著者
牟田 和恵 古久保 さくら 伊田 久美子 熱田 敬子 荒木 菜穂 北村 文 岡野 八代 元橋 利恵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ジェンダー平等実現のための新たな形・次元でのジェンダー・フェミニズム研究の構築を目的とし、調査研究・文献研究・実践活動の三つの方法論によって研究を行った。貧困やケアの偏在等の問題に関する新たなフェミニズム理論の重要性と、一見女性に焦点化していないように見える幅広い社会問題への関心や運動にとってのフェミニズムの有効性を確認した。また海外国内ともに「慰安婦」問題やセクハラ・性暴力と闘う運動を柱としてジェンダー平等に近づく研究と実践がエンパワメントされており、研究と運動の連携がジェンダー平等の実現には不可欠であることを再確認した。女性情報発信に資するため制作したwebサイトは今後も運営を行っていく。
著者
小路田 泰直 住友 陽文 小関 素明 岡田 知弘 小林 啓治 白木沢 旭児 澤 佳成 荒木田 岳 立石 雅昭 原田 政美 川瀬 光義 布川 弘 竹永 三男 張 貞旭 鬼嶋 淳 八木 正 西谷地 晴美
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年3月11日の東日本大震災につづいて生じた原子力発電所の深刻な事故は、戦後、日本政治が長く取り組んできた原子力政策を頓挫させる、歴史的にきわめて重大な事件だった。この事件につながった原子力政策の歴史を解明することが、われわれの研究課題であった。原子力政策が保守派および革新派の合同プロジェクトとして、暗黙の合意を得てはじまったこと、またそれにもとづいて55年体制が形成されたことが、明らかにされた。すなわち、日本の戦後政治において、原子力政策は、たんなる電源開発にとどまらない、きわめて重大な政治的意義をもっていたことが解明されたのである。
著者
荒木 光彦 須田 信英
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.643-647, 1997-09-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
18
被引用文献数
3
著者
坪井 潤一 片野 修 水本 寛基 荒木 仁志
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2224, (Released:2023-09-08)
参考文献数
38

オオクチバスMicropterus nigricansは水圏生態系に大きな影響を与えることからIUCNの世界の侵略的外来種ワースト100に指定されている。オオクチバスの駆除は多くの湖沼や河川で行われているが、小規模な水域における池干しを除くと、完全駆除に成功した事例は少ない。そこで本研究では、長野県の金原ダム湖において2007年からオオクチバス根絶のため、シュノーケリングによる産卵床の除去、仔稚魚のすくい取り、未成魚と成魚のカゴ網、投網、刺し網、手づかみ、釣り、水中銃による捕獲を行い、シュノーケルを用いた潜水調査や環境DNAの解析により個体群のモニタリングを行った。幼魚の捕獲にはアイカゴが、大型魚を除く未成魚、成魚については岸の水深変化に対応した「かけ上がり用刺し網」が、大型魚については水中銃が効果的であった。年間捕獲個体数は2010年に1,472個体に達した。産卵床数は2012年に131箇所に達したが、その後急速に減少した。2014年には産卵床の見逃しにより約5,000個体の稚魚が生じた。しかし、陸上および水中から、たも網を用いて捕獲を行い、その大部分が捕獲された。興味深いことに、オオクチバス駆除にともなって、トウヨシノボリRhinogobius kurodaiが増加し、オオクチバスの卵を捕食するところが確認された。2016年以降産卵床は形成されず、成魚についても、2018年に1個体が捕獲されてから観察されなくなった。以上の結果から、金原ダム湖のオオクチバスは完全に駆除されたか、わずかに生息していたとしても残存個体が高齢化するなどして新たに繁殖することができず、機能的に根絶したものと考えられる。一方、オオクチバスの種特異プライマーを用いた環境DNA解析は2018年から2022年にかけての計4回全てで微量ながら陽性となっており、少なくともダム湖周辺にはオオクチバス生息の可能性が示唆された。このことから、ダム湖のオオクチバス根絶後も再導入リスクは依然残されており、今後も継続的・定期的なモニタリングが重要と考えられる。

135 0 0 0 OA 肥後民話集

著者
荒木精之 著
出版者
地平社
巻号頁・発行日
1943
著者
荒木 健太郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.326-327, 2022-06-15
著者
大塚 英志 小松 和彦 安井 眞奈美 エルナンデス アルバロ 荒木 浩 劉 建輝
出版者
国際日本文化研究センター・プロジェクト推進室
雑誌
日文研大衆文化研究叢書 全5巻序論集
巻号頁・発行日
2022-03-17

国際日本文化研究センターによる大衆文化研究プロジェクト(人間文化研究機構機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)の成果として刊行された「日文研大衆文化研究叢書」シリーズ全5巻 [『日本大衆文化史』(KADOKAWA, 2020年9月)、『禍いの大衆文化 : 天災・疫病・怪異』(KADOKAWA, 2021年7月)、『身体の大衆文化 : 描く・着る・歌う』(KADOKAWA, 2021年11月)、『〈キャラクター〉の大衆文化 : 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA, 2021年11月)、『戦時下の大衆文化 : 統制・拡張・東アジア』(KADOKAWA, 2022年2月)] の序論を集めたもの
著者
荒木 のりこ 江上 敏哲 坪内 奈保子 西川 真樹子 渡邊 伸彦
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.2042, 2019-08-31 (Released:2019-09-11)

2018年,国際日本文化研究センターはOCLC WorldCat に蔵書の目録情報を登録し,OCLC WorldShare ILL による海外からの本格的なILL 受付サービスを開始した。目録は30万タイトルを一括登録し,またILLは1 年間で236件の受付を実施した。実施までには紀伊國屋書店,OCLC,海外の日本研究司書コミュニティとの連携・協力があった。実施後は多方面に広報を実施した。これらにより海外の日本研究への寄与や,日文研自体の存在感向上が期待できる。課題として,謝絶の多さ,参加料・労働力等のコスト,国内他大学の参加を増やすこと等がある。
著者
谷口 守 荒木 俊輔
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.225-232, 1996-08-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

低成長時代においては、社会資本整備が地域に及ぼす効果を経済的指標で捉えることは難しく、むしろ社会資本整備が住み易さやイメージの向上といった地域に関わる認識の高さに影響を及ぼすことで地域間競争が進む側面も有ると考えられる。本稿ではこのような「認識上の地域」に着目し、その実態と決定に及ぼす要因について分析方法の提案を行い、それを実空間に適用した。具体的には、地域名選択確率という概念を導入し、「つくば地域」を対象に数量化モデルを適用することによって社会資本整備をはじめとする諸要因が地域認識に及ぼす影響を定量的に検討した。さらに、認識上の地域が有する階層構造についてもその特性を明らかにした。
著者
荻野 雅宏 中山 晴雄 重森 裕 溝渕 佳史 荒木 尚 McCrory Paul 永廣 信治
出版者
一般社団法人 日本脳神経外傷学会
雑誌
神経外傷 (ISSN:24343900)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-34, 2019-08-20 (Released:2019-08-20)
参考文献数
58

【解説】「スポーツにおける脳振盪に関する国際会議」は2001年にウィーンで第1回会議が開かれたのち,近年は夏季オリンピックの年の秋に開催されており,第2回 (プラハ, 2004年),第3回 (チューリッヒ, 2008年),第4回 (チューリッヒ, 2012年) を経て,2016年にベルリンにて 「第5回国際スポーツ脳振盪会議」 が開催された。この国際会議の目的は選手の安全を確保することと,選手のコンディションを改善することであり,プロフェッショナル,アマチュアを問わず,スポーツで脳振盪を負った選手の状態を正しく評価し,安全にスポーツに復帰させることを目指すものである。さまざまな分野のエキスパートが討論を重ね,最終的に以下の共同声明 (consensus statement) を公開するとともに,声明の根拠となった系統的なレビュー12編24,25,i–x)を発表した。脳振盪を負った選手を評価する標準的ツールSport Concussion Assessment Tool (SCAT),5歳から12歳までの小児に用いるchild SCAT,非医療従事者が脳振盪を疑う際に用いるConcussion Recognition Tool (CRT) はそれぞれ,SCAT5,child SCAT5,CRT5へと改訂された。この共同声明 (McCrory P, Meeuwisse W, Dvoraket J, et al. Consensus statement on concussion in sport —the 5th inter­national conference on concussion in sport held in Berlin, October 2016. Br J Sports Med 51: 838–847, 2017) や上記のツールはすべてWeb上で自由に閲覧でき,ダウンロードも可能である。関係者は原文にあたり,その内容に精通していることが求められるが,一部から公式な日本語訳を強く望む声があり,本学会のスポーツ脳神経外傷検討委員会の有志が,前版xi)の訳者らとともにこれにあたった。次回の改訂は2020年の秋以降に予定されているので,本稿が来る東京オリンピックならびにパラリンピックにおけるこの領域の基本的な指針となる。しかし本文中にもある通り,この共同声明は臨床的なガイドラインを目指すものでも,法的に正しい対処を示すものでもない。現時点における総論的な指針と考えるべきであって,個々のケースへの対応には,現場の裁量が認められていることを強調したい。
著者
細井 昌子 安野 広三 早木 千絵 富岡 光直 木下 貴廣 藤井 悠子 足立 友理 荒木 登茂子 須藤 信行
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.445-452, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
4

線維筋痛症は病態が未解明な部分が多いが, 独特な心理特性, 免疫学的異常, 脳機能異常, 自律神経機能異常など多面的な病態が近年の研究で報告されている. 本稿では, 九州大学病院心療内科での治療経験をもとに, ペーシングの異常, 受動的な自己像が構築される背景と過剰適応・過活動, 安静時脳活動の異常について, 線維筋痛症における心身相関と全人的アプローチの理解促進のために, 病態メカニズムの仮説について概説した. 線維筋痛症では, default mode networkと呼ばれる無意識的な脳活動が島皮質と第2次感覚野と強く連結しているといわれており, これが中枢性の痛みとして, 過活動に伴う筋骨格系の痛みや自律神経機能異常といった末梢性の痛みと合併し, 複雑な心身医学的病態を構成していると考えられる. ペーシングを調整し, 意識と前意識や無意識の疎通性を増すための線維筋痛症患者に対する全人的アプローチが多くの心身医療の臨床現場で発展することが望まれる.
著者
玉置 久 森 正勝 荒木 光彦
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.1185-1192, 1995-08-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13
被引用文献数
18 21

In this paper, a method of applying the Genetic Algorithm (GA) to multi-criteria optimization problems is proposed. First, the reproduction operator in GA is made so that the selection is performed in parallel according to each criterion and, at the same time, the Pareto-optimal solutions are always reproduced if such appear in the population. Then, through computational experiments, it is shown that not only one of the Pareto-optimal solutions of a problem but a set of such solutions is obtained by a single run of the proposed method.
著者
荒木 葉子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.308-312, 2001-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10

We determined the residual surfactants, major components of kitchen detergents, on washed tableware by a simple and rapid method to demonstrate the suitability of this experiment as instructional material for home economics in high-school education.The residual surfactants were determined by the Ethyl Violet method with a simple, portable spectrophotometer.Among the six pieces of tableware analyzed, which were respectively made of porcelain, clay, polypropylene, lacquer, wood and plastic, the largest amount of detergents residue remained on the wooden cutting board.The detergent concentration varied with the washing condition in respect of the dilution of the detergent, temperature of water for rinsing, and flow of water.