著者
福井 邦宗 豊田 則成
出版者
日本スポーツ教育学会
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.61-77, 2020-06-30 (Released:2020-09-30)
参考文献数
60
被引用文献数
1

The purposes of this study were ①to clarify the psychological transformation process through cheering activities based on the narrative of a reserve college student athlete engaged in team cheering activities, and②to present the hypothetical knowledge which represent the significance of cheering activities and contribute to better sports fields. A semi-structured interview was conducted with one reserve college student athlete to explore how he had recognized cheering activities. Data were analyzed using the Qualitative Synthesis Method.A schematic diagram of the psychological transformation process of the reserve college student athlete was generated based on the 13 labels gathered through the analysis. The following four outcomes were derived from the schematic diagram: 1) the promotion of psychological maturity by adapting to the psychological conflict caused by cheering activities, 2) the possibility that collective cohesion and collective efficacy improved through cheering activities, 3) the probability that cheering activities could be an opportunity to develop sports selfmanagement skills, and 4) the visualization of the psychological transformation process of the reserve college student athlete through the cheering activities. These outcomes are expected to contribute to maintaining the motivation of reserve college student athletes and promoting their participation in cheering activities, improving the team feeling, and their psychological maturity through cheering activities.
著者
福井 崇
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.32-38, 2019-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
20

In recent years, it is reported that UV light affect DNA damage, skin cancer and photo-aging such as age-spots and wrinkle. Along with the increasing awareness to protect the skin from UV light in these days, multi-functionalization is required to sunscreen not only for pool, sea and sports use, but also for daily use. Functions of sunscreen are needed to have high UV protection efficacy and less burden use feeling on the skin such as transparency after applying, moisturizing effect and comfortable feeling. In addition to that, it is reported that friction resistant function is important from the view point of actual consumer dairy life. This article reviews sunscreen formulations with high UVA protection efficacy and moisturizing of W/O technology by using plate like zinc oxide, and even protection film O/W technology by using α-gel capsule of UV absorbers. Furthermore, it also reviews UV protect evaluation method of sunscreen and sunscreen effects for photodermatosis, skin cancer and photo-aging such as age-spot, wrinkle and skin color evenness.
著者
上町 あずさ 福井 亘 下村 孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.9-14, 2013 (Released:2014-04-02)
参考文献数
17
被引用文献数
3 1

国内には日本に自生するテイカカズラ,ケテイカカズラおよび中国などを原産地とするトウキョウチクトウの3 系統が流通している。RAPD 法によりこれら3 系統間の系統特異的なマーカーを検出し,系統識別の指標を得た。得られたRAPD マーカーを利用して,国内に流通している緑化用種苗や園芸品種の識別を試みた。その結果,これまで形態からは明らかに出来ていなかった個体を含め,これらの系統を明らかにすることができた。また,外国産のケテイカカズラが緑化用種苗として国内で流通していることが明らかとなった。さらに,テイカカズラ類を混植している圃場で得られた種子由来の後代をRAPD 法により雑種検定したところ,テイカカズラとケテイカカズラとの交雑個体や,外国産のケテイカカズラ由来の園芸品種と国内産のケテイカカズラとの交雑個体が検出され,緑化の現場で植栽されたテイカカズラ類が自生種と交雑する可能性が示唆された。
著者
福井 義一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.522-529, 2009 (Released:2011-11-03)
参考文献数
47
被引用文献数
6 3

Perfectionism is usually reported to have adverse affects on psychological health, but recent multidimensional research indicated that a “tendency to set high personal standards” is weakly correlated with reduced depressiveness. The present study categorized subjects using a cluster analysis with factors closely related to psychological health such as adult attachment styles and perfectionism, and examined each factor's contributions to psychological health. Among subjects with high personal standards, the study found a group with a secure attachment style who are psychologically adaptive and another group with a non-secure attachment style who are maladaptive. The results suggest that setting high personal standards by itself does not promote psychological health, but rather that there is an interaction with other factors such as preoccupation with one's mistakes and doubting one's own actions which also influence psychological health.
著者
河田 純一 坂場 優 富澤 明久 福井 敬 宮澤 寛幸 弓山 達也 渡邉 龍彦 Kawata Junichi Sakaba Yu Tomizawa Haruhisa Fukui Takashi Miyazawa Hiroyuki Yumiyama Tatsuya Watanabe Ryugen カワタ ジュンイチ サカバ ユウ トミザワ ハルヒサ フクイ タカシ ミヤザワ ヒロユキ ユミヤマ タツヤ ワタナベ リュウゲン
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.1-33, 2018-10

論文本稿の目的は、東京・山谷地区の浄土宗寺院を拠点に路上生活者支援を行うひとさじの会に焦点を当て、そこに集うボランティアがどのような宗教性や価値を共有し、共同性を醸し出しているかを明らかにするところにある。そのため関与型調査の方法を模索し、Tled 法を開発して本稿に実装した。その結果、この路上生活者支援がもつ宗教性・価値・共同性について相反する性格を見出せた。In this paper our purpose is to show what types of religiosity / spirituality, values and cooperation volunteer workers share and how they share them, focusing on Hitosaji-no-Kai (one spoon club) based in the Jōdō Shū temple in Sanya, one of the biggest flophouse areas in Japan. We explore the use of an intensive "researcher in the loop approach" and develop the Tled Method for this paper. We found contradictory or conflicting characteristics among these homeless support volunteers regarding religiosity / spirituality, values and cooperation in their movement.
著者
濱田 宏 木村 健一 遠藤 恵美子 福井 明 藤田 喜久 高折 益彦
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.471-479, 1991-07-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
23

局所麻酔薬に添加した血管収縮薬が脊椎麻酔の持続時間に及ぼす効果を検討した.下肢の予定手術患者を対象に,ネオペルカミンS単独群(C群),エピネフリン0.1mgおよび0.2mg添加群(E1群,E2群),ノルエピネフリン0.1mg添加群(NE群)に分けた.最高レベルより2椎体,4椎体低下する時間(分)はE1群でそれぞれ平均120分,178分,E2群でそれぞれ145分,191分,NE群でそれぞれ142分,180分で,ともにC群の95分,135分より有意に延長していた.しかし,E1,E2,NE群の間に有意差を認めなかった.NEがEより勝る利点を見出すことはできなかったが,NEの添加でも有意な延長効果を認めた.
著者
浅山 和宣 森山 甲一 福井 健一 沼尾 正行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1F24, 2015 (Released:2018-07-30)

対戦型コンピューターゲームにおいてAIの操作するキャラクター(NPC)は熟練した人間のプレイヤーに及ばないことがほとんどであり、NPCの強化が課題となっている。本研究では格闘ゲームを題材に、認識の速さが強さに及ぼす影響を調べ、未来の状態を予測することで行動パターンを変えることなくNPCを強化することを図った。未来の状態の予測にはk近傍法を適用し、計算の単純化を可能にした。
著者
福井 弘教
出版者
法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会
雑誌
公共政策志林 = Koukyo Seisaku Shirin : Public Policy and Social Governance (ISSN:21875790)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.321-336, 2021-03-24

自治体の収益事業には競馬,競艇,競輪,オートレースなど公営競技も該当する。公営競技事業は,自治体財政に大きく寄与する時期もあったが,それが難しい状況となっている。そうしたなか公営競技の撤退を決定する自治体が増加している。財政貢献が主たる事業目的であることからすると,当然の帰結といえるが多くの場合,撤退は唐突に発表され,結果のみが提示されて過程が不透明であることが課題である。本稿では公営競技撤退における首長判断に着目し,撤退と継続の両面から自治体の比較分析を行い,関連する政策終了論の検討も加えて,撤退判断の背景・要因を解明することを目的としている。考察の結果,それらは直接的利益や維持管理コストといった一側面を基準に撤退の決定がなされることが指摘できる。同時に議決不要などの制度や政治的事象に左右されることも散見された。すなわち,撤退判断にあたって明確な指標や基準は存在しないことが示唆された。

2 0 0 0 OA 江淹評伝

著者
福井 佳夫
出版者
中京大学文学部
雑誌
文学部紀要 = JOURNAL of FACULTY of LETTERS (ISSN:02873443)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-174, 2022-10-31
著者
福井 昌則 山下 義史 森山 潤 平嶋 宗
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-18, 2021 (Released:2021-06-01)

本研究の目的は,高校生の普段のゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要 度の関連性について検討することである. 公立高等学校 3 校の 1 年生を対象に調査を実施した. 1 日の平均ゲーム プレイ時間が 1 時間より多い群(高プレイ群),1 時間以下の群(低プレイ群),普段ゲームをしない群(非プレイ群)を設定し,ゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要度(全 7 項目)との関連性について検討した. その結果,ゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要度において有意な関連性を有する項目は,男女で異なっていた. また,非プレイ群と低プレイ群もしくは高プレイ群との間で有意差が見られ た項目が多かった. よって,ゲーム要素を取り入れたプログラミングに対する態度やコンピュータの重要度を高める活動や題材設定において,性差を考慮する必要性があること,そしてゲームを普段やっていない生徒にゲームを少しプレイさせるといった活動が有効である可能性が示唆された.
著者
福井 一喜
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.607-622, 2015-11-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
34
被引用文献数
1

本研究は宿泊施設の経営戦略に着目して,群馬県草津温泉の宿泊業におけるインターネット利用の動態を,各施設の誘客,予約受付,関係構築・維持の3段階におけるネット導入の状況分析から明らかにした.結果として,大規模施設や社会組織加盟率の高い施設で導入率が高く,予約受付段階では広く導入済みだが誘客と関係構築・維持段階での導入は限定的であり,導入状況に差異が見られることが分かった.それは,情報通信技術の普及と個人旅行化が進む中,多様な個人客需要に対応する新たな経営戦略を策定した施設がネット利用をその具現化手段として積極導入して差別化を図る一方,従来の経営戦略で存続できる施設や人材や資金に余裕がなく現状維持を志向する施設はネット利用の導入に消極的なままだからである.草津温泉では,宿泊施設がおのおのの経営戦略においてネット利用を選択的に導入する中で,宿泊施設の利用形態が分化しつつある.
著者
鈴木 保之 若山 文規 近藤 慎浩 田茂 和歌子 谷口 哲 大徳 和之 皆川 正仁 福井 康三 福田 幾夫
出版者
Hirosaki University Graduate School of Medicine,Hirosaki Medical Society
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2-4, pp.79-86, 2006 (Released:2021-09-21)
参考文献数
15

背景: 人工心肺を使用した開心術後の肺障害あるいは ARDS (急性呼吸促迫症候群)は重篤な術後合併症であり,発生頻度は 1 % と低いものの ARDS を発症した場合の死亡率は非常に高いことが知られている.このような症例の急性肺障害は SIRS に伴うものとされ,その病態に好中球の動態及び好中球エラスターゼが深く関与している.対象と方法: SIRS に伴う肺障害に対して 2002年より好中球エラスターゼ阻害剤であるシベレスタットナトリウム (エラスポール) が導入された.我々は,人工心肺を使用した大動脈弓部置換術あるいは開心術で術後に生じる肺障害を軽減できるという仮説をたて,今回その効果について後方視的に検討した.エラスポールと投与したのは6例 (1例解離性大動脈瘤の保存的治療例を含む),コントロールとして 2002年以前の解離性大動脈瘤手術例のうち肺障害を認めた症例とした.肺障害の指標として P/F比,術後挿管期間,ICU滞在期間,その他血小板白血球数,CRP の変化を比較した. 結果: P/F比はエラスポール投与群で術後4日目より改善したのに対してコントロール群では術後2日目に悪化した後改善傾向を認めなかった (p<0.05) (P/F比,肺障害<300, ARDS<200).血小板数はエラスポール群でコントロールに比べて高い数値を示したが統計学的には有意差を認めなかった.その他の指標 (手術成績,術後挿管期間,ICU滞在期間,白血球) は両群間に有意差は認めなかった. 結語: 特に重症の心大血管手術例に対して術後肺障害を予防する上でエラスポールの有効性が示唆された.
著者
西本 祥大 福田 仁 福井 直樹 上羽 佑亮 濱田 史泰 樋口 眞也 帆足 裕 細川 雄慎 古谷 博和 上羽 哲也
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.94-99, 2020 (Released:2020-03-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨:症例は16 歳女性で,両側もやもや病の保存的加療中に過眠症発作を来した.過眠発作の形式と脳波所見はナルコレプシーに類似していたが,診断基準からはナルコレプシーの診断に至らず,中枢性過眠症と診断した.右大脳半球に血行再建術を行ったところ,過眠発作が消失したため,本症例はもやもや病による症候性過眠症と診断した.脳血管障害による過眠症は稀ではあるが,もやもや病と中枢性過眠症とでは血行動態に類似する点もあり,もやもや病による血行力学的脳虚血が中枢性過眠症を引き起こす可能性がある.
著者
三浦 洋 早野 恵子 井野辺 義人 福井 博義
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.651-655, 1991-05-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

マムシ咬傷による横紋筋融解症から急性腎不全を来たし, 救命し得たもののDIC, 消化管出血等の合併症を伴って重篤な経過を辿った2症例を報告する. 両症例共に受傷後, 広汎な局所病変を呈し, 入院時検査においてBUN, creatinineの上昇と共にLDH, CPKなどの筋由来酵素群の上昇がみられ, さらに血中, 尿中のmyoglobinの高値も認めたことから, rhabdomyolysisによる急性腎不全を発症したと考えられた. 症例1は蛇毒中の血液凝固因子の作用によりDICを併発したことから, また症例2は大量の消化管出血を伴ったことから, いずれも重篤な経過を辿った. 局所病変の強いマムシ咬傷例は, 重篤な合併症に注意して診療にあたるべきと思われた.
著者
金澤 洋一 上村 真由子 福井 美帆
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1_2, pp.105-111, 2009-06-30 (Released:2012-06-15)
参考文献数
12

アベマキ・コナラを中心とする里山薪炭林からの薪による家庭へのエネルギー供給量を推定した.兵庫県宍粟市の中山間地域に位置する集落において,聞き取り調査から「分け柴」と呼ばれる薪の採取システムを明らかにし,現地林分の伐倒による現存量調査から「分け柴」に必要な面積を計算した.またこれらの結果にもとづいて,「分け柴」によるエネルギー供給量を推定した.その結果,毎年,20~30 GJ程度が薪により供給されていたことがわかった.この量は,現在日本の一般家庭で消費されるエネルギー量である43 GJの半分あるいはそれ以上に相当し,現在でも「分け柴」によって日本の一般家庭が必要とするエネルギー量のかなりの部分を供給できることがわかった.「分け柴」として利用されていた面積は集落が利用してきた土地のごく一部で,本集落50世帯でも14 ha程度と推定され,現在残されている広葉樹林でも十分に足りることがわかった.