著者
近藤 久 栗原 正仁 大内 東
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.データ処理, pp.974-975, 1990-03-14

一般に項書き換えシステムの停止性を検証することは決定不能な問題であることが知られているが、Dershowitzによって提案された単純化順序を用いることによって、特定のクラスの項書き換えシステムの停止性を検証することが可能である。本稿では単純化順序として辞書式経路順序を仮定するが、本稿の考え方は他の順序を仮定しても成り立つ。辞書式経路順序を用いるためには、項を構成している演算子の集合上の半順路を決定しなければならない。この半順路を決定する問題は、多くの不必要な探索、矛盾の再発見、不必要な推論を行う。これらの問題点を避けて効率よい問題解決を実現するためのアーキテクチャとしてATMSが提案されている。本稿では、ATMSを用いた停止性検証システムの開発について述べる。
著者
穂坂 茂 間中 久美 岡田 純 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.52-57, 1993-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
11

&全身性エリテマトーデス(SLE)は男性にはまれな疾患である.今回,われわれは男性SLE 17例を対象に,その臨床像,血清学的および内分泌学的検討を行った.発症年齢,観察期間を一致させた女性SLEと比較して,男性例では日光過敏症が有意に多く(p=0.04),リンパ節腫脹と中枢神経障害がやや多かった.腎障害は同率であったが,ネフローゼ症候群が男性に多かった.白血球減少は女性例に有意に多かった(p=0.07)が,血清学的検査で男女間に有意差は認められなかった.治療内容では,男性例により多くのステロイドホルモンが必要とされた,われわれの男性SLEは女性例に比してやや重症である傾向がみられた.血中性ホルモン値では,従来報告されているestrogenの上昇を示す症例はなく,一部の症例で大量ステロイド剤や免疫抑制剤による精腺障害,視床下部-下垂体機能障害が疑われた.
著者
近藤 功行
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.p799-808, 1992-10
被引用文献数
1

琉球列島の終末期医療における伝統的固有宗教の存在とその公衆衛生学的意義を考察するために,与論島における終末期受療行動,沖縄県内の総合病院,民間精神科病院,特別養護老人ホーム(以下,老人ホームと略す)などにおける施設側および患者・遺族側の宗教活動・儀礼について一連の調査を行った。与論島では島外の診療施設に入院して重篤化した場合,死亡間際に島に連れ戻すとしみ特異な終末行動がみられ,自宅死亡が最も理想とされた古来の死生観が保持されていた。沖縄県内の総合病院や精神科病院,老人ホームでは死者が出た場合「ヌジファ」と呼ばれる伝統宗教に従った抜魂儀礼をかなりの遺族が希望し,多くの施設ではそれが認められていて,遺族の心理的安堵感の獲得に大きく貢献していると考えられる。また老人ホームでは,伝統宗教上の祭日に限局した特異な行動をする老齢女性が少なからず存在し,これら女性の深層表象に伝統宗教要素が濃厚に反映していることが推測された。琉球列島では本土化という概念を中心として急速な文化変容が進んでいるが,いまだに伝統宗教的意識が強く支配しており,今後の終末期医療においてもそれらについての十分な配慮が必要であろう。The public health significance of traditional religions in terminal care was studied in the Ryukyu Archipelago. The traditional religious view of life, in which death at home is ideal, is still maintained: while inhabitants seek modem medical care in facilities outside of the island, they are transported back to die in their homes when their condition becomes critical. Most of the general hospitals, special nursing homes for the aged, and psychiatric hospitals of Okinawa allow bereaved families to perform "Nujifa", a traditional religious ritual for transferring soul of the dead from the death to their own home, that functions as a sighificant factor in relieving grief. In many of the special nursing homes for aged, not a few aged women practiced activities uniquely associated with traditional religion on strongly reflecting the fact that endemic religion is deeply embedded in their thinking. Although acculturation is in rapid progress in the Ryukyu Archipelago, such endemic religion still has a significant effect on the people. Therefore these religious factors should be considered in the terminal medical care of these people.
著者
太田 俊也 塚谷 秀範 根津 定満 柏尾 栄 近藤 正 山田 泰博 田中 郁夫 今林 泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.17, no.35, pp.171-176, 2011

For the central stations in big cities that serve regional area, it is impossible to discontinue the railway operations and difficult to transfer the railway tracks. The passengers' safety and convenience need to be secured at first in order to start the development of the stations. This paper describes the case of JR Hakata Station project which solved such issues in the large central station development which were restricted by urban conditions, using various structural methods and techniques.
著者
明石 恵司 近藤 秀樹 槙永 剛一 森岡 千佳子 松村 喜志雄 越智 直哉 古河 辰之 鄭 庸勝 谷口 典男 田中 重実 金子 仁郎 西村 健
出版者
The Japan Academy of Neurosonology
雑誌
Neurosonology:神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.33-37, 1996-05-31 (Released:2010-10-14)
参考文献数
4

This study was performed to examine the effects of mental arithmetic (MA) on cerebral blood flow (CBF) . We recorded the blood flow velocity before, during and after mental arithmetic in the bilateral internal carotid arteries (ICA) and vertebral arteries (VA) simultaneously and continuously in nine healthy males (25.8±7.2 y.o.) . The subjects performed MA for 30-60 seconds. The mean values of blood flow velocity (BFV) were calculated for each pulse using an FFT-analyzer.We observed BFV in 24 ICAs and 9 VAs in all of the 9 subjects. During MA in comparison with the period before MA, BFV in the 10 of ICAs and the 3 of VAs increased significantly, however BFV in the other 3 of ICAs decreased significantly and the rest 11 of ICAs was unchanged. The number of increases was significantly higher than that of decreases and no changes. After MA compared with the period during MA, BFV in the 3 ICAs and the 3 VAs decreased significantly, however BFV in one ICA increased significantly and the rest of 20 ICAs was unchanged. Also the blood pressure and heart rate were unchanged during MA.In summary, our study identified and documented statistically significant changes in cerebral blood flow velocity during MA. And it was suggested that some other factors, such as mental state, have influence on cerebral blood flow velocity during MA.
著者
鎌田 泰彦 近藤 寛
出版者
長崎大学教育学部
雑誌
長崎大学教育学部自然科学研究報告 (ISSN:0386443X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.p99-114, 1981-03

The continental shelf of Hyuga-nada, off Miyazaki Prefecture has an average width of about 20 km. The depth at the shelf break are 130-140 m in the northern area and 160-170 m in the southern area. The bottom sediments of the shelf are classified into three sediment types according to the grain size distribution, namely Sand (II), Transition sand (IIIa) and Mud (III). The distribution of these sedimenttypes are shown in Figure 5.The average content of organic carbon, total hydrogen and total nitrogen in the 42 bottom sediment samples of the Hyuga-nada shelf are 0.34, 0.25 and 0.052%,respectovely. The average of total content of C, H and N is 0.625%. The bottom sediment of the inner shelf of the northern area has less than 0.3% of carbon and 0.05% of nitrogen contents. On the other side, the inner shelf sediments of the southern area have more than 0.5% of carbon and 0.07% of nitrogencontents. The C/N ratio ranges from 3.33 to 8.20 with an average of 6.12. This value is slightly less than 7.0 which is taken from the Atlantic continental margin of the United States.
著者
近藤 香里 酒井 幸弘 内藤 尚久 玉置 明野 市川 一夫 磯谷 尚輝 小島 隆司 中村 友昭 城山 敬康
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.181-190, 2010-12-29

<B>【目的】</B>回折型多焦点IOL挿入術における50歳代から80歳代までの年代別術後成績の検討。<BR><B>【対象と方法】</B>対象は平成19年1月から平成21年5月までに、両眼に回折型多焦点IOL(AMO社製ZM900 16例32眼、Alcon社製SA60D3 5例10眼)を挿入した21例42眼。年代別症例数は、50歳代10例20眼、60歳代5例10眼、70歳代3例6眼、80歳代3例6眼。遠見矯正視力、遠見矯正下近見視力の術後経過、コントラスト感度、アンケート結果を年代別に比較検討した。<BR><B>【結果】</B>50・60歳代は、術後早期より良好な視力が得られたが、70・80歳代は不安定で、80歳代では、最高視力が得られるまでに3ヶ月程度を要した。術後3ヶ月の視力・コントラスト感度は80歳代がやや劣るものの、遠見裸眼視力 0.96、遠見矯正視力 1.24、遠見矯正下近見視力0.91と良好な結果であった。70・80歳代の近用眼鏡使用率は0%であった。80歳代のハロー・グレアの訴えはなく、高い術後満足度が得られた。<BR><B>【結論】</B>70・80歳代における回折型多焦点IOLは、視力の安定には時間を要するものの、日常生活に関するアンケートでは高い満足度が得られた。症例数が少ないため、さらに症例を重ね検討する必要があるが、高齢者においても十分なインフォームド・コンセントを行った上で、回折型多焦点IOLは選択肢になりうる。
著者
近藤 和生 松本 道明 吉田 貴司 園田 高明
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.542-547, 2000-07-10
被引用文献数
1 2

本研究では, リチウムに対して高い選択性を期待できる新規な抽出試薬である含フッ素フタロシアニン誘導体 (ヘキサデカ (2, 2, 2-トリフルオロエトキシ) フタロシアニンおよびヘキサデカ (2, 2, 3, 3, 3-ペンタフルオロプロポキシ) フタロシアニン) を合成した. まずこれらの抽出剤によるアルカリ金属の抽出平衡を測定した. 低pH領域ではどの金属イオンもpH依存性を示さず, イオン対の形で抽出され, またリチウムおよびカリウムについては高pH領域ではpH依存性を示し, カチオン交換型の抽出が生じているものと推察された. これらの抽出反応における抽出種および抽出平衡定数を決定した. 高pH領域では両抽出試薬ともにリチウムに対して選択性を示した. この領域でヘキサデカ (2, 2, 2-トリフルオロエトキシ) フタロシアニンによるリチウムイオンの抽出速度を平面接触型撹拌槽を用いて測定した. 抽出速度過程は, 抽出試薬の拡散過程によって律せられていることが推察された.
著者
近藤 春生 コンドウ ハルオ KONDO HARUO
出版者
西南学院大学学術研究所
雑誌
西南学院大学経済学論集 (ISSN:02863294)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.103-124, 2014-12

我が国では,特にバブル崩壊後の1990年代に景気対策として公共投資が積極的に用いられてきたにも関わらず,景気回復が思わしくなかったこともあり,公共投資の有効性や,社会資本の効率性について懐疑的な見方がなされるようになって久しい。しかしながら,2012年の総選挙で約3年ぶりに政権に復帰した自民党は「国土強靭化」をスローガンに,再び公共投資を増額する意向を示している。少子高齢化を背景に,我が国の財政状況はより厳しくなることが予想され,効率的な予算配分を実現するためには,公共投資(もしくは社会資本)の質を高めることは喫緊の課題であるといえる。また,不況局面に入ると,特に公共事業への依存度が高い,非都市圏において,地域経済対策として公共投資を求める声も依然として聞かれ,公共投資(社会資本)が地域経済にどのようなインパクトを与えているかを分析することは今なお重要であると考えられる。公共投資を含む公的支出や社会資本と地域経済の関係について実証的に分析したものとしては,例えば,土居(1998),林(2004a,b)や近藤(2011)があげられる。これらの研究では,都道府県単位のパネルデータを用いて,社会資本を含んだ生産関数の推定や,ベクトル自己回帰(VAR)モデルによる分析を行っている。ただし,公共投資の効果や社会資本の効率性は,その内容(産業基盤か生活基盤か,道路か住宅か)によっても大きく変わるであろう。そこで,本稿では,地域経済への貢献がしばしば期待され,事業規模が最も大きい道路に着目して,社会資本ストックとしての道路資本と地域経済との関係について,都道府県単位のパネルデータを用いたVARモデルによって明らかにすることを試みる。具体的には,道路資本と生産量,民間資本,雇用との相互関係を明らかにする。また,道路の種類による違いを考慮すべく,国道と地方道に分けて分析するほか,地域および時期による違いも考慮に入れるべくサブサンプルを用いた分析も行うこととする。本稿の構成は,以下の通りである。第2節では,社会資本や道路資本の経済効果に関する先行研究を概観し,論点整理を行う。第3節では,実証分析の枠組みとデータを説明し,推定結果について述べる。第4節はまとめである。
著者
近松 竜一 近藤 紀人 中嶋 智史
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1035-1040, 2002-06-08
被引用文献数
1

コンクリート工事におけるせき板部を対象とした養生材料として,型枠を脱枠した後,硬化コンクリートの表面に貼付して乾燥を防ぐ養生用保水テープを開発し,その適用効果について検証した。この保水テープは,表面が多少濡れていても容易に貼付でき,また屋外に放置した状態でも3ヶ月以内であれば糊残りなく剥がすことができる。コンクリートを打ち込んだ後,早期に脱枠しても,保水テープを貼付することにより表層部に緻密な硬化組織が形成され,施工計画の自由度を高め,計画どおりの保水効果が期待できる有用な養生工法であることを確認した。
著者
近藤 久美子
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.3, pp.43-73, 1988-03-31

叙事詩には、ふつう、ことばの上でもまた内容的にも繰り返しが多くみられる。ホメロス学者のミルマン・パリーは、なぜ同じことばで同じことを何度も繰り返す必要があるのか、を問題にした。ホメロスが後世の、あるいは現代作家と同じように、紙とペンを使って書いたのであれば、むしろ繰り返しを避けたのではないか。つまりホメロスは文字を使わずに、あのように長く、複雑な物語詩を作り上げたのである。繰り返し使われる詩句は、特定の意味を伝えると同時に、詩行の特定の部分を埋めるよう工夫されている。したがって詩人は、そのような定型句をモザイクのように巧みに組み合わせることによって、口頭で、しかも一定の速度で物語らなければならないという要求に答えたのである。パリーの研究によると、ホメロス作品はすべて定型句から成っているという。しかも意味と定型句の関係は、ほぼ一対一対応である。何世代にもわたって受け継がれ、練り上げられてきた定型句、いわば叙事詩のことばを、用いたからこそ、ホメロスは素晴らしい叙事詩を残すことができたのである。小論は、以上のようなパリーの口頭詩論にもとづいて、フェルドウスイーの『シャー・ナーメ』が口頭詩の技術をもって作られていることを明らかにするものである。イランの代表的叙事詩とされながらも、『シャー・ナーメ』は、著者自ら文字資料に言及しているため、これまで狭義のliteratureとして扱われ、叙事詩としての特徴は、特に問題にされることもなかった。それどころか、先に述べたような口頭で作られた叙事詩に特有の語句やテーマの繰り返しは、文学作品として規定されているため、欠点として指摘されている。そこで、小論はパリーの後継者、アルバート・B・ロードが挙げる、口頭詩であるか否かを決める三つの規準、(a)定型句が使われていること、(b)一詩行内で文が完結していること、(c)一行が定型句から成るように物語がテーマの組み合わせによって作られていること、にそって『シャー・ナーメ』がどのように作られているかを順次考察していく。この手続きを経て初めて『シャー・ナーメ』を理解することができると考えるからである。
著者
近藤 悟 小川 猛志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.493-498, 2009-02-24

近年、広帯域NWの普及に伴い、動画共有サイトを始めとするメディア系Webサービスの利用が拡大しており、ライフログやコンテクストアウェアサービスの分野においても映像、音声を用いたツールの研究が盛んに行われている。映像や音声などのメディアデータは非常に情報量の多いデータであるが、そのままでは単なる信号情報であるため、これまでに様々な意味情報を抽出する認識手法が提案されてきていた。しかし、これらの手法では教師付き学習が一般的に用いられており、そのための膨大な訓練データを人手で作成しなければならないことが問題であった。本稿では、上記の動画共有サイト上のメディアコンテンツとコメントを用いてメディアデータの特徴量を分類し、その分類毎にコメントの中に含まれる語との対応を取ることで、任意のメディアデータから適切にメタデータを抽出可能とする手法について提案する。
著者
近藤 靖史 遠藤 俊
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.187, pp.57-64, 2012-10-05

地下鉄の駅では車両からの排熱などにより空間温度が高くなる傾向がある。これに対し、駅構内の温熱・空気環境を適正範囲内に維持するためには、冷房設備や機械換気設備を稼働させることとなり、膨大なエネルギー消費につながる。本研究では、移動物体CFD解析により列車風の影響を組み込んだ上で、駅構内の温熱・空気環境を検討した。また、シャフトを介した自然換気の性状や、ホームドアによってホーム部冷房空気が線路部へ漏出するのを防ぐことができることなどを示した。