著者
松田 美和子 鈴木 恵美子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヒトが生まれつき体内でビタミンCを合成できない体内状態を模倣するため、ビタミンC生合成能を失ったGNL/SMP30ノックアウトマウスを用いた。ビタミンC欠乏が不安症・うつ病の誘発リスクとなる可能性を検証した。心の病に影響する成育環境に着目し、仲間が常に同じ安定群または仲間がたえず入れ替わる不安定群を比較した。ビタミンC欠乏では、ビタミンCを十分与えた期間に比べて、不安様行動とうつ様行動が悪化した。社会的安定群は新規ストレッサーに脆弱であり雄で顕著だった。社会的不安定群は血中グルタチオン濃度が有為に低かった。本研究の結果から、ビタミンCは精神疾患の予防に重要であることが示唆された。
著者
畠山 兵衛 鈴木 金道 飯塚 堯介 中野 準三 右田 伸彦
出版者
日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.1399-1402, 1967

リグノスルホン酸およびチオリグニンの過酢酸分解において,457mμの吸光度の減少と280mμのそれとの間には比例関係があることに基づき,両リグニンを過酢酸で酸化した場合の淡色化と,各種官能基の含有率の変化および低分子化との関係を考察した。<BR>1.280mμの吸光度に関与する構造型:フェノール性水酸基,カルボニル基および環開裂に由来するカルボキシル基をもっ6種の構造型を選び,これらの構造型を有するモデル化合物の280mμにおける吸光度を測定し,各構造型がリグニンの280mμの吸光度に関与する割合を調べた。各構造型の関与率は合計70%以上を示した。しかし,これらのモデル化合物は457mμにおいて吸光を示さないから,以上の各構造型はそのままの状態では可視部に吸光を示さない。<BR>2.過酢酸酸化および水素化ホウ素ナトリウム還元によるリグニンの色の変化:未処理,酸化処理,還元処理および酸化後に還元処理したリグニンにっいて,C.I.E.のXYZ系でリグニンの色を表示すると,明度は酸化,還元のいずれの処理によっても向上するが,酸化してから還元処理すると,著しく向上する。<BR>3.ゲルロ過法による分子量分布の比較:Sephadex G-25を用い,ゲルロ過法による分子量分布を測定し,過酢酸酸化による変化を検討した。その結果,リグニンの分子量が低下することを認めた。<BR>以上の結果を総括して過酢酸酸化によるリグニンの淡色化には,発色団あるいは助色団となる官能基あるいは芳香核が酸化によって減少することばかりでなく,低分子化も重要であると結論した。
著者
田波 洋 山田 喜紹 鈴木 聖 田崎 忠勝
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.121-127, 1969
被引用文献数
1

Inhibitory effect of formycin and formycin B on the intracellular multiplication of goat pneumonitis agent (GP), a member of <i>Chlamydia psittaci</i>, was investigated. Drug was added to the nutrient fluid at two hours after inoculation to monolayers of either Earle's L or Yasumura's VERO cell lines. Infective units produced in cells cultivated in media which containd the antibiotic at varying dosage were assayed after an incubation period for 48 hours at 37&deg;C. The &ldquo;inclusion forming units&rdquo; were assayed by the &ldquo;infected cell count method&rdquo;.<br>The inhibitory action of both formycin and formycin B on GP-agent was far more effective in VERO cells than in L cells. The growth of the psittacosis agent in VERO cells was completely inhibited by formycin at a level of 1.4mcg per ml, whereas the drug did not inhibit the multiplication of the agent at the same concentration when L cells were chosen. The result may indicate that the psittacosis agent itself is resistant to these drugs, and that the inhibitory action is a result of some inhibitory effects of the host cell metabolism.<br>The inhibitory effect of formycin and formycin B on the psittacosis agent can be reversed to some extent by an addition of excessive purine or purine nucleoside to the nutrient media. Inosine, Na-inosinate, adenine or adenosine reversed the inhibitory effect of the two antibiotics. However, guanine and guanosine did not reverse the inhibitory effect. This may suggest that these drugs act as purine analogues, inhibiting certain essential metabolic pathway where adenosine may act an important role.
著者
鈴木 賢一
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
no.19, pp.17-27, 2015-03-31

欧米の学校建築には、日本にはない多様な計画設計の実例がある。1)学校規模と南面教室配置、2)教える教室と学ぶ教室、3)魅力的な廊下、4)学習リソースの未来、5)学校の管理運営、6)場所から生まれる形、7)歴史を刻む学校、という7つの観点から、日本と欧米を比較しながら学校建築の計画条件と実際に構築された学習環境の違いを記述した。多様な姿かたちを表わす海外の学校建築を知ることは、建築技術以上に、前提となる考え方の違いに触れることである。ひいては、日本における学校の計画設計の選択肢を増やすことにもつながる
著者
遠藤 崇 鈴木 浩 速水 治夫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.13, pp.1-4, 2015-05-21

PC のデスクトップにイラストのキャラクターを配置し,画像の連続差し替えや画像周辺のバルーンにセリフを載せて,あたかもそこに喋るキャラクターがいるような感覚を提供するアプリケーションをデスクトップマスコットという.デスクトップマスコットは有志や企業などで開発され,多くは Web でプログラムが公開されている.また,新規にキャラクターを追加できるようになっており,ユーザによるキャラクターデータの追加がよく行われている.しかし,プログラムダウンロードの手間が必要なことや,ユーザが追加したキャラクターデータの評価がデータ作成者へフィードバックされにくいといった問題点があった.そこで著者らはブラウザ上で動作する,キャラクターデータの投稿や共有,評価が可能な Web アプリケーションを開発した.Web アプリケーションとして動作することにより,キャラクターデータの配布に留まらず,フィードバックが可能になった.
著者
神崎 宣次 石川 伸一 森山 花鈴 服部 宏充 太田 和彦 斉藤 了文 篭橋 一輝 杉本 俊介 鈴木 晃志郎
出版者
南山大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2021-07-09

本研究の目的は次の二つです。第一に、人と各種サービス、技術、自然などの多様な要素の複合体としての都市を、個別の要素に着目するのではなく、それらの複合性に焦点を置いて分析し、都市の現在の問題と今後のあるべき姿を明らかにします。具体的には食、レジリエンス、情報、経済、そして倫理の観点を相互に連関したものとして分析します。第二に、このような学際的研究を遂行するために必要な研究手法を開発するため、プロジェクト組織を工夫することを含めた方法論のパッケージとして本研究をデザインしています。そして、都市を対象とした研究をそのモデルケースとして実施することで、方法論としての有効性を示します。
著者
吉村 哲彦 中野 美穂 千原 敬也 鈴木 保志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第131回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.189, 2020-05-25 (Released:2020-07-27)

日本の各地で放置竹林の拡大が課題となっており、その対策として竹の伐採・搬出を伴う竹林整備が行われている。竹の内部は空洞であるため、その重量は一般的な木材に比べて軽量であるが、生産性や安全性の観点から機械化が必要ではないと考えた。そこで、本研究ではチェーンソーのエンジンを動力とするカナダ製のチェーンソーウインチ(Lewis Winch 400 MK2)を用いて、竹の長材および短材の搬出作業を下げ荷で行った。比較のために、人力による搬出作業も行った。その際、生産性と労働負担を明らかにするために、搬出作業のビデオ撮影を行い、あわせて心拍計(Polar製OH1)を作業者に装着して心拍数を計測した。その結果、生産性の観点でも作業負担の観点でも短材による搬出が不利になることがわかった。生産性の観点では人力による搬出が有利となるが、人力による竹の搬出作業の労働負担は極めて高く、継続的な作業は好ましくないことも明らかになった。結論として、竹の搬出作業は短時間であれば人力でよいが、長時間継続する場合にはチェーンソーウインチのような機械を用いる必要があることが示された。
著者
亀井 啓一郎 原 美登里 鈴木 厚志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers
巻号頁・発行日
no.69, 2006-03-10
参考文献数
1

1 はじめに<BR> モノやヒトや自己との対話をとおし、協力・協働のある学びが提唱されて久しい。地理教育に関する文献では、古くから野外観察や野外調査に基づいて自ら情報を目的に応じて収集・処理し、それを解釈・判断し、自らの考えを述べる能力育成の大切さが指摘されてきた。自らの観察や調査によって構成された心象は、視聴覚教材等によって得られたものより狭い地域範囲にとどまるが、観察や調査に基づき得られた内容には深さと多角的側面が備わり、地域を認識する基礎となるためである。このようなことが指摘されてきたにもかかわらず、それらを実践する組織的な方法や、評価・展示のための仕組みを十分に構築してきたとはいえない。本発表は、4年目を迎えた「彩の国環境地図作品展」の実践報告である。これにより、地理教育の基礎・基本を視座に据えた、大学と地域社会との協働ネットワークづくりの一端を紹介したい。<BR><BR>2 「彩の国環境地図作品展」の組織と概要<BR> 「彩の国環境地図作品展」は、2002年度より埼玉県内の小・中・高・特殊教育諸学校に在籍する児童・生徒を対象として開始している。立正大学地球環境科学部と埼玉県北部地域創造センターは、県の推進する「職・住・遊・学」拡充戦略の一つにこの地図作品展を位置付けた。そのため、当初より埼玉県や埼玉県教育委員会、熊谷市教育委員会、地元の現職教員、生涯教育施設の長に実行委員として参加頂き、初年度の組織を立ち上げた。2005年度の実行委員は総勢17名、その内10名は県内諸機関から参加頂いている。 後援団体としては、埼玉県やさいたま市、教育委員会、公益法人、そして日本地理学会をはじめとする地理学・地図学系学会に協力を依頼している。また、東京電力(株)埼玉支店には、特別協賛という形で発表会・表彰式の会場を提供頂いている。 2005年度の「彩の国環境地図作品展」の年間日程は以下の通りである。5月から6月にかけて、埼玉県内の小・中・高校や生涯教育施設などに作品募集のポスター・チラシを配布し、作品応募を呼びかけた。作品の受付は9月2日から16日である。10月に作品審査となる実行委員会を開催し、11月から翌年2月にかけて、発表会・表彰式と作品展示会を開催している。 なお、この地図作品展の事業経費は、立正大学地球環境科学部予算と同大学院にて実施するオープンリサーチセンター経費から支出されている。<BR><BR>3 地域協働ネットワークづくり<BR>産官学協同事業の事例を示す。「彩の国環境地図作品展」の作品募集の一環として、「地図作り教室」を開催している。開催当初は、立正大学地球環境科学部の施設のみで観察・調査・地図作成のすべてを行っていた。2004年からは、北本市にある埼玉県自然学習センターとの事業として、7月の第3・4週の土曜日に開催している。「地図作り教室」では自然学習センターの指導員が中心となり、自然学習センターのある自然観察公園で観察・調査を行い、その翌週、立正大学地球環境科学部において地図化と発表会を行っている。さらに、2005年は熊谷市環境対策課と協働で「地図作り教室」を開催している。入賞作品については、発表会・表彰式を開催し公表している。発表会・表彰式は、東京電力(株)の普及施設であるTEPCO SONICを会場とし、実行委員や国土地理院や埼玉県などの授賞団体の関係者に出席頂いて開催している。作品展は巡回展示により行っている。展示会場はTEPCO SONIC・埼玉県自然学習センター・さいたま川の博物館・立正大学熊谷キャンパスで、入賞作品だけではなく、多くの応募作品を展示・公開できるように配慮している。このように、発表会・表彰式と巡回展示においても地域社会との協働体制を推進している。<BR><BR>4 作品の特徴<BR> 2005年度の応募は34作品であった。そのうち10作品を入賞作品として選出した。入賞作品を学年別にみると、小学生5作品、中学生3作品、高校生1作品、中学生と高校生のグループによるものが1作品である。このうち、国土地理院長賞を受賞したのは、熊谷市立佐谷田小学校元荒川環境調査隊H17の「がんばれムサシトミヨ!ムサシトミヨの食料編」である。また、埼玉県知事賞と日本地理学会長賞を受賞したのは、こどもエコクラブザ・すぎちゃんズの「ようこそ鳥さん元荒川へ」である。両作品とも埼玉県内を流れる元荒川をテーマとしてグループで観察・調査をし、その結果を図表や写真を用いて表現豊かにまとめた作品である。これらは、本地図作品展の目的の一つである、身近な環境や地域の姿を自ら観察・調査することを実践した質の高い作品である。また、このような作品は増える傾向にある。これは、われわれの取り組む事業の趣旨が出品者側にも伝わり、地域恊働ネットワークが少しずつ形成されている証拠ともいえよう。
著者
寺崎 寛章 齊田 光 藤本 明宏 山元 謙侑 鈴木 遥介 福原 輝幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_937-I_942, 2019

<p> 本研究では兵庫県北近畿豊岡自動車道路の円山川に架かる市御堂大橋を対象に,河川水熱を用いた無散水融雪(低温無散水)システムの伝熱性能を明らかにすることを目的として各観測を行った.長期観測では舗装温度,河川水温,貯水槽内水温および放熱管出入口水温を,短期観測ではそれらに加えてサーマルマッピングを行った.その結果,(1)外気温が6.7℃以下の時には本システムを導入した橋梁部舗装温度は土工部の舗装温度を上回った,(2)本システムにより,橋梁部では土工部と比較して路面凍結発生日数は約1/10になった,(3)本システムにおいて,河川水熱の約20%が路面の加温に消費されていた,(4)システム稼働期間における橋梁部の1時間当たりの温度低下は土工部よりも2倍程度遅い.</p>
著者
梅枝 覚 廣 純一郎 成田 公昌 岩永 孝雄 毛利 靖彦 北川 達士 松本 好市 木村 光政 鈴木 康弘
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.151-157, 2002 (Released:2009-12-03)
参考文献数
26
被引用文献数
2

症例は58歳の男性.2000年3月,粘血便,肛門痛を主訴に近医を受診した.大腸内視鏡検査で,直腸に多発性,不整形の潰瘍を認めた.生検では形質細胞の多い非特異性直腸炎の診断であった.4月に鼠径部リンパ節腫大あり,生検で肉芽腫性リンパ節炎と診断された.9月,粘血便,肛門痛,全身倦怠感増強にて来院入院した.肛門周囲,陰嚢に肉芽腫様皮膚病変を認めた.大腸内視鏡検査で直腸潰瘍直腸炎を認め,経肛門的超音波検査,CT,MRIで直腸壁の全周性の壁肥厚を認めた.梅毒反応(RPR定量)は128倍以上,梅毒反応(TPHA定量)は40,960倍,FTA-ABSIgMは5倍希釈(1+)であり,梅毒性直腸潰瘍,直腸炎と診断し治療を開始した.治療後3カ月で病変,血清抗体の陰性化を認めた.今回,直腸内視鏡検査での多発性不整形潰瘍および,経肛門的超音波検査,CT,MRIでの直腸の全周性全層性の肥厚は,梅毒性直腸炎に特徴的な所見と思われた.
著者
和田 健史 浦下 周一 上木原 健太 坂口 健 平山 亮 鈴木 龍介
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.295-297, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
7

症例は39歳男性,左上肢の脱力感および痺れを主訴に受診.CT検査にて異常な左第1肋骨が左第2肋骨に付着し,鎖骨と第1肋骨の間で左鎖骨下動脈が挟まれて瘤化しており,動脈性胸郭出口症候群の診断に至った.また左上腕動脈も血栓閉塞しており,血栓除去術を行ったのち,左鎖骨下動脈の人工血管置換術を施行した.異常な第1肋骨と左鎖骨下動脈瘤周囲は強固に癒着しており,切除は困難であったため狭窄部位を避けて人工血管を通して経路変更による血行再建を行った.胸郭出口症候群における異常な肋骨の切除は時に神経損傷や胸膜損傷等の合併症を来すことがあり,本術式は安全かつ有効な治療の選択肢となり得るため報告する.
著者
山内 翔 尾形 晃基 鈴木 恵二 川嶋 稔夫
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.768-782, 2018-07-15

近年,ドローンならではの山,海岸,湖沼など自然地形を対象とした映像を用いたプロモーションが積極的に行われている.こうした自然地形を対象としたドローン撮影では,人手での映像撮影が主流で,操作主の技量が必要とされている.しかし,広範囲にわたる撮影を計画的に,意図通りに,トラブルなく実施しようとする場合,人手では限界があり,ドローンの特性を活かした自動飛行による撮影を行うことが望ましい.そこで本稿では,自然地形を対象としたドローンの自動飛行による精密な映像撮影を行うため,安全に対象をモデリングし,そのモデルを用いた映像撮影用の飛行経路計画手法を提案する.その際,複数台のドローンを同時運用することを前提とし,機体間での性能のばらつきを吸収するための誤差検証方法を構築する.最後に,北海道道南地区の恵山道立自然公園で実際に本稿で提案する手法を用いた精密飛行による映像撮影を行い,本手法の有効性を検証した事例を示す.
著者
鈴木 誠
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0188, 2004

【はじめに】現在、某中学校サッカー部にてメディカルサポート活動を行っている。試合を前にして選手が筋肉の疼痛や張り、それに伴う関節可動域や筋力の低下といった筋肉痛と思われる症状を訴えることがあり、筆者が対応している。中学生という発育の加速期でもあるこの時期には、筋肉や筋腱付着部にトラブルを起こしやすく、スポーツ障害を招きやすいという事は過去の報告にも数多くある。しかし、筋肉痛に注目した中学校サッカー選手の報告は少ない。今回の調査では筋肉痛を訴えた選手の傾向に着目した。<BR>【目的】筋肉痛を訴えてきた中学校サッカー選手の傾向を分析する。また、中学生年代のサッカー選手に理学療法士(以下、PT)が関わる際の一考察を示す。<BR>【対象及び方法】対象は、2002,2003年の2年間で某中学校サッカー部に所属していた選手46名(12歳から15歳)のうち、公式戦(5大会)及び練習試合(1試合)において筋肉痛を訴え、メディカルサポートを行なった選手5名である。当チームは2002,2003年の2年連続県大会出場の実績を有する。調査は、事前にチェックリストを作成し選手にメディカルサポートを行った際、記入した。そのリストを、筋肉痛を訴えた選手の(1)ポジション(2)部位(3)学年についてそれぞれ分類した。<BR>【結果】(1)ポジションでみると、ディフェンダー(以下、DF)が4件,ミッドフィルダー(以下、MF)が1件であった。(2)部位は、腰部が2件,大腿部が5件であった。(3)学年においては、中学3年生が4件,中学1年生が1件であった。<BR>【考察】今回の結果では、DFの筋肉痛の訴えが多く、部位は腰部から下肢に集中していた。また、中学3年生の訴えが大半を占めていた。サッカーという競技の中で、DFは守備を中心とし、ボディーバランスを保ちながらボールを奪い守備を行なわなければならず、個人対個人の局面においては自身の意志とは別の、相手に応じた動きを強いられる事が多いという動作特性がある。このような動作は、筋肉が伸張しながら張力を発揮する伸張性収縮の連続であり、これが試合中常に繰り返されていると考えられる。筋肉痛は筋肉の伸張性収縮運動時に発生すると言われている。よって、DFの動作特性から筋肉への過剰な刺激が負担となった結果、筋肉痛を誘発しているのではないかと考えられる。また中学3年生という学年は発育の加速期でもあり、骨の伸びに対し筋肉や腱の成長が伴わず相対的に柔軟性が低下する時期でもあることも、原因として考えられる。そこでPTが関わる際には、ポジションごとの動作特性を把握した上でのケアが必要であると考えられる。また、中学生年代の選手にはトレーニングはもちろんのこと、ストレッチやマッサージ、クーリングダウンといった日頃のケアの実施と啓蒙活動が必要ではないかと考えられる。今回の研究は症例数が少ないため、今後さらなる調査研究が必要だと考えられる。
著者
酒井 裕二 鈴木 将史
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス = / Japan oil chemists' society (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-96, 2004-03-01
参考文献数
46

基礎化粧品とエマルションは密接に関連し合っている。そのため, エマルション技術の向上が化粧品の品質向上につながり, 化粧品技術の進歩がエマルション研究を底上げする図式となっている。このような視点から, 筆者らはジグリセロールテトラオレート (DGTO) を開発し, その特異的乳化挙動と化粧品のクレンジングへの応用について検討した。乳化挙動においては, O/W乳化傾向が高いこと, 界面張力が低いこと, 液晶への溶解性が低いこと, 吸油量が低いことが他の油と比較して際立っていた。このため, この油を配合したクレンジングクリームは, 高いクレンジング機能を有することが分かった。これらの特性の要因として, 有機概念図上の有機性値と無機性値が高いことが考えられた。
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る