著者
村上 正隆 折笠 成宏 斎藤 篤思 田尻 拓也 橋本 明弘 財前 裕二 牧 輝弥 荒木 健太郎 松木 篤 久芳 奈遠美
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

つくばサイトに於いて、各種エアロゾル測定・採取装置、雲核計、氷晶核計を用いて通年観測を継続実施した。エアロゾルの物理化学生物特性および雲核・氷晶核活性化スペクトルの季節変化について明らかにした。大気エアロゾルの主要構成要素である、黄砂粒子・バイオエアロゾル・種々の人為起源エアロゾル(標準粒子)を対象とした雲生成チェンバー実験や雲核計・氷晶核計を用いた測定結果と詳細雲微物理モデルの結果に基づき、その雲核能・氷晶核能を種々の気象条件下で調べ定式化した。その結果を用いて非静力学モデルなどに用いるエアロゾル(雲核・氷晶核)・雲・降水を統一的に取扱う新機軸のパラメタリゼーションを開発した。
著者
荒木 仁子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.484-485, 1972-06-25

東京女子医科大学学会第175回例会 昭和47年4月28日 東京女子医科大学本部講堂
著者
荒木 真之
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.143-149, 1969-06-25

1967年4月から11月にわたって, 3段階の大きさのカラマツ苗を相対照度が100%, 約72%, 約55%, 約33%, 約28%, 約17%の6個の庇陰格子下で育てた。苗の掘り取り調査は4月18日, 6月23日, 8月29日, 11月6日の4回行ない, 各個体の部分絶乾重と根元直径(d), 苗高(h)を求めた。各時期について, d^2hと部分重および個休全重との間の相対生長式を処理ごとに計算した。さらに各部分および全重の相対生長率を各期間について各処理ごとに求めた。これら相対生長率と各期間当初の全重との関係は直線式によくあてはまった。照度および時期が個体の生長におよぼす影響を, 個体の大きさに関連させて解析するため, 生育開始時の大きさをかえて, さきの相対生長式, および相対生長率と全重の関係式をつかって, 生長過程をモデル的に計算した。その結果, 個体重および部分重が最大となる明るさは時期が進むにつれ, 暗い方に移る。これには相対生長率が時期が進むにつれ急激におちること, また時期が進むにつれ, 相対生長率が最大となる明るさが, 暗い方へ移ること, 個体重が大きいほど相対生長率が小さいことなどが関係している。
著者
石本 明宏 山中 美佳 荒木 由季子
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.87-95, 2007-09
参考文献数
18

2004年2月3日〜4月18日までに搬入された野鳥30種254羽の傷病の種類および死亡または瀕死の原因を病理学的に検索した。傷病の種類は,外部損傷が138例(54.3%),非外傷性の内臓の出血35例(13.8%),病原体の感染26例(10.2%),栄養障害24例(9.4%)およびリンパ組織の障害1例(0.4%)が認められ,30例(11.8%)には著変がなく,46例(18.1%)は材料の劣化により検査不能であった。死亡または瀕死の原因が特定されたものは,143例(56.3%)であり,内訳は,外部損傷による死亡135例(53.1%),感染症5例(2.0%)および栄養障害3例(1.2%)であった。病原体の感染26例の病原体の内訳は,寄生虫13例(50.0%),細菌9例(34.6%),細菌と寄生虫の混合3例(11.5%)および真菌1例(3.8%)であった。感染症により死亡したとみられたものは5例であり,結核様肉芽腫の形成,線虫の多数寄生を伴う筋胃潰瘍,壊死性腸炎,頭蓋骨Airspaceの化膿性炎およびアスペルギルス様真菌による深在性真菌症などがみられた。ウイルス分離を試みた184検体から鳥インフルエンザウイルスおよびニューカッスル病ウイルスは分離されなかった。今回の調査から,傷病野鳥の多くは,人と野鳥の生息環境の接触により発生していること,また,高率に各種病原体を保有していることが示唆された。今後,さらなる検討のためには,日頃からのモニタリング検査が重要である。
著者
小川 泰右 山崎 友義 池田 満 鈴木 斎王 荒木 賢二 橋田 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.461-472, 2011 (Released:2011-04-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

It is ideal to provide medical services as patient-oriented. The medical staff members share the final goals to recover patients. Toward the goals, each staff has practical knowledge to achieve patient-oriented medical services. But each medical staff has his/her own sense of value that comes from his/her expertness. Therefore the practical knowledge sometimes conflicts. The aim of this research is to develop an intelligent system to support externalizing practical knowledge, and sharing it among medical staff members. In this paper, the author propose a method to model the sense of value of each medical staff as his/her understanding about medical service workflow, and to obtain the practical knowledge using the models. The method was experimented by an implementation of knowledge-sharing system base on the method and by its trial use in Miyazaki University Hospital.
著者
大庭 喜八郎 呂 綿明 楊 政川 LIBBY Willia 津村 義彦 丹下 健 松本 陽介 戸丸 信弘 中村 徹 内田 煌二 荒木 眞之 山根 明臣 YANG Jeng-chuan LU Chin-ming GAVIN F.Mora 黄 啓強
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

1.目的現生のスギ科(Taxodiaceae)樹種には10属15種・1雑種(推定)が知られ、わが国の林業上重要な樹種の一つであるスギが含まれている。本研究はスギ科樹種を対象とし以下の3点を目的とした。(1)葉緑体等のDNA分析によりスギ科樹種の遺伝分化の分子的基礎を明らかにし、それらの系統分類を行う。(2)生態学、生態生理学さらに集団遺伝学の3分野からスギ科樹種の種特性を解明する。(3)この(1)と(2)の成果を基礎とし、スギをはじめとする各樹種の分類学的位置づけについて論じる。2.研究項目と研究方法(系統分類)(1)スギ科樹種の分子系統分類:PCR法を用いた葉緑体の特定遺伝子(rbcL,PsbA等)のRFLP分析(種特性に関する研究)(2)成育立地の生態学的研究:立地環境調査・植生調査、文献調査(3)生態生理学的研究:光合成特性・水分特性調査(4)集団遺伝学的研究:アイソザイム分析、DNA分析、文献調査(総合取りまとめ)(5)スギの系統分類学的位置づけとスギ科樹種の種特性の解明3.研究成果(1)系統分類スギ科樹種の系統分類と伴に針葉樹におけるスギ科の位置づけを明らかにするため、スギ科の10属15種・1雑種(推定)、ヒノキ科の6樹種、マツ科の18種、イチイ科の2種及びイヌガヤ科の1種について、DNA分析用試料として筑波大学や森林総合研究所等に植栽してある個体から若芽を採取した。これらの若芽から抽出した全DNAを用い、PCR法による6種類(frxC,psbA,psbD,rbcI,trnK)の遺伝子の増幅を行い、得られたPCR産物を用いて各遺伝子あたり約10種類の制限酵素によるRFLP分析を行った。得られた塩基置換のデータから、Wagner parsimony法とNJ法による分子系統樹を作製した。その結果、スギ科とヒノキ科は非常に近い科であり、Sciadopitys verticillata(コウヤマキ)はそのスギ科とヒノキ科から系統的に大きくことなることがわかった。(2)種特性(1)生育立地の生態学的研究:中華人民共和国に分布するTaiwania fousiana(ウンナンスギ)、Cunninghamia lanceollata(コヨウザン)、Metasequoia glyptostroboides(アケボノスギ)の各林分、さらにオーストラリアのタスマニアに分布するAthrotaxis cupressoides(タスマニアスギ)、A.laxifolia(ヒメタスマニアスギ)、A selaginoides(オオタスマニアスギ)、台湾に分布するCunninghamia konishii(ランダイスギ)及びTaiwania cryptomerioides(タイワンスギ)の各林分について、植生調査等の生態学的調査い、これらのスギ科樹種の構成林分の種組成が判明した。(2)集団遺伝学的研究:わが国に分布するCryptomeria japonica(スギ)の17集団から集団遺伝学的解析のための試料である針葉を採取し、アロザイム分析を行った。その結果、現在のこの種の分布が離散的でかつそれぞれの分布面積が小さいにも関わらず、種内の遺伝的変異量は木本植物の中では大きいが(H_t=0.196)、集団間の遺伝的分化は非常に小さいことがわかった。この遺伝的多様性の保有パターンの理由として、かつての分布は現在のものよりも広く、連続的なものであったこと、遺伝子流動がかなり起こっていること、寿命の長さが考えられた。一方S.verticillata(コウヤマキ)の6集団から集団遺伝学的解析のための試料である針葉を採取し、DNA分析のために全DNAを抽出した。制限酵素EcoRIで消化し、イネのrDNAをプローブとして用いてRFLP分析を行った。その結果、この種のrDNAの集団内の変異は大きく、さらにその変異は集団間で明らかに異なることがわかった。
著者
今井 哲郎 荒木 壮一郎 菅原 智義 藤田 範人 末村 則彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.199-202, 2004-02-26

大規模停電などの地域全体に累が及ぶような災害が発生した際にも,データセンタで行われている真に重要な業務は,それを引き続き継続させる必要がある.本報告では,セッションマイグレーション方式による障害回避方式の提案およびその動作実証を行った.セッションマイグレーション方式は,プロセスマイグレーション技術と,ユーザ収容VLAN切換技術と,GMPLSなどの動的帯域確保技術とを連携制御して,ユーザとのセッションを維持したまま,遠距離でのサブネット越しプロセスマイグレーションを行う技術である.この技術により,災害発生時にもサービスを停止することなく遠隔地のデータセンタヘ業務を移行させることができる.
著者
今井 哲郎 荒木 壮一郎 菅原 智義 藤田 範人 末村 則彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.689, pp.199-202, 2004-02-26
被引用文献数
3

大規模停電などの地域全体に累が及ぶような災害が発生した際にも,データセンタで行われている真に重要な業務は,それを引き続き継続させる必要がある.本報告では,セッションマイグレーション方式による障害回避方式の提案およびその動作実証を行った.セッションマイグレーション方式は,プロセスマイグレーション技術と,ユーザ収容VLAN切換技術と,GMPLSなどの動的帯域確保技術とを連携制御して,ユーザとのセッションを維持したまま,遠距離でのサブネット越しプロセスマイグレーションを行う技術である.この技術により,災害発生時にもサービスを停止することなく遠隔地のデータセンタヘ業務を移行させることができる.
著者
柳 赫秀 荒木 一郎 椛島 洋美 李 弘杓 伊藤 一頼 大矢根 聡 李 弘杓 伊藤 一頼 大矢根 聡 川瀬 剛志
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

受給期間中33回の研究会を開き、研究代表者・分担者だけでなく、研究会参加者の間で国際通商法秩序の現状と課題について理解を含めると同時に、その成果を同タイトルの本にまとめるべく作業を行っている。
著者
高倉 統一 荒木 誠之
出版者
熊本学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

1999年5月、日本社会保障法学会(於:早稲田大学)にて、本研究課題に関連するテーマ(イギリス社会福祉と個人情報開示請求権保護のスタンダード-法的基準と立場強化(エンパワーメント)の行為準則-)の学会報告をおこない、当該テーマについて日本社会保障法学会編『社会保障法第15号』に論文掲載した。今年度は、8月にイギリスの社会保障省を訪問し、2000年に制定された新立法の概要の聞取りと同10月にミルトン・キーンズのDe Montfort大学を訪れ、ソーシャルワーカー専門家養成課程における情報管理を含めた利用者権利擁護のヒアリングを行なってきた。その調査の一部は、2000年9月29日国際学術コンファレンス(第1セッション)に発表した。2001年、国内の調査を行い、国際比較として、個人情報保護制度の調査結果を報告書にまとめた。
著者
荒木 勉 安井 武史
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

本研究ではテラヘルツ(THz)電磁波による金属蔓塗装剥離の遠隔検出を目指している。このような剥離の非破壊検査では、内部の様子を階層的に検査できる断層画像撮影技術は極めて有効である。そこではじめに機械走査によるTHz断層画像計測システムを試作し、剥離検出を行なった。しかし実用性を考慮すると高速で2次元断層イメージを取得する必要がある。そこで、次にTHz波の光としての並列性に注目し、電気光学的時間一空間変換と線集光THz結像光学系を利用して、機械的走査機構を用いることなく、高速で2次元断層分布の取得が可能になる手法を考案した。このアイデアに基づいた実時間2次元THzトモグラフィー装置を試作し、塗装された移動基板の表面変化の様子、ならびに塗装直後から乾燥にいたる膜厚の経時変化を追跡し、試作装置の性能を評価した。以下に成旺を列挙する。(1)1mmごとのビーム移動による点計測によって10mm四方のアルミ基板上の白アルキド樹脂塗装剥離を検出できた。剥離に対する奥行分解は40μmで最大500μmの剥離が確認できた計測時間は5分であった。(2)実時間2次元トモグラフィーにおいては、300μm厚に塗装された物体を5mm/秒で移動させた場合、ムービー上に順次塗装膜に対応した1Hzエコー像が表示された。膜厚に関する分解はさきほどと同様40μmである。(3)20分間の連続した乾燥による塗装膜厚の変化がムービー上に記録され、塗装完走に対する情報が検出できた。(4)膜厚に対する分解能向上のため新たに重回帰アルゴリズムを適用し、20μmの分解能を達成した。なお、以上の成旺はNHK教育テレビ「サイエンス・ゼロ」(2007.2.23)で放映された。
著者
佐藤 和秀 孔 幼眉 王 喜栄 ぱん 国良 趙 玉友 李 山 荒木 信夫 佐藤 國雄 山口 肇 KONG Youmei WANG Xirong PANG Guoliang ZHAO Yuyou JI Shan 季 山 〓 国良 北村 直樹
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

中国大陸東北部は水循環、大気循環の立場からも日本への大きな影響を有している。中国内においては経済発展に伴う種々の雪氷災害が問題となっている。このような状況の下に日本と中国の共同研究を企画し、中国東北部の雪氷災害に関しての本研究を実施した。本研究による成果の概要は以下の通りである。1.黒龍江省の地勢と気候特性黒龍江省の西北部と北部および東南部に山地があり、広大な松嫩平原と三江平原を有している。黒龍江省は季節凍土と多年凍土が存在し、冬は長くて寒く夏は短い。1月の平均気温は省内の北西から南東にかけて-30℃から-18℃で、7月の平均気温は+18℃から+22℃である。降水時期は夏期に集中し、冬期の降水量は少ない。三江平原北西部の宝泉嶺国営農場に無人気象観測装置を設置し、気温、地温、日射量、風向、風速等の測定を行った。1992年冬期の気温はかなり規則正しい日変化を示し、最低気温-36℃を記録した。そのスペクトル解析は1日と1〜2週間の卓越周期を示した。1〜2週間の卓越周期は日本でもみられた、シベリア高気圧の勢力に影響した季節風の変動に対応するものと考えられる。総距離2000km以上のルートで測定した積雪深分布の単純平均値は約17cmであった(1994年2月の例)。雪質は新雪、クラストで汚れた堅いしもざらめ層、発達した骸晶上のしもざらめ層に区分できた。調査ルート上の積雪は概ね似た構造であったことから黒龍江省の降雪時期と冬期の気象-積雪環境を推定できた。日本と比べ、著しい寡雪で寒冷気候が特徴である。2.雪氷、低温災害特性(1)涎流氷:山地部で湧水が冬期の寒期によって凍結し、氷丘となって発達する。この現象を中国では涎流氷と呼んでいる。これが道路上まで発達して各地で交通障害をもたらしている。本研究でも黒龍江に近い山地部に観測され、幾つかの涎流氷について調査を行った。崖際に発達するもの、平坦地であるが泉や河川などに関連して発達するものなど、場所と発達条件によって幾つかの種類に分類できた。防止対策については、大がかりな対策工法でほとんど解決できると思われるが、中国における雇用等の問題を考えると同時に安価な対策方法をとる必要性を提案した。また防壁などの素材として日本のトンネルなどに使用されている新素材の利用も提案した。(2)地ふぶきと吹きだまり:日本に比べ積雪量は非常に少なく、地ふぶきによる吹きだまりから生じる道路交通障害、及び吹きだまりによる春の畑の耕作の遅れなどが問題となっている。道路地形や並木と吹きだまりの形態の関係を調査した。並木と道路間の距離、道路の高さ、風向を考えた並木の位置などを考慮すれば、かなりの対策となる。また農場地における防風林と風速分布および吹きだまりの関係を測定調査した。本研究の期間では短かすぎ、防風林の構造と適正配置の結論を出せなかった。今後、観測例をふやし継続する必要がある。(3)道路および構造物の凍結特性:哈尓濱から中国国境に至る数カ所で道路および構造物の凍結調査を実施し、橋脚の凍上や建築物のクラック、ダム取水塔コンクリートの劣化が観測された。しかし寒冷地における凍害対策はかなり進んでおり、財政的問題を除けば、基礎の設計や地盤改良技術、コンクリートの配合設計などの技術的問題はかなりクリアされている。(4)酸性雪(雨):黒龍江省の各地で採取した降積雪の化学分析を行った。1994年の例では総サンプル数44のpH単純平均値は61、同時期の長岡のそれは4.7であった。またCa^<2+>とMg^<2+>の含有率が非常に高かった。この地域のアルカリ性の土壌が強風で舞い上がり降積雪中に取り込まれたこと、冬期暖房の主役の石炭の燃焼による灰などの比重の重い煤煙が発生源近くに落下し、アルカリ性を強めたことが推定された。同時に石炭の燃焼によって発生する揮発性の硫黄酸化物などの微粒子は大気中に拡散し長距離輸送され日本にも飛来するものと推定される。今後も国境を越えた共同研究が必要である。その他、凍土地帯のメタン濃度、融雪水の地中浸透と水質変動などに関して多くの知見が得られた。3年間の最後の年である本年度は、共同観測研究結果について日本でシンポジウムを開催し、成果報告書を刊行した。
著者
加藤 省三 荒木 睦大 小越 康宏 谷口 秀次 森 幹男
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.6, pp.1054-1060, 2010-06-01 (Released:2010-06-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

The processing of kana-to-kanji conversion can be classified into two categories of processing: The first is the processing to detect the boundaries of words in non-segmented kana strings, and the second is the processing to select the candidate of kanji-kana words. Also, the methods of kana-to-kanji conversion can be mainly classified into two types from the point of view of the two processing described above: One is to conduct simultaneously these two processing (called Method-A), and the other is to conduct sequentially them (called Method-B), namely, to detect the boundaries of kana words by using Markov chain model of kana words, and then to convert kana words to kanji-kana words and to select the maximum likely candidates by using Markov chain model of kanji-kana words. This paper evaluates two types of kana-to-kanji conversion method (Method-A and Method-B) by using 2nd-order Markov chain model of words. Through the experiments by using statistical data of daily Japanese newspaper, Method-A and Method-B are evaluated by the criteria of the accuracy rate of conversion, the conversion processing time and the memory capacity. From the results of the experiments, it is concluded that the Method-B is superior to Method-A in the conversion processing time and the memory capacity and is effective in kana-to-kanji conversion of bunsetsu.
著者
米田 耕造 窪田 泰夫 荒木 伸一 中井 浩三
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

アトピー性皮膚炎は、掻痒の強い湿疹病変を主とする難治性皮膚疾患であり、フィラグリンタンパク質の遺伝子異常による。ロリクリンはフィラグリンと同様、表皮角層細胞の辺縁帯の主成分である。ロリクリン遺伝子の変異による疾患(亜型ボーウィンケル症候群)の臨床症状は、掌蹠角化症を合併した魚鱗癬であり、フィラグリン遺伝子機能喪失変異により生じる尋常性魚鱗癬の臨床症状に酷似している。本研究の目的は、アトピー性皮膚炎の動物モデルを作製し、その病態に関与するロリクリンの果たす役割を解析し、創薬に役立てることである。その目的に向けてわれわれはロリクリンノックアウトマウスを作製した。