著者
福田 謙吾 石部 貴之 吉岡 聖真 谷川 孝 峯松 準 柏原 享平 金井 秀作
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.81-85, 2022-10-26 (Released:2022-10-28)
参考文献数
19

【目的】本研究の目的は短期集中型通所サービスにおいて,運動介入による特定高齢者の運動機能向上に必要な期間を検討することである。 【対象と方法】当法人の短期集中型通所サービスの運動機能向上プログラムを6ヶ月間利用した特定高齢者37名を対象とし,握力,開眼片脚立位保持時間,5 m歩行時間,Timed up & go test について利用開始時,介入3 ヶ月,介入6ヶ月の結果を後方視的に分析した。 【結果】握力,開眼片脚立位保持時間は介入効果の有効性が確認できなかった。5 m 歩行時間,Timed up & go test は利用開始時,介入3 ヶ月,介入6ヶ月と有意に速くなった。 しかしながら,介入3 ヶ月と介入6ヶ月には統計学的な有意差は確認できなかった。 【結論】本研究の結果から,短期集中型通所サービスの運動介入は3 ヶ月以内に5 m歩行時間とTimed up &go test を指標とした運動機能を向上させる可能性を示唆した。
著者
金田 泰佳 八田 珠郎
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.194-204, 2015 (Released:2017-05-31)

Chocolate is a suspension in which solid particles of sugar and cocoa powder are dispersed at high concentrations in a continuous phase of cocoa butter. Many of chocolate's physical properties are thus determined by the behavior of cocoa butter crystal, which plays numerous essential roles in providing chocolate with a pleasing appearance, snap at room temperature, and smooth melting in the mouth. On the other hand, a fat bloom appears on chocolate when the unfavorable properties of cocoa butter crystal are manifested. Fat bloom is a condition in which the fine texture of fat crystal is lost for some reason and the chocolate becomes non-uniform. Chocolate fat bloom is classified into various types by the form of chocolate it is found on and the storage conditions that cause it. However, the relationships between the causes and results of bloom are diverse, and the classification of chocolate fat bloom is complicated. In this article, we classify chocolate fat bloom according to bloom morphology. Organizing the morphological states can help us to understand the developing mechanism, which gives a complicated flow chart showing the dependence on the type of chocolate item and its storage conditions.
著者
山野井 貴浩 井澤 優佳 金井 正
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.188-197, 2020 (Released:2020-10-10)
参考文献数
32

In this genome age, citizens need to correctly understand personal genome based on the concepts of dominance and recessiveness; however, it has been reported that most university students understand it inaccurately. Replacement of the relevant terms by alternatives was proposed by the Genetics Society of Japan in 2017 to reduce conceptual misunderstanding. However, the level of such misunderstanding among junior high school students after their introduction to Mendelian genetics is not known. We developed a questionnaire to assess misconceptions regarding dominance and conducted a large-scale survey (n=1004) to assess junior high school students’ comprehension of dominance. We reached three important conclusions from the findings: 1) About 90% of students thought dominant traits to be advantageous for survival and that the most frequent traits in a population result from dominant alleles. 2) The erroneous association of dominance with trait frequency was stronger than the incorrect association of dominance with fitness. 3) Replacing the terms dominance and recessiveness may address student confusion of the ideas of dominance with fitness but may actually increase misconceptions associating dominance with trait frequency. Further studies are needed to reveal the mechanisms underlying these misconceptions before the terms are replaced.
著者
塩見 雅樹 金沢 寛 稲田 雅裕 福田 直三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.546, pp.23-37, 1996-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
23
被引用文献数
2

近年の航空輸送需要の増大に伴い, 我が国では各地で空港の建設が行われている. 東京国際空港沖合展開事業においては, 廃棄物処分場跡地を空港用地とする超軟弱地盤上の空港建設であることを始めとして, 多くの制約条件の下に地盤改良を行う必要があり, 設計・施工上における各種の工夫を行うことによって基盤造成を完了することができた. 本報告では, 軟弱地盤上の空港建設における地盤工学上の課題を整理するとともに, 特に厳しい施工環境にあった第III期地区における地盤改良の整備水準の考え方並びに地盤改良において工夫した設計・施工における対応策の考え方を示し, また, 動態観測結果による地盤改良効果について概要を示した.
著者
金田英彦
出版者
海洋科学技術センター
雑誌
JAMSTEC
巻号頁・発行日
vol.1(1)(創刊), 1989-01-01
著者
木藤 伸宏 金口 瑛典 小澤 純也
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.746-751, 2017-10-18 (Released:2017-12-04)
参考文献数
7
被引用文献数
4 4

筋力維持と増強のための治療法は,関節可動域運動とともに身体機能障害に対する理学療法の2大治療手技として,現在に至るまで臨床で用いられている.本稿では以下の内容に沿って,筋力増強運動の基礎と具体的処方について示した.すなわち,筋力の検査,筋力増強運動の基礎理論,筋力増強運動の処方である.なお,筋力増強運動の処方については,負荷と回数設定,方法について具体的に述べた.筋力増強運動は方法論ありきではなく,必ず治療者による評価と再評価によって,処方する運動の選択と負荷量と回数の設定を行いながら進めるべきである.また,高齢者や筋骨格系に病態を有する者は,あらかじめ負荷を低く,少ない回数で安全性を重視したうえで行う.
著者
吉村 彩 武藏 学 金子 壮朗 大西 俊介 折戸 智恵子 川原 由佳子 橋野 聡 森松 正美 今野 哲 有川 二郎 石井 哲也 澤村 正也 上田 一郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1132-1139, 2014-09-01 (Released:2017-02-10)

【目的】北海道大学で発生したマウス咬傷によるアナフィラキシー事例を踏まえ,アレルギー予防対策の構築を目的として,動物実験を実施する学生及び職員の動物アレルギーの感作状況を調査した.【方法】齧歯類等の取扱者で同意を得た555名を対象に問診票と実験動物5種に対する特異的IgE抗体と好酸球数測定によるアレルギー健診を実施した.【結果】特異的IgE抗体陽性率(陽性者数/取扱者数)は,マウス14.1% (62/441名),ラット17.9% (50/279名),ハムスター18.8% (6/32名),モルモット17.4% (4/23名),ウサギ11.3% (12/106名)であった.マウス取扱者においては,動物に接触した時に何らかのアレルギー症状が現れる場合は,抗マウスIgE抗体陽性率が有意に高いことも判明した(38.1% vs 8.8%, p<0.01).【結論】動物取扱者の感作状況を把握するために,特異的IgE抗体検査を含む健診を実施することが有用であることが示された.
著者
金子 勝治
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.213-219, 1966-08-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
柳燁 佳 金 明哲
出版者
日本分類学会
雑誌
データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-14, 2022-08-01 (Released:2022-09-29)
参考文献数
37

近年,代筆疑惑を検証するための著者識別の方法論が発展しつつあり,その応用も飛躍的に普及している.これまでの著者識別の関連研究のほとんどはジャンルの影響を考慮して,用いる文章のジャンルを統一するのが一般的である.しかし,諸事情により同じジャンルの文章を収集することが困難な場合もある.日本語においては,異なるジャンルの文章が混在する場合の著者識別に関する基礎研究はまだない.本研究では,5人の現役日本人作家の2ジャンル(小説,随筆)の計200篇の文章からなるコーパスを作成して,著者識別に有効と報告されている14種類の特徴量と7種類の分類器を用いて,異ジャンル文章が混在する場合における著者識別の精度を比較した.その結果,ジャンルによって使い方が大きく変わる特徴量があるものの,適切な特徴量と分類器を選択すれば,異ジャンル文章が混在しても高い精度で著者識別ができることが分かった.
著者
小林 真 南谷 幸雄 竹内 史郎 奥田 篤志 金子 信博
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.39-42, 2015 (Released:2017-07-20)

北海道北部の銅蘭川中流部において,初冬期に河川水に大量に出現した陸棲ミミズの種構成を調べた.河川水中で発見された個体の全てがフトミミズ科で表層性のヒトツモンミミズ成体であった.一方,同時期に河畔の森林土壌ではツリミミズ科で地中性のバライロツリミミズが優占していた.これらの結果は,初冬期に道北地域の森林土壌から河川水中に一斉に移動するが,移動をするのは特定のミミズ種に限られる事を示唆する.
著者
金澤 伸雄
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.107-113, 2017 (Released:2018-08-29)
参考文献数
30

ハンセン病はらい菌による感染症であるが、伝染病ではなく、むしろ宿主の免疫状態や反応によって病像が決まる「免疫病」とされる。同時に、「遺伝病」ではないが、宿主の遺伝的素因も大きく関与する。本稿では、免疫異常の病態を2つの「免疫ベクトル」で二次元的に展開し、筆者がこれまで経験してきたサルコイド様肉芽腫性病変を伴う原発性免疫不全症、遺伝性自己炎症性疾患であるブラウ症候群、鑑別が重要なサルコイドーシスなどとともに、類結核型とらい腫型のハンセン病をその平面上に位置付けることにより、これらの対比を明確にした。確かにハンセン病は先進国では消えゆく疾患であるかもしれないが、免疫学にかけがえのないモデルを提供し、その進歩に大きく寄与した。免疫抑制剤の進歩による再帰感染のリスクという新たな問題も出現し、現代においてなお、「古くて新しい」この疾患の存在意義は大きい。
著者
金 相美
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.49-62, 2018 (Released:2018-10-12)
参考文献数
35

本研究は2013年7月21日に行われた参議院議員通常選挙時に男女有権者930人を対象に行なったウェブアンケート調査の結果をもとに,政治プロセスにおける女性有権者の投票行動,政治関心,政治知識など政治的占有傾向について分析・考察を行うことを目的とする。女性有権者は男性有権者より投票率,政治への関心,政治有効性感覚,国内政治への満足度,政治知識が有意に低い結果が示された。政治関連イシュー的政治知識においては女性有権者の知識習得度が低いことが判明し,政治社会化における男女差がその背景に存在している可能性について考察した。
著者
笛木 賢治 大久保 力廣 谷田部 優 荒川 一郎 有田 正博 井野 智 金森 敏和 河相 安彦 川良 美佐雄 小見山 道 鈴木 哲也 永田 和裕 細木 真紀 鱒見 進一 山内 六男 會田 英紀 小野 高裕 近藤 尚知 玉置 勝司 松香 芳三 塚崎 弘明 藤澤 政紀 馬場 一美 古谷野 潔
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.387-408, 2013 (Released:2013-11-14)
参考文献数
66
被引用文献数
4 6

本ポジションペーパーは,義歯床用の熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を提案し,臨床適用への指針を示すことを目的とした.(公社)日本補綴歯科学会会員から,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の臨床経験を有するエキスパートパネル14名を選出した.パネル会議で検討した結果,「義歯の維持部を義歯床用の樹脂を用いて製作したパーシャルデンチャーの総称」をノンメタルクラスプデンチャー(non-metal clasp denture)と呼称することとした.ノンメタルクラスプデンチャーは,樹脂と人工歯のみで構成される剛性のない義歯と,金属構造を有する剛性のある義歯とに区分される.剛性のないノンメタルクラスプデンチャーは,金属アレルギー症例などの特別な症例を除き,現在の補綴臨床の原則に照らし合わせ最終義歯として推奨できない.剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,審美領域にメタルクラスプが走行することを患者が受け入れられない場合に推奨できる.ノンメタルクラスプデンチャーの設計は,原則的にメタルクラスプを用いた部分床義歯の設計に則したものでなければならない.熱可塑性樹脂の物性は材料によって大きく異なるため,各材料の特性を考慮して臨床適用する必要がある.全般的な特徴としては,アクリルレジンよりも変色,面荒れしやすく,材料によっては破折しやすい.現時点では,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分であり,今後これらの知見が集積され本ポジションペーパーの改訂とガイドラインの策定が望まれる.
著者
鈴木 智気 金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.364-377, 2021-12-31 (Released:2022-03-15)
参考文献数
74

Despite the close relationship between the innovation research and the diversity research in innovation activities with diverse members, there seems to be no comprehensive examination of the two research fields. The purpose of this paper is to attempt a multifaceted review of the innovation and diversity researches, and to suggest future directions for advancing researches on diversity managements in innovation activities. Specifically, we clarify that the innovation and diversity researches are complementary to each other in understanding diversity managements in innovation activities. In addition, we propose the design of incentives oriented toward stimulating "diverse contributions by diverse individuals" as a research agenda for the study of effective diversity management in innovation activities.