著者
霜野 慧亮 中野 公彦 鈴木 彰一 岩崎 克康 須田 義大
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.85-89, 2022-02-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
11

自動運転の社会実装には,実際の交通環境下で自動運転車両がどのように走行しているのかを,社会に対して適切に伝えることが望ましい.実交通環境下での自動運転車両の走行データ収集は,そのようなコミュニケーションの際に有用な情報をもたらすだけでなく,より高度な自動運転車両の機能開発や運用上の工夫等の観点からも,有益な情報をもたらすと期待される.柏市柏の葉地区では,2019 年11 月から長期間実証実験として自動運転バスが営業走行している.この取り組みは,長期間にわたり自動運転車両が走行していることから,将来的に自動運転車両が実装された際の状況に比較的近い状態にあると考えられる.この自動運転バスにドライビングレコーダを搭載し,運転手による手動介入時の映像データ取得を行い,介入時の周辺交通や道路環境の要因について分析を行う取り組みを開始している.本稿では,この取り組みの概要を紹介する.
著者
山本 哲矢 岩田 綾子 河内 涼子 湯田 泰明 鈴木 秀俊
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.10, pp.792-805, 2021-10-01

国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project (3GPP)では,第5世代移動通信システム(5G: 5th Generation mobile communication systems)の無線インタフェースの一つであるNew Radio (NR)の規格標準化が進められている.NRでは,モバイルブロードバンドの高度化(eMBB: enhanced Mobile Broadband)だけでなく,超高信頼・低遅延通信(URLLC: Ultra Reliable and Low Latency Communication)もサポートする.URLLCの基本機能は,Release 15において仕様化され,Release 16では,URLLCの適用範囲拡大のための仕様化が進められた.本論文では,URLLC実現のための基盤となる技術に焦点を当て,3GPP Release 15及びRelease 16において規格化されたNRの主要無線アクセス技術について解説するとともに,それら技術の適用効果を無線区間遅延評価により明らかにする.また,Release 17において検討されている技術課題についても紹介する.
著者
小畠 厳貴 和田 雄高 徳重 克彦 辻村 学 當間 康 鈴木 作 小寺 章
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.407-408, 2008

In this paper, polishing performance of ECP-C, which is a kind of ECMP(Electro-Chemical Mechanical Polishing), at Cu clear process is discribed. After Cu clear, it was found that erosion was below 10nm and Cu residue was not observed. However, it was also found that dishing was over 100nm and it significantly increased with over polish time. This increase is assumed of electrochemical ething due to low electrical insulation property of Cu complex formed in ECP-C. Therefore, it is considered that the improvement in electrical insulation property is necessary for applying ECP-C to Cu clear process.
著者
大久保 達弘 深澤 瑛一 鈴木 紘子 逢沢 峰昭 飯塚 和也
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.130, 2019

<p>リターフォールは、森林生態系の林冠から林床への放射性セシウム(RCs)の移行媒体、腐葉土製造の原料であるが、両者を関連づける情報は少ない。本研究は、福島第一原発事故後の栃木県のRCs初期沈着量の違う3ヶ所のコナラ林において、リターフォール、林床堆積有機物層(A<sub>0</sub>)および土層(A)のRCs濃度の7年間の変化、樹上生枝葉との比較、将来の腐葉土製造再開の可能性を考察した。リターフォール内の葉のRCs濃度は、事故直後はRCs初期沈着量の順に低くなったが、いずれの場所も林床のA<sub>0</sub>層濃度と比べ低かった。これはRCs初期沈着量に応じて林冠でのRCs沈着量が増加したが、事故当時コナラは展葉前で直接林床に降下沈着したためである。コナラ樹上枝葉のRCs濃度の季節変化(2015)は、当年枝葉は開葉直後の4月、5月が最も高く、その後はともに減少し、落葉期は葉で減少、当年枝は上昇した。以上の結果は開葉落葉に伴う枝葉のRCsの移行が枝内で限定していることを示唆する。将来的な腐葉土製造再開の可能性を知るためのA<sub>0</sub>層中のRCs濃度の減衰曲線は負の指数関数で近似され、初期沈着量の違いに応じて暫定許容値(400Bq/Kg)を超える期間が延長すると予測される。</p>
著者
島田 一雄 若林 良二 鈴木 弘 武藤 憲司 田中 健二 浅井 紀久夫 結城 皖曠 近藤 喜美夫 シマダ カズオ ワカバヤシ リョウジ スズキ ヒロシ ムトウ ケンジ タナカ ケンジ アサイ キクオ ユウキ キヨヒロ コンドウ キミオ Kazuo Shimada Ryoji Wakabayashi Hiroshi Suzuki Kenji Muto Kenji Tanaka Kikuo Asai Kiyohiro Yuki Kimio Kondo
雑誌
メディア教育研究
巻号頁・発行日
vol.2, pp.29-42, 1999

現在、国内の高等教育機関が利用している2つのディジタル衛星通信システム、SCSとUnSATを接続して、1997年に都立航空高専で開催された2つのイベントを全国の大学・高専に配信する実験を行った結果について述べる。最初にSCSとUnSATの概要を述べ、続いて、「高等技術教育フォーラム'97」の内容を紹介する。次に、このフォーラム配信実験システムと実験方法を示し、予備実験とフォーラム当日の本実験について述べる。さらに、予備実験に対する航空高専学生と本実験に対する受信各局の参加者へのアンケート調査で得られた主観評価結果を示す。続いて、「第5回衛星設計コンテスト」の内容とその配信実験の概要を述べ、受信各局の参加者へのアンケート調査で得られた主観評価結果を示し、両実験の主観評価結果の比較を行う。最後に考察を行い、衛星通信の教育利用に対する問題点の分析と解決の指針、知見を述べ、異なる2衛星通信システム接続による教育・研究交流ネットワーク構築への手がかりが得られたことを示す。Experiments on a new distribution system formed by joining two digital satellite communication systems, SCS and UnSAT, were successfully carried out. The "Advanced Technological Education Forum '97"and the "Fifth Satellite Design Contest" were distributed experimentally from Tokyo Metropolitan College of Aeronautical Engineering to universities and national colleges in 1997. The present study showed that the satellite communication network constructed by joining SCS and UnSAT can be applied practically for the educational and research activites. After a brief introduction of SCS and UnSAT, we describe our method of constructing the system and present the results of a questionnaire investigation.
著者
石井 智恵美 鈴木 敦子 倉田 元子 表 美守
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.984-987, 1990-12-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
22
被引用文献数
2

アントシアニン色素の熱安定性を明らかにするため,ナス果皮の凍結真空乾燥粉末およびこの粉末より0.1%塩酸-メタノールで抽出した粗色素液を用いて検討した.色素抽出液のアントシアニンの熱分解は50℃と60℃で,また凍結乾燥粉末のそれは100℃, 120℃で行い,経時的なアントシアニンの残存率を測定した.得られた結果はアントシアニンの分解の速度論的データ(k, 4△G≠, Ea, △艾H≠, △S≠)を用いて示した.1) 0.1%塩酸-メタノール液中の総アントシアニンの褪色は,熱安定性を検討する上で変化が明確であり再現性も良い.特にナスニンは光の影響を受けにくかった.2) 凍結真空乾燥粉末を用いた場合は, 100℃, 120℃加熱とも60分までは総アントシアニン残存率,反応速度とも大きな変化が見られなかった.加熱時間が120分になると, 120℃加熱において速やかなナスニンの分解が観察された.
著者
佐々木 陽 鈴木 隆一郎 堀内 成人 松宮 和人 荒尾 雅代
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.610-616, 1977-09-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
17

Prediabetesへのアプローチの一方法として, 3歳3ヵ月で発病した小児糖尿病の血縁者で, 祖父母の同胞およびその子孫までに至る61名中55名の検査を行い, その糖代謝およびIRI反応について検討した.1) 糖代謝異常は55名中14名 (25.5%) にみられ著しく高率であった.これを患児の4親等以内の血縁者 (Group I) と5親等以上のもの (Group II) の別にみると, Group Iにやや頻度が高く, とくに0~19歳の若年層で7名中2名に糖代謝異常がみられた.平均血糖値は0~19歳の年齢層を除いて, 両Group間にとくに差はみられなかった.2) 糖代謝の正常な35名についてIRI反応を両Groupで比較すると, 患児と血縁関係の近いGroup Iでは血縁関係の遠いGroup IIに比しIRI反応が低く, またすでに報告したインスリン分泌の指標, IRI面積/血糖面積比も低下する傾向のあることが認められた.以上の結果, 糖尿病患児の糖代謝正常な近親者でもIRI反応が低下しており, prediabetesにおけるインスリン分泌の減退が示唆された.
著者
馬養 浩一 伊藤 浩 藤井 亮介 鈴木 光義 浅井 光太郎 村上 篤道
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.606-613, 2005
被引用文献数
1

動画像用電子透かし検出のための,新しい同期回復方法を提案する.従来の静止画を対象にした同期回復手法では,同期回復に要する計算量の問題などがあり,これらの手法をそのまま動画の同期回復に適用できない.そこで,本稿では動画像の時間方向の特徴を利用した同期回復によりこれらの問題を解決した.提案手法では,電子透かし信号を時間方向にスペクトラム拡散して動画像の各フレームに埋め込む.同期の回復では,まず,動画像を逆拡散してフレーム積分データを生成し,データの分散を利用して時間同期を回復する.このとき電子透かし信号がデータ上に幾何学パターンとして現れるので,次に幾何学パターンの規則性に基づいた効率的な相関計算により空間同期を回復する.違法コピー形態を想定した実験を行い,HD-SD ダウンコンバート後にアナログVTRコピーを実施した映像においても,同期回復後に電子透かしを正しく検出できることを確認した.
著者
鈴木 博信 Hakushin Suzuki
雑誌
桃山学院大学社会学論集 = ST. ANDREW'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL REVIEW (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.1-16, 1998-03-31

Western leaders and mass media, including their Japanese counterparts, quick to claim "victory" in the cold war, never took a close look at the "losers". It was assumed that Russians would take to Western forms of economic and polifical development as eagerly as they had bought Western jeans and rock music tapes on the black market. The West's, that is, our biggest mistake was to have expected more than Russia was able to become. We did not fully understand how sick Soviet society was. There was, on top of everything else, no trusted new "elite" to replace the old. A truly non-partisan civil service has always eluded Russian governments. And the so-called democrats or reformers in power are themselves nomenklatura people, their children and their acquaintances. In a word, the system never collapsed after August, 1991, despite the appearance. S. Handelman, Canadian joumalist and author of ≪Comrade Criminal≫, elucidates, in his work, that the bureaucrats and managers of the former regime acquired new capital and political strength by exploiting the legal vacuum left by departing Communist authorities. Thus, a post-Soviet mafiya emerged, in corporating (1)the most entrepreneurial element of the former nomenklatura and (2)the gangster capitalism of the new. The Comrade criminal-the personification of this new force that combines the just mentioned two elements-is now setting the rules of game in Russia. Inspired by Mr. Handelman's sardonic insight, I try to trace here, both on local and national level, though in a very sketchy way, how the nomenklatura suruives. And by drawing this sketch, I want to clarify the essence of the organisation, that had been called the Communist Party of the Soviet Union.
著者
五十嵐 喜治 吉田 哲哉 鈴木 恵津子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.138-143, 1993-02-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
29 40

長者ナス(小ナス)から単離したナスニン,および他の2~3のアントシアニン色素が,リノール酸-リポキシダーゼによるβ-カロチンの退色,およびリノール酸の自動酸化に及ぼす影響について,それぞれ,カロチン退色法,ロダン鉄法を用いて検討した.pH 7においてカロチン退色法で測定した抗酸化効果はナスニンで最も強く,次いで,マルビン,ルブロブラッシンの順であった.pH 2.8においてロダン鉄法で測定した抗酸化効果も同じ傾向を示した.また,抗酸化効果はアグリコンのディルフィニジン,マルビジンおよびシアニジンにも認められたが,後2者の活性はそれらの配糖体と大差がなかった.ナスニンはディルフィニジンに比べて高い活性を示した.この結果はリノール酸の自動酸化系におけるナスニンの強い活性にそのp-クマール酸部分が関わっている可能性を示した.
著者
紅 玉 駒木 望 島津 朋之 鈴木 啓一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.327-332, 2013-08-25
参考文献数
8
被引用文献数
5

酸素消費量(O<SUB>2</SUB>C)について高(H系)低(L系)方向への選抜を行った.第6世代までは代謝体重当酸素消費量(O<SUB>2</SUB>C/MBW)を選抜形質とした.体重(BW),O<SUB>2</SUB>CとO<SUB>2</SUB>C/MBWの遺伝率はH系,L系統とも0.5前後の中程度だった.BWとO<SUB>2</SUB>C/MBWの遺伝相関はH系で-0.177,L系で-0.345だった.そのため,相関反応として,H系のBWはL系より小さくなった.そこで,第7世代から9世代まではO<SUB>2</SUB>Cを選抜形質として選抜を継続した.第9世代ではH系とL系間にBWの有意差は認められず,O<SUB>2</SUB>CとO<SUB>2</SUB>C/MBWの表型値と推定育種価はH系がL系より有意に高かった.選抜第8と9世代の両系統のマウス合計160匹を用い,4から7週齢までの飼料要求率を比較した.L系はH系より飼料要求率は有意に低かった.以上の結果からO<SUB>2</SUB>Cを選抜指標とした高低方向への選抜が飼料利用性の異なるマウス系統の作出に有効であることが明らとなった.