著者
三上 岳彦 森島 済 日下 博幸 高橋 日出男 赤坂 郁美 平野 淳平 佐藤 英人 酒井 慎一 大和 広明
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

東京首都圏に設置した独自の気温・湿度観測網と気圧観測網のデータ等を用いて、夏季日中のヒートアイランドの時空間変動を明らかにするとともに、熱的低気圧の動態と局地的短時間強雨発生との関連およびその要因の解明を試みた。夏季の気温と気圧データに主成分分析を適用した結果、上位主成分に、海陸風循環、ヒートアイランド、北東気流に関連した空間分布が認められた。局地的短時間強雨の事例解析を行い、豪雨発生の前後で気圧の低下と上昇が起こり、海風起源の水蒸気量の増加が確認できた。領域気象モデル(WRF)による都市域での短時間強雨発生に関する数値実験を行い、都市域で夜間の降水が増えていることが明らかになった。
著者
小川 吉雄 酒井 一
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-9, 1985-02-05
被引用文献数
13

水田のN浄化機能を解明するため,硝酸塩灌漑水田におけるN収支および水稲生育に及ぼす灌漑水中のNO_3-Nの限界濃度を調査した.結果を要約すると次のとおりである.(1)水稲が正常な生育相を示し,適正な玄米収量を得るための灌漑水中のNO_3-Nの限界濃度は,標肥,生わら施用の条件で5〜6 mg/lであろうと推定された.(2)硝酸塩灌漑水田におけるN収支を調査した結果,高濃度灌水区ほど作物体N吸収量,浸透流出N量は多くなったが,それ以上に未回収N量も多かった.(3)土壌のEh,脱窒菌数,脱窒能などの測定結果から,未回収N量の大部分は脱窒に起因するものと推定された.(4)水田の灌漑水中のN(おもに NO_3-N)浄化機能を要因別に解析した.水稲の吸収利用による浄化率は生育初期5%程度であるが,生育が進むにつれて高まり,出穂期には40%になった.脱窒による浄化率は初期は20〜30%,中期から後期は50〜55%で推移した.また,生わらを施用することにより,土壌の還元化を促進させ,生育初期の浄化率を5〜20%高める効果が認められた.
著者
山本 清 酒井 敏夫 増田 充 林 義久 古谷 浩通 黒坂 二助 国香 直彦 奥山 順三 古川 照雄 高崎 信三郎
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.156-160, 1951-10-01

1) 第27回關東大聖驛傳選手の體力醫學的調査を行い從來云われていた事實の檢討を行つた。<BR>2) 高度に訓練を行つた選手は, 健康なる時には少々の疲勞と思われる状態でも, 自己の肉體的彈力性のため疲勞と云われる程負荷が過重とはならない。<BR>3) 試驗前の精神緊張は相當張いが, 非訓練者のそれと比べ相違している。<BR>4) 疾走後疲勞困憊の域に達しても, 約2時闇以内に適當なろ休養をとれば, ほとんど回復することが觀察される。
著者
酒井 美里
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.292-297, 2013-07-01

2013年1月より,欧州と米国との共通特許分類,CPC(Cooperative Patent Classification)が発足している。従来,米国特許庁は独自性の高い米国特許分類(USPC)を長く利用してきた。今回,共通特許分類の発足に伴い,米国特許庁は国際特許分類(IPC)の流れを汲む分類体系に歩み寄った,と捉えることもできよう。欧州/米国の二庁間では重複作業の排除と情報共有が期待されている,といわれる。また一般ユーザーにとっては分類体系の理解,調査分類の決定などの面で,負担軽減のメリットがあると考えられる。本稿ではCPC分類に至る流れや,分類体系の概要を概説した上で,Espacenet,USPTOにおける検索方法と留意点について概説する。
著者
酒井 真道
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部インド哲学仏教学研究室
雑誌
インド哲学仏教学研究 (ISSN:09197907)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.77-93, 2013-03-31

For hundreds of years following the appearance of Dharmakīrti’s sattvānumāna i.e., the inference of momentariness from the existence of things, his successors were challenged to carefully analyze his argument. They did so by identifying its various parts and defending their formulation from a variety of opponents. Dharmottara is one such successor of Dharmakīrti. This paper focuses on Dharmottara’s contribution to the discussion of the inferential reason—existence (sattva)—and his attempts at resolving problems with it. In his Kṣaṇabhaṅgasiddhi and Pramāṇaviniścayaṭīkā, Dhamottara introduces and then argues against the view of his opponents that the inferential reason, ‘existence,’ is a pseudoreason. According to his opponents: 1) If this inferential reason were established by a source of knowledge (pramāṇa), it would be opposed (viruddha), since, according to them, existence has to be characterized by permanence (nityatva), which is opposed to the property to be proved i.e., momentariness. They argue that when a source of knowledge is used to ascertain that something is existent (sat), it also ascertains that that thing is permanent (nitya); 2) In contrast, if this inferential reason were not established by a source of knowledge, it would be unestablished (asiddha). Thus, in both cases, the inferential reason would be a pseudo-reason, since it would either be opposed or unestablished. Dharmottara responds to these objections by explaining the functioning of a source of knowledge (pramāṇavyāpāra). He argues that it is not possible for the same source of knowledge to be used to make two different judgments (adhyavasāya). This is because making a judgment can only consist in a single exclusion (ekavyāvr tti). Suppose that a source of knowledge e.g., perception is used to judge that something is existent. This source of knowledge leads to this judgment by excluding that thing from whatever is non-existent (asat)—that is, from things that do not fulfill a specific purpose (anarthakriyā) for the perceiver. The functioning of this source of knowledge is said to come to an end with this exclusion. Thus, it is impossible for this source of knowledge, which has already been used to judge, through exclusion, that something is existent, to itself generate the further judgment that this same thing is permanent. In his overall argument, Dharmottara explains the role that perception plays in ascertaining the existence of a thing, which then serves as the inferential reason from which a thing’s momentariness is inferred. In the intellectual history of the Buddhist logico-epistemological tradition, Dharmottara’s explanation appears to be influential. For example, it seems to have influenced Jñānaśrīmitra when he discusses the issue of how to establish the “inferential reason in the site of the inference (pakṣadharmatā)” for the sattvānumāna. In concluding this paper, I explore Dharmottara’s influence on this aspect of Jñānaśrīmitra’s discussion.
著者
辺見 努 松井 邦浩 小泉 徳潔 中嶋 秀夫 飯島 亜美 酒井 正弘
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.172-177, 2012-03-25 (Released:2012-07-04)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

The manufacturing process for ITER toroidal field (TF) coils must be demonstrated as effective in order to meet the criteria for qualification. Since impregnation of the insulation system is one criterion for qualification in this study, we performed impregnation tests using a cyanate-ester/epoxy blended resin, chosen for its excellent resistance to radiation. To establish the insulation and impregnation procedure in the TF coil manufacturing process, three types of trials were performed: 1) impregnation tests using an acrylic model to fix the impregnation conditions; 2) an impregnation test using a metallic model to confirm that no void remains in the insulation layer after curing in the D-shaped configuration; and 3) insulation and impregnation trials using a 1/3-scale double-pancake (DP) model. The results of these trials were used to determine the insulation and impregnation procedures for manufacturing ITER TF coils.
著者
安梅 勅江 田中 裕 酒井 初江 庄司 ときえ 宮崎 勝宣 渕田 英津子 丸山 昭子
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.9-17, 2004-03-30

子どもの3年後の発達に影響を与える要因について、長時間保育を含む保育形態、育児環境、属性等の関連を明らかにした。全国87園にて保護者と園児の担当保育専門職に質問紙調査と訪問面接調査を実施し、追跡可能であった485名を有効回答とした。その結果、1)3年後の子どもの発達への年齢・性別調整後の関連要因は、<対人技術>で一緒に買い物に連れて行く機会が乏しい、きょうだいがいる、基準年の運動発達がゆっくりである、<粗大運動><理解>で基準年の運動発達がゆっくりである場合、有意にリスクが高くなっていた、2)全変数投入の多重ロジスティック回帰分析では、<粗大運動>で本を読み聞かせる機会がめったにない、基準年の運動発達がゆっくりである、<対人技術>できょうだいがいる場合、有意にリスクが高くなっていた、3)3年後の子どもの発達への有意な関連要因として、「保育時間」はいずれの分析でも有意とならないことが示された。
著者
酒井勝軍 著
出版者
大正書院
巻号頁・発行日
1924

1 0 0 0 OA 世界之新政権

著者
酒井勝軍 著
出版者
国教宣明団
巻号頁・発行日
1940
著者
鶴田 節夫 江口 俊宏 大島 俊哉 酒井 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.103, pp.65-74, 1993-11-24
被引用文献数
4

外界からのメッセージに対応して、時間的に変化する目的 (時変目的と呼ぶ) を動的に生成し、これを分割したり、分割した目的を実行・調整しながら協調統合するための知識表現方法と、これを利用して問題を解くための推論機構を開発した。これを時変目的協調推論技術と呼ぶが、本技術は複雑かつ実時間で動的に変化する難問の解決のための知識情報処理機構を提供する。東京を始めとする大都市通勤圏では、ラッシュ時の混雑による列車ダイヤの乱れが問題となっているが、これを回復するための運転整理は、全線の列車の動きを考えた複雑な判断を実時間で動的に行なう必要があり、そのシステム化は20年以上の課題であった。時変目的協調推論技術を、この運転整理AIシステムに適用し、その開発において本技術が動的で複雑な問題の解決用ソフトウェアの柔軟性、生産性を高める点で有用であることを確認した。The inference technology called "Dynamical Goal Coordinating Inference" (DGCI) technology was developed. DGCI provides the knowledge representation style and mechanism for dynamical goal generation, control, and it's decomposition, execution and coordination. DGCI also provides an inference engine for solving problems by utilizing knowledge represented in the above style. DGCI was applied to an expert system for regulating commuters' trains in one of the biggest cities of Japan, which has not been in practical use for more than twenty years.
著者
小林 博仁 熊谷 仁平 大野 俊一 酒井 真人 平野 美和 手島 伸一 井上 滋彦 河村 毅
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.462-465, 2005-03-20
参考文献数
14

症例は81歳男性.1999年1月14日に排尿困難を主訴に当科受診.経直腸的超音波検査上, 前立腺に接して長径4cmの多房性嚢胞を認めたが, 本人精査希望せず放置していた.2002年8月頃より排尿困難が悪化, 尿閉となり精査目的に9月10日入院となる.RUG, DIPで膀胱, 前立腺部尿道の左側への圧排を認め, CTでは骨盤内に径12×7cmの多房性嚢胞を認めた.その他に骨盤MRI, リンパ管シンチ, 精管造影, 注腸造影等施行するも, 骨盤内嚢胞の由来は確定できなかった.PSA 3.7ng/ml, CEA 1.2ng/mlと正常であったが, CA19-9は111.4U/mlと高値であった.排尿状態改善のため10月1日骨盤内嚢胞摘除術施行.病理組織診断は前立腺嚢胞性腺腫であった.術後排尿状態は良好となり, 現在外来経過観察中である.
著者
渡部 大志 崔 英泰 酒井 勝弘 中村 納
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.111, no.431, pp.129-130, 2012-02-02

防犯カメラからの犯行現場画像と被疑者画像との撮影角度を吸収するため,姿勢変化に対する耳介認証システムのロバスト性を向上させるアルゴリズムを提案した.カメラ平面外回転方向への姿勢変化に対応するため,姿勢変化後のGabor Jetを推測し判別分析に学習させた.提案手法の有効性が実験的に確認でき,犯行現場画像中の耳介画像から被疑者候補を挙げるシステムの精度向上の可能性が示せた.
著者
鈴木 慶太 酒井 邦裕 太田 亨
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.205-216, 2013-03-15 (Released:2013-07-03)
参考文献数
67
被引用文献数
2 6

本論では,楕円フーリエ–主成分解析,mPD法フラクタル次元を用いて砕屑物粒子の形状を定量的に評価し,河川,前浜,氷河堆積物を形状から判別することを試みた.楕円フーリエ–主成分解析によって,粒子の伸長度(EF1)と突起度(EF2,EF3,EF2 + EF3)など全体的な形状を表す指標が,mPD法フラクタル次元では,表面構造(FD,FDCv)を示す定量的な指標が得られた.この結果に基づくと,砕屑物粒子は氷河,前浜,河川堆積物の順に円形から棒状に変化する.また,氷河,河川,前浜堆積物の順に表面構造が滑らかになり,かつ,滑らか度の標本ばらつきが少なくなる.これらの指標の中で,堆積場ごとの値の違いが顕著であるのはFD,次いでEF1であり,楕円フーリエ–主成分解析とフラクタル解析の結果を統合的に用いることによって,各堆積環境を明瞭に判別することが可能となった.
著者
酒井 実
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.13-32, 1955-11-05

1 0 0 0 OA 趣味の探偵談

著者
小酒井不木 著
出版者
黎明社
巻号頁・発行日
1925
著者
酒井 昇 程 裕東 半澤 保
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.181-184, 1996-02-15
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

2450MHzおよび915MHzの周波数において,20℃~75℃の温度範囲で合成糊の誘電特性を測定し,以下の結果を得た.<BR>(1) 合成糊の誘電率は水の値よりも若干小さく,誘電損失は水の値よりも顕著に大きくなった.<BR>(2) 合成糊の浸透深さは水の値よりも顕著に小さい.合成糊は水よりも表面加熱されやすく,合成糊を用いてマイクロ波加熱の可視化を行う場合はこの点を考慮に入れる必要がある.
著者
酒井 博 佐藤 徳雄 奥田 重俊 秋山 侃
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.101-107, 1976-10-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
11

沖繩における放牧用人工草地の雑草調査を行ない, 雑草の種類, 群落区分, その動態について, 次のような結果をえた。1) 雑草の種類は主に熱帯, 亜熱帯に分布するものが多く, 温帯に属する内地の種類と異なるが, 草種全体の生活型組成では大きな差異は認められない。2) 沖繩本島安田の草地は, スダジイ林を伐採して造成したもので, キク科の一年生雑草が多い。立地条件や放牧強度の差異によりワタナ-チチコグサ群落, バヒアグラス群落, ツルメヒシバ群落, イヌタデ群落, コバナビメハギ-ヒメジソ群落, リュウキュウイチゴ群落が成立し, 群落間に遷移がみられる。3) 石垣島, 与那国島では, 半自然草地を含んで群落を区分した。海岸風衝地域では半自然草地のコウライシバ-ソナレムグラ群集がみられる。隆起珊瑚礁を母材とする石灰質土壌上の草地はチガヤ草原から造成されたものが多く, チガヤ-スズメノコビエ群集が広くみられる。第3紀層砂岩に由来する酸性土壌上では, 前歴が耕作地の草地にノジアオイ-オガサワラスズメノヒエ群落が, 前歴がススキ草原の草地にカラスキバサンキライ-ススキ群落がみられる。4) 種の結びつきをもとに, 前記の群落間の類似関係を明らかにし, 人工草地における土壌条件や家畜の放牧圧などに対応した雑草群落の動態について考察を行なった。