著者
野田 夏子 岸 知二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.3_3-3_17, 2013-07-25 (Released:2013-09-25)

ソフトウェアプロダクトライン開発は,ビジネス目的を共有し,また技術的にも類似性を持ったプロダクト群を全体最適の視点から体系的に開発するものである.資産の体系的な再利用が行われることから,ソフトウェアの構築の効率化を図ることができる.一方でソフトウェア開発においては構築より検証に多大なコストがかかる場合も多い.さらに,プロダクトライン開発においては資産から構築しうる膨大なプロダクトをどのように検証するのか,また資産そのものをどのように検証するのかなど,従来のソフトウェアの検証の課題に加えて特有の課題を持つ.本稿では,プロダクトライン開発において検証をどのように行えば良いのか,現時点の技術動向を紹介する.
著者
大森康朝 中川 友紀子 野田 五十樹
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.334-341, 2011-03-15

最新のプロセッサでは複数の実行コアを備えた「マルチコア」が一般的になっている.しかし,多数のマルチコアCPUやGPGPUなどが相互接続された並列分散環境を活用するためのプログラミングは容易ではない.このような並列分散プログラミングの生産性を向上させることを目標とした,新しいプログラミング言語がX10(エックステン)である.X10はいわゆるPGAS(Partitioned Global Address Space)を採用している言語族の一員であり,複数の「プレース」にまたがったデータ構造を扱える.さらに,軽量な並列タスクを生成するための「async」や分散処理のための「at」,同期のための「atomic」や「clocked」などの構文を提供している.本稿では,X10の設計思想やプログラミングモデルに加え,これらの特徴的な構文についても使用例を交えつつ解説する.
著者
高橋 健 小林 成禎 広瀬 洋 杉山 恵一 高井 國之 川口 雅裕 白鳥 義宗 野田 俊之 冨田 栄一
出版者
Japan Society for Health Care Management
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.443-447, 2007

岐阜地域は、岐阜市と近隣医師会が地域診療を担当し、中核となる病院が複数設置された人口約80万人の医療圏である。この医療圏において各々の病院で一疾患に対し、異なる様式の地域連携クリティカルパスが運用されると、複数病院と連携しているかかりつけ医には不都合である。このため、岐阜地域の既存の連携体制を基に、2006年8月、各病院と岐阜市医師会の連携を担当する医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、事務職を中心とした岐阜医療連携実務者協議会を設置し、統一地域連携クリティカルパスを作成し運用する試みを行った。<BR>連携ネットワーク構築を先行した展開において、協議会が各病院の専門医の意向を確認し、地域連携クリティカルパスの作成対象疾患をウイルス性慢性肝炎と心筋梗塞とした。続いて、両疾患の専門医と、院内クリティカルパスの専門グループの参加を得て、両疾患地域連携クリティカルパスのワーキンググループを立ち上げ、統一規格の基で地域連携クリティカルパスを作成し、2007年5月、「岐阜地域医師会連携パス」として岐阜地域のかかりつけ医に向けて広く公開した。<BR>「岐阜地域医師会連携パス」の目的は、対象疾患の安定維持と異常所見の早期発見、役割を分けた地域完結型医療の確実な実施、ならびに質の保持された地域における医療の均一化とした。地域連携クリティカルパスの評価と改定は、各ワーキンググループが行い、連携部門は運用の支援・モニターと、ネットワークの維持・安定を担当することとした。
著者
小野田 慶一 安部 哲史 山口 修平
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.48-57, 2012-02-01 (Released:2014-08-20)
参考文献数
111
被引用文献数
2

ヒトを含む生体の環境適応にとって, 環境からのフィードバックによって適時行動を修正することは必須の実行機能である。こうしたフィードバックに対する処理の神経生理学的指標の一つとして, フィードバック関連陰性電位 (feedback-related negativity: FRN) が広く用いられている。FRNは多様なフィードバック刺激に対して潜時200~300 ms付近で惹起される, 前頭中心部優勢の陰性電位であり, 前帯状回がその発生源であると考えられている。近年では, 実験的アプローチや計算論的アプローチによりFRNが何を反映しているかが徐々に明らかとなってきており, また, FRNを指標とした多様な応用研究が展開されている。本稿では, FRNに関する最近の知見を概観し, その動向を探る。
著者
田原 保二 猪股 俊司 南 俊次 宇野田 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.60, pp.b1-b44, 1959

わが国のプレストレスト コンクリート橋梁は1954年以降急速に発展し, 1955年に至り支間40mの上松川橋の出現を見るに至つたが, 更に1956年末に至り大阪府金剛大橋においてわが国最初のプレストレスト コンクリート箱桁の施工に成功した。本論文は大阪府土木部によつて企画し実施されたこの箱桁の設計, 施工並びにこれに伴つて行われた一連の試験および実験に関するものである。本橋は径間30.40m, 桁高1.10mでその比は1:27.6であり, 径間に比し桁高を特に小さく制限される場合の一解法として特に価値あるものと考えられる。
著者
中西 晃 赤堀 侃司 野田 一郎 木村 達明 斉藤 耕二 藤原 喜悦
出版者
東京学芸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

1.帰国子女の文化的アイデンティティの形成に関する調査研究現在は社会人として活躍しているかっての帰国子女が, 自分の青少年時代の異文化体験をどう評価し, それが現在の個人の人格形成にどのような関わりがあるかを調査研究した.(1)研究の手法 青少年時代に海外で生活し, 現在は社会に出ている異文化体験者に対し, 質問紙法及びインタビューによって調査を行った. 質問紙法では同年代の未異文化体験者を統制群とし, 比較検討を行った. (2)研究の成果 (1)職業, (2)余暇, (3)友人, (4)職場, (5)父母, (6)結婚, (7)人生観・人格, (8)異文化体験の影響の8項目にわたっての調査を統計的に分析した結果, 当初想定していた程ではなかったものの, 異文化体験群と統制群とではそれぞれの項目について有意な差が検出された. 面接法によっての調査からも, 個人の人格形成にとっては異文化体験はその成長を促すものであり, プラスの関与があったことが伺えた.2.帰国子女の国際感覚に関する意識の調査研究帰国子女の国際感覚が一般生とどのように異なるかを対比することによって, 帰国子女の国際感覚の特質を明らかにする調査研究を行った.(1)研究の手法 帰国子女のうち, 中・高校生を対象に質問紙法による調査を行った. 同年齢の一般の生徒を統制群として比較検討した.(2)研究の成果 (1)日本の印象, (2)外国語, (3)差別, 偏見, (4)生活習慣, (5)個性, (6)将来・進路の5つの内容について統計分析の結果, 帰国生と一般生の間には各内容に有意差が見られた. 帰国生には外国語・差別偏見に対する意識, 海外での進学・就職志向に顕著な特徴が見られた. また, 帰国前の日本の印象, 生活習慣の変容, 周囲に合わせる傾向から, 帰国生の日本への適応の様子の一端を窺うこともできた.
著者
栗田 隆志 野田 崇 岡村 英夫 里見 和浩 清水 渉 須山 和弘 相原 直彦 鎌倉 史郎 安田 聡
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.10-17, 2009-02-05
参考文献数
23
被引用文献数
1

ニフェカラント静注薬は我が国で開発された唯一の純粋なI<SUB>Kr</SUB>チャネル遮断薬であり,重症心室不整脈に対する高い抑制効果が示されている.特に急性冠症候群など冠動脈疾患に合併した難治性の心室頻拍・心室細動(VT/VF)に対しては,8割を超える患者において有効性が示された.また,拡張型心筋症など慢性的な病変によるVT/VFに対する効果は若干劣るものの,6割を超える効果が確認された.ニフェカラントに残された最大の問題は,過剰なQT延長によるtorsade de pointesの誘発であろう.この合併症を避けるためには推奨されているよりも少ない量(loadingは0.15~0.2mg/kg,維持量は0.2mg/kg/時)から投与を開始し,モニター心電図による継続した監視と12誘導心電図でのQT時間の観察が必須である.同薬剤の中止または減量の目安はQTc時間が550msecを超えた場合と考えられる.また,アミオダロン静注薬との使い分けや,経口薬への移行などについては今後に残された課題である.
著者
岸 知二 野田 夏子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1203-1214, 2018-04-15

フィーチャモデルからのフィーチャ構成導出は製品系列開発などで行われる重要な作業であるが,導出の計算量はNP完全であり,大きなモデルからの導出や導出の繰返しはコストが高い.フィーチャモデルの構造を解析することによって,たとえば導出の繰返しを効率化したり,より小さなサイズのフィーチャ構成を導出したりすることができるが,構造の解析もまた高コストである.本稿では,構造の解析を低計算量で近似的に行い,それに基づいてフィーチャ構成を導出する手法について提案する.シミュレーションによる評価で,本手法がフィーチャ構成導出の繰返しや,小さなサイズのフィーチャ構成導出に有効性を持つことを確認した.
著者
大澤 義明 小野田 竜已 小林 隆史
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.634, pp.2605-2612, 2008-12-30
参考文献数
26
被引用文献数
1

The cohort-component method is widely used for population projection of local governments in Japan. The purpose of the paper is to examine aggregation errors caused by the cohort-component method, which can account for age distribution. First, we show that the populations estimated at aggregated level frequently are less than those at disaggregated level by using municipality data in Ibaraki Prefecture. Second, we prove this tendency through a simple mathematical model using Lexis diagram by focusing on internal migration.
著者
野田 修司 野代 悦生 吉松 史恵 楠本 修己 藤田 邦彦 山田 建二郎
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.377-384, 1993-06-25
被引用文献数
2

Besides good occlusal relationships, most orthodontic patients also expect improvement of their lip profiles. So it is necessary for us orthodontists to be aware of these when making the treatment plan. Three standardized graphics each representing Convex, Straight and Concave types of the lateral soft tissue profile as templates were used. According to the modern sense of facial aesthetics, authors tried to interpret the relation between the E-line and the beauty of lateral soft tissue profile by evaluating the changing of the lower lip position of each template. By the survey that could be helpful in making treatment planning, following results were acquired : 1. All the subjects involving orthodontists, dental students and general persons judged that the better lower lip position for beautiful lateral profile was ranged from 0 to 6mm posterior to the E-line in the normal jaw group (type B). The range was smaller in the mandible retrusion group (type A) and further smaller in the mandible protrusion group (type C). 2. The lower lip position at 2mm posterior to the E-line was found to be the best for beautiful lateral profile in each type. 3. The most beautiful lateral profile was referred to the template of type B with the lower lip locating 2mm posterior to the E-line. 4. No significant differences were found in judgment among the subjects. It was suggested from the foregoing results that the esthetical goal would be successfully expected in the sense of orthodontics by positioning the lower lip at 2mm posterior to the E-line regardless of the jaw relation.
著者
野田 篤広
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.520-523, 2002

中判フィルム対応フィルムスキャナのユーザ調査から, 高画質はもちろんのこと使いやすさが求められていることを我々は知った.解像度, 速度, ダイナミックレンジなど基本スペックで最高を目指すべく各ブロックでハードウェア, ソフトウェア技術を融合させるとともに, 使い勝手を高めるための小さな改善を多く積み上げることでユーザ満足度の高い中判フィルム対応フィルムスキャナを開発することができた.