著者
于 燕楠 伊藤 修一 鈴木 晃志郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2022年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.136, 2022 (Released:2022-03-28)

研究目的 超常現象が何であるにせよ,それらが超常現象となり得るには,人目に触れ認知されなければならない.ゆえに,その舞台として共有される心霊スポットの布置には,社会の価値観や役割期待が反映されうる.本発表は,基盤地図情報としてオープンデータ化されている各種公共施設や森林地帯のデータと心霊スポットの位置情報を手掛かりに,心霊スポットがどのような地物と近似の分布傾向を示すかの検討を通じて,分布傾向上の特質を解明する企図をもつ.エミックに扱われがちな事象をエティックに捉える試みであり,妖怪変化の分類学を志向するものでもなければ,超常現象の有無を論ずるオカルティズム的関心も有しない.研究方法・分析対象 周知のとおり,空間解析は商圏分析に代表されるXY軸上のデータの分析と,流域解析に代表されるZ軸の分析からなる.本発表ではこれを,①最近隣空間的隣随伴尺度による空間分布パターンの随伴性の分析(X,Y軸),②森林地帯ポリゴンを用いた被包含率の分析(X,Y軸),③DEMを援用した標高値および傾斜角の解析(Z軸)に読み替えることで,心霊スポットの分布特性を三次元的に検証する.データは,2021年時点で入手可能な最新の国土数値情報の各種公共施設と,森林地帯ポリゴン,「全国心霊マップ」から抽出した心霊スポットの点データである.分析対象には,その総面積(83,450 km²)がチェコ(78,865 km²)やオーストリア(83,871 km²)に比肩し,かつ広域自治体とその地理的領域がいずれも隣接する他の都道府県からの影響を受けない北海道を選定した.結 果 Z検定の結果,病院,最終処分場, 精神病院が心霊スポットとの有意な随伴傾向を示す一方,小学校,公民館, ダム, 浄水場, 役所, 配水池, 僻地保健福祉館, 火葬場が有意な離反傾向を示した.この傾向は、我々が先に公表した日本全国の分析結果と概ね矛盾しない(鈴木ほか2020). しかしながら,水平軸上では離反傾向にある浄水場,火葬場,配水池は,垂直軸(高度や傾斜角)上では心霊スポットと有意差が検出されず,分布傾向の近似性が示された.同様に,森林地帯ポリゴンを用いて,各施設の立地地点が森林地帯に含まれる割合を求めたところ,10%以上の値を示した施設はダム(25.3%),心霊スポット(33.3%),火葬場(37.8%),配水池(43.8%),浄水場(53.4%)の5種類のみであり,ここでも心霊スポットとの近似性が示された(全施設平均とのχ2検定結果はいずれも有意差あり). 心霊スポットは他の公共施設と異なる独自の分布傾向を示す(鈴木ほか2020).この独自性は,水平軸で病院や精神病院,最終処分場に近く,かつ垂直軸で有意差のない浄水場や配水池,火葬場に近似する高度や傾斜,あるいは森林への被包含率をもつ場所が心霊スポットの好発地になりうることを示した本発表の知見によって解釈可能である. 分析はなお継続中であり,当日はオープンデータを用いたさらなる分析結果を議論に供する予定である.文 献鈴木晃志郎・伊藤修一・于 燕楠 2020. 心霊スポットは何と空間的に随伴するのか. 日本地理学会発表要旨集2020(807) https://doi.org/10.14866/ajg.2020s.0_31
著者
鈴木 翔
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.325-345, 2015-05-29 (Released:2016-07-19)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本稿の目的は,中高生の間でいじめの抑止力として機能する可能性をもつ生徒はどのような生徒なのか,そして,その生徒が実際にいじめの抑止力として機能していないならば,それはなぜなのかを明らかにすることである。本稿では,社会的勢力論を分析枠組みとして,中高生が持つ社会的勢力を「業績と思いやり」「外見と明朗性」に分けて検証を行ったところ,以下の2つの知見が得られた。 第一に,「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,いじめに対する否定的な規範と連動しており,「外見と明朗性」という「潜在的勢力」は,いじめに対する規範と連動していない。第二に,「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内の規範への影響力と安定的に結びついていないのに対し,「外見と明朗性」という「潜在的勢力」は,集団の支持を得て自己主張をすることを通じて集団内の規範に影響を与えやすい傾向をもつ。 つまり,現状の中高生文化のもとでは,いじめに対する否定的な規範と正の関連をもつ「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内で優勢となりにくい。そのため,いじめを拒絶する規範が,集団の中に広く受容される可能性は低くなり,その結果,いじめの抑止は機能しづらくなるという可能性が示された。
著者
鈴木 正士
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.40, pp.118-134, 1996

Al final de la segunda parte de <I>Don Quijote</I>, Don Quijote se muere volviendo a ser Alonso Quijano después de experimentar los tres viajes de aventura.<BR>Sobre este aspecto, tengo dos dudas.<BR>¿Existe una razón inevitable para que tenga que morir en el texto? y por qué vuelve a ser Alonso Quijano justamente antes de morir? Estas dos cuestiones pretendo aclararlas en este trabajo.<BR>Pienso que una clave para resolverlas se encuentra en estos dos acontecimientos; la segunda mentira de Sancho en el capítulo X y la aparición del verdader mundo de caballerías en los capitulosLX a LXIII.<BR>Don Quijote no puede existir a no ser que cambie todo su alrededor, el mundo no caballeresco, en el de los libros de caballerias porque él es un personaje ficticio que nace después de leer demasiados libros.<BR>Sin embargo, en el capitulo X, Sancho le miente a Quijote diciendo que es Dulcinea una de las tres labradoras que van delante de ellos. Es decir, Sancho afirma, sin querer, a través de esta mentira que el mundo no caballeresco para Quijote es el de libros de caballerias. Por esta mentira, Don Quijote no puede convertir el mundo no caballeresco en el de libros de caballerias ni puede creer lo que yen los ojos, o sea, a si mismo.<BR>Además en los cap. LX a LXIII salen un caballero verdadero y unos turcos. Por primera vez en este texto, Don Quijote se topa con el verdader mundo de caballerias, no con el de libros de caballerias. Por este suceso, no solamente no se debilita el sino que su misma existencia se esfuma. Por consiguiente, Don Quijote es derrotado por él Caballero de Blanca Luna con mas facilidad de lo que se puede imginar.<BR>A pesar de eso, Don Quijote continúa viviendo. El protagonista del libro de caballerias puede vivir en tanto que existe su dama. Pero al final, en el cap.<BR>LXXIII, Quijote se convence de que no hay Dulcinea en su mundo. Si el caballero no tiene su dama, no puede existir.<BR>De esta manera, Don Quijote, que está cansado por no poder crear el mundo de libros de caballerias, se muere después de volver a ser Alonso Quijano.
著者
榛葉 賴子 矢田 大輔 小田 彩子 東堂 祐介 伊藤 敏谷 鈴木 康之
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-63, 2020

腟内異物が放置される例は、産婦人科ではまれに経験される。症例は 50 歳。スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、抜去できずに約2年間放置していた。抜去目的に当院を紹介され、腰椎麻酔下に子宮把持鉗子で抜去した。抜去された異物は、石灰化物質で覆われており、成分分析では、リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムが検出された。報告では腟内のカルシウムイオン、マグネシウムイオンは尿の成分に由来 すると結論づけられるものが多い。腟内異物の症例では膀胱腟瘻を来していることも多い。本症例では画像検査で膀胱腟瘻などの解剖学的異常はなく、抜去可能であった。長期間放置された腟内異物の診療では、膀胱腟瘻などの解剖学的異常も含め、画像検査で評価することが有用である。
著者
鈴木 敏幸
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.103-117, 2010-06-20 (Released:2012-06-25)
参考文献数
43
被引用文献数
1 5

乳化技術の基礎について以下の5つの視点から解説を行った。(1)エマルションの型と種類の定義およびエマルション,ナノエマルション,マイクロエマルションの違い。(2)調製法の分類と一般的なエマルション調製法。(3)エマルション崩壊のパターンと乳化安定化理論。(4)エマルションと相図:エマルション,マイクロエマルションの状態および効率の良い乳化と可溶化の理解。(5)微細なエマルションの調製のための最近の乳化技術とその機構のまとめ。
著者
村田 昌則 小林 淳 青木 かおり 高橋 尚志 西澤 文勝 鈴木 毅彦
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.379-402, 2021-06-25 (Released:2021-07-20)
参考文献数
41
被引用文献数
2

Kozushima is a volcanic island, located in the northern part of the Izu Islands, approximately 170 km SSW of central Tokyo. The volcanism of Kozushima Volcano started at 80-60 ka and formed monogenetic volcanoes. The latest eruption occurred in AD 838, and was associated with the formation of the lava dome and pyroclastic cone of Tenjo-san. In order to contribute to the long-term forecasting of volcanic eruptions on the Izu Islands off Tokyo, the tephrostratigraphy and eruption history of Kozushima Volcano during the last 30,000 years is reconstructed. According to the geological surveys, the widespread Kikai-Akahoya (K-Ah; 7.3 cal ka) and Aira-Tanzawa (AT; 30.0 cal ka) tephras from southern Kyushu, and Niijima-Mukaiyama (Nj-My; AD 886), Niijima-Shikinejima (Nj-Sk; 8 cal ka) and Niijima-Miyatsukayama (Nj-Mt; 12.8 cal ka) tephras from the Niijima Volcano 20 km NNE of Kozushima are recognized. Tephras that also erupted from Kozushima Volcano are Kozushima-Tenjosan (Kz-Tj; AD 838), Kozushima-Ananoyama (Kz-An; 7-9 c), Kozushima-Chichibuyama-A′ (Kz-CbA′; 14-12.8 cal ka), Kozushima-Chichibuyama-A (Kz-CbA; 30-22 cal ka), and Kozushima-Chichibuyama-B (Kz-CbB; ca. 30 ka). Kz-An is formed by the activity of the northern volcanic chains (Kobe-yama–Anano-yama–Hanatate) just before the Tenjo-san eruption. Kz-CbA′ is distributed in southern Kozushima. Source vent and distribution of Kz-CbA′ have not yet been identified. The eruption history of Kozushima volcano over the last 30,000 years is as follows. At ca. 30 ka, Kz-CbB erupted in the central Kozushima, and the Nachi-san dome and Takodo-yama dome formed. At 30-22 ka, the Kz-CbA eruption in the southern Kozushima and the formation of the southern volcanic chain occurred. After the eruption of Kz-CbA′, the formation of the northern volcanic chain was followed by the eruption of Tenjo-san volcano. In addition, the eruption rate of Kozushima volcano is estimated during the last 30,000 years to be approximately 0.06 km3/1000 y in DRE.
著者
垂石 智重子 上松 友希 酢谷 朋子 高田 基志 鈴木 照
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.39-42, 2014-01-01 (Released:2014-01-22)
参考文献数
13

若年2型糖尿病に合併した糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoasidosis, DKA)により心停止を来した症例を経験した。症例は35歳,男性。2型糖尿病に対し内服治療を受けていた。全身倦怠感を訴え近医に往診を依頼した。診察中に意識消失したため当院救急外来に搬送された。到着後心停止となったが,31分間の心肺蘇生にて自己心拍が再開しICU入室となった。ICU入室時,著明な高カリウム血症と低ナトリウム血症,高血糖を認め,さらに浸透圧利尿による血液濃縮を認めた。軽度低体温療法を施行しつつ,血糖,電解質補正および循環管理を行った結果,第13病日に症状改善し,ICUを退室した。2型糖尿病は本来ケトーシス抵抗性であるが,本症例では清涼飲料水の多飲により,いわゆるソフトドリンクケトーシスを引き起こし,それに伴うアシドーシスなどが誘引となり高カリウム血症を来し心停止に至ったと考えられた。
著者
鈴木 徹 竹内 友里 益田 和徳 渡辺 学 白樫 了 福田 裕 鶴田 隆治 山本 和貴 古賀 信光 比留間 直也 一岡 順 高井 皓
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.371-386, 2009 (Released:2011-05-23)
参考文献数
24

Recently, several food refrigeration equipments that utilize magnetic field have attracted much attention from food production companies, consumers and mass media. However, the effectiveness of the freezers is not scientifically examined. Therefore, the effectiveness should be clarified by experiments or theoretical considerations. In this study, the effect of weak magnetic field (about 0.0005 T) on freezing process of several kinds of foods was investigated by using a specially designed freezer facilitated with magnetic field generator. The investigation included the comparison of freezing curves, drip amount, physicochemical evaluations on color and texture, observation of microstructure, and sensory evaluation. From the results of the control experiments, it can be concluded that weak magnetic field around 0.0005 T provided no significant difference on temperature history during freezing and on the qualities of frozen foods, within our experimental conditions.
著者
高鳥 浩介 高橋 恵子 鈴木 敏正 宇田川 俊一 倉田 浩
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.307-312_1, 1975-10-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
15

市販カビ醗酵型, 自然醗酵型サラミソーセージ31試料について菌類分布を調査し, 主要菌としてカビ醗酵型より P. cyclopium, P. viridicatum など Penicillum を,自然醗酵型より Cephalosporium sp., Mucor mucedo, M. racemosus, Aspergillus versicolor, P. cyclopium などを分離した. カビ醗酵型の Penicillum は主として加工上のスターターと考えられるが, 分離株の penicillic acid 産生能は認められず, カビ醗酵型ソーセージなどは食品衛生上一応支障ないものと考えられる.
著者
平井 啓 山村 麻予 鈴木 那納実 小川 朝生
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.27-34, 2021 (Released:2021-02-05)
参考文献数
27
被引用文献数
1

【目的】医療現場において,意思決定が困難である高齢者のがん治療事例の特徴と,医師による対応について探索的に明らかにする.【方法】腫瘍内科の医師7名に対してインタビューを実施した.調査項目は,意思決定困難な事例やその対応,意思決定支援に関することである.逐語記録をもとにカテゴリー分析を行った.【結果】まず,意思決定困難な事例は,認知機能・身体機能を含む[患者要因]と,周囲の状態である[環境要因]の二つに大別された.前者はさらに特性要因と疾病・加齢による要因に分けられる.次に,医師の対応は,[アセスメント]と[対応スキル],および[環境対応]の3カテゴリーとなった.【考察】患者への情報提供のために,患者要因や環境要因のアセスメントを行ったうえで,それぞれに対応するスキルを発揮する必要がある.具体的なスキルとしては,患者に応じた説明,目標の立案,ナッジを使うことが挙げられた.
著者
鈴木 泉 山本 正悟 塩山 陽子 藤田 博己
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第57回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2005 (Released:2005-10-17)

陸生ヘビ類へのマダニ寄生例に関する報告は少ない.そこで,宮崎県宮崎市内の1地域(K渓谷)でヘビ類を捕獲し,その種類と寄生マダニについて調査した.ヘビ類捕獲時に触診法と視診法でマダニ寄生が確認された場合には,飽血までヘビ類を飼育してマダニを採取した.また,マダニ付着を認めない場合も,許される範囲で約2週間飼育し,寄生の有無を確認した. 調査地域ではシマヘビ,ヤマカガシ,アオダイショウを主体に7種類のヘビの棲息が観察されている.今回,ヤマカガシ,マムシ,アオダイショウでマダニ寄生が認められたが,寄生種はタカサゴキララマダニ若虫のみで,成虫や幼虫の寄生は確認されなかった.また,フラッグスィープ法で行なった同地域のマダニ相の調査では,チマダニ属が優勢で,タカサゴキララマダニの採取例は希であった. 以上の結果から,ヘビがタカサゴキララマダニの生活環の中の一部に含まれていること,ヘビ捕獲法がマダニ相の調査に有用なことが示された.
著者
伊関 千書 鈴木 雅雄 古田 大河 佐橋 佳郎 鈴木 朋子 金子 明代 上野 孝治 三潴 忠道
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.131-139, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
39
被引用文献数
1

症例は45歳女性で,X-2年4月より全身性疼痛,発熱,倦怠感,冷え,下痢,食欲不振,めまい,頭痛,不眠などを発症し,X-1年5月に当センターにて線維筋痛症と診断された。X 年5月に入院時,慢性疲労症候群も合併していると診断された。手の少陰経と太陽経に発汗と血管攣縮を伴う疼痛発作が毎日出現しており,複合局所疼痛症候群(CRPS)と診断された。通脈四逆湯(乾姜9g,甘草4g,烏頭6g)を処方後,ほとんどの症状の軽減がみられ,CRPS 発作には大烏頭煎(烏頭1g,蜂蜜10g)の頓服が有効であった。鍼灸治療では,心気血両虚証と心庳証に対し,神門,内関,三陰交,太衝,足三里,陰陵泉,心兪,肩中兪,風池へ配穴し低周波鍼通電治療(1~4Hz)を併用し,手の少陰経と少陽経へは子午流注経絡弁証も用いたところCRPS 発作頻度が減少した。湯液と鍼灸の併用は,難治性の疼痛症候群合併症例に有効であった。
著者
堀畑 聡 新家 光雄 野崎 隆宏 赤堀 俊和 鈴木 亨 曽根 圭司 庭田 俊一 福田 徳久
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.803, pp.2240-2249, 2013 (Released:2013-07-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Traditionally, the metal mouthpieces of trumpets have been generally made of brass. However, for musicians who suffer from metal allergies, the use of the mouthpiece sometimes lead to inflammation of the lip if they are taking part in a long performance. This problem can be solved by using allergy-free pure titanium (titanium) and its alloys as the material for the mouthpiece. Therefore, a titanium alloy composed of non-toxic and allergy free elements has been designed. However, because their heat conductivity is generally poor, and they contain α phase with its HCP (hexagonal closed packed structure having structure, which restrict slip systems, forming them into suitable shapes can be very difficult. Therefore, precision casting method, where only final finishing was conducted by machining, applied for fabricating the mouthpieces of trumpets. Important considerations for use in musical instruments are the material characteristics and the sound characteristics of mouthpieces made of titanium alloy. Research on the material characteristics of titanium alloy mouthpieces is currently being undertaken. On the other hand, the sound characteristics of mouthpieces made of titanium alloy have not been examined sufficiently. In this study, the sound and the vibration characteristics of two kinds of mouthpieces made of titanium and Ti-Nb was examined. The adaptability of these materials for use in mouthpieces of trumpets was discussed by comparing the sound characteristics of mouthpieces of trumpets made of titanium, Ti-Nb, and brass.