著者
小野 真一 伊藤 芳久 石毛 久美子 井口 法男 小菅 康弘 浅見 覚 泉澤 恵 小林 弘子 林 宏行 鈴木 孝 岸川 幸生 畑 春実 小瀬 英司 田畑 恵市
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.11, pp.1419-1423, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

It has been recommended that active learning methods, such as team-based learning (TBL) and problem-based learning (PBL), be introduced into university classes by the Central Council for Education. As such, for the past 3 years, we have implemented TBL in a medical therapeutics course for 4-year students. Based upon our experience, TBL is characterized as follows: TBL needs fewer teachers than PBL to conduct a TBL module. TBL enables both students and teachers to recognize and confirm the learning results from preparation and reviewing. TBL grows students' responsibility for themselves and their teams, and likely facilitates learning activities through peer assessment.
著者
鈴木 長明
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-7, 2001-03-31 (Released:2010-10-08)
参考文献数
33
著者
滝澤 恵美 鈴木 雄太 伊東 元 鈴木 大輔 藤宮 峯子 内山 英一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100534, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】股関節内転筋群の内転作用以外は諸説あり不明な点が多い。これは,関節の肢位によって筋の作用が変化することが関係している。本研究は股関節の角度変化に伴う股関節内転筋群のモーメントアームの変化を調べ,その作用を検討した。なお,本研究ではDostalら(1981,1986)の方法(モーメントアーム・ベクトル,以下MAV)を用いてモーメントアームの各成分(屈曲/伸展,内転/外転,外旋/内旋)を算出した。【方法】1. 材料:死亡年齢84 〜98 歳(平均90 歳)の未固定標本5 体の右下肢を用いた。神経筋疾患を有した遺体,関節拘縮が見られる下肢は除外した。標本は骨盤〜大腿骨部分を使用し,関節包および恥骨筋(PE),短内転筋(AB),長内転筋(AL),大内転筋(AM)を残して計測した。なお,AMは大腿深動脈の貫通動脈を基準に4 つの筋束(AM1-AM4)に分けた。2. 計測:骨盤を木製ジグに固定し,大腿骨を屈曲・伸展方向に同一験者が動かした。その際,磁気式3D位置センサー(Polhemus社製)を用いて,骨および筋の参照点の座標変化を記録した。参照点は,筋の起始部と停止部,上前腸骨棘,恥骨結合,大転子,外側上顆,大腿骨頭上の3 点とした。また,筋の起始部と停止部の直線距離を計測し,筋腱複合体の長さ(筋長)とした。3. データ処理:大腿骨頭上の座標と骨頭の半径から骨頭中心の座標を非線形最小2 乗法で求めた。骨頭中心座標と参照点を用いて直交座標系を構成し,関節座標系を定義した。骨盤側の座標系を絶対座標系(GCS),大腿骨側を移動座標系(LCS)とした。GCSとLCSの関係から関節角度を求めた。筋の張力方向は,停止部から起始部へ向かう単位ベクトルとした。更に単位ベクトルと筋の停止から骨頭中心に向かうベクトルの外積から3 軸(屈曲/伸展,内転/外転,外旋/内旋)のMAVを求めた。MAVは,筋が1Nの張力を発揮した時の各軸周りの関節トルクの大きさと向きを示す。4. 分析:大腿長で標準化されたMAVおよび筋長と股関節屈曲角度の関係を2 次式で近似した。得られた近似式を用いて,15 度間隔で股関節屈曲-15°から75°の範囲におけるMAVと筋長の値を求めた。最大値を示したMAV成分を主成分,主成分の50%以上の値を示した成分を二次成分とした。【倫理的配慮、説明と同意】使用した遺体は,本人および家族が未固定遺体として使用されることを同意している。なお,本研究は札幌医科大学倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】股関節屈曲-15°から75°の範囲で,AM4 を除く全ての内転筋群の主成分は内転成分であった。一方,AM1 とPEを除き,外旋/内旋成分は常に小さな値を示した。屈曲角度の増加に伴い,AM4 を除く全ての筋の屈曲/伸展成分が屈曲から伸展に転換した。AM2 とAM3 は,それぞれ股関節屈曲45 度,75 度以上で伸展成分が二次的成分になった。AM4 の伸展成分は屈曲0 度以上で二次成分,さらに45 度以上では主成分となった。ALは股関節伸展15°で屈曲成分が二次成分となった。AM1,PE,ABでは二次成分を認めなかった。いずれの筋束も二次成分を示す股関節肢位で筋長は伸長位にあった。【考察】全屈曲角度を通じて,AM4 を除く股関節内転筋群の主成分は内転であったが,屈曲/伸展成分は各筋で異なる特徴を示した。大内転筋のAM2-AM4 は股関節屈曲位において伸展作用を有すると示唆される。特に,AM4 は股関節屈曲45 度以上では主成分が伸展になることから,股関節伸展筋としての要素が強い。ALは従来股関節屈曲位において股関節伸展作用を持つとみなされていたが,股関節屈曲位におけるALの伸展成分はそれほど大きくなく,また筋が弛緩する肢位のため,伸展作用は小さいと考えられる。ALは股関節伸展位で二次成分に屈曲を示し,加えて筋も伸長位にあることから,股関節伸展位近傍で屈筋作用を持つ筋であると考えた。【理学療法学研究としての意義】股関節内転筋群は下肢を内転させるだけの筋ではない。股関節に対する長内転筋の屈曲作用や大内転筋の伸展作用は,腸腰筋やハムストリングスのサブモーターとして機能していると考える。このため,内転筋群は効果的な運動療法を行う上でもっと考慮すべき筋である。
著者
植田 義夫 小野寺 建英 大谷 康弘 鈴木 晃
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.175-185, 2001-08-30 (Released:2017-03-20)
参考文献数
31
被引用文献数
2

The Myojin-sho volcano is one of the active submarine volcanos in the northern part of the Izu-Ogasawara arc about 400 km south of Tokyo. This volcano is a somma edifice of the Myojin-sho caldera, 6.5 km×8 km in diameter and 1000 m deep. The topography, seismic profiler, magnetic and gravity surveys around the Myojin-sho caldera were conducted by the Hydrographic Department, Japan (JHD) in 1998 and 1999. The geophysical structures of the caldera were derived, and the possible cause of the caldera formation is discussed. The residual gravity anomalies were calculated from the observed free-air anomalies by subtracting the gravity effect of 2-layer subbottom model structure, which amounts to 10 m Gals in a localized zone from the caldera to the northern somma. Bouguer gravity anomalies with the assumed density of 2.0 and 2.4 g/cm3 also show the positive anomaly over the same zone, which is accompanied by the acoustic and magnetic basement depression. Moreover, it seems that the sediment volume nearby Myojin-sho caldera cannot compensate the volume loss of caldera (20 to 41 km3). These features insist that the Myojin-sho caldera is caused by the collapse of the pre-caldera edifice rather than the explosion. The origin of the high gravity caldera may be ascribed to the magma pocket causing the depression, instead of the high density erupted material filling the caldera floor. The magnetization intensity of 4.8-5.3 A/m at the Myojin-sho volcano is derived from the magnetic anomaly, which may claim that the Myojin-sho volcano consists of andesitic to basaltic rock rather than dacitic rock. On the other hand, magnetization of the central cone of Takane-sho volcano is estimated to be 1.1-1.9 A/m, which is consistent with the fact that dacite pumices were sampled.
著者
鈴木 和夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.1073-1082, 1981-11-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
65
被引用文献数
6 5

Metallothionein is named for its characteristic structure, a low molecular weight metal-binding protein (61 amino acid residues) rich in cysteinyl residues (20 residues) and heavy metals (7 metals for zinc and cadmium). Heavy metals which can induce and can be bound to metallothionein are restricted to seven heavy metals (zinc, copper, cadmium, silver, mercury, gold, and bismuth). Namely, heavy metals with higher affinity than zinc can be bound in vivo to metallothionein.Other heavy metals such as nickel, manganese, chromium, and so on can also induce metallothionein but can not be bound to metallothionein and the induced metallothionein contains only zinc or zinc and a small amount of copper. A great diversity of stresses other than heavy metals such as starvation, operation, administrations of alkylating agents and inflammatory drugs also induces metallothionein. Glucocorticohormone which may be related to the stresses also induces metallothionein and high concentrations of metallothionein are observed in the livers of foetus and neonatus. Biological functions of metallothionein have been postulated to be a protective protein from harmful heavy metals and a regulating protein for the homeostasis of zinc and copper.

1 0 0 0 IR 2013年度図書館現場演習報告 / <足立区立中央図書館> / <茨木市立中央図書館> / <宇治市中央図書館> / <大阪市立中央図書館> / <大阪府立男女共同参画・青少年センター情報ライブラリー> / <大阪府立中央図書館> / <大阪府立中之島図書館> / <大津市立図書館> / <亀岡市立図書館> / <川崎市立多摩図書館> / <北広島市図書館> / <岐阜県図書館> / <京田辺市立中央図書館> / <京都市右京中央図書館> / <京都市立醍醐中央図書館> / <京都市伏見中央図書館> / <京都府立総合資料館> / <京都府立図書館> / <高知県立図書館> / <神戸市立中央図書館> / <国際日本文化研究センター図書館> / <国立国会図書館国際子ども図書館> / <国立国会図書館東京本館> / <国立女性教育会館女性教育情報センター・女性アーカイブセンター> / <札幌市中央図書館> / <城陽市立図書館> / <天理市立図書館> / <同志社国際学院> / <同志社国際中学校・高等学校コミュニケーションセンター> / <同志社女子大学図書・情報センター> / <同志社女子中学校・高等学校図書・情報センター> / <同志社大学図書館> / <同志社中学校・高等学校メディアセンター知創館> / <名古屋市鶴舞中央図書館> / <奈良県立図書情報館> / <枚方市立中央図書館> / <福岡県立図書館> / <野洲図書館> / <八幡市立図書館>

著者
堀内 由樹子 田島 祥 鈴木 佳苗 渋谷 明子 坂元 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.13-24, 2016

本研究では、中学生を対象とした 2 時点の縦断調査を実施し、レーティング区分ごとのゲーム ソフト利用による攻撃性および暴力に対する規範意識への影響を検討した。調査は、2008年度末と2009 年度末に実施し、東京、千葉、埼玉の公立中学校12校、1218名の中学生が分析対象となった。分析の結 果、男子学生では、C区分の暴力的ゲームソフト利用によって、1 年後の暴力に対する規範意識が低下 することが示された。B区分の暴力的ゲームソフトや非暴力的ゲームソフト利用ではこのような影響は 見られず、レーティング区分によって影響が異なることが一部で示唆された。
著者
鈴木 醇爾
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.44-56, 1991

この文章では、益田勝実さんが、高校国語教科書の編集者としてすごした三〇年の歩みをたどっている。総合国語時代から、現代国語時代、その前後一〇年ずつと、三時期にわけて、益田さんが発掘したすぐれた教材を紹介すると共に、その教材群がどのような国語科教育を生みだすかにも言及した。戦後の文学教育の中で、最もすぐれた達成であると論者は考えている。
著者
鈴木 敏彦
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.129-134, 2015
被引用文献数
1

2011年3月11日に発生した東日本大震災における犠牲者は,2015年2月現在で1万5,800名を超え,なおも2,500名以上が行方不明となっている.発見遺体は99%以上が身元が判明し,歯科所見に基づく生体情報の有効性が実証された.その一方で,多数の歯科医師の身元確認作業への動員という人的マネージメント,そして膨大な生前・死後情報の整理と,今後起こりうる緊急状況に備えた歯科診療情報の保全という情報マネージメントの面に代表される問題点も浮上している.本稿では,発災から4年間,身元確認作業で何が行われてきたかを継続的に見てきた立場から,身元確認の現場の状況と課題,そして今後の展望の整理を試みた.
著者
杉浦 令人 鈴木 美保 村田 元徳 亀頭 千鶴 江島 幸子 小野 早智子 佐藤 ゆかり 花輪 千草
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.C0162, 2006

【目的】脳卒中後遺症患者の大腿骨頚部骨折の発生率は、一般高齢者にくらべ4から12倍といわれている。大腿骨頚部骨折後のリハビリ訓練においても、脳卒中後遺症が阻害因子となり、骨折前の状態に復帰するまでに長期間かかる傾向にある。今回、当院回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期病棟)における脳卒中後の大腿骨頚部骨折患者の特徴を調査し、脳卒中後の大腿骨頚部骨折リハビリ訓練の強化点を検討したので報告する。<BR><BR>【対象】2003.4.1から2005.8.31までに、当院回復期病棟入院の大腿骨頚部骨折患者で、脳卒中既往のある37例(以下、脳卒中群)中、脳卒中に対しても当院でリハビリを行った7例を対象に、詳細な調査・検討を行った。年齢は平均73.7±9.4歳、全員女性、脳梗塞6例、くも膜下出血1例であった。また、この期間内に当院回復期病棟に入院した脳卒中の既往のない大腿骨頚部骨折患者は13例(以下、既往なし群)であった。<BR><BR>【方法】当院データベースをもとに、大腿骨頚部骨折の受傷側、受傷事由、入院期間、麻痺側運動機能変化、関節可動域変化、ADL変化、歩行率、歩行速度などについて調査した。また、脳卒中退院時評価と、大腿骨頚部骨折退院時評価の比較もおこなった。麻痺側運動機能はBrunnstrom Recovery Stage(以下、BRS)、関節可動域はRange Of Motion(以下、ROM)、ADLはFunctional Independence Measure(以下、FIM)にて評価した。<BR><BR>【結果】7例について受傷側は7例とも麻痺側、受傷事由はトイレへの歩行移動時での転倒6例、ベッドからの転落1例、入院期間101.1±51.0日、BRS下肢II:1例、III:3例、IV:1例、V:1例、VI:1例、ROM膝関節伸展脳卒中退院時0°:7例、頚部骨折退院時0°:2例、-5°:2例、-10°:3例、FIM運動合計脳卒中退院時71.7±5.4点、頚部骨折退院時72.3±8.5点、認知合計脳卒中退院時31.9±3.8点、頚部骨折退院時31.4±3.2点、歩行率脳卒中退院時60.424.2step/min、頚部骨折退院時43.3±15.2 step/min、歩行速度脳卒中退院時13.6±8.2m/min、頚部骨折退院時8.9±2.7 m/minであった。脳卒中群と既往なし群の比較では、入院期間は脳卒中群86.3±41.0日、既往なし群67.8±40.6日であり脳卒中群が18.5日長かった。FIMは、運動合計入院時:脳卒中群55.9±17.2点、既往なし群58.3±24.1点、退院時:脳卒中群68.3±16.1点、既往なし群71.1±21.8点であった。<BR> <BR>【考察】受傷側は、7例では100%麻痺側、脳卒中群全体でも92%であり、諸家の報告どおりであった。女性が多いのは、骨粗鬆症の関与も考えられるが、受傷事由も考え合わせると、介護者への遠慮により能力以上の行動をしがちな状況の可能性がある。今回の調査から、脳卒中後の大腿骨頚部骨におけるリハビリの強化点としては、不十分な関節可動域および効率の悪い歩行・歩容の改善が挙げられた。また、家屋改修や介護指導も、再度評価しなおす必要があると思われた。 <BR><BR>
著者
池原 研 畢 東 鈴木 泰輔 木下 泰正
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究会報
巻号頁・発行日
vol.29, no.29, pp.9-18, 1988

Heavy mineral analyses were made for 18 samples of marine surface sediments in the Osumi Strait, south of Kyushu, Japan. Hypersthene is the most abundant, common hornblende, augite and olivine are next among the non-opaque minerals. The amount of heavy minerals is rich in the southwestern part of the Strait. There is a tendency to decrease in the total amount of heavy minerals and in specific gravity of bulk sediments northeastward. Surface sediments tend to become finer in the same direction. The current velocity necessary to move the sediment grain is changed with the specific gravity at the same grain size, because the grains with higher specific gravity are less mobile than the grains with lower specific gravity. It is considered that the grains are transported to the direction toward which the sediments become lighter in specific gravity and finer in grain size. Therefore, surface sediments distributed in the Osumi Strait are moved from southwest to northeast. This direction is concordant with the dominant current direction in the Strait. This means that the sediments are transported by the ocean current, the Osumi Branch Current, one of the branches of the Kuroshio flowing through the Strait and that the sediment distribution is highly influenced by the current.
著者
中崎 秀徳 堀 和将 牛山 さほ子 美崎 定也 山口 英典 大島 理絵 手島 雅人 堀 拓朗 大坂 祐樹 高橋 泰彦 鈴木 晴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】近年,予防医学の重要性が増しており,障害を未然に防ぐことは大切である。また,病院の中だけでなく,地域生活の中で予防することが重要である。当法人における「痛み予防教室」は,「通院しないまでも予防法を知りたい」,「気軽に参加できる教室は興味がある」といった地域住民のニーズにより企画され,地域住民の関節痛予防および改善,関節痛に対する適切な運動方法の提示・指導を目的に行っている。「痛み予防教室」は,当法人のグループ病院から選出された運動教室運営委員によって構成されている。運動教室では,主に膝関節,股関節をテーマにして,関節痛の原因と予防に関する講義,関節痛の予防体操,筋力測定を1時間程度行っている。当初は,病院を退院された患者や近隣住民に対して,グループ病院内で1ヶ月に1回行っていたが,平成25年11月より,都内のカルチャーセンターより委託され,無料で運動教室を開始した。また,今年度は,カルチャーセンターの秋季イベントでの開催依頼を受け,当法人監修による個別健康相談会を実施した。今回,カルチャーセンターと連携して運動教室を行った実績および個別健康相談会での結果について報告する。【方法】平成25年11月から平成26年11月までの期間において,運動教室に参加した者および秋季イベントの個別健康相談会に参加した者を対象とした。運動教室の調査項目は,1)開催数,2)延べ参加者数,3)講座内容とし,後方視的に抽出した。個別健康相談会の調査・測定項目は,1)参加者の属性(年齢,性別),2)等尺性膝伸展筋トルク(伸展筋トルク)とし,「膝が痛い」,「股関節が痛い」など個別に相談がある参加者に対してのみ,疼痛等に関する問診表,生活の広がり[Life-Space Assessment(LSA)]および転倒自己効力感尺度[Fall Efficacy Scale(FES)]に関する質問に回答させた。統計解析は調査項目の記述統計を行った。さらに,伸展筋トルクとLSA,FESの関連をみるため,相関分析を行った。【結果】運動教室の開催数は12か月間で22回であった。運動教室の延べ参加者数は367名(1開催の平均数:16.7名,範囲:4-27名)であった。講座内容は膝関節講座11回,股関節講座11回であり,それぞれの参加者数は膝関節講座180名(平均16.4名),股関節講座187名(平均17.0名)であった。今期の個別健康相談会は2回実施し,延べ参加者数は91名であった。本相談会の対象者の属性は,年齢[平均値±標準偏差(範囲)]61.9±11.1(38-88)歳,男性10名,女性81名であった。そのうち,膝や股関節に痛みなどがあり,個別相談を行った参加者は20名(男性2名,女性18名)であった。参加者からの主な相談内容は,「関節痛に関すること」,「予防法や運動方法を知りたい」などがあり,相談後の感想として,「わからないことを相談できてよかった」,「自宅でも運動してみる」,「現在の筋力がどのくらいなのかわかった」などの声が聞かれた。また,個別相談者の伸展筋トルクは1.25±0.31(0.63-1.88)Nm/kgであり,LSAは100.2±22.4(52-120)点,FESは34.6±4.7(27-40)点であった。LSAでは,20名中6名が満点(120点)となり,天井効果が認められた。相関分析の結果,伸展筋トルクとLSAに相関は認められなかったが,伸展筋トルクとFES(r=0.52)に相関が認められた。【考察】対象者の活動範囲は伸展筋トルクと関連していなかった。天井効果は,対象者の能力が指標の上限に達して測定できない場合であり,特定の対象を評価した場合に生じるといわれている。LSAに関する先行研究では,高齢者を対象としたものが多いが,本研究の対象者は平均年齢61.9歳であり,先行研究と比較して若い参加者が多かったため,対象者の活動範囲を十分に評価できなかった可能性が考えられる。一方,対象者の転倒自己効力感は伸展筋トルクと関連していた。これは先行研究を支持する結果であった。下肢筋力の低下は,転倒恐怖感を招くことが予想される。運動教室において膝伸展筋力を測定して,対象者にフィードバックすることは,自身の現状を知ることによる自己効力感の向上に寄与するものと考えられる。参加者に対して,アドバイスや運動指導を行ったことにより,参加者のニーズに対応でき,地域住民の関節痛予防に貢献できたと考える。今後は縦断的に調査を続け,運動教室の痛み予防効果を明らかにすることが課題である。【理学療法学研究としての意義】理学療法士が地域の予防活動に積極的に参加することにより,地域住民の関節痛予防に貢献することができる。また,地域活動に参加することにより,理学療法士の認知度が向上し,予防分野での職域拡大につながると考える。
著者
鈴木 信吉 森屋 泰夫 山本 隆
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-88, 1987-02-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
5 5

一分子中に数個以上のO-O結合を持つポリ過酸化物 (PPO) を用いてビニルモノマーのブロックコポリマーの合成を行なった. 第一段重合はPPOで第一モノマーを重合させてポリマー中にO-O結合を持つブレボリマーを合成し, このポリマーに第二モノマーを付加重合させてブロックコポリマーを得た. メタクリル酸メチル (MMA) -スチレン (St) 及び酢酸ビニル (VAc) -スチレンの各等重量のモノマーの組合せについて行い, 次の組成の各ブロックコポリマーを得た. Poly- (VAc-b-st) /PVAc/PSt=68/24/8, Poly (VAc-b-St) /PVAc/PSt=84/6/10. 得られたブロックコポリマーについて, 成形物の電子顕微鏡による観察により, 微細な均一分散相を持つミクロ相分離構造を確認し, また, 相溶化剤としての機能も認めた.
著者
鈴木 誠 渡辺 敏郎 三浦 麻子 原島 恵美子 中川 靖枝 辻 啓介
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.507-511, 2002-07-15
参考文献数
20
被引用文献数
13 18

本実験ではFolin-Denis法の抽出溶媒の比較検討をおこなった.抽出溶媒には,蒸留水,各種濃度の含水メタノール,含水ェタノール,含水アセトン,およびDMSOを用いた.<BR>結果は各試料ごとに異なり,赤ワイン抽出物では含水エタノール,緑茶抽出物では含水メタノール,イチョウ葉抽出物では含水アセトンが高い値を示したが,DMSOで抽出すると,いずれの試料を用いた場合でも最も高い値を示した.また添加回収実験では,DMSOで抽出した場合に添加した(+)-カテキンが最も効率よく回収できた.このことより,Folin-Denis法における抽出溶媒にはDMSOが最も適していることがわかった.
著者
藤村 友美 鈴木 直人
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2007 (Released:2007-10-01)

人間の視覚において,周辺視は時間的に変化する情報に敏感であるといわれている(福田, 1996)。本研究では,周辺視において動的情報が表情認知に及ぼす影響を検討することを目的とした。表情刺激は,次元的観点に基づいて作成した表情から快表情3種類(いきいきした,うれしい,のんびりした),不快表情3種類(恐ろしい,怒った,悲しい)を抜粋した。課題は,見本照合課題を用いた。これは,中心視,左右周辺視のいずれかの位置に呈示されるターゲット表情(動画,静止画)と同一の表情刺激を後続の見本表情(静止画)の中から選択するというものである。結果は,中心視では,動画条件と静止画条件の正答率に有意な差は見られなかったのに対し,周辺視では,恐ろしい表情以外で動画条件の正答率は,静止画条件の正答率よりも有意に高かった。このことから,周辺視では,動的情報によって相対的に表情の認知的処理が促進されることが明らかになった。