著者
染谷 明正 長岡 功 鈴木 香
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

グルコサミンは関節機能の改善効果をもつ機能性食品素材として広く知られている。申請者らはこれまでグルコサミンの抗炎症作用および、その分子メカニズムを解析してきた。一方、その過程でアンチエイジング作用があることを示唆する結果が得られた。本研究では、グルコサミンの新たな機能としてのアンチエイジング効果およびそのメカニズムについて調べる。そのためにアンチエイジング作用を発揮するためのグルコサミンタターゲット分子を同定し、老化細胞ならびに老化モデル動物を用いて同定された分子の作用メカニズムを検証する。
著者
川本 思心 鈴木 努 種村 剛 杉山 滋郎 田中 幹人 石井 哲也
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

文献・インタビュー・質問紙調査等によって、日本におけるデュアルユース概念の特徴は以下のように概括された。1)用途両義性と軍民両用性の連続性がない。2)軍民両用研究ではなく軍事研究に着目している。3)資金出資組織によって軍事研究か否かを判断する「入口議論」に傾いている。4)「両義性がある」ことが、軍民両用研究を肯定(追認)する根拠にも、否定する論拠にもなっている。5)核兵器や化学兵器、バイオテロといったイメージが中心。これらの成果は学会・シンポジウムで10回発表し、論文6本、書籍5冊、一般記事等3本として公開した。また、一般向けイベント主催・登壇5件を行い、本件に関する議論を広く社会に発信した。
著者
鈴木 亘 Costantine Chasama Kamata 古山 和道
出版者
岩手医学会
雑誌
岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.69-79, 2023 (Released:2023-09-01)
参考文献数
28

Erythroid-specific 5-aminolevulinate synthase (ALAS2) is the rate-limiting enzyme of the heme biosynthetic pathway in erythroblasts. ALAS2 is essential for supplying heme to produce hemoglobin in developing erythroblasts. While it has been reported that the gene expression of ALAS2 is regulated at the transcriptional and the translational steps, the post-translational regulation of ALAS2 protein is not well understood. In this study, we examined the protein complex of FLAG-tagged ALAS2 (ALAS2F) using immunoprecipitation followed by mass spectrometry and identified several mitochondrial proteins in the complex of ALAS2F. We also confirmed the presence of these proteins in the complex of ALAS2F by Western blot analysis, and we speculated on the novel role of one of these identified proteins on the post-translational regulation of ALAS2 protein. Further studies on the role of these proteins in the regulation of ALAS2 protein will reveal the precise mechanisms of the post-translational regulation of ALAS2 in erythroid cells.
著者
鈴木 茂嗣
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1980

博士論文
著者
鈴木 茂嗣
出版者
京都大学 (Kyoto University)
巻号頁・発行日
1980-03-24

新制・論文博士
著者
鈴木 達治郎 武井 摂夫 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.275-284, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

昨今の原子力に係る不適切な取扱い等に鑑み、国内の原子力安全規制においては電気事業法の改正、国の業務の一部を担う機関である「独立行政法人原子力安全基盤機構」の発足など、新しい規制制度が運用され始め、施設の検査等において民間の第三者機関による規格設定制度や認証・認定制度が着目されている。米国、仏国等においては既に原子炉の供用期間中検査や溶接検査等において当該制度の導入が異なった方式で図られており、一定の実績を上げている。本研究においては、原子力関連施設の安全規制における第三者機関の役割に関して日仏米の比較分析を行い、日本における今後の制度設計に関する示唆を得る。
著者
井上 直人 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.161-168, 2023 (Released:2023-06-15)
参考文献数
18

〔目的〕立ち上がり動作の殿部離床相における体幹と骨盤に関係する運動を明らかにすることを本研究の目的とした.〔対象と方法〕健常男性15名に立ち上がりを実施させ,画像解析ソフトを用いて各角度の変化を測定した.〔結果〕殿部離床相初期および後期で骨盤前傾,膝関節伸展,下腿前傾が増加した.加えて,初期では体幹前傾,胸腰椎移行部屈曲が増加し,後期では体幹後傾,股関節伸展が増加した.運動パターンは,16パターンに分かれた.〔結語〕殿部離床相初期の体幹前傾には胸腰椎移行部屈曲の関与が大きく,後期の体幹後傾には股関節伸展の関与が大きいことが示唆された.さらに,骨盤前傾には足関節背屈位での膝関節伸展の関与が大きいことが示唆された.
著者
川端 秀仁 角南 祐子 千葉 幸惠 麻薙 薫 村田 陽稔 柳堀 朗子 片桐 克美 鈴木 公典 藤澤 武彦
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.387-397, 2017 (Released:2017-05-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

【目的】日本人の中途失明原因の第一位は緑内障であり、多くは正常眼圧緑内障と言われている。日本緑内障学会で行った疫学調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人の5%が緑内障でありうち72%が正常眼圧緑内障と報告されている。しかし、緑内障発見に有効である眼底検査は、2008年度以降の特定健康診査では、ごく限られた対象者にしか実施されていない。 近年安価で、小型軽量な簡易視野計(Frequency Doubling Technology Screener; FDT)が開発されたため、成人眼検診として出張検診で眼底検査とFDT検査を併用した場合の効果と有用性の検証を行った。【方法】2012年度秋に定期健康診断を実施している某企業の従業員2,392名のうち、同意を得て検診を行った892名(男738名、女154名)に成人眼検診(問診、視力、眼底検査、FDT検査)を実施した。判定は、日本緑内障学会のガイドラインに準拠した。また、緑内障疑いで垂直CD比(0.7≦垂直CD比<0.9)かつFDT検査が陰性の者を継続管理者として区分し、精密検査対象者には眼科受診を勧奨した。【結果】成人眼検診で所見が見られた(要精密検査73名、要医療12名)85名のうち、精密検査を受診した59名から、緑内障7名を発見した。40歳以上の成人眼検診結果では、緑内障有病率(補正後)は1.67%となった。 成人眼検診の緑内障(緑内障疑いおよび緑内障関連病を含む)に対する陽性的中率は89.5%となり緑内障の早期発見に有用であることが判った。 また、眼底検査に所見が無く簡易視野検査のみに所見を認めた11名の精密検査結果は、受診した9名中7名の内訳は緑内障1名、網膜神経線維束欠損1名、黄斑変性症3名、乳頭陥凹拡大1名、軽微な網膜異常1名であった。【結論】成人眼検診は、眼底検査では発見できなかった疾患を簡易視野検査で発見できた。また、緑内障発見に対する感度も高く、精密検査対象者の絞込みができ、有用な検診方法であることが認められた。
著者
鈴木 哲也
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.664-672, 2004-12-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
52
被引用文献数
8 3

フルバランスドオクルージョンがリンガライズドオクルージョンよりも機能的に優れていることを示すエビデンスとなる文献はみつけることはできなかった.最近では全部床義歯の咬合様式として, リンガライズドオクルージョンにおいてもフルバランスドオクルージョンと同様に, 片側性平衡咬合ではなく, 両側性平衡咬合を与えることが一般的であった.咀嚼時における非咀嚼側の咬合接触は, 咀嚼側より早く, 第二大臼歯第一大臼歯, 小臼歯の順に起こり, 義歯の転覆を防ぐと同時に, 中心咬合位への誘導という重要な役割を担っていた.そのため, 咀嚼時においても両側性平衡咬合は義歯の安定に有効であった.現代の無歯顎者は高齢であり, 顎堤の吸収や粘膜の菲薄化がすすみ, 顎機能に異常が認められる者もいる.下顎位が不安定で, 義歯装着後に変化する場合がしばしばある.そのような症例には, 嵌合関係が厳しく規制されるフルバランスドオクルージョンよりも, 変化に対応しやすく咬合調整の簡便なリンガライズドオクルージョンのほうが適している.ただし, 日本人の食文化を考えると, 咀嚼感覚という点でリンガライズドオクルージョンが適しているかどうかの疑問は残された.咀嚼感覚を評価する手法の確立が望まれる.
著者
鈴木 啓太
出版者
金沢大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2021-08-30

慢性疼痛の発症とビタミンDの関連については、一貫した結果が得られていないのが現状である。その要因として、ビタミンD受容体遺伝子の一塩基多型によって、生体内におけるビタミンDの作用発現が変化することが考えられる。本研究では、慢性疼痛の発症と生体内のビタミンD濃度の関連を、ビタミンD受容体遺伝子の多型別に検討する。それにより、ビタミンDを用いた慢性疼痛のテーラーメイド型アプローチの発展に寄与する。
著者
鈴木 政登 石山 育朗 塩田 正俊 町田 勝彦
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.585-598, 2003-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

既存の最大酸素摂取量 (VO2max) の判定基準は軍人やスポーツ選手など十分に身体鍛錬を積んだ者を対象に設定された.しかし, 現在VO2maxは健康関連体力要素の1つとして, 幼若者から高年齢者に到るまで広く普及している.従って, それらの者に適用できるVO2max判定基準およびその臨界値が求められる.本研究では, 8~82歳までの健康男女548名を対象に, トレッドミルによる負荷漸増運動を課し任意の最大酸素摂取量 (VO2max) を実測した.任意のVO2max値を年齢回帰させ, 年齢予測VO2max値を算出し, 実測VO2max×100/年齢予測VO2maxの式から%VO2max値を求め, その度数分布図に反復切断法を適用し, VO2max基準域 (X-1.96SD~X+1.96SD, 70%~130%VO2max) を設定した.この範囲の平均値をVO2max基準値, 下位10%に相当する値を臨界値とし, いずれも実測値に変換し5歳毎の平均値として男女別に提示した.次いで, 70%~130%VO2max範囲の生理・生化学的指標 (HRmax, DPmax, RRmax, %△PVmaxおよびbLAmax) を, %VO2max値算出法に基づき%表示した.%表示された各指標の度数分布図の下位10%に相当する値を, VO2max値として採択し得る限界値 (臨界値) とし, 実測値に変換し5歳毎の平均値として男女別に提示した.最後に70%VO2max以上の領域を占めた各被験者の値をVO2maxと認定 (男性224名, 女性283名) し, 各生理・生化学的指標の臨界値を単独または組み合わせ適用によるVO2maxの採択率を調べ, さらに簡便・容易性および信頼性の観点からVO2max判定指標およびそれらの組み合わせを吟味した.その結果, 単独適用した場合の採択率が最も高いのはHRmaxであり, 男性の臨界値92.1%, 女性の値91.0%HRmaxを適用し, それぞれ92.9%および91.2%の採択率が示された.次いで, 簡便・容易で信憑性の高い組み合わせは, HRmaxとbLAmaxの両方の臨界値を同時に満たした場合で, 男性では82.6%, 女性は80.6%の採択率であった.本研究によって, 反復切断法と従来の判定基準適用によるVO2max値との間に有意差のないことが確認され, 反復切断法による性・年齢別VO2maxの基準値および臨界値が提示された.さらに, 簡便で信憑性の高いVO2max判定指標としてHRmaxおよびbLAmaxの臨界値が提示され, 性・年齢別臨界値の適用が奨められた.
著者
鈴木 成宗
出版者
三重大学
巻号頁・発行日
2017

内容の要旨・審査結果の要旨 / 地域イノベーション学専攻
著者
鈴木 雅大 金子 貴輝 谷口 尚平 松嶋 達也 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1L2J1105, 2019 (Released:2019-06-01)

近年,深層生成モデルの研究は急速に進んでおり,それらを簡潔かつ汎用性高く実装できるフレームワークが求められる.本研究では,最新の複雑な深層生成モデルの特徴として,確率分布によるネットワークの隠蔽,および複数の誤差関数から目的関数が構成されているという2点に着目し,それらを達成する新たな深層生成モデルライブラリ,Pixyzを提案する.本論文では,提案ライブラリが簡単な深層生成モデルの実験において,既存の確率モデリング言語であるPyroよりも高速で動作することを示し,さらに既存の確率モデリングライブラリでは実装できない複雑な深層生成モデルについて,容易かつ簡潔に実装できることを示す.
著者
米地 敦 樋口 光徳 塩 豊 鈴木 弘行 藤生 浩一 管野 隆三 後藤 満一
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.193-198, 2002-03-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
12
被引用文献数
6 6

症例は56歳女性.持続腹膜透析 (continuous ambulatory peritoneal dialysis: 以下CAPDと略す) 施行中に透析液の消失と胸水貯留があり精査のために当院に入院した.胸腔腹腔シンチで横隔膜交通症と診断された.胸腔鏡下に手術施行し横隔膜に責任病変を認め外科的な治療にてCAPDの再開に成功した.横隔膜交通症は保存的に加療されることが多く, その半数でCAPDを断念し血液透析に移行している.外科的に治療された症例を検索したところ12例の報告があり, 10例でCAPDの再開に成功していた.胸腔鏡下手術は侵襲が少なく優れた術式であり, 責任病変の有無を調べるという診断的意味も含めて有効な手段だと考えられる.
著者
栗原 和幸 鈴木 剛 吽野 篤 波多野 道弘
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.1534-1540, 2013-11-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
2

エリスリトールを主成分とするダイエット用ゼリー製品摂取後にアナフィラキシー症状を呈した5歳男児を経験した.ゼリー製品そのもののプリックテストは陰性であったが,家庭での少量再摂取により軽度のアレルギー症状を呈した.エリスリトールのプリックテストでは,溶解限界の300mg/mlまで濃度を上げても陰性であった.皮内テストでは0.1m/mlで弱陽性,1mg/ml以上で明らかな陽性となった.好塩基球活性化試験では40-4000μg/mlの濃度で,24時間培養後にわずかな用量依存性の反応が認められた.エリスリトール経口負荷試験では3g摂取後に著明な咳嗽,蕁麻疹,浮腫,喘鳴,低酸素血症などのアナフィラキシー症状が誘発された.エリスリトールは分子量122.12の天然糖アルコールで,力ロリーがほぼゼロで味が良く使いやすい物理特性のために,ダイエット用食品の他に医薬品も含め,甘味料として近年広く使用されている.エリスリトールは食物アレルゲンになり得ることを認識し,プリックテストが陰性の場合があることに注意が必要である.
著者
角井 建 原田 正史 野津 大 三橋 れい子 鈴木 仁
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.63-68, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
27

隠岐諸島島後で2021年11月におこなわれたモグラ類の採集調査によって,アズマモグラMogera imaizumiiの雄と雌が1個体ずつ捕獲された.隠岐諸島で本種が確認されたのは本報告が初めてであり,西日本における新たなアズマモグラの遺存個体群の存在が明らかとなった.
著者
江口 勇也 佐久間 幹大 遠藤 優 坂西 梓里 鈴木 良実 千々岩 哲 嶌本 樹 片平 浩孝
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.53-62, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
57

静岡県浜松市では1980年以降に外来リス類が野生化し,市街地から郊外へと分布拡大が続いている.過去に実施されたミトコンドリアDNA D-loop領域を対象とする集団遺伝解析では,クリハラリスCallosciurus erythraeusに加えフィンレイソンリスCallosciurus finlaysoniiの混在が報告されているが,調査範囲は市街地の一部に限られており,分布拡大以降の実態は未詳であった.そこで本研究では,これら2種の分布について広域的に再検討することを目的に,2019年から2021年の間に市内で駆除された266頭を用いて,同領域を対象にハプロタイプの組成および分布を調べた.解析の結果,クリハラリスの体色パターンが見られた一方で,同種由来のミトコンドリアDNAを持つ個体は存在しておらず,フィンレイソンリス由来のハプロタイプ2型の優占が明らかとなった.市内におけるハプロタイプの分布については,幹線道路などの人工物の有無や植生との明瞭な関係は見られず,個体の移動分散が広く生じていることが示唆された.