著者
島本 功 寺田 理枝 大木 出 辻 寛之 辻 寛之
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

フロリゲンは植物の花芽分化の決定因子として1937年に存在が提唱されたが、その正体は長い間謎のままであった。我々は2007年にフロリゲンの分子実体がHd3a/FT タンパク質であることを明らかにし、さらにフロリゲンの細胞内受容体、及びフロリゲンの活性本体となるタンパク質複合体「フロリゲン活性化複合体」を同定した。さらにフロリゲンは花だけでなくジャガイモ形成を開始させるなど驚くべき多機能性を持つことも明らかにした。またフロリゲンの発現制御に関する研究も並行して展開し、イネの花成は2つのフロリゲン分子Hd3a とRFT1 に完全に依存していることを示した。
著者
井手 清志郎 辻 俊宏 小針 健太郎 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.147, pp.17-22, 2006-07-05
被引用文献数
1

分域の成長過程をAFMにより直接観察するためには電場の印加方向をAFMの観察面内にする必要がある。そこで10μmの間隙をもつ表面電極対をリラクサー系強誘電体単結晶PMN-PTに作製し、超音波原子間力顕微鏡(UAFM)およびラテラル圧電応答力顕微鏡(LPFM)を用いて電場印加による分域のスイッチング挙動を評価した。UAFMではLPFMで見られた分域境界で接触弾性の低下により共振周波数が低下したが、LPFMで見られない表面下で傾斜した分域境界も観察できた。電界を印加した結果、電界が弱い場合には可逆的な分域スイッチングが、強い場合には分域境界の移動を伴う不可逆的なスイッチングが観察された。移動を伴うスイッチングでは電場の方向に対して相対的に安定な分域が成長する過程が観察された。表面電極対は強誘電体の分域挙動の評価に有用である。

1 0 0 0 ノモンハン

著者
辻政信著
出版者
亜東書房
巻号頁・発行日
1951

1 0 0 0 ノモンハン

著者
辻政信著
出版者
亜東書房
巻号頁・発行日
1950
著者
小林 由紀子 赤星 和人 原 行弘 辻内 和人 岡村 陽子
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.778-782, 2005 (Released:2006-09-22)
参考文献数
16

In the rehabilitation of traumatic brain injury, emotional disorders such as a quick temper, depression and irritability are a critical problem, as well as cognitive dysfunctions such as impairment of attention and memory. In addition, it is rare that they are completely isolated and cognitive dysfunction and emotional disorders tend to have an influence on each other. In other words, the stress caused by cognitive dysfunction induces an aggressive emotional disturbance, and unrest of mood accelerates cognitive dysfunctions such as memory and judgment. Therefore, it is important to consider their emotional states when we start rehabilitation for patients with traumatic brain injury. We had a valuable experience in early rehabilitation of two patients with traumatic brain injury. We had very good results by thinking about the emotional disorder first, and thereafter training for the cognitive dysfunction. Case 1, a young male, was a computer programmer. After suffering a traumatic brain injury, he could not think logically and he had many emotional problems with his mother. Case 2 was a middle-aged housewife. She became depressive and negative towards rehabilitation, because of her memory problems post traumatic brain injury. We administered a rehabilitation regime which attached great importance to treating the emotional disorders affecting these two patients. As a result, in the early phase, we were able to make progress in cognitive rehabilitation as well as improving their emotional problems by our intervention, and they overcame their cognitive dysfunctions and resumed their normal daily lives in a month.
著者
南 誠剛 小牟田 清 辻本 正彦 浅井 光子
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.595-599, 2002-10-20
被引用文献数
3 2

背景. 肺癌の歯肉への転移は非常に稀である. 症例. 51歳女性. 平成12年3月初旬より左側下顎歯肉腫脹を自覚した.胸部X線にて右中肺野腫瘤影を認めたため当院に紹介された.左側下顎腫瘍が急速に増大してきたため,同年3月29日に摘出術を施行し未分化な転移性癌が認められた.CTガイド下肺生検でも同様の組織が採取された.全身検索を行うも歯肉以外の遠隔転移は認めなかった.以上より肺原発pleomorphic carcinoma (Stage IV,T4N2M1) と診断した.CBDCA+VP-16による化学療法を2クール施行するも効果はなかった.腫瘍は急速に増大し胸水も貯留するようになり6月10日死亡した.結論. 歯肉転移は稀ではあるが,その予後は非常に悪く患者のQOLを著しく低下させる.早期に発見して積極的な治療が必要である.
著者
高田 久美代 高辻 英之 妹尾 正登 KUMIYO TAKATA HIDEYUKI TAKATSUJI MASATO SENO 広島県立総合技術研究所保健環境センター 広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター 広島県立総合技術研究所保健環境センター Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Fisheries and Marine Technology Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.78-80, 2008-01-15
参考文献数
15
被引用文献数
5

麻痺性貝毒により毒化した養殖マガキの無毒化を目的として,貝毒原因プランクトンAlexandrium tamarenseによって毒化したマガキ(26~30MU/g)を,ろ過して貝毒原因プランクトンを除去した海水を流下させた水槽で垂下蓄養し,毒の減少過程を調べた。供試したマガキの毒力は,5日後には規制値(4MU/g)以下となり,毒化したマガキを,ろ過海水中で数日間飼育することで,毒力が規制値以下となって生鮮貝としての出荷が可能となることが示された。
著者
木村 慎也 竹谷 弘 畑中 雅彦 坂口 威 西辻 昭 和田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.97, pp.9-16, 1995-06-20
被引用文献数
3

南極では、1988年から一年間気象レーダによる雲と降水の観測が行われた。この時、ラジオ・ゾンデによる上空の気温の測定とビデオカメラ装置による地上での降雪粒子の観測も行われた。本論文では、観測されたこれらのデータと、観測されていない南極上空の粒径分布の代わりとして、粒径分布の高度変化を推定し、レーダ方程式から昭和基地上空における降雪強度変化を求めて推定した。
著者
竹脇 出 土井 明裕 辻 聖晃 上谷 宏二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.68, no.571, pp.45-52, 2003
被引用文献数
1 3

The soil resisting mechanism for piles is often represented by a static or dynamic Winkler-type spring. The present paper proposes two models for analysis and design of pile-supported building structures. The first-type model is a continuum model which deals with the governing differential equation directly and enables the, introduction of the one-dimensional wave propagation theory. The second-type model is a finite-element model enabling the introduction of the response spectrum method. The accuracy, of these models is clarified through the comparison in terms of transfer functions and time histories. The maximum seismic response of the models to the ground motion defined at the engineering bedrock surface as an acceleration response spectrum is evaluated by the response spectrum method in terms of complex modal quantities. The stiffness design for a specified maximum interstory drift and a pile stress ratio (maximum pile stress/allowable stress) is obtained by regarding the lowest natural circular frequency of the fixed-base model and the pile diameter as principal parameters.
著者
辻井 弘忠 末成 美奈子 増野 和彦
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.1, pp.73-79, 2003-03

長野県林業センターで系統維持しているヤマブシタケ(Hericium erinaceum)6系統(国内産4,台湾産1,中国産1)を供試し,ヤマブシタケ子実体の収穫所要日数および収量ならびに子実体抽出エキスのHeLa細胞に対する細胞毒性活性を調べた。すなわち,栽培培地基材であるコーンコブミール含有量の違いや栄養剤添加が,子実体の収穫所要日数および収量に及ぼす影響ならびに各系統の子実体抽出エキスのHeLa細胞に対する細胞毒性活性に及ぼす影響を調べた。その結果,実験に用いたヤマブシタケ6系統の子実体抽出エキスともHeLa細胞に対する細胞毒性活性がみられた。子実体の収穫所要日数が少なく,子実体の収量の多い系統はY5とY6,子実体エキスのHeLa細胞に対する細胞毒性活性の強い系統はY1とY2であった。栽培培地基材であるコーンコブミールを添加すると子実体の収穫所要日数は短かくなり,子実体の収量は少なかったが,コーンコブミール添加によって子実体抽出エキスのHeLa細胞に対する細胞毒性活性は高まった。栄養剤(フスマ)添加によって,子実体の収量は少なくなったが,子実体抽出エキスのHeLa細胞に対する細胞毒性活性は高くなった。これらのことから,ヤマブシタケの系統は台湾産および中国産より国内産のY1~3系統のものを使用し,栽培培地基材としてはコーンコブミールを,栄養剤としてはフスマをそれぞれ添加して栽培すれば,HeLa細胞に対する細胞毒性活性の強い子実体を生産出来ることが判明した。
著者
辻田 眸 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-28, 2010-01-26
被引用文献数
1

距離を隔てて暮らす人たちに,相手の存在感や振る舞いなどのアウェアネスを伝えることで,従来の電話やメールを補完もしくは置き換えようとする新しいコミュニケーションシステムが多数提案されている.本研究では,日常生活における行動の偶然の一致が,話題のきっかけ,親近感,連帯感などをもたらすことに着目し,遠隔地にいる人々の行動が偶然一致したことを伝達する,新しいコミュニケーションシステムを提案する.また,ドアの開閉,ソファーへの着席,テレビの視聴などを検出して一致を伝達するシステムを試作し,研究室間での評価実験を行った.さらに2家族間での遠隔実験の結果を示し,今後の展望を述べる.
著者
渡邉 裕美 村嶋 幸代 後藤 隆 田口 敦子 浅野 いずみ 辻 泰代
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究目的は24時間ケア医療と介護の包括支援体制の方向性を探ることである。実態を把握するために、大都市圏で夜間ケアに先駆的にとりくんでいるA自治体において全域調査を行なった。結果、要介護認定者数に対する夜間対応型訪問介護利用者の比率は圏域によって異なるものの、その割合は、0.25%~0.73%と1%にも満たなかった。定期訪問実人数は0人の事業所もあれば、28人に639回の事業所もあった。随時訪問利用回数は、4回の事業所もあれば、104回の事業所もあった。定期より随時が多く行われていた。コールを押しても訪問せずに電話対応のみという事業実態もあった。別のB自治体では、介護施設を拠点に24時間訪問介護と夜間対応型訪問介護が一体運営でとりくまれており事業所ヒアリングを行なった。24時間包括ケアの潜在利用者を病院から地域にもどすための退院支援のヒントをまとめた。2012年4月創設される「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を読み解き、研究成果をふまえた、医療と介護の包括支援体制をすすめるための方法論を示した。
著者
久保 雅義 小林 英一 林 美鶴 原田 賢治 辻 啓介
出版者
大島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、津波が沿岸・港湾域に来襲したときの船舶の被害を最小限にとどめる対応方策を検討することを目的として実施した。まずAIS(船舶自動識別装置)データの活用により、実際の航行および在港船舶の実態が把握でき、津波来襲時に船舶がとるべき行動解析のための基礎データが収集できた。次に今回開発した多数船舶が同時に避難行動をとる場合の挙動シミュレーション手法により、このAISデータをベースとして船舶避難シミュレーションを実施した結果、備讃瀬戸海域では今回想定した避難水域へ船舶が安全に避難できることが分かった。またLNG船について、津波来襲時の避難挙動の解析をシミュレーション計算により実施した結果、接岸場所よりある程度離れた場所で津波発生を認知した場合には、概ね安全に津波から逃れることができることが分かった。一方で入船係船状態からの港外避難では、途中で津波と遭遇する可能性も示唆されたが、出船係船とすることにより安全に避難できることを示した。さらに津波来襲時に係留中のLNGがその係留状態のままやりすごす状態について検討を行った。この計算を実施するに先立ち、係留状態の把握・検証用データ取得のため係留LNGについて現地実験を実施した。計測された係留張力や船体動揺のデータを計算結果と比較することにより、今回使用する係留シミュレーション手法の妥当性を検証するとともに、実係留状態での津波来襲時の挙動解析を行い安全性の検証を行った。また今回複数船舶が相互に係留された状態で津波来襲を受ける場合の挙動解析コードを開発した。これを用いた解析ではシンカー係留では係留索張力が課題となり安全使用荷重を超える懸念があるものの、たとえばアンカー係留に変更することなどにより係留索破断を避けることができることも分かった。今回開発した津波来襲時の船舶挙動解析手法群は、様々な状態での津波来襲時の挙動を解析でき、この結果を活用して津波対策指針策定につなげることができることが分かった。
著者
大橋 正治 立田 光廣 白木 和之 田嶋 克介 辻川 恭三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.724-735, 1995-12-25
被引用文献数
8

近年,光ファイバアンプの出現により,波長1.5μm帯での長距離大容量伝送実験の報告が多くなされている.このような状況において,更に高度な伝送システムを実現するために,光ファイバの低損失化は従来にも増して重要な課題となってきている.光ファイバの損失を減少させるためには,レイリ-散乱損失,赤外吸収損失および構造不整損失の減少が必要である.レイリ-散乱および赤外吸収は,用いるドーパントによって決まる.一方,構造不整損失は,光ファイバの製造技術のみならず,コアおよびクラッドの粘度特性の影響も受ける.構造不整損失を低減する手段として,コアとクラッド両者の粘度を整合させることが効果的である.しかしながら,これまで粘度整合設計法に関しては明らかにされていない.本論文においては,まず光ファイバ断面内の粘度整合設計法について述べる.つぎに,GeO_2,F,GeO_2とFを添加した石英ガラスの粘度特性およびレイリ-散乱特性を実験的に明らかにする.更に,本設計法を用いて設計,作製した粘度整合光ファイバの諸特性について述べ,その効果を明らかにする.
著者
園田 信成 尾辻 豊 岡崎 昌博
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

血管内超音波ガイドにて経皮的冠動脈ステント留置術を行った連続423症例中血液透析症例は25例で、計15例が対象となった。第1世代薬剤溶出性ステント群(D1)が7例、第2世代薬剤溶出性ステント群(D2)が8例で、慢性期ステント内再狭窄は各1例に認めた。慢性期新生内膜増殖は同等で、線維性成分が主体であった(D1:54%,D2:55%)。ステント周囲プラークはD1で9%増加し、D2で2%減少し、増加した組織は脂質が主体であった。以上より、透析患者に対する治療成績はD1とD2で同等であったが、慢性期の血管反応はD1に比べて、D2で良好である可能性が示唆された。炎症マーカーは今後症例を増やし検討を行う。
著者
大辻 清太 外村 佳伸 大庭 有二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.519-528, 1994-03-25
被引用文献数
20

本論文では,映像ハンドリングの基本処理単位を決定する上で重要なカット点の自動検出方法について述べる.映像のつなぎ目であるカット点を検出する問題は,目的条件に対しある程度の結果を出す手法は従来検討されているが,体系的かつ定量的には議論されていない.我々はこの課題を映像変化量の頻度分布と言う観点からとらえ,カット点およびカット点で囲まれるショットの映像変化量分布を分離する問題に帰着した.映像変化量は定義方法より,動きに敏感な場合はショット内分散が大きく,動きに影響されにくい場合は逆にカット点で分散が大きく分離が悪化する.被写体の動き等に伴う影響だけならば,映像変化量の連続性に着目し時間徴分で改善できるがテレシネ変換された映像等では,時間的に不連続な変動が重畳される.そこで本論文では,カット点近傍で映像変化量が示す変動の形態的な特徴抽出に基づく突出検出フィルタを用いた手法を提案し,実験により手法の効果を確認した.課題はまだ残しているものの,提案手法により検出手法改善は,映像ハンドリングにおいてさまざまな利用が期待される.
著者
辻村 清也
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)バイオアノード電極と酵素の直接電子移動反応に基づいたアノード極の作成を目指し,電極表面および構造の改良を行い,電流密度を従来報告されている系の100-1000倍に向上させることに成功した.酵素としては酢酸菌由来のフルクトースデヒドロゲナーゼ,グルコン酸デヒドロゲナーゼに注目した.また,酸化生成した難酸化性有機酸を二酸化炭素まで酸化し,さらに燃料として利用するために,微生物細胞(本研究では大腸菌)の代謝経路の利用を検討し,適切なメディエータを導入することで,例えば酢酸の電気化学的酸化に成功し,そのメカニズム,制御機構について検討した.(2)バイオカソードアノードと同様に,よりシンプルな電池設計を目指したマルチ銅酵素と電極間の直接電子移動に基づくカソード構築に向けて検討した.細孔を制御した多孔性炭素の利用などによる電極構造の改善,大腸菌由来CueO,白色腐朽菌由来ラッカーゼなどの新規酵素の検討により,酸素の拡散律速となるバイオカソードを作成することができた.また,電位をコントロールした変異体酵素を用いその電極反応解析を行い,変異導入が酵素活性に及ぼす影響を考察した.さらに,電気化学測定と水晶振動子マイクロバランス測定とを組み合わせることにより電極上への酵素の吸着および活性挙動の解析・評価を行い,酵素修飾電極の改善に向けた指針を明確にした.(3)バイオ電池フルクトースデヒドロゲナーゼ,ラッカーゼをそれぞれアノード極,カソード極の電極触媒として用い,酵素電極間の直接電子移動反応を利用したシンプルな無隔膜型(一室型)果糖-酸素バイオ電池の作成に成功した.起電力は0.8Vであり,1平方センチメートルあたりおよそ1mWの電力を得ることに成功した.また,果実から直接電力を得ることに成功した.
著者
辻本 雅史 野村 亨 杉本 均 前平 泰志 月原 敏博 安井 真奈美 今井 一郎 リシン ツェワン
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

平成9〜11年度の各年度、メンバーとテーマに関係する研究者を招き、研究会を開き、調査報告・情報交換および現地調査の打ち合わせを行った。9年度のブータン第1次調査では以下の諸調査を行い全体概要を掌握につとめた。(1)ブータン文部省等多数の政府の教育関係担当者、JICA関係者、国連開発計画(UNDP)代表者等と面会し、必要な資料類の収集と国内の学校(幼稚園から大学まで)のすべての教科書232冊を購入。(2)中央ブータン(ブムタン)地方で民宿・寺院泊し、生活実態の体験と聞き取り調査。(3)各種の学校、病院、チベット仏教寺院などを訪問調査。(4)ブータンの言語と文化の状況調査と分析。10年度の第2次調査は3班に分かれて各主題に沿って以下の調査を行った。(1)進行中の教育改革の実態と問題点の調査と資料収集。(2)教育改革と文化伝統(宗教や生活習慣)の関係の調査。(3)教員養成の実態と問題点の把握。(4)ブータン農村部の成人教育の聞き取り調査。(5)比較対照としてネパールの教育の実態と問題点の把握。(6)ネパール農村の子どもの生活と教育の調査。11年度の第3次調査は2班に分かれて以下の現地調査を行った。(1)ブータンとネパールの識字教育および成人教育の参与観察による実態調査と聞き取り及び資料収集。(2)各種の学校訪間による追跡・補足調査。(3)ブータン青年の意識に関する調査。(4)ブータン、ネパールにおけるチベット難民と教育調査。