知識ではなく複合的な知識を形成していることが明らかになった.これは,教員と専門家スタッフの双方が主体的な実践者として関与することで,互いに学び合う関係が構築されていたというMOOC 実践の特徴によるものであることが示唆された.さらに,MOOC での実践を普段の授業と関連づけることでTPACK 形成が促進され,普段の授業との違いが大きいほどより広範なTPACK が形成される可能性が示唆された.
著者
石井 伸尚 篠原 悠 田口 真希
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
pp.21-16, (Released:2022-07-14)

高齢者はがん手術後の回復遅延,術後合併症,ADL低下のリスクが高いとされている.本研究では高齢群と非高齢群に分け,肺癌手術前後の運動耐容能,身体機能・ADLの特性,手術前後における身体機能・ADLの変化率を比較した.対象は原発性肺癌の診断で肺切除術を受けた患者46名(高齢群22名,非高齢群24名)とした.カルテより患者背景(年齢・呼吸機能など),手術関連因子(術式・手術時間など),手術前後の身体機能・ADLとその変化率を調査し群間比較を行った.術前の6分間歩行距離,TUG,片脚立位保持時間は高齢群で有意に低値を示したが,手術前後における身体機能・ADLの変化率は両群間で有意差は認めなかった.術前の運動耐容能や身体機能で非高齢群に比して有意に低値を示した高齢群でも,周術期の呼吸リハビリテーションにより非高齢群と同程度の改善効果を得ることができ,手術後のADLが維持できる可能性が示唆された.
著者
稲葉 利江子 高比良 美詠子 田口 真奈 辻 靖彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.241-253, 2022-05-20 (Released:2022-06-22)
参考文献数
16

2020年度新型コロナウィルス感染拡大防止のため,大学教員は否応なくオンライン授業に取り組むことになった.オンライン授業において授業効力感を得られた場合,多くの授業が対面授業に戻った後も,部分的にオンライン授業やICT ツールを継続的に利用していく可能性がある.そこで,本研究では,大学教員のオンライン授業における授業効力感に着目し,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT 利用量」の3要因からの効果を明らかにすることを目的とした.具体的には,2020年7月〜8月に大学教員向けに実施したアンケート調査を基に,オンライン授業における授業効力感が,「指導方略」,「学生の状況把握」,「学生の活動促進」の3因子からなることを明らかにした.その上で,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT 利用量」の影響を検証するため,階層的重回帰分析を行った.その結果,講義,演習・実習,ゼミ・セミナーという授業形式に依らず,「学生の受講態度」が教員のオンライン授業における授業効力感の向上に全般的に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
木原 俊行 田口 真奈 生田 孝至 水越 敏行
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-14, 1996-03-31 (Released:2017-07-18)

本研究では映像視聴能力の発達差を明らかにするために小学生5、6年生、中学校1、2年生、そして大学生を対象とした質問紙調査を計画・実施した。まず、映像視聴能力の構造を再考し、これに場面把握、状況把握、先読み、技法理解、主題把握、感情移入の6つの柱を設定した。次いで、この能力を厳密に測定するために、セリフのない映画『裸の島』を調査用刺激に選定した。そして、この映画の内容等に関する8つの問題を設定して質問紙を構成し、調査をおこなった。515名の回答を分析した結果、多くの映像視聴能力の構成要素について小学校5年生と小学校6年生の間に断層がみられること、技法理解や先読みについては中学校2年生と大学生の間の能力差も激しいことなどの映像視聴能力の発達的側面を明らかにすることができた。
著者
中村 正人 山崎 敦 田口 真 岩上 直幹 佐藤 毅彦 高橋 幸弘 今村 剛
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.4-7, 2016

金星探査機「あかつき」は2015年12月に金星周回軌道に入った.日本初の惑星周回機の誕生である.観測機器の初期チェックは順調に進んでいる.中村プロジェクトマネージャーと観測機器担当者が所感を記す.
著者
蓮 行 松下 佳代 田口 真奈 平田 オリザ 斎藤 有吾 安藤 花恵 芝木 邦也 川島 裕子
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

高等教育機関における教育への演劇的手法の活用に関して、特に看護分野での活用事例を分析し、プログラムの設計指針を構築することができた。さらに、事例分析の結果と作成した設計指針から、主に看護分野を対象としたロールプレイの手法を用いた教育プログラムである「模擬健康相談」を提案し、看護学部におけるモデル授業の実施と評価も行なった。その結果、プログラムの有用性の実感には課題が残ったものの、参加者が楽しんでプログラムに参加しており、また、看護師として患者に対応することの難しさを実感したことが示唆された。
著者
澁川 幸加 田口 真奈 西岡 貞一
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-19, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
29

本研究の目的は,反転授業の事前学習時に既有知識と新しい学習内容を整理し,関連づけるワークシートへ取り組むことが,対面授業時の学びへどのような影響を及ぼすかを深い学習アプローチ得点の変化と対面授業時の発話内容の差異をもとに明らかにすることである。そのために,事前学習時に講義映像の視聴とノートテイクのみ行うワークシート無し群と,この事前学習に加えてワークシートへ取り組むワークシート有り群を設定し,大学生18名を対象に実験を行った。その結果,ワークシート有り群では対面授業後に深い学習アプローチ得点が向上した。また,ワークシート有り群では事前学習時に解説されたキーワードの発言数が顕著に多くなることや,学んだ知識を多様に活用した議論を展開したことが明らかになった。本研究は,反転授業の事前学習時に既有知識と新しい学習内容を整理し,関連づけるワークシートに取り組むことが,対面授業時に学んだ知識を多様に活用して議論を行うことを促進し,その結果,深い学習を促進させることを示唆した。
著者
後藤 崇志 田口 真奈
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-23, 2018

近年、インターネット上で学びを進めることが可能な大規模公開オンライン講義(MOOC)と呼ばれる形態の講義が広まっている。本研究では受講者の社会経済的背景と内発的動機づけ・外発的動機づけの高さとの関連を検討した。研究1では1つのコースの受講者1,633名から得られた質問紙データを分析し、国民1人あたりの国内総生産(GDP)が低い国からの受講者は外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。研究2では、研究1で扱ったコースを含めた7つのコースのデータについてメタ分析的手法を用いて検討を行った。その結果、国民1人あたりの国内総生産(GDP)が低い国からの受講者は内発的動機づけが低く、外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。また、ジニ係数が高く、経済格差の大きい国からの受講者は外発的動機づけが高い傾向にあることも示された。以上より、社会経済的にあまり富んでいない国からの受講者は、MOOCを通じてキャリアを向上させようとするような外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。これらの結果を踏まえ、MOOCに期待される役割のひとつである、教育機会の格差是正の実現可能性について論じる。
著者
田口 真二 桐生 正幸 伊藤 可奈子 池田 稔 平 伸二
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯心研 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-13, 2018-06-30

<p>A projective questionnaire for measuring male sexual desire was developed. In Study 1, the original Sexual Desire Scale for Males (SDS-M) was developed by referring to information on sexual activities on the Internet, as well as to prior studies on sexual offenders and their victims. The original SDS-M requested participants to judge whether they agreed or disagreed with sentences regarding various sexual behaviors and objects of sexual desire. SDS-M did not inquire about the frequency of sexual activities or the strength of sexual desire. The original SDS-M was administered to 140 males. The factor analysis of their responses revealed that the SDS-M had a 5-factor structure: daily sexual desire, h omo-hetero sexual desire, penis oriented sexual desire, intercourse oriented sexual desire and abnormal sexual desire. Cronback's alpha indicated satisfactory internal consistency and reliability. Study 2, investigated the stability and the validity of the SDS-M. It was administrated to 274 males, and based on the results of confirmatory factor analysis using Structural Equation Modeling, the SDS-M was divided into two subscales: a general sexual desire subscale consisting of the four factors with the exception of the Abnormal factor, and an Abnormal sexual desire subscale. The goodness of fit index of each subscale indicated satisfactory factor validity. Moreover, the SDS-M had reasonable test-retest reliability and satisfactory correlations with the Sexual Attitudes Scale and the Beck Depression Inventory.</p>
著者
田口 真奈 寺嶋 浩介 中橋 雄 加藤 友香 水越 敏行
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.13-25, 2000-03-20

本研究では、同じテーマで構造の異なる2つの番組を続けて視聴したとき、先行する番組におけるテーマの取り扱い方の違いが後に視聴する番組の視聴や概念形成にどのような影響を与えるのかを検証した。NHK一般番組『クローズアップ現代』とCTW制作の小学生向け教育番組『3-2-1 CONTACT』とから、「ゴミ」を扱った番組を選定し、調査の題材とした。小学生と大学生という発達段階の大きく異なる被験者137名を対象とした質問紙調査を行った結果、先行する番組の視聴は、後に視聴する番組の見方そのものには影響を及ぼさないが、視聴後の概念形成には影響を与えることが明らかとなった。
著者
鬼頭 誠 田口 真祐子
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.175-182, 2005-04-05 (Released:2017-06-28)
参考文献数
21
被引用文献数
2

コーヒー粕施用による植物生育抑制作用の消失時期を示す指標を明らかにすることを目的とし,2年間にわたりコーヒー粕を連用した跡地土壌における各種作物の生育と土壌の理化学性の変化を調査した.1.コーヒー粕連用跡地土壌における各種作物の生育量は,施用したコーヒー粕の分解率が0.5kg kg^<-1>以下の場合には減少したが,分解率が0.5kg kg^<-1>をこえた場合には増大する傾向が認められた.2.コーヒー粕連用跡地土壌の有効態リン酸,交換性カルシウムおよびマグネシウム含量は,コーヒー粕無施用土壌中のそれらよりも大きくなる傾向が認められたが,無機態窒素および交換性カリウム含量は,作物生育の低下が認められた97年夏作には減少した.3.窒素およびカリウム施肥量を増加してもコマツナの生育量の減少は完全には回復せず,無機態窒素および交換性カリウム含量の低下が作物生育抑制の主要因でないことが明らかになった.4.コーヒー粕連用跡地土壌のC/Nおよび水溶性フェノール含量と作物生育の間には一定の関係は認められなかった.5.コーヒー粕連用跡地において作物生育量の増大が認められた時期には各種肥料成分含量の増大に加えて,土壌の透水性および保水性も向上していた.以上の結果から,コーヒー粕連用跡地における作物生育抑制作用の直接的な要因ではないもののその消失時期を示す指標として土壌中の無機態窒素含量が有効であると結論した.
著者
上田 泰史 鈴木 則彦 古川 徹也 竹垣 友香子 高橋 直樹 宮城 和文 野田 孝治 廣瀬 英昭 橋本 智 宮本 彦四郎 矢野 周作 宮田 義人 田口 真澄 石橋 正憲 本田 武司
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.110-121, 1999
被引用文献数
8

1994年9月4日の開港から1996年12月まで, 2年4カ月の調査期間における関西空港の検疫人員は11, 44a534名であり, 検疫時に下痢を申告したものは22, 187名であった。そのうち9, 299名について下痢原因菌の検索を行い, 以下の成績を得た.<BR>1) 下痢原因菌が検出されたのは3,096名 (33.3%) であった.これらの症例から検出された病原菌は<I>Plesiomonas shigelloids</I>が最も多く2,066名 (66.7%), 次いで<I>Aeromonas spp.</I>484名 (156%), <I>Vibrio parahaemolyticus</I>358名 (11.6%), <I>Shigella spp.</I>291名 (9.4%), Salmonella spp.183名 (59%), <I>Vibrio choleraenon</I>-O1 121名 (39%) の順で検出された.下痢原因菌検出例のうち, この6種類の病原菌が検出されなかった症例はわずか2.8%であり, 上記の6種類が海外旅行者下痢症の主原因菌であると考えられた.なお, <I>enterotoxigenic Escherichia coli</I>については検査対象としなかった.<BR>2) 2種類以上の下痢原因菌が同時に検出された症例 (混合感染) が502例みられ, 下痢原因菌検出例の16.2%を占めた.<BR>3) 1995年2月~3月に, インドネシア (バリ島) 旅行者に集中してコレラ患者 (13例) が発見されたその他は, 各菌種とも検出頻度に季節的な大きな偏りは認められなかった。<BR>4) <I>Vibrio spp</I>.の推定感染地はアジア地域に限定され, <I>Shigella spp., Salmonella</I> spp.および<I>P.shigelloides</I>の感染地は広範囲にわたっていたが, <I>Shigella spp</I>. ではとくにインドおよびインドネシアに集中していた.<BR>5)<I>Shigella spp</I>.のうちわけは, <I>S.sonnei</I>が最も多く, 次いで<I>S. flexneri, S. boydii, S.dysmteriae</I>の順に検出された.また, インド・ネパール旅行者から<I>S.boydii</I> provisional serovar E16553が検出された.<BR>6) <I>Salmonella</I> spp.の血清型では, <I>S.</I>Enteritidisが最も多く検出され, 49例 (25.7%) を占めていた.<BR>7) 薬剤耐性株の頻度は<I>Shigella</I> spp.89.2%, <I>Salmonella</I> spp.27.2%, <I>V.cholerae</I>O195.0%であった.<BR>8) <I>V.cholerae</I>01はすべてEI Tor Ogawa型コレラ毒素産生株であった.<BR>9) <I>V.parahaemolyticus</I>の血清型は03: K6が最多数を占めた.耐熱性溶血毒遺伝子 (tdh), 易熱性溶血毒遺伝子 (trh) 保有株がそれぞれ89.8%と14.6%に確認された.
著者
酒井 博之 田口 真奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.35-44, 2012
被引用文献数
2 5

本研究では,個人の大学教員が担当する単一の「コース」に焦点を当て,そのデザイン,実施,学生の学びについて教員が反省的に記述するコースポートフォリオの実践プログラムを開発し,その試行を通じて教員にコースの振り返りや改善を促すことを確認した.本実践プログラムは,授業実施期間を含む約半年間で個人教員がウェブ上でコースポートフォリオを効率的・効果的に作成する過程を支援するもので,ポートフォリオ作成支援のためのテンプレート及びワークブックを開発し,教員間のピアレビューを含む研修プログラムとしてデザインされた.3名の大学教員による試行において,本実践プログラムによるコースポートフォリオ作成過程を通じ,各教員のコースの振り返りが促進されたことを確認するとともに,今後のコースの改善へ結びつく可能性が示唆された.