著者
足立 直人 大沼 悌一 久野 武 村松 玲美 鈴木 一郎
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.260-267, 1992
被引用文献数
1

側頭葉てんかん (TLE) 患者27例と特発性全般てんかん (IGE) 患者25例, 健康正常者 (健常者) 18例に対しDot counting testを行い, その注意認知機能を測定した。てんかん群において, Dot counting testの成績 (DC score) と年齢, 性, てんかん罹病期間, 発作頻度との相関はなく, わずかに知能との相関を認めた。<BR>てんかん類型ごとに健常者群と比較したところ, TLE群は有意な低成績 (p=0.006) を示したがIGE群は有意な差はなく, TLE群に注意の障害が多く認められた。<BR>服用抗てんかん薬についてみると, 多剤服用群は健常者群に比して有意に低成績であり, 単剤服用群は有意な差を認めなかった。服用抗てんかん薬の種類による成績の差を認めなかった。ただしPHT服用患者の血中PHT濃度は, DC scoreとの間に有意な負の相関を認めた。
著者
鈴木 晴子 佐々 牧雄 永見 豊
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

インターネットが発達し、手紙が衰退しているので、若者に手紙の良さを再認識させ、手紙を書くためのきっかけをつくる。<br>手紙をかかない若者へ訴求するために広告に絞った。大学生を集めた座談会を開いた結果、手紙には温かみがあるという、手紙を書くタイミングがわからないということがあげられた。普段はテレビCMは目にしないということで、トレインチャンネル広告に絞った。<br> 手紙のあたたかみやぬくもりをテーマにした15秒のアニメーションと、ふみの日を伝えて手紙をかくきっかけをつくる30秒の動画を制作した。この動画を視聴することで若者たちは、手紙をかくきっかけをつくり興味を持つと期待できる。
著者
波戸岡 清峰 瀬能 宏 矢野 幾維 鈴木 寿之
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.50, pp.47-53, 2021

八重山諸島西表島のユチン川の淡水域から <i>Gymnothorax polyuranodon</i> (Bleeker, 1853) と同定される本邦初記録のウツボ科魚類の一種が採集され、コクハンカワウツボという新標準和名を付し、標本の詳細な記載を行った。今回の出現は偶発的なものと思われるが、今後、保全生物学的観点から本種の動態を注視していく必要がある。
著者
鈴木 三郎
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學會雑誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.81-84, 1922

The broth used as the basis of various culture-media for bacteria does not contain so much protein as to meet the demand of the pathogenic bacteria for nitrogen and a certain amount of peptone should, therefore, be added to it. MARTIN recommended a process of meat digestion with the addition of pepsin while HOTTINGER used pancreatin for the same purpose; they obtained a broth with so much peptone that no addition of commercial peptone was required, but these methods are somewhat complex and require much time.<br>Recently the author devised a very simple method to prepare a broth rich in peptone, obtaining a good result by the use of papain, a vegetable digestive ferment, for the digestion of meat Papain acts most energetically at 85&deg;C, unlike pepsin and trypsin, and its action is complete in a few minutes, disappearing at a temperature of nearly 100&deg;C. The process is as follows:<br>1. For general use. Mix one pound of horse-flesh or beef with one litre of water; add 1.5gr. of papain and boil the mixture over the fire or in KOCH'S steam sterilizer. As the temperature of the mixture passes 85&deg;C, 70% of the protein of the meat will be transformed into peptone. Filter and wash the residue with water; mix the filtrate and the water used in washing the residue; fill up to 3 litres by adding water; add 30gr. of sodium chloride. In the filtrate thus prepared is contained about 2% of peptone.<br>2. For preparing materials for immunization. The process is similar to that just described above, but the quantity of papain should be reduced to 1/3 and the total amount of the broth up to one litre. In this case the protein digested is as much as 40% and the content of peptone in the broth as mounts to about 5, 4%.
著者
大塚 悠 鈴木 宏易 赤川 泉
出版者
東海大学海洋学部
雑誌
海-自然と文化 = Journal of the School of Marine Science and Technology : 東海大学紀要海洋学部 (ISSN:13487620)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-22, 2009

松島湾アマモ場におけるサンゴタツHippocampus mohnikeiの成魚の採集時間あたりの採集個体数(CPUE)は、2006年5〜7月は4.6-5.3で、8月に8.4に増加し、9月以降急減した。繁殖場のアマモが9月以降枯れていくために分散していると考えられる。大型の成魚は前年に産まれた個体、9〜11月にかけて採集された未成魚は、当歳魚であると推測される。成魚の雌雄の体長に有意差は見られなかった(雌、62.9±6.7mm SL;雄、66.2±8.9mm SL)。採集された全個体の性比は有意に雌に偏っており、月別では6、7月に有意に雌に偏っていた(雌/(雌+雄)6月、78.9;7月、81.3)。生殖腺の組織学的な観察では、卵巣と精巣は共に体腔背壁より伸展する生殖腺間膜によって垂下する左右一対の器官で、卵巣はのう状、精巣は管状であった。卵巣はロール状を呈する特徴的な卵巣薄板を有し、その内部には基部付近に卵原細胞が存在し、薄板の先端部に向かって卵母細胞が成長順に分布していた。精巣は肥厚した被膜で覆われ、内部には精小のうが存在していた。精巣被膜壁に沿って精原細胞が位置し、精巣内腔に向かって順次精母細胞が分布しており、内腔内には遊離した精細胞や精子が観察された。雄では5〜11月のすべての成魚で精子が観察された。卵巣では、5月末に採集された雌で既に成熟期卵母細胞が観察された。6月末にはさらに増加しており、8月末に最も成熟期卵母細胞の割合が高くなった。したがって、2006年の松島湾における本種の繁殖期は5〜9月までの5ヶ月続いていると示唆された。
著者
髙木 龍太 鈴木 夏海 入野 浩之 伊藤 このみ 伊東 隆臣 浅川 満彦
出版者
日本獣医寄生虫学会
雑誌
獣医寄生虫学会誌 (ISSN:1347961X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.50-52, 2020

四国沖で捕獲され、高知県土佐清水市に所在する大阪・海遊館以布利センターの飼育プールで約11カ月間飼育されたジンベエザメRhincodon typus Smith, 1828の口腔壁から、ハナガタムシAnthosoma crassum (Abildgaard, 1794)(カイアシ亜綱ツツウオジラミ科Dichelesthiidae)に類似した雄成体1個体が見出された。種同定には形態の精査が必要であり、今後の課題となる。今回の報告により、日本産ジンベエザメからは計4種の甲殻類が記録されたことになった。
著者
藤野 俊樹 栗原 康平 豊田 善隆 鈴木 大祐
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.16, pp.127-130, 2017

近年,夜間の防犯目的などで低照度環境でも撮影ができる監視カメラが必要とされている.低照度下での撮影動画に含まれるノイズを低減する手法として,動体領域を検出し物体ぶれを発生させずに複数フレームを加算するノイズ低減手法がある.ただし月明かり下での撮影のように,ノイズ量が多い環境下では,従来の手法はノイズを動体として誤認識してしまう課題がある. そこで我々は,緩和値を設けることでノイズ頑健性の高い動き検出処理を搭載したノイズ低減手法を提案する. 本提案手法は,入力画像と遅延画像から動き検出を行い,動き検出量に応じてノイズ低減量を変更する. 本提案手法を動画に対してシミュレーションを行った結果,ノイズ量を従来手法に対して約半分に低減できることを確認した.
著者
鈴木 宗徳 折原 浩
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は、マックス・ヴェーバー研究における全ての二次文献を、その年代・主題・言語を問わず網羅的に収集し、整理することにある。1905年から1964年までの邦文文献の収集にあたっては、東洋大学非常勤講師・三笘利幸氏による協力が、また、欧語文献の収集にあたっては、テュービンゲン大学教授・コンスタンツ・ザイファート教授による協力があった。研究代表者である鈴木宗徳は1964年以降の邦文文献の収集にあたり、研究分担者である折原浩は目録全体の編纂について監修を行なった。二年の研究期間のうちに、公表に値する網羅性と正確性を備えた目録として完成したのは、1905年から1964年までの邦文文献の目録のみである。われわれは本研究を継続し、最終的には目録全体をデータベースとして出版したい。研究の過程で明らかとなったもっと重要な成果は、黎明期における日本のヴェーバー研究の重要文献が数多く発見されたことである。ドイツにおいても日本のヴェーバー研究に関心が向けられている現在、本研究がもつ意義は小さくない。また近年のヴェーバー研究については、専門分化の傾向にもかかわらず、公刊された文献全体の数は依然増加していることが明らかとなった。
著者
渡辺 英夫 鈴木 修
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.287-292, 1990-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

数種類のα-アミラーゼ阻害剤の効果, α-アミラーゼ作用を抑制した場合の発芽処理麦の特性について実験を行い次の結果を得た. 1) 従来の色素でん粉法に若干の改良を加えた簡便方法によりα-アミラーゼ活性の測定を行い,阻害剤の影響を比較した.硝酸銀,硝酸銅, EDTA,硫酸ヒドラジンは, 0.1Mでα-アミラーゼに対し高い阻害効果を示した.特にEDTAは, α-アミラーゼそのものに対する阻害剤で取り扱いも容易なことから,利点が認められた. 2) 発芽処理麦から調製した小麦粉,小麦でん粉のアミログラム特性,フォーリングナンバー値は阻害剤を添加することにより健全麦からのものに類似したものとなったことから,発芽処理麦ではでん粉そのものはそれ程障害を受けていないが生地等になって初めて活性化したα-アミラーゼの作用を受け糊化特性の劣化を呈することが確認された. 3) EDTA等の阻害剤を使用することにより,発芽小麦の潜在的なビスコグラム最高粘度,フォーリングナンバー値をでん粉の単離,トルエン処理等を行うことなく測定する可能性が認められた.
著者
鈴木 道男 山下 博司 藤田 恭子 佐藤 雪野
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ディアスポラ存続の条件として、構成員によるアイデンティティーの共有がある。しかし、他文化の中に暮らす人々にとって、アイデンティティーの再確認がなくては、「故国」、「民族」は意識から遠のく。それが同化のプロセスの一面であるが、マイノリティにとってその結束の拠所である「故国」、「民族」、「歴史」は彼らが不動のものとして捉えている規範通りのものではない。むしろ、これらのビジョンは常に変容し、それをもとに自らの立場を絶えず確認することで、彼らは継続的に結束を保っている。すなわち、永続的なデイアスポラとして存在するマイノリティには、その個々人の意識の有無は別として、結束の紐帯を再確認させ、たえず強化するする機構が必ず存在する。かかる共通認識の下、ディアスポラの維持・確認、あるいは創出の装置としての文学の諸相をとらえた。山下は、本来ディアスポラたちが形成した国家と目されているシンガポールにおいて、他国に住まうシンガポール人に対して、あらためてシンガポール系ディアスポラというまとまりを付与しようとする政府の政策と文学の位置づけを論じた。佐藤はドイツ語で書くチェコ人女流作家レンカ・レイネロヴァーに焦点を当て、主観性を伴う自伝や語りも、一つの時代を知る重要な資・史料であるとする立場から、ドイツ系チェコ人ディアスポラの激動の20世紀をたどろうとした。藤田は多文化の平和的共生が機能し、ドイツ語をあやつるユダヤ人の桃源郷とされてきたブコヴィナの像を、ユダヤ系女流詩人アウスレンダーの作品から抉り出し、ユダヤ人のアイデンティティ形成におけるその政治的意味を考察した。鈴木は、民族主義の高まりの中で、はじめて自らをマイノリティあるいはドイツ系ディスポラとして意識したトランシルヴァニアのドイツ系住民において、その結束の紐帯とて企図された詩集と、その国家社会主義的意図の意味について考察した。
著者
松尾 拓 中村 由紀子 鈴木 恒治
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.5, pp.888-895, 2015-05-05 (Released:2015-05-05)
参考文献数
30

症例は73歳,女性.局所進行乳癌に対してnab-パクリタキセルによる化学療法を受けていた.治療開始から約9カ月後に,肝機能障害のため化学療法は中止となった.MRCPとERCPでは肝門部胆管の狭窄と肝内胆管の口径不同を認め,nab-パクリタキセルによる二次性硬化性胆管炎が疑われた.同剤による二次性硬化性胆管炎の報告はこれまでになく,示唆に富む症例と思われ,報告する.
著者
周 仲光 鈴木 敏郎 津坂 辰男 鴨居 郁三
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.95-100, 1988

ニトロソアミンの食品衛生上の問題に関連して, 各種の原料生肉のNO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-塩類の含有量と, 畜肉加工品製造工程中におけるNO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>脚の消長について検討を行った。<BR>その結果, 各豚肉試料中のNO<SUB>2</SUB>-量は0.07-0.09PPm, NO<SUB>3</SUB>-量は約1.60-2.30PPmの範囲であり, いずれも微量で部位間にも大きな差は認められなかった。また, 鶏肉中のNO<SUB>2</SUB>- (0.07PPm) およびNO<SUB>3</SUB>- (1.92PPm) も豚肉と同様, その含有量はきわめて少なかった。しかし, 凍結ウサギ肉ではNO<SUB>2</SUB>- (0.29ppm) が豚肉の約4倍, NO<SUB>3</SUB>- (5.54ppm) で約3倍とその含有量は豚肉, 鶏肉に比べてかなり多くなっていた。<BR>一方, 塩漬工程中では, 香辛料の添加などにより, NO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-ともにその含有量は増加していた。また, 乾燥, くん煙, スチームクッキングなどの工程中に発色剤無添加製品でも, NO<SUB>2</SUB>-およびNO<SUB>3</SUB>-の双方が増加することが明らかになり, その含有量はくん煙条件などの違いによりかなり変動していた。<BR>次に, ロースハム中のNO<SUB>2</SUB>-の分布を調べたところ, 中心部のNO<SUB>2</SUB>-濃度は0.28PPmであり, 外部の0.62PPmに比べ, 明らかに低くなっていた。<BR>また, ピックル液中のNO<SUB>2</SUB>-塩濃度 (0-500ppm) を変えた場合, その添加量が増すにしたがって, ロースハム中のNO<SUB>2</SUB>-の残存量も増加していったが, 製品の肉色は, NO<SUB>2</SUB>-濃度が50ppm以上のであれば, 良好な色調が得られることが明らかになった。