著者
鈴木 哲 田邉 賢一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.79-83, 2022 (Released:2022-02-10)
参考文献数
6

東芝エネルギーシステムズと富士電機が共同開発している小型モジュール高温ガス炉は,固有安全性を活用して原子炉格納施設を簡素化すると共に,プラントを4モジュール構成とすることで大型軽水炉並みの電気出力を得るコンセプトである。また,早期実用化のため成熟技術である蒸気タービンを採用し,蓄熱設備との接続により電力需給変動を吸収する機動的運用を検討している。本稿では本高温ガス炉のプラント概要と,実用化に向けた取り組みについて紹介する。
著者
高橋 薫 鈴木 道代 佐々木 さくら
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.Suppl., pp.169-172, 2023-02-13 (Released:2023-03-28)
参考文献数
7

本実践では創価大学の「学術文章作法Ⅰ」を履修する留学生を対象に,文章診断ソフト「文採」を活用して文章の言語形式へのフィードバックを試み,意見文を自己推敲させた.本研究の目的はフィードバックを手がかりに,学習者が適切に日本語の誤用を自己推敲できるか否かを確認することである.フィードバック前後の意見文を比較したところ,「副詞率」「話し言葉」「助詞の誤り」において,問題箇所の出現頻度が有意に減少した.次に,効果量の大きかった「話し言葉」「助詞の誤り」について修正の適切さを確認したところ,「話し言葉」の約8割,「助詞の誤り」の約7割は適切に修正できていた.しかし,フィードバックの適切性を見ると,「話し言葉」の約9割が適切であったのに対し,「助詞の誤り」へのフィードバックは4割程度に過ぎず,「助詞の誤り」については教師の介入が必要であることがわかった.
著者
藤田 裕嗣 吉田 剛 高橋 清吾 鈴木 康之 宇根 寛 牛垣 雄矢 安藤 哲郎 深瀬 浩三 宮里 修 上島 智史 堀 健彦 仁木 宏 山元 貴継 塚本 章宏
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

歴史地理学研究で取り上げられた地図・絵図資料の中には地震・水害など、災害に関わる古地図も多数含まれるが、現在の地図情報には反映されておらず、実際の対策に活かされてきたとは言い難い。そこで本研究課題は、地域中心として機能し続けた城下町に特に注目し、全国各地に残る過去の古地図情報をGISデータ化し、それらをデジタル地図情報に反映させて、防災・災害復興に向けた歴史災害情報をデータベース化し、情報発信することで各地の防災・災害復興への寄与を目指す。2022年度の高校教育「地理総合」必修化も念頭に置き、中等教育に貢献できる歴史災害GISコンテンツの提供も視野に入れる。
著者
今城 哲二 鈴木 弘 大野 治 植村 俊亮
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SIG02(PRO9), pp.102, 2001-02-15

約20年前からコンピュータでの漢字利用が普及し,標準プログラム言語で日本語データ処理が可能となった.日本語処理は,国際規格化されていて,いくつかの言語では,識別名にも漢字などマルチオクテット文字が使用できる.予約語まで日本語にした本格的な日本語プログラム言語も,分かち書きのレベルで,実用化されている.本発表では,分かち書きをしない,より日本語に近い日本語プログラム言語``まほろば''の設計思想と文法について述べ,プログラマおよび学生による記述実験による評価について報告する.
著者
今城哲司 鈴木 弘 大野 治 植村 俊亮
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SIG04(PRO7), pp.90, 2000-06-15

約20年前からコンピュータでの漢字利用が普及し,標準プログラム言語で日本語データ処理が可能となった.日本語処理は,国際規格化されていて,いくつかの言語では,識別名にも漢字などマルチオクラット文字が使用できる.予約語まで日本語にした本格的な日本語プログラム言語も,分かち書きのレベルで,実用化されている.本論文では,分かち書きをしない,より日本語に近い日本語プログラム言語“まほろば”の設計思想と文法について述べ,実装実験による評価について報告する.
著者
鈴木 貴博 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.184-191, 1989-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

膠原病としてRA 82例, PM-DM 35例, PSS 31例の合計148例,およびウイルスなどの感染症36例を対象とし,抗中間径フィラメント抗体として抗ビメンチン抗体と抗サイトケラチン抗体の各々を, western blotting法で測定することを試みた.前者の検出率は, RAでは24例29%, PM-DMでは19例54%, PSSでは12例39%,後者の検出率は, RAでは25例30%, PM-DMでは16例46%, PSSでは14例45%で,間接螢光抗体法による検出率と比較し高かった. 36例の感染症ではそれぞれ21例58%, 8例22%に検出された.免疫グロブリンクラスは両疾患ともIgG優位であった.本抗体陽性膠原病の臨床像を検討したところ,抗ビメンチン抗体単独陽性RAおよびPSSでは,肺線維症がそれぞれ50%, 83%と有意に高率に認められた.本抗体が膠原病およびウイルス,マイコプラズマ感染症の両者で検出され,正常人で認められなかったことは,膠原病と感染症との間に何らかの関連が存在するものと考えられた.
著者
木村 智人 鈴木 崇宣 小泉 裕 横川 忠晴 原田 広史 今井 八郎
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.1041-1045, 2007 (Released:2007-11-02)
参考文献数
4
被引用文献数
8 9

A post service examination of a turbine blade from a civil aeroengine has been carried out to ascertain the degree of microstructural coarsening and the distribution of crack damage induced during service. This was with the purpose to elucidate their correlation with the actual operating conditions. Samples were sectioned from different parts of the turbine blade for detailed examination by optical microscope and scanning electron microscope. The average length of cracks was used as one of the parameters to quantitatively illustrate the distribution of cracks on the turbine blade. Experimental results suggested that cracks were mainly concentrated on certain area of the pressure side. Leading edge of the suction side of the turbine blade consisted of mostly coarsened microstructure due to higher temperature exposure. In conclusions, there was no clear correlation between the crack damage distribution and the degree of microstructure evolution.
著者
東 学 石田 克成 松原 真奈美 林 裕司 坂根 潤一 鈴木 俊紀 古屋 周一郎
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.438-444, 2020-07-25 (Released:2020-09-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

病理組織診断は,医療において最終診断となる重要な役割を果たし,この診断根拠となる病理組織標本の質を担保することは,病理組織検査に従事する検査技師の責務である。しかしながら,病理組織検査においては,染色方法や技量により個人間差や施設間差を生じやすく,特に標本の染色色調については病理専門医の色好みが加わるため,標準化が難しい分野でもある。一般社団法人日本臨床衛生検査技師会病理精度管理ワーキンググループでは,診断に適正な標本が作製されていることの確認と,標本作製過程に対する考え方の統一化及び良質な診断標本作製のための情報共有化を目的として,1972年より外部精度管理事業を開始した。その間,13回の二次サーベイランスを含む25回の染色サーベイランスと,16回のフォトサーベイランスに附随して26回の病理検査業務に関するアンケート調査を行ってきた。2011年度より染色サーベイが廃止され,現在ではフォトサーベイのみの外部精度管理となったが,多くの施設状況を確認し,最低限の知識の浸透を図るため,設問提示方法に様々な工夫を加えてきた。2017年の医療法改正に伴い,外部精度管理を受審する施設の多様化が予想され,今後更なる改善を重ね質の高い病理診断に寄与していきたい。
著者
鈴木 隆史
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.226-235, 2019-03-10 (Released:2019-07-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

臨床検査には大きく、検体検査、生理機能検査や画像検査、さらに特殊検査として内視鏡検査がある。医師は、問診や診察に加え、必要と思われるこれら検査を組み合わせることにより疾患・病態の診断、治療とその後の経過観察を行っていく。そのため臨床検査は重要な役割を担っている。健診においてはその多くが症状のない受診者が対象であり、検査の占める割合は大きなものとなっている。したがって、これら検査がきちんとなされていることが、患者あるいは受診者の信頼を得るうえで重要であることは言うまでもない。そのためには検査の高い精度や正確性が求められる。これらを担保するのが精度管理であり、施設あるいは検査室内で行われる日々の管理としての内部精度管理と施設を横断して自らの施設のデータが他施設と比較してどのくらいの位置にあるのか、それを確認し足元を見直すために行われるのが外部精度管理である。内部精度管理あっての外部精度管理ともいえる。本稿では内部ならびに外部精度管理について概説する。一般的に広く行われている血液、尿、便などの検体検査で普及してきた精度管理であるが、生理機能検査や画像検査にもその必要性が求められてきている。さらにベッドサイドで用いられるPOCTにおいてもしかりであり、現状についても触れる。検体検査においては機器や試薬の進歩によりデータの集束状況は非常に良好な状態になってきているが、検査室における日常業務の中にあって機器任せにすることなく絶えずデータを気にしておく姿勢が内部精度管理には欠かせない。外部精度管理では本学会の精度管理事業の位置づけを示しつつ、その重要性について紹介する。昨今、ISO15189 ならびに医療法における「精度の確保」など、検査室の品質保証が叫ばれている。本稿がそれらの理解につながれば幸いである。
著者
寺本 渉 吉田 和博 日高 聡太 浅井 暢子 行場 次朗 坂本 修一 岩谷 幸雄 鈴木 陽一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第8回大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2010 (Released:2010-09-01)

背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係する臨場感はよく取り上げられるが、場面の印象にとって重要な前景的要素(対象や事象など)の本物らしさを表す感性については検討されていない。本研究では,この前景的要素の本物らしさに対応する感性を「迫真性」と定義し,臨場感との比較を通じて,その時空間特性を検討した。まず,「鹿威し」がある庭園風景を素材とし、その提示視野角と背景音の音圧レベルを操作した。その結果、臨場感は視野角も音圧も大きいほど高まるが,迫真性は視野角が中程度,背景音が実物と同じ場合に最も高くなることがわかった。次に,鹿威しの打叩映像と打叩音の時間ずれを操作した結果,臨場感は音が映像に先行しても高く維持されるのに対し,迫真性は音が映像に対して遅れても維持された。以上の結果は,臨場感と迫真性は異なる時空間情報によって創出される独立した感性であることを示唆する。
著者
北越 大輔 鈴木 健太郎 鈴木 雅人 山下 晃弘
出版者
東京工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

ICT機器(スマホ,タブレット等)と自宅に設置したセンサを用い,高齢者が要支援・要介護状態となることを予防する取組を,家族や地域を巻き込み継続的に実現可能とする包括的介護予防システムの構築を目指す.これまで個別に開発してきた認知訓練部,見守り部,対話エージェントの各々に改善や拡張を加えながら統合を図る.各部,各機能の有効性や,統合後のシステム利用を通した長期的・相乗的な介護予防効果について評価する.
著者
鈴木 拓朗
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.33-42, 2023 (Released:2023-04-25)
参考文献数
29

The purpose of this study was to examine the effects of the relationship between the perpetrator and the victim and the gender of both on the estimation of the severity of stalking incidents. The study used a 3 × 2 × 2 × 2 (prior relationship × perpetrator’s gender × victim’s gender × participant’s gender) experimental design with a hypothetical scenario. A total of 1,200 participants read one of the 12 scenarios and answered items concerning the situation described. The results showed that the participants tended to estimate the severity of the incident lower when the perpetrator was an ex-partner rather than a stranger, or when the victim was a man rather than a woman. In the case of female victims, they tended to estimate the severity lower when the perpetrator was female rather than male. To deal with stalking cases as early as possible, primary prevention and training for police officers are needed to reduce these cognitive biases.
著者
天野 公太朗 松本 恵樹 國井 洋一 鈴木 誠
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.493-496, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
27

Yokoyama Taikan Memorial Hall was used as a residence-atelier during 1909-1945 and 1953-1958 by Taikan Yokoyama (1868-1958) who was a representative of modern Japanese-style painter. There is a characteristic garden in the former Taikan Yokoyama residence. In 1909, Taikan built a residence-atelier at Ueno Ikenohata on the banks of Sinobazunoike where was a famous cultural and scenic place of Tokyo. However, unfortunately the residence-atelier had destroyed by an air raid on Tokyo in 1945 and the garden had damaged also. After that, Taikan's residence-atelier was rebuilt and his garden was restored by his strong intention. We had on-site surveying the garden, considering Taikan’s career, analyzing relationships between his representational paintings and the garden features, and interviewing to Mr. Jiro Fujii who was involved in the restoration of the garden. In the result, we found that Taikan ordered to plant the trees and shrubs in the garden, just like he painted on his pictures. The garden was landscaped to have more spiritual meaning than natural landscaped garden by his intention. This attitude toward to the garden was different from the gardens created by the other representative of modern Japanese-style painters.
著者
坂本 淳 藤田 素弘 鈴木 弘司 三田村 純
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-19, 2006-06-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
9

Natural disaster might cause traffic congestion, changing traffic network. In this paper, we propose the way of developing the road condition analysis, animated traffic simulations of GIS and apply to the traffic situation under the Tokai downpour by using travel survey and tachometer of the drivers who had been driving under the disaster, from 9.11 to 9.12, 2000. As a result, it was revealed that many drivers who had driven at that time had involved chronic traffic jam and it took many hours to reach to destination.
著者
井上 頼数 渋谷 正夫 鈴木 芳夫
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.202-206, 1955-12-25 (Released:2008-05-16)
参考文献数
13

In order to study the effect of moisture on the vernalization of seed in Japanese radish, Rapfaaleus sativus L., some experiirnents, were held in 1951, usingi the stock seed of. Nerima-shiriboso variety. In each treatment, the seed was placed, in Petris dish which was put in desicator. Moisture treatments were as follows:,
著者
末廣 栄一 藤山 雄一 杉本 至健 五島 久陽 篠山 瑞也 小泉 博靖 石原 秀行 野村 貞宏 鈴木 倫保
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.178-184, 2016 (Released:2017-03-25)
参考文献数
17
被引用文献数
4 2

One Week Study 2012 (日本頭部外傷データバンク) によると, 軽症・中等症頭部外傷は入院を要する頭部外傷の86%を占め, 頻繁に遭遇する病態である. 中等症頭部外傷においては15%, 軽症頭部外傷においては7.6%の割合で重症化し, 外科的治療が必要となっており, 軽視せずに慎重な判断や対応が重要である. 入院後は, 重症化の危険因子を踏まえたうえで, 積極的な経過観察が重要となる. 頭蓋内病変の有無や重症化の予測ツールとしてS-100B proteinやD-dimerなどの血液biomarkerが注目を浴びており, 自験例も含めて紹介する. 軽症・中等症頭部外傷においては, “重症化” への対応と同様に, 高次脳機能障害や脳震盪後症候群などの社会的問題への対応も重要である. 今後, 脳神経外科医が真摯に取り組むべき分野である.
著者
加藤 日出男 永田 治 山崎 昌弘 鈴木 利広 仲野 善久
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.57-69, 2002-01-01 (Released:2003-02-13)
参考文献数
15
被引用文献数
18 17

β2-Adrenergic agonists have been widely used to treat patients with asthma. Usually, oral dosage forms of β2-agonists have been used, but side effects such as palpitation and tremor have been reported because of excessive serum levels around Tmax. It is said that circadian variations exist in the manifestation of asthma with maximum incidence of asthma attacks in early morning at around 4 a.m., the so-called morning dip. Chronotherapy for asthma based on circadian rhythm should be more efficient and have a lower frequency of side effects. Accordingly we developed a transdermal delivery system of the β2-agonist tulobuterol adapted to the circadian rhythm. The system is designed to administer the appropriate dose of the drug at an optimal time using the so-called Crystal Reservoir System. The superiority of the transdermal formulation of tulobuterol over the current therapy using oral formulations of β2-stimulants was indicated by its excellent pharmacokinetic profile, and confirmed by the results of clinical trials. This formulation is the first transdermal chrono-delivery system reported anywhere in the world, and is expected to provide more effective and safe treatment of asthma and related diseases not only in adults, but also especially in children.