著者
酒井 利信 百鬼 史訓 長尾 進 大石 純子 ベネット アレクサンダー 大保木 輝雄 数馬 広二 鍋山 隆弘
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、既に酒井らが有するヨーロッパを中心とした海外ネットワークを駆使して、まずは外国人実践者が日本武道の何を知りたいと望んでいるのかという海外における需要を把握し、これに対応する内容を英語化して、ネット上で発信することにより、世界で初の、海外において誰でも、どこでも、いつでも、知りたいことを知ることができる、武道文化に関するオンデマンド英語教材を開発することを目的とした。最終的な研究成果物としてはバイリンガル・ウェブサイト「Budo World」(http://www.budo-world.org/)を立ち上げ、英語と日本語で情報を発信した。

1 0 0 0 OA ふるさとの門

著者
酒井朝彦 著
出版者
教養社
巻号頁・発行日
1941
著者
森 美加 馬渕 麻由子 酒井 佳永 安田(鹿内) 裕恵 岩満 優美 飯嶋 優子 日高 利彦 亀田 秀人 川人 豊 元永 拓郎
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.132-145, 2013

女性が多数を占める疾患である関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis : 以下,RAとする)患者がどのような心理的支援を望んでいるのか,そのニーズを調査し,さらに,RA患者に対するサービスのあり方を検討し,ニーズに合わせた支援プログラムを提案することを目的として,2011年2月から8月,RAに罹患し医療機関にて治療を受けているRA患者で,研究参加に同意した20名(女性18名,男性2名)を対象として,調査票および面接による調査を行い,面接の逐語記録の文書データをグラウンデッドセオリーアプローチを参考にして分析した.その結果,電話相談,ホームページ,メール相談,個別心理相談,心理教育,セルフケアグループすべての支援に対してニーズがあり,特に電話相談(必要時),個別心理相談(通院先),心理教育のニーズは顕著であった.そこで,個別心理相談,心理教育を中心とした,チームによる包括的なケアシステムがRA患者のQOLを高めるためには有効なのではないかと考えられる.また,心理教育のテーマとしては,確定診断時においては,(1)病気の具体的な説明,(2)身体的ケア,(3)心理的ケア,(4)療養上の工夫が,生物学的製剤開始時においては,(1)効果と副作用を中心とした具体的説明,(2)自己注射について,(3)費用について,(4)生物学的製剤を使用する上での不安と期待についてが,家族向けとしては,(1)病気の説明,(2)RA患者の心理について,(3)家族へのケアが考えられる.さらに,不安の受容と変化を併せ持った心理療法的チームアプローチであるDBTを参考にした包括的ケアシステムの開発は,不安と安心の間で揺れ動くRA患者の心理的ケアのモデルとして有効であり,また,RA患者の長期的Quality of Lifeを最大にすることを治療目標とするT2T(Treat to Target)の有効性に繋がるのではないかと考えられる.
著者
酒井 朗 上山 敏 永田 晴子 長谷川 秀一 米山 泰夫 伊藤 茂樹 保坂 亨
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.246-257, 2013 (Released:2013-09-19)
参考文献数
3

本学教職総合支援センターでは,本学ならびに首都圏にある他の3つの大学で教職課程を履修する学生を対象に,教職に対する意識と学習への取り組みに関する質問紙調査を2012年秋に実施した.具体的な調査項目は,教職への動機付けの高さ,学習に対する取り組み,教員に期待される資質や能力の修得の度合いの3点についてである.回答した7割の学生は教職に就くことを志望しており,3割は高校生の頃に教職を志望するようになったと回答した.また,大半の学生は専門科目の授業も教職科目の授業も熱心に取り組んでいるが,自ら情報を得たり教育関連の本を読むことは少ない.さらに,学生たちは,同僚教員からの意見やアドバイスに耳を傾ける姿勢や担当教科の内容の修得度などについて,自身の力量を高く評価していることが分かった.
著者
酒井 寿夫 森澤 猛 仙石 鐵也
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.21-27, 2003-06-25
被引用文献数
2

長野県の御岳山(標高2,120m)で降水および降雪のpH,ECと溶存成分濃度を測定した。7年間のpH,ECの加重平均値はそれぞれ5.04,5.7μS/cmであった。溶存成分濃度は他の山岳地域と比較して低いレベルにあった。降雪期(12〜3月)におけるECは降雨期(6〜10月)に比べて高かったが,これはすべての溶存成分の濃度が12〜1月に高いためであった。御岳において,降雨期と降雪期の溶存成分濃度を比較すると,海塩起源の比率が高いと考えられるNa^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>,Cl^-,ss-SO_4^<2->のそれぞれの濃度は降雪期の方が明らかに高かった。一方,非海塩起源のNH_4^+,NO_3^-,nss-SO_4^<2->の濃度も高い傾向にあった。したがって,降雪期における溶存成分濃度の増加は,海塩とそれ以外のものを起源とする複合的な要因によるものと推定された。降雪期にNa^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>,Cl^-,ss-SO_4^<2->の濃度が高い傾向は、比較した5つの観測地点(輪島,八方尾根,立山,犬山,名古屋)でも見られた。しかし,御岳におけるこれらの成分の濃度比(降雪期/降雨期)は、日本海側の輪島,八方尾根,立山ほど高くなく,太平洋側の犬山,名古屋と同程度であった。一方,御岳ではNH_4^+,NO_3^-,nss-SO_4^<2->の濃度比(降雪期/降雨期)も高くなっており,同じ傾向が日本海側の輪島と八方尾根で明らかに見られた。御岳における降雪期のNH_4^+,NO_3^-,nss-SO_4^<2->濃度増加は,藤田ら(2001)が西日本で観測した現象(降水中のnss-Ca,NH_4^+,NO_3^-,nss-SO_4^<2->濃度が10〜3月に濃度が高くなる現象)と非常に似ていた。
著者
酒井 茂 熊本 悦明 恒川 琢司 広瀬 崇興 田端 重男 郷路 勉 猪野毛 健男 井川 欣市 田付 二郎 辺見 泉 丹田 均 加藤 修爾 吉尾 弘 生垣 舜二 上野 了 毛利 和弘 出口 浩一
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.1747-1761, 1986-11

札幌市における淋菌感染症120例について,症例の疫学的検討を行なうとともに,NFLXの淋菌感染症に対する基礎的,臨床的検討を行った.年齢分布は男女とも20代前半にピークを認めた.感染源は男子では10代はガールフレンド,pick-upなどの素人が70.6%を占め,女子では配偶者が50%,患者自身が特殊浴場従業女子であるものが50%であった.NFLXのN. gonorrhoeaeに対するMIC分布は,0.025 μg/mlにピークをもち,0.0125~3.13 μg/mlに分布した.penicillinase producing Neisseria gonorrhoeae (PPNG)は症例より分離したN. gonorrhoeae 104株中21株(20.2%)であったが,これらのNFLXに対するMICは18株(85.7%)が0.1 μg/ml以下に,3株(14.3%)が1.56~3.13 μg/mlに分布した.NFLX 200 mg経口投与後の血清中濃度は投与2時間後に平均0.72 μg/mlとピークに達し,尿道分泌中濃度は投与1時間後に平均0.5 μg/mlとピークに達した.NFLX 600 mg, 7日間経口投与による淋菌感染症に対する治療成績は,男子尿道炎における有効率が3日間投与で97.4%,7日間投与で93.1%であり,女子子宮頸管炎における有効率は3日間,7日間投与とも100%であり,本剤は淋菌感染症と対する化学療法剤として高い有効性が認められた.淋菌感染症におけるChlamydia trachomatid (C. trachomatis)感染の合併は,男子尿道炎で32.7%,女子子宮頸管炎で20%であり,これらの症例においてはNFLXによる治療後も陰性例よりも分泌物の残存率が高く,引き続きC. trachomatisに対する化学療法が必要と考えられた.NFLX投与による副作用は全く認められず,NFLXは安全に投与できる薬剤と考えられたWe studied the basic and clinical effects of norfloxacin (NFLX) in 120 patients with gonococcal infections (110 men with urethritis and 10 women with cervicitis)--all residents at Sapporo City; and epidemiologically analyzed the sources of their infections. The male patients were between 16 and 67 years old and the female patients were between 20 and 61 years old, with a peak in the early 20s both for sexes. 70.6% of the male patients in their 10s were infected from their girl friends or so-called pick-up friends and 50% of the female patients from their husbands. The other half of the female were workers serving at so-called special massage parlors. The minimum inhibitory concentration (MIC) of NFLX against N. gonorrhoeae distributed was 0.0125 approximately 3.13 micrograms/ml, with a peak at 0.025 micrograms/ml. NFLX inhibited 93.3% of the clinical strains of this species at less than 0.1 microgram/ml and 96.2% at less than 1 microgram/ml, where the inoculation was 10(6) CFU/ml. Twenty one (20.2%) of the 104 N. gonorrhoeae strains were penicillinase-producing one (PPNG). NFLX inhibited 18 of these PPNG (85.7%) at less than 0.1 microgram/ml and the other 3 strains at 1.56 approximately 3.13 micrograms/ml. Oral administration of 200 mg NFLX showed the average peak serum level of 0.72 micrograms/microliter in 2 hours and the average peak level in the urethral secretions of 0.5 micrograms/ml in one hour. These two concentrations of NFLX covered 95.2% of the MIC distribution against N. gonorrhoeae. The clinical efficacy of 600 mg NFLX (peros) was 97.4 and 93.1% for a 3-and 7-day treatment for male urethritis; and 100% for both 3-and 7-day treatment for female cervicitis. Complicated urethritis with C. trachomatis was noticed in 32.7% of the male urethritis and in 20% of the female cervicitis cases. Urethral secretions among about half of these patients were observed even after treatment with NFLX. As a subsequent treatment, another effective chemotherapeutic is required against C. trachomatis. No adverse reactions were detected with NFLX. All the above results demonstrate that NFLX is a highly effective and safe chemotherapeutic agent for treatment of gonorrhoea.
著者
酒井 健
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、20世紀フランスの思想家ジョルジュ・バタイユ(1897ー1962)の初期の活動、とりわけ総合的文化誌『ドキュマン』(1929ー1931)をめぐる活動を、当時の文化的背景に注目しながら解明した。視点としては文化多元主義(諸文化の多様性をそのままに肯定する立場)をとった。成果としてあげられるのは、前世紀からの西欧近代一元主義に膠着して危機的状況にあった同時代の西欧文化を、バタイユが、考古学、民族誌学、前衛芸術の最新の情報を呈示しながら、批判、相対化、活性化していった様を論文やシンポジウムを通して具体的に呈示できたことである。
著者
酒井 美枝 増田 暁彦 木下 奈緒子 武藤 崇
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.58-64, 2014-02-01 (Released:2014-06-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Creative Hopelessness is intended to decrease the client’s motivation to control the unpleasant thoughts and emotion in Acceptance and Commitment Therapy. The main aim of this study is to investigate the effects of the Creative Hopelessness on the subjective measures of believability and motivation of Change Agenda. Change Agenda is the rules expressed in the following lines: if I could control undesirable thoughts and emotion, I could solve the problem. Undergraduate students (N=35) with high social avoidance tendency were randomly assigned to Creative Hopelessness group, Control group, or Placebo group. Creative Hopelessness group received a psychological education about the futility of making efforts to control unwanted thoughts and feelings. Control group received a psychological education to increase the motivation to control the unpleasant thoughts and emotion. Placebo group received a psychological education of the general clinical psychology about anxiety. The reduction of believability and motivation of Change Agenda following the intervention were found only in the Creative Hopelessness group.
著者
小林 春奈 永村 一雄 酒井 英樹 井川 憲男
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.1063-1066, 2007-08-24

We practiced .thermal measurement outdoors using solar reflective materials that have the potential to suppress heat-island effect. Solar reflectance is calculated by heat balance in one case that samples are horizontal and the other case that samples are inclined so that the angle of incidence is almost normal incidence (about 7degree).We estimate that retroreflective components are 4 to 14 percent for bead-embedded type, 17 to 19 percent for capsule-lens type, and 23 to 30 percent for prism-array type.
著者
北口 暢哉 川口 和紀 中井 滋 伊藤 信二 加藤 政雄 酒井 一由 伊藤 健吾
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

血中Aβ除去で脳内Aβを減少させるアルツハイマー病治療機器を創製するために、血中Aβがよく除去される血液透析で以下の検討を行った。1) 血液透析患者の死後脳では、非透析者に比して脳内Aβの蓄積(老人斑数)が有意に少なかった。2)横断的研究:非透析者では腎機能が低下するにつれて血中Aβは増加し認知機能は低下したが、血液透析患者では透析歴が長くなっても血中Aβは増加せず、認知機能はほぼ維持された。3) 前向研究:非透析腎不全患者5例 (平均64.0歳)は透析導入とともに、血中Aβ濃度は低下し、認知機能は改善傾向を示した。以上から、血中Aβ除去器がアルツハイマー病治療につながる可能性が示唆された。
著者
酒井 哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.147-158, 2006-02-15
参考文献数
12
被引用文献数
9

本稿では,「正解レベル」を扱うことのできるもの,かつ比較的最近提案されたものを中心に,情報検索システムの評価指標について簡単に解説する.一口に情報検索といっても,なるべくたくさんの「正解」が欲しい場合もあれば「正解」が1件見つかれば充分な場合もあり,適切な評価を行うには利用シーンに適した信頼性の高い指標を用いるべきである.また,古典的な情報検索の枠組みでは手に負えない質問応答,特許検索およびXML検索という新しいタイプの検索タスクの評価の難しさについて紹介し,これらのタスクにおける検索評価指標の適用可能性についても触れる.
著者
佃 為成 酒井 要 橋本 信一 羽田 敏夫 小林 勝
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.237-272, 1988-12-23

北部フォッサマグナの中央隆起帯を横断する千曲川構造線の東端に位置する長野県小県郡丸子町付近で1986年8月24日,M4.9の地震が発生した.ここは2つの火山前線がぶつかる点のすぐ背後でもある.通常の地震活動レベルは低いが,過去には1912年の上田市付近の地震(M5.2)がある.丸子町の地震活動は前震・本震・余震系列と本震の10日後から始まった群発地震が重なったものであった.2回の主要な活動ピークをもつ例は,北部フォッサマグナ地域では少なくなく,ピーク間の間隔は1918年大町地震の13時間,1969年焼岳の地震の2日,1912年上田の地震の5日,今回の地震の12日,1963年燕岳の地震の20日,1897年上高井の地震の104日というように様々である.2回目が群発地震であったのは丸子の地震と,燕岳の地震,上田の地震である.現地における臨時観測によって精密な震源分布が得られた.震源域は時間とともに拡大したが群発地震後最終的には東西3km,南北2km,深さは6kmを中心に3kmの幅をもつ拡がりであった.定常観測網で求めた震源との比較を行い,観測網に依存する震源の系統的なずれやその値のバラツキから震源の絶対精度と相対精度を推定した.MO~4.5の間のM別頻度分布はGutenberg-Richterの関係から少しずれる.群発地震の回数の減衰(p~2)は本震直後の余震のそれ(p~1)と比べ大きい.燕岳の地震ではどちらもp~2であった.本震の震源断層は発震機構及び余震分布の特性から西上り東落ちの高角逆断層である.これは中央隆起帯東縁でのテクトニックな変動と調和する.1986年の千曲構造線の地震活動はそのピークが東南東から西北西へ約150km/yearの速度で伝播した.1912年~1918年にもこの構造線の両端付近で地震があった.約70年の間隔を置いて同じような活動を繰り返したことになる.
著者
ゴチェフスキ ヘルマン 藤井 浩基 塚原 康子 酒井 健太郎 大角 欣矢
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

28年度の研究活動は28年3月12日から29年6月26日まで開催された駒場博物館の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展「近代アジアの音楽指導者エッケルト--プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」」展示中に行われた行事とその準備に集中した。5月28日には東京大学駒場キャンパスで「フランツ・エッケルトとその時代」というタイトルで国際シンポジウムと吹奏楽の演奏会を実施した。シンポジウムには研究代表者と研究分担者全員に加えて安田寛(元奈良教育大学、研究協力者)、李京粉(ソウル大学、研究協力者)、曺允榮(梨花女子大学、招待講演)と文景楠(東京大学、通訳)が参加し、主にこの研究で明らかになった新たな事実の解釈と意義について議論した。演奏会では小澤俊朗の指揮と神奈川大学吹奏楽部の演奏でエッケルトの作品を一次資料から再現した。その中の複数の作品がエッケルトの時代から一度も演奏されていないものであった。作品の性質と再現に当たっての問題点については楽譜作成に協力した都賀城太郎(藤村女子高等学校)から説明があった。6月23日には渡辺克也(オーボエ)と松山元・松山優香(ピアノ)によって、エッケルトのオーボエとピアノの作品を中心とする演奏会を行い、オーボエの専門家成澤良一に解説を依頼した。展示された資料によって成澤氏はアジアのオーボエ受容史について新たな発見をし、本研究企画にも貢献した。特別展は多くの観客を迎えるのみならず、数多くの専門家が(一部繰り返して)展示会を訪れ、その結果研究代表者を含む企画者は多くの刺激を受けることになった。展示が終わってから研究代表者は改めてヨーロッパに渡り、エッケルトがプロイセンやドイツで経験した軍楽隊文化とその時代背景についてさらに調査した。
著者
中島 史登 酒井 馨
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.94-98, 1961
被引用文献数
7

バソフェナントロリンを用いて鉄を定量する際生ずる赤色の錯化合物について,その組成ならびに安定度について検討した.10%エタノール溶液中で発色させ連続変化法および Molland の方法にしたがって組成をしらべた結果,鉄対試薬の結合比は1:3であり,したがって錯化合物は tris-(4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)-iron(II)であることが認められた.バソフェナントロリンは溶液中では一酸塩基として行動しバソフェナントロリウム・イオンを生成する.その酸解離定数を紫外部における吸収を利用して求め 10<SUP>-4.80</SUP> を得た.また錯化合物の安定度定数を求めたところ,10<SUP>21.8</SUP> であり非常に安定であることが知られた.