著者
臼井 健 中内 清秀 北辻 佳憲 横田 英俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.75, pp.81-86, 2011-05-26
被引用文献数
1

3G、WiMAXやWiFiホットスポット等の異種無線アクセス環境が整う中で、定期的な位置の登録やストリーミング配信等端末に対して継続的な通信を要求するサービスが増えつつある。そのようなモバイルネットワークで、サービスの大規模化や大容量化、高可用性、継続性を確保するために、従来の技術のように端末に対して水平・垂直ハンドオーバを適用することや固定的なサーバ・クライアントモデルを適用することだけでは限界がある。そこで筆者らは、新世代ネットワークにおいて端末の移動に加えて、端末に対するサービス提供側の処理の移動まで含めたトータルなモビリティである「サービスモビリティ」を実現する新しい通信アーキテクチャを提案する。本稿では、上記の「サービスモビリティ」のコンセプト、技術要件、アーキテクチャの設計、要素技術の実装方針を示す。
著者
辻 吉祥
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、〈近代〉日本における最も包括的なイデオロギーである「社会進化論」「優生思想」と、その文学に与えた影響、相互浸透関係を明るみに出すことを眼目とする。国際的視野でその実証資料を収集する一方、明治・大正期の解放思想・文学が、今日の発想からは死角となる形で自然史的思考の侵蝕を受けており、文学的〈近代〉における「社会」性が今日からする定義とは異なること、その経緯の重要な諸点を明確にすることができた。
著者
古市 剛史 黒田 末寿 伊谷 原一 橋本 千絵 田代 靖子 坂巻 哲也 辻 大和
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ボノボ3集団と、チンパンジー2集団を主な対象として、集団間・集団内の敵対的・融和的交渉について研究した。ボノボでは、集団の遭遇時に融和的交渉が見られるが、その頻度やタイプは集団の組み合わせによって異なり、地域コミュニティ内に一様でない構造が見られた。チンパンジーでは、集団間の遭遇は例外なく敵対的であり、オスたちが単独で行動するメスを拉致しようとするような行動も見られた。両種でこれまでに報告された152例の集団間・集団内の殺しを分析したところ、意図的な殺しはチンパンジーでしか確認されていないこと、両種間の違いは、環境要因や人為的影響によるものではなく生得的なものであることが明らかになった。
著者
松林 優一郎 岡崎 直観 辻井 潤一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.4_59-4_89, 2010 (Released:2011-06-09)
参考文献数
26

FrameNet,PropBank といった意味タグ付きコーパスの出現とともに,機械学習の枠組みを利用した自動意味役割付与システムが数多く研究されてきた.しかし,これらのコーパスは個々のフレームに固有の意味役割を定義するため,コーパス中に低頻度,或いは未出現の意味役割が数多く存在し,効率的な学習を妨げている.本論文は,意味役割付与における意味役割の汎化問題を取り上げ,既存の汎化指標と新たに提案する指標を役割の分類精度を通して比較し,それぞれの特徴を探求する.また,複数の汎化指標を同時に利用する分類モデルが自動意味役割付与の精度を向上させることを示す.実験では,FrameNet において全体の精度で 19.16% のエラー削減,F1 マクロ平均で 7.42% の向上を,PropBank において全体の精度で 24.07% のエラー削減,未知動詞に対するテストで 26.39% のエラー削減を達成した.
著者
辻井 弘忠
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-5, 2005-03
被引用文献数
1

近年,放牧を見直そうとする背景がある。そこには,乳用牛および肉用牛の飼養戸数の大幅な減少に対して飼養頭数は大幅な増加傾向にある。つまり,多頭飼育傾向が見られ,放牧場の存在は各農家の省力化のだめに必要かつ重要である。本論文は全国の放牧場について,地域別に見た放牧場数,放牧頭数,放牧面積,放牧場の立地条件,放牧場の草種,放牧期間ならびに放牧の持つ多角的価値などについて解析を試みてみた。その結果,各地域の放牧場は飼育している牛の種類の違いと地域の地理的または自然的な条件による違いが見られた。
著者
後藤 直正 辻元 秀人 西野 武志 大槻 雅子
出版者
京都薬科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

セパシア菌(Pseudomonas cepacia)の外膜に存在する透過孔は,2つの異なるサブユニット(OpcP1およびOpcP2)により形成されているヘテロオリゴマー(OpcP0)であることを既に明らかにした。本年度の研究として,【.encircled1.】このサブユニットをコードする遺伝子のDNA塩基配列を明らかにすること,【.encircled2.】2つのサブユニットを精製し,それから元のオリゴマーを再構成すること,さらに【.encircled3.】それらを透過孔形成能を調べることを計画した。その結果,【.encircled1.】精製したOpcP1の部分アミノ酸配列から作成したDNAプローブを用いて,セパシア菌の染色体クローンバンクから,PCR法によりOpcP1断片を得た。このDNA配列は,数種のポーリンとの類似性を示した。また,OpcP2遺伝子についも同じ方法で研究を進めている。【.encircled2.】精製したサブユニットから,もとのオリゴマーを再構成することが出来た。また,精製したサブユニットの透過孔形成能を測定したところ,【.encircled3.】OpcP2では活性は観察されなかった。一方,OpcP1の活性は,もとのオリゴマーであるOpcP0の活性よりも高いことが分かった。これらの結果は,OpcP1によって形成された透過孔が,OprD2の結合により阻害されていること,さらに,緑脳菌(P.aeruginosa)のOprD2のゲート領域(孔の開閉を司る領域)とOpcP2の機能が類似していることを示している。遺伝子レベルでの研究は,その遂行のために克服すべき問題が幾つかあったために,本研究ではその解決に終始した。しかし,これは,今後の研究に大いに役立つものである。蛋白質レベルでの研究過程で明らかにしたOpcP0とOpcP2との類似性は,今後得られるであろう遺伝子レベルでの研究成果と相俟って,ポーリン研究に大きな情報を提供するものと期待される。
著者
熊谷 道夫 辻村 茂男 焦 春萌 早川 和秀 秋友 和典 永田 俊 和田 英太郎
出版者
滋賀県琵琶湖研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

地球温暖化の進行に伴い、琵琶湖周辺の気温は過去20年間に約1℃上昇した。これは地球全体の平均値より5倍大きい。このような急激な気温上昇は、結果として琵琶湖周辺の気候を単調かつ安定なものに変えつつある。それに伴って、琵琶湖の深水層でも変化が生じている。平均水温の上昇や、溶存酸素濃度の低下、pHの変化、硝酸態窒素の増加、イサザの漁獲量の低下、塩素イオン濃度の上昇などが挙げられる。このような変化の相互相関はまだ明らかではないが、何らかの有意な関係があることが示唆された。琵琶湖深水層における酸素消費速度を高精度ウィンクラー法によって計測した。それによると、酸素消費速度は冬期に最大となり、8〜28μg/L程度で、夏期には減少した。この値は、見かけの酸素消費速度とほぼ同じであった。2001年〜2004年にわたって琵琶湖北湖の深水層で、自記式の酸素計を用いて溶存酸素濃度を計測してきた。2002年の冬は暖冬で、酸素濃度の回復が十分ではなかったので、その年の秋には、溶存酸素濃度が2mg/L以下になった。2003年の冬は寒く雪が多かったので、酸素濃度の回復が十分で、秋の酸素濃度の低下も小さく5mg/L以上であった。このように冬の気温が十分に低ければ、多くの量の酸素が供給されるので、酸素消費速度が著しく大きくならなければ低酸素にはならない。2004年の冬は暖冬で、全循環が2月までずれ込み、飽和酸素濃度も100%まで回復せず、あきらかな全循環欠損が発生した。このことは、秋に酸素濃度が低くなる可能性があるので注意深い観測が必要である。
著者
中辻 真 藤原 靖宏 内山 俊郎 戸田 浩之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.457-467, 2013-11-01 (Released:2013-10-01)
参考文献数
33
被引用文献数
1

Tracking user interests over time is important for making accurate recommendations. However, the widely-used time-decay-based approach worsens the sparsity problem because it deemphasizes old item transactions. We introduce two ideas to solve the sparsity problem. First, we divide the users’ transactions into epochs i.e. time periods, and identify epochs that are dominated by interests similar to the current interests of the active user. Thus, it can eliminate dissimilar transactions while making use of similar transactions that exist in prior epochs. Second, we use a taxonomy of items to model user item transactions in each epoch. This well captures the interests of users in each epoch even if there are few transactions. It suits the situations in which the items transacted by users dynamically change over time; the semantics behind classes do not change so often while individual items often appear and disappear. Fortunately, many taxonomies are now available on the web because of the spread of the Linked Open Data vision. We can now use those to understand dynamic user interests semantically. We evaluate our method using a dataset, a music listening history, extracted from users’ tweets and one containing a restaurant visit history gathered from a gourmet guide site. The results show that our method predicts user interests much more accurately than the previous time-decay-based method.
著者
源栄 正人 大野 晋 柴山 明寛 三辻 和弥 佐藤 健
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、次世代地域防災システムとして構造ヘルスモニタリング機能を有する地域版早期地震警報システムの開発とその利活用の検討を行った。迫り来る宮城県沖地震に対する100万都市仙台の地震被害低減を図るために、三陸沿岸の2観測点、伝播経路にあたる2つの観測点、および仙台の公共建築物に設置された地震計による観測波形情報をIP網により東北大学のサーバにリアルタイム伝送するシステムを構築した。また、前線波形情報を用いた高精度地震動予測を可能にする防災システムについて検討した。利活用の一つとして開発システムを利用した学校での防災教育を行った。開発したシステムは2011年東北地方太平洋沖地震を経験した。得られた地震観測記録は、地震前後の建物の振動特性の変化など構造ヘルスモニタリング研究に貢献した。
著者
辻 憲男
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-18, 1998-12-01

東大寺図書館蔵本『東大寺要録』巻八所載の「東大寺桜会縁起」の本文翻刻と略注。
著者
辻野 晃一郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.18-22, 2011-03

ソニーで「VAIO」などのヒット商品の開発を指揮した後、米グーグルに身を転じて日本法人社長に就任。日米のグローバル企業で経営に携わった経験から、「オンラインの時代」への対応が遅れる日本企業に強い危機感を抱く。個々の製品の技術や品質を磨くこと以上に、共通基盤となる「生態系」を築くことが重要だと主張する。
著者
辻本 富幸 中出 雅彦 八木 幸弘 石井 登
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.126, no.4, pp.421-426, 2006-04-01
被引用文献数
3

Water tree is one of the degradation aspects of XLPE cables used for under-ground distribution or transmission lines. We have developed the loss current method using 3rd harmonic in AC loss current for cable diagnosis. Harmonic components in loss current arise as a result of the non-linear voltage-current characteristics of water trees. We confirmed that the 3rd harmonic in AC loss current had good correlation with water tree growth and break down strength. After that, we have applied this method to the actual 66kV XLPE cable lines. Up to now, the number of the application results is more than 130 lines.<br>In case of cable lines terminated at gas-insulated switchgear (GIS), we have to remove the lightning arrestor (LA) and the potential transformer (PT) out of the test circuit. The reason is that we are afraid that each of LA and PT disturbs the degradation signal from cable lines. It takes extra time (1 or 2 days) and costs more to remove LA and PT in GIS out of a circuit. In order to achieve easy and reasonable diagnosis, we have developed a new method for cable lines terminated at GIS, by utilizing a technique, which enables to reduce signal of LA and PT from disturbed signal of cable lines. We confirmed the effect of the new method by experiments with actual cables.
著者
辻 裕介 平川 慎太郎 百冨 隆二 松尾 政晃 円福 敬二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.364, pp.27-32, 2010-01-13
参考文献数
10

冷却した銅線または高温超伝導テープで作製した検出コイルと高温超電導SQUIDを結合したマグネトメータの性能評価を行った。この検出コイル分離型の構成は大きなサイズの検出コイルが要求される時に有効である。例として、TEM法を用いた地質探査のためのマグネトメータを設計した。巻数50ターン、コイル直径100mmという比較的大きなサイズの検出コイルを用いたとき、マグネトメータの雑音磁界が周波数10Hzにおいて0.3pT/Hz^<1/2>、100Hz以上の高周波において40fT/Hz^<1/2>以下という結果が期待できることを示した。このシミュレーション結果の感度は実際の応用に対して十分実用的である。また、高温超伝導ビスマステープ線材で検出コイルを作製し、マグネトメータを作製した。予備実験の結果は解析結果とおおよそ良く一致した。
著者
加藤 行夫 田中 一隆 山下 孝子 英 知明 佐野 隆弥 辻 照彦 勝山 貴之 石橋 敬太郎 杉浦 裕子 真部 多真記 西原 幹子 松田 幸子 本山 哲人 岡本 靖正
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、主として英国初期近代(エリザベス朝およびジェイムズ朝)の演劇作品および当時の役者・劇団・劇場の総合研究を「歴史実証主義的立場」から新たに検証し直す作業を行なった。とくに「デジタルアーカイヴズ」を多用して、定説と考えられてきた既存の概念・理論を、現存する公文書や有力な歴史的基礎資料を根幹とした「検証可能な方法」で再検討し直すことを最大の特徴とした。この研究手法により、当時の劇作家、幹部俳優、劇場所有者、印刷出版業者等をはじめとした「演劇世界全般の相関的ネットワーク構築」の特徴的なありようを、演劇理論や劇作家と劇団研究、個々の劇作品とその出版等を通して追究した。

1 0 0 0 OA 国防と海運

著者
和辻春樹 [著]
出版者
文部省教学局
巻号頁・発行日
1943
著者
蝶野 成臣 辻 知宏 楠川 量啓
出版者
高知工科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

単純せん断流中で回転し続けるタンブリング液晶が“液体状圧電体”になり得るかどうかを調べるため、せん断印加時に液晶が発生する分極値の時間変化を測定した。本研究が一定の成功を収めれば自在形状のマイクロ力学センサの開発に繋がる。内径6 mmの外筒と外径5 mmの内筒からなる同心二重円筒間に液晶を充填して、内筒を回転させて液晶にせん断を印加した。使用した液晶は4-cyano-4'-octylbiphenylである。内筒回転数が0.2 rpmのとき電位差はパルス状の波形を示し、その大きさは最大で±70 mVに達した。従ってタンブリング液晶が圧電体に適していることがわかった。